【朝日新聞】「こんな人たち」は「個人」の集まりなのか

7月20日朝日新聞朝刊のオピニオン欄。日本大学大学院法務研究科教授(憲法学)の蟻川恒正氏による「憲法季評」。『「こんな人たち」首相発言 国民を「個人」と見ぬ不明』

 7月2日の都議選で敗れたのは、自民党東京都連というよりは、安倍内閣である。内閣支持率が投票日を前に急落し、選挙での歴史的大敗のあと更に落ち込んだことは、この観測が大きく誤っていないことを裏づける。選挙戦最終日、応援のため秋葉原駅前に立った安倍晋三首相は、集まった多くの市民による「安倍辞めろ」「帰れ」の連呼に「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と叫んだ。
(略)
 この発言で注目すべきは、「こんな人」ではなく「人たち」である。秋葉原でのうねりのような連呼を受けて、ネットでは「あれは共産党に動員されたのだ」といった風説が流れた。首相もまた、連呼する市民を何らかの組織の人たちと直感的にみなしたものと思われる。演説を邪魔されたと感じたとはいえ、1票でも多く票を取り込みたい投票日前日に有権者を攻撃することができたのは、「こんな人」呼ばわりをしても、失う票はその組織の「人たち」の票だけであり、コアな支持者の結束はむしろ高まると判断したからではないか。だが、その判断は誤りであった。事態を動員に帰す前記の風説に対し、連呼に参加したと言う人々から、「誰にも指図されず一人で行きました」という声が相次いだ。「私は行けなかったけれど、自分の声を代弁してもらえたと感じた」と、名も知らぬ参加者に感謝する不参加者のツイートが続いた。
 「辞めろ」の連呼は自発的に湧き起こったものと考えるほかない。秋葉原で首相の眼前に現われた政権批判者には、彼ら自身も気づいていなかったが、相互に独立した無数の「同志」がいた。だからこそ、あのような開票結果になったのである。
(略)  


普通に考えて、首相が「こんな人たち」と批判をしたのは、選挙期間中の演説を邪魔するように罵声を浴びせかけてきたからです。動員かどうかを問題視したわけではありません。

また、「こんな人たち」の全てが、だれかの指図を受けてきたわけではないことは、認めますが、十中八九、“安倍首相に「辞めろ」コールをしてやろう”という誘いかけはあったはずです。指図されて集まった人たちでないから「辞めろ」の連呼が自発的、というのは飛躍があります。

この後、蟻川氏は安倍首相が『国民を「個人」と見ぬ不明』の持ち主、と非難しますが、前提が間違っていますので、説得力皆無です。

蟻川氏は、野党の党首の演説にも「個人」が集まって演説を邪魔する可能性も考えるべきです。その時も『「辞めろ」の連呼は自発的』と言うつもりでしょうか?
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【朝日新聞】移民が日本の「切り札」だって?

7月16日朝日新聞の「日曜に想う」のコーナーは、編集委員大野博人氏の『日本が温存する「切り札」』です。

(略)
暴力団員の4割超が50歳以上――。少し前、そんな話を小紙東京本社版の夕刊で見た。「暴力団排除条例が施行された影響で、組員になろうとする若者がめっきり減った」ことなどが理由という。
 なるほどこうやって暴力団は衰弱していくのか、などと思いつつ、ふと考えた人も少なくなかったのではないか。自分たちはどうなんだろう、と。
 国立社会保障・人口問題研究所の統計に当たってみる。その2015年の調査データによると、日本の総人口の中で50歳以上の割合は45・7%。実は一般社会が暴力団よりずっと先に進んでいる。
(略) 
 「地方創生や1億総活躍を言っても加速度的に人口が減る中では意味がない」と話すのは、日本国際交流センター執行理事の毛受(めんじゅ)敏浩さん。近著「限界国家」で、積極的な移民受け入れ政策にかじを切るべきだと主張している。「同じように考える政治家は多いはず。カミングアウトしてほしい」ともどかしそうだ。
(略) 
 もう10年以上前に、毛受さんは欧州で移民政策の専門家から「日本はダチョウのようだ」といわれた。迫り来る人口動態の危機を、砂の中に頭を埋めて、ただ見ないようにしている。「閉鎖的な国が最後にどうなるか、それを示す反面教師みたいに海外から見られています」
(略)


変な理屈です。

暴力団員には生まれたばかりの赤ん坊もいなければ、超高齢者の老人もそうはいないでしょう。暴力団員の4割超が50歳以上なのと、日本の総人口で50歳以上が45.7%なのは同じ土俵で語ることではありません。

