【映画】不能犯

主演:松坂桃李、沢尻エリカ

原作は未読です。漫画(劇画?)が原作のようです。

観ていても連載漫画が原作なんだな、というのを感じます。おそらく原作は一話読み切りの形で、人気が出たので中編や長編を混ぜているのだと思います。その中から人気の出そうなエピソードを選んで二時間の映画にしたみたいです。

一番の問題はクライマックスの爆弾魔のエピソードにあります。連載漫画だと読者が不能犯に十分に馴染んだ後で、宿敵として爆弾魔を出すなら盛り上がるところですが、2時間の映画で登場すると焦点がぼやけてしまいます。客観的に言って、マインドコントロールで一人づつ人殺しをしている不能犯より、幼稚園に爆弾を仕掛ける奴の方が悪としては大物に見えます。

連載漫画だと連載中に設定を微妙に変えてくることがありますが、おそらくこの「不能犯」も同じです。不能犯に殺人を依頼しても、「殺意が純粋でない」としっぺ返しを食らうというのを作品のキーメッセージみたいになっていますがが、映画を見た限り意味が分かりません。殺したいと思った相手にも実は事情があった、というのが繰り返されますが、事後に何を知ろうと依頼時には純粋に死を願っていたはずです。純粋でなかったようには見えません。

連載中の設定変更を意識せずに、無理やり一本の映画にしたような気がします。

あと、ロングヘアで颯爽とした感じの女性というのを何人も出すというのは監督の趣味なのでしょうか?

出演する役者が好きな人にならお薦めできます
スポンサーサイト

【映画】宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち/第四章 天命篇

「天命」:
1)天の命令。上帝の命令。
2)天から与えられた人の宿命。天運。
3)天から定められた寿命。天寿。

広辞苑より


宇宙戦艦ヤマト2202の第四章です。

ついに復活したデスラー総統が活躍します。ただし何で生きていたのかの説明はありません。誰も気にしてないのかな?

旧作の「宇宙戦艦ヤマト」シリーズでは、狂った独裁者だったデスラー総統が復活した後いい人になってしまい、キャラクターがおかしくなっていました。ああいう役はドメル将軍が生きていたことにしてあてはめるのがすっきりします。ビジュアル的な理由で人気が出たデスラー総統を活躍させようとして、人気の面ではともかく作品としての価値を損なったのは否めません。

リメイクである2202ではこれをどう処理するのか気になるところですが、今のところ、いい人化は起こしていません。第四章だけではわかりませんが、性格が破綻することなく進行できるかもしれません。

あと、旧作の「さらば~」や「永久に」では敵側に謎の女性キャラが出てきました。女神が登場するのだから悪い女も出したいということだったのかもしれませんが、思わせぶりな割には活躍せずに退場してしまいました。

今回の悪い女であるサーベラーはかなり凝った設定がありました。きちんと掘り下げていったら面白くなるかもしれません。

デスラーが瞬間物質転送装置というガミラス由来の技術で攻撃してきますが、ガトランティスは他人の技術を盗むやつらだ、という説明があるためかヤマトの乗員はガミラスをまったく疑いません。3章まで観た感じでは地球人はかならずしもガミラスを信用しているわけではないはずです。まさかデスラーの復活までは考えつかなかったにせよ、ガミラスの残党が攻撃してきたのでは、と疑うシーンくらいあってもよさそうなのですが・・・

それと反射衛星砲も出てきます。これは本当にガトランティスが盗んだものでした。しかし2199の反射衛生砲は、遊星を加速発射させる装置だったのを、冥王星現地司令官の思い付きで直接攻撃兵器に転用したものです。冥王星にいた部隊は全滅していますので、反射衛生砲を直接攻撃につかうという発想がガトランティスに伝わるはずはありません。疑問です。

最期。ついにヤマトクルーはテレサと対面しましたが、ガトランティスの危険をしらせるだけなら、わざわざ呼びつける必要はないはずです。テレパシーで十分です。旧シリーズではテレザード星が侵略されているので救援を呼んだというきちんとした理由があったのですが・・・

【映画】劇場版 マジンガーZ INFINITY

「マジンガーZ」は、ロボットアニメの原型となった作品です。「鉄腕アトム」とか「鉄人28号」も源流なのですが、型をつくったという意味では「マジンガーZ」が始祖となります。そもそも本来的には、操縦者が乗り込む機械をロボットとは言いません。人が操縦する人型機械をロボットと言い出したきっかけは「マジンガーZ」だと思われます。

「マジンガーZ」が確立したパターンとは、敵ロボットが研究所(基地)を攻撃しヒーローロボットが撃退するのを毎週繰り返すというものです。「機動戦士ガンダム」でようやく別のパターンが生まれましたが、研究所にあたるものが戦艦(というか空母)であり敵ロボットが襲い掛かるという点では「マジンガーZ」型と言えなくもありません。「エヴァンゲリオン」に至ってはもっとあからさまな「マジンガーZ」型です。

