【ウルトラセブン】第二十九話:「ひとりぼっちの地球人」

プロテ星人登場

地球ではその才能を認められない天才科学者が宇宙人の甘言に乗ってしまいます。科学者は自分を認めてくれた宇宙人(プロテ星人)の星に“亡命”をしようとしますが、プロテ星人は地球侵略のための資料を集めています。まさかプロテ星人が地球侵略を企てていたとは知らなかった天才科学者は自分の命を犠牲にしてプロテ星人の企みを阻止します。

注意したいのは、プロテ星人は天才科学者を騙すつもりではなかったということです。地球から亡命したがっていたぐらいなのに地球が侵略されるのはいやだというのは、プロテ星人の理解を超える感情でした。

日本の科学者が海外に出て行ってしまう頭脳流出などの社会風潮に着想を得たのかもしれません。
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【ウルトラセブン】第二十八話:「700キロを突っ走れ!」

恐竜戦車登場

この回は、フランス映画「恐怖の報酬」に着想を得たようです。

地球で開発した高性能火薬を輸送中に何者かに襲撃され爆発しまいます。再度輸送を試みますが、敵に気づかれないためにラリーに偽装します。

ドライバーはダンとアマギ隊員。実はアマギ隊員は子供の頃に植えつけられたトラウマで爆発物に恐怖心があります。アマギ隊員はスカイダイビングも怖がっていましたし、よくころでウルトラ警備隊に入れたものです。途中でアマギ隊員は交代を申し出ますが、隊長は許しません。

実は、ラリーカーには高性能火薬がつんでいませんでした。アマギ隊員もダンも知りませんでしたが、敵を欺くためと、アマギ隊員にトラウマを克服させる、という二つの目的があったのです。

「恐怖の報酬」だけでは子供受けがしないと判断したのか、戦車の上に恐竜が鎮座する異様な形体の恐竜戦車とウルトラセブンの闘いもあります。

敵は明らかに高性能火薬を奪取しようとしたこともあります(気球でラリーカーを空中に盛り上げる作戦)し、明らかに爆破しようとしたこともあります(オートバイでの特攻作戦)。最初の爆破ももしかしたら奪おうとしたものが、事故で爆発してしまっただけかもしれません。なにかの事情で奪取と爆破を揺れ動いていたみたいです。

ラリーカーで高性能火薬を運ぶことはもちろん一般には知らせていませんし、実はラリーカーには載せていないことは一般の隊員にも知らせていません。敵はラリーカーにあると考えて襲ってきていますので、地球防衛軍の内部情報をある程度は知っていたはずです。そして、隊長たち幹部は内部に情報提供者がいると考えていたはずです。実際いたのでしょう。

なお、この回の冒頭で、ダンとアンヌがデートしています。最終回に向けて二人の関係が進展していることが分かるシーンです。

【ウルトラセブン】第二十七話:「サイボーグ作戦」

ボーグ星人登場

いままで「ウルトラQ」と「ウルトラマン」の感想を書いてきて、現在は「ウルトラセブン」に取り組んでいます。この一連の記事で心がけているのは、なるべく作品の“内側”に立った見方をするということです。

具体例を「ウルトラマン」の第二十三話「故郷は地球」の回で示します。ここで私は制作者の意図とかメッセージとか、ジャミラが象徴するものは何だろうか、という角度では語っていません。あくまでこの回の出来事が現実にあったと仮定し、その作品にあるささいな疑問を膨らませて合理的な解釈を提示しています。

いわば、古文書と歴史家のような関係です。

しかしこの方法がつねに使えるわけではありません。同じく「ウルトラマン」の第二話「侵略者を撃て」の回では、“宇宙語”に苦労するイデ隊員の姿を、日本人と英語の関係の暗喩だろうと述べました。作品の“外側”からの論評です。

これを無理矢理“内側”から分析し、“この世界での地球は他の惑星文明と交流があった”などと言うのはかえってナンセンスです。

できるだけ内側から論評したいと思っていますが、やむを得ず外側から論じる場合もあります。

長々と私の論評の作法を説明したのは、この「サイボーグ作戦」はどう解釈しても“内側”から論じることができません。シナリオに傷が多く、うまい解釈が思いつきません。かといって、何かを象徴しているとか時代性の表れ、という“外側”からの解釈もできません。

具体的にいくつか挙げてみます

まず、サイボーグ化されボーグ星人に操られるノガワ隊員がわざわざ基地内で警備員を襲いながら爆弾を仕掛けているのが変です。だまって爆弾だけ仕掛けていれば済むのにわざわざ人目をひくことをしています。