暴力団の年齢構成のいびつさは、社員の4割超が50歳以上の会社を仮想してみればだいたい想像がつきます。

さて、移民問題については毛受氏の本のレビューでも語っていますので繰り返しませんが、欧州で10年以上前に『移民政策の専門家から「日本はダチョウのようだ」といわれた』というのがおかしかったです。

移民を受け入れ続けた欧州はのたうち苦しんでいるように日本からは(少なくとも私からは)見えます。この移民政策の専門家も、自国のことは棚にあげて、いまだに「日本はダチョウ」のようだ、と思っているのでしょうか。

ところで、冒頭で暴力団員の年齢構成と国の年齢構成を比較するのはおかしい、と指摘しましたが、よく考えると関係することがないわけでもない、と思い至りました。

移民を受け入れて日本の年齢構成を若返らせたら、暴力団員も移民によって若返ることでしょう。

それだけでもまっぴらごめんです。

参)【本】人口激減 移民は日本に必要である

【朝日新聞】共謀罪と日本人論

7月11日朝日新聞朝刊オピニオン欄の「耕論」のコーナー。共謀罪についてです。3人の識者のインタビューが載っていますが、その中の一つ、龍谷大学教授で元法務省の浜井浩一氏の「相互不信 見張って安心感」を引用します。

 「共謀罪」の導入で、「日本が監視社会になってしまう」と危惧されています。しかし、もともと日本人には、監視されたい、監視したい、という気持ちがあるんじゃないかと思うんです。
 監視カメラの防犯効果について、国際的にデータを集めた研究では、駐車場での車上狙いなどはある程度減るが、それ以外の場所での窃盗や暴力犯罪には効果が認められていません。
 でも、事件が起きると、真っ先に「監視カメラの映像はないのか」とメディアも一般市民も思うようになっている。その意味では、防犯効果があるか否かにかかわらず、監視カメラを多くの人は求めているわけです。
 社会心理学者の山岸俊男さんは、日本人は必ずしも互いを信頼していないが、相互監視によって安心社会を築いてきた、と言っています。互いを監視する中で、誰かに迷惑をかければ、社会から排除されてしまう。だから、誰も自分に害をなすことができないはずだと安心している、というのです。
 しかし、地域や家族の絆が弱まり、終身雇用も崩れた結果、人間関係での監視がうまく機能しなくなっています。その代用として、監視カメラが求められるようになったのでしょう。
(略)


監視カメラの防犯効果が少ないからといって、事件があった際に監視カメラの映像が求められることは矛盾でもなんでもありません。防犯と検挙率の話は全く無関係ではありませんが、別々に考えるべきことです。現実に事件が起きてしまったら、監視カメラの映像がないか、と考えるのは自然なことです。

また、監視カメラがあるのは日本だけではありません。したがって、防犯カメラを求める声があることを根拠に「もともと日本人には、監視されたい、監視したい、という気持ちがあるんじゃないかと思うんです」という結論は誤りです。

ただしくは、世界中(監視カメラを市民が同意していないのに強圧的に設置している国を除く)の人々は「監視されたい、監視したい、という気持ちがある」とすべきです。

もちろん、こんな結論は馬鹿馬鹿しいものです。

よく考えずに、つまらない日本人論を展開するからこういう錯誤をしたのでしょう。

【朝日新聞】勘違いしているのは朝日新聞の方です

7月13日朝日新聞の社説「民進党 勘違いしていませんか」より

 民進党は大きな勘違いをしているのではないか。
 東京都議選の敗因分析に向けた党内議論を見ていると、そんな疑問を抱かざるをえない。
 国会議員の会合では「解党的出直し」を求める声に加え、蓮舫代表の「二重国籍問題」に矛先が向いた。蓮舫氏は「いつでも戸籍開示の用意がある」と、戸籍謄本を公開する意向を示したという。
 民進党の議員たちに問う。
 蓮舫氏が戸籍を公開すれば、党勢は上向く。そう本気で思っているのか。
 旧民主党政権の挫折から4年半。民進党が民意を受け止められない大きな原因は、そうした的外れな議員たちの言動にこそあると思えてならない。
(略) 
(民進党が民意を受け止められない大きな原因は)政党にとって何よりも大事な政策の軸が、定まらないことが大きい。
(略)
 「二重国籍」問題で、蓮舫氏の説明が二転三転したことは、公党のリーダーとして不適切だった。
 だが、主な敗因とは思えない「二重国籍」問題に議員たちがこだわるようなら、国民はどう受け止めるだろう。
 もう一つ懸念されるのは、蓮舫氏が戸籍謄本を公開することが社会に及ぼす影響だ。
 本人の政治判断とはいえ、プライバシーである戸籍を迫られて公開すれば、例えば外国籍の親を持つ人々らにとって、あしき前例にならないか。
 民進党と蓮舫氏はいま一度、慎重に考えるべきだ。