このように「マジンガーZ」の与えた影響は多大なものです。

さて、「マジンガーZ」の新作映画ですが、後日談という形です。観客はほぼオールドファンと見受けました。10年ほどまえにも新作(真マジンガー 衝撃! Z編)がTV放映されましたが、あまり話題にならなかったので、残念ながら、最近の子供に知名度があるとは思えません。

昔のファンは大人になってしまったので、もっとシリアスに寄せればいいと思ったのですが、内容は子供向けです。その割には「エヴァンゲリオン」っぽいことをしているチグハグさが気になります。昔の雰囲気(子供向け)につくりたいのであれば、後日談ではなく、リメイクにすべきだったと思います。

機械獣も大量に出てきて大量にぶっ壊されるというのは、TVシリーズのように積み重ねてきた後の最終話であれば納得ですが、いきなり映画でやられると味気ないものです。

「宇宙戦艦ヤマト」の新作シリーズも「ジャイアントロボ」の新作シリーズも満足のいくものでしたが、「マジンガーZ INFINITY」はちょっと残念な結果でした。

【映画】否定と肯定

1994年、イギリスの歴史家デイヴィッド・アーヴィング(ティモシー・スポール)が唱えるホロコースト否定論を自著「ホロコーストの真実」で否定していたユダヤ人の女性歴史学者デボラ・E・リップシュタット(レイチェル・ワイズ)は、アーヴィングから名誉毀損で提訴される。やがて、法廷で対決することになった彼女のサポートのためイギリス人による大弁護団が結成され、歴史の真実の追求が始まり……。


この映画の公開前にリップシュタット氏へのインタビュー記事が新聞に載りました。このBlogでも取り上げています。

映画の冒頭、リップシュタット氏は教え子の学生に、”なぜホロコーストがあったと断定できるのか?”と問いかけます。学生はあれこれ答えていますが、リップシュタット先生が学生の意見を次々と否定し自身の回答を示す前に場面が変わります。映画的には、映画の中で回答が示されますよ、という作りでしょう。それなのに、リップシュタット氏は、”ホロコーストがなかったというのはプレスリーが生きていたと主張するのと同じだ!”という謎理論を振りかざすだけで、まともに答えません。アウシュビッツで証拠を集めようとする自分が雇ったイギリス人弁護士にも冷たい目を向ける始末です。

日本人にとってはアメリカもイギリスも外国なので分かりにくいのですが、アメリカ目線で描いたこの映画は、おかしな国イギリスで孤軍奮闘するアメリカのタフな女性という構図です。

リップシュタット氏は、”私はアメリカ人だから”という理由にもならない理由で開廷日にイギリス法廷での慣習である裁判長へのお辞儀をしません。イギリス弁護士の法廷戦術も気に食わず当たり散らします。なのに、勝訴を言い渡されることが分かっている日はちゃっかりお辞儀をしますし、勝利後は弁護士を手放しで称賛します。

イギリスでは被告側が立証責任を負う(アメリカとは反対)というのも、イギリスは変な国ということを強調するために使われます。正直言って、この説明は私には理解できませんでした。名誉棄損なのだから原告はどういう風に自分の名誉を汚されたのかを主張し、被告はそれが名誉棄損には当たらないことを主張するというのが普通で、実際裁判もそういう風に進んでいました。アメリカとどう違うのでしょうか?

制作者の意図に反していますが(もしかしたらそういう意図を隠していたのかもしれませんが)、私には映画のリップシュタット氏は鼻持ちならないアメリカ人にしか見えませんでした。


参)【朝日新聞】映画「否定と肯定」公開前のインタビュー

【映画】ゴッホ 最後の手紙

英・ポーランド合作のアニメ映画

フィンセント・ファン・ゴッホの死の真相を求めてゴッホの友人の息子が関係者を訪ね歩き、生前のゴッホに肉薄します。

結局、はっきりした回答はでないので話としては消化不良で終わります。

しかし、この映画の価値はそんなところでははかれません。アニメーションの絵をゴッホ調の油絵(総枚数62450枚、1秒12枚、125人の絵かきによる)という正気を疑いたくなる映画です。

アニメーションとしては動きにムラが多く不自然なのですが、それが奇妙な迫力を持っています。ゴッホの絵が動き出した、という面白さではなく、こうした映像を作り出す、良く言えば職人気質、悪く言えば狂気にあてられました。

メイキング映像つきのDVDが出たら買ってみたいです。
sidetitleプロフィールsidetitle

えいび

Author:えいび
日々の出来事、映画やアニメの感想です。

sidetitle最新記事sidetitle
sidetitle最新コメントsidetitle
sidetitle最新トラックバックsidetitle
sidetitle月別アーカイブsidetitle
sidetitleカテゴリsidetitle
sidetitleFC2カウンターsidetitle
sidetitle検索フォームsidetitle
sidetitleRSSリンクの表示sidetitle
sidetitleリンクsidetitle