裏切り者の処刑だといってわざわざ基地内に侵入するボーグ星人もおかしいです。基地に爆弾を仕掛けているのですからそんな面倒なことをする必要はありません。

爆弾は次々と解除されて最後の一個になりますが、ここでボーグ星人はウルトラセブンに、お前の体についている、とご親切にも教えます。意味不明の行動です。

このようにあまり出来のいい回だとは思えません。あえて良いところを挙げると、ボーグ星人のデザインがかっこいいところぐらいです。

【ウルトラセブン】第二十六話:「超兵器R1号」

ギエロン星獣登場

米ソの核抑止力体制をモチーフにした話だと思われます。

地球防衛軍は水爆の8000倍の威力を持つ惑星攻撃用兵器R1号を完成させます。地球に侵略する宇宙人がいたら、その母星ごと吹き飛ばそうという構想です。地球がR1号を持っていることを積極的に宇宙に知らせ抑止力とするのは、まるっきり核抑止の考えです。

この研究をしているのが美人科学者です。「ウルトラセブン」の世界だと美人が出てくれば凶悪な侵略宇宙人の変装というのが多いのですが、今回は純正の地球人です。

しかし、凶悪宇宙人並みに、恐ろしいことを計画します。しかもニコニコしながらなのでいっそう怖いです。

核兵器同様R1号も実験をしないとなりません。技術的な側面からも当然ですが、示威行為のための武器なのでやってみせることは大切です。

生物がいないと思われるギエロン星がその実験場に選ばれました。美人博士は大乗り気です。

しかしどうしたわけかギエロン星には生物(ギエロン星獣)がいました。ギエロン星獣は、復讐のためなのか地球にやってきます。もともとああいう姿だったのかR1号の爆発のせいであの姿になったのかは判然としませんが、ギエロン星が消滅した原因が地球にあると分かっていたようなので(偶然地球に攻撃を仕掛けたと考えるのは無理です)、みかけによらず知性は有しているか、有していたようです。

今まで最新兵器で武装したウルトラ警備隊をかっこ良く描いていた「ウルトラセブン」では、やや唐突な感じがしますが、時代背景を考えるとかなり硬派な作りです。単なる子供向けとは思えません。これが、いまでも「ウルトラセブン」が愛される理由だと思います。

【ウルトラセブン】第二十五話:「零下140度の対決」

ポール星人登場

地球を二度凍らせたポール星人がまたも地球を凍らせにやってきます。

ダンは吹雪となった基地周辺で、エンストを起こしたポインターを乗り捨て徒歩で帰投しようとします。しかし途中でウルトラアイを落としてしまうという痛恨のミスをしでかします。

しかも、ここで明らかになりますが、ウルトラセブンは太陽エネルギーで活動しているため寒さに弱いという弱点がありました。その割に宇宙空間を平気で飛び回っていますので、温度そのものが問題なのではなく、太陽光線を直接浴びられるかが問題なのかもしれません。

意識朦朧のダンの前にポール星人が現われます。このポール星人の造形が秀逸です。他の星人のような着ぐるみではなく、影絵です。ポール星人の異様さが表現されています。

ポール星人は怪獣ガンダーを繰り出します。

ウルトラアイがないので、カプセル怪獣で対抗します。今回はミクラスにお呼びがかかりました。いままで何度もウルトラアイが手もとからなくなりましたが、カプセル怪獣のカプセルだけはなくしません。ウルトラアイもそのくらい厳重に管理しておけばいいのに・・・・・・

ミクラスでは通用しませんでしたが、なんとかウルトラアイを見つけてウルトラセブンに変身できました。しかし、エネルギー切れで息も絶え絶えの状態です。

一方のウルトラ警備隊基地でも地下の原子炉を破壊され基地放棄寸前まで追い込まれます。

かつてないピンチです。

ウルトラ警備隊とウルトラセブンの連携でなんとかガンダーを倒し、ポール星人を退けることはできましたが、去り際ポール星人は“ウルトラセブンの弱点を見つけたからこれはこれで満足”という風でした。

ポール星人は事前にモロボシ・ダンがウルトラセブンであることを知っていました。知っている宇宙人と知らない宇宙人がいますが、ポール星人は知っている方のチーム(?)です。チームかどうかはともかくなんらかの情報共有はあるはずです。ここでポール星人に弱点を知られた、というのは他の星人にも伝わる可能性があり、かなりまずいことです。

「ウルトラセブン」(全49話)もいよい後半に差し掛かかり、なかなか不穏な空気が漂ってきています。
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えいび

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