蓮舫代表が「二重国籍問題」の解消するため戸籍謄本の開示の意向を示したことは、遅かったとはいえ歓迎します。

原則としては、二重国籍でも国会議員であることは法的に認められているのですから、蓮舫代表が二重国籍であったとしてもかまいませんし、離脱して日本国籍のみになったというのであればさらに問題ありません。

私も、蓮舫代表がテレビで二重国籍であることをきっぱり否定したのを見て、その言葉だけで信用しました。

しかし、この返答は間違いでした。朝日新聞が認めているように二転三転したのです。もはや言葉だけでは信用できません。

きっちりと証拠を出さなければ、ゴタゴタはいつまでも続きます。

舌鋒するどく自民党を追い詰めても、自分達の醜聞に沈黙していれば国民は支持しません。政策論争はその次の話です。

戸籍謄本の開示は、党勢回復の十分条件ではありませんが、必要条件です。

外国籍の親を持つ人々への悪しき前例になるという指摘は的を射ていません。

二重国籍でも私人であれば問題にもなりません。

公人の場合は、今後二重国籍者に戸籍謄本開示を求められようになるかもしれませんが、その責任は蓮舫氏にあります。蓮舫氏がはじめから本当のことを言っていれば、戸籍まで見せろという声はそれほど大きくはならなかったはずです。ここで蓮舫氏が開示を取りやめたって、その流れは止まらないでしょう。

【朝日新聞】TV欄:藤井四段の連勝ストップ

将棋の藤井四段が更新していた連勝記録がついに止まりました。決着がついたのは昨晩の9時31分です。今朝の新聞では、都知事選の結果が出た後にもかかわらずこの話題が大きく取り上げられていました。当然、テレビでも都知事選とならんでこの話題なのですが、テレビ欄に載った予告が興味深かったです。

朝日新聞の東京14版を見ています。

まず朝の8時までの番組の予告を見てみます。

藤井四段連勝止まる(NHK:おはよう日本)
藤井四段連勝止まる(日本テレビ:ZIP)
藤井聡太を止めた男イケメン棋士の戦略(テレビ朝日:グッド!モーニング)
藤井四段連勝止まる ひふみん&師匠が解説(フジテレビ:めざましテレビ)


どれも連勝が止まったことを打ち出しています。

次に10時ごろまでの番組の予告を見てみます。

藤井四段ついに敗れる(1)生解説ひふみんが明かす敗因(2)プロ棋士収入って?(日本テレビ:スッキリ!!)
藤井四段30連勝ならず次の戦いは将棋の頂点「名人伝説」(テレビ朝日:羽鳥モーニングショー)
藤井四段破ったイケメンは誰?(TBS:ビビット)
連勝ならず藤井四段(フジテレビ:とくダネ!)


この時間帯も連勝ストップを打ち出しています。

次に14時までの番組の予告です。

藤井敗れるイケメン棋士徹底取材(日本テレビ:PON!)
藤井四段連勝ならず ひふみんが生解説(テレビ朝日:スクランブル)
藤井四段30連勝挑戦 対戦相手は去年敗れた実力者・・・(TBS:ひるおび!)
藤井四段30連勝に挑戦 大記録支える縁の下の力持ち(ブジテレビ:ノンストップ!)


不思議なことにTBSとフジテレビの予告では連勝が止まったことが伝わっていません。TBSは対戦相手にスポットをあてている風なのでまだわからなくもありませんが、フジテレビにいたっては30連勝したみたいな予告です。

16時までの予告も見ています。

藤井四段VS最強刺客 だちゃれ七段VSデーブ(日本テレビ:ミヤネ屋)
藤井聡太四段竜王戦(TBS:ゴゴスマ)
藤井四段30連勝かけイケメン棋士と熱戦(フジテレビ:直撃ライブグッディ)


驚くべきことにこの時間帯では、すべての局で連勝が止まったことが伝わっていません。

最後に19時までの予告です。

藤井四段連勝止まる 勝敗を分けた一手とは(日本テレビ:every)
藤井四段30連勝へ熱戦 勝敗分けた“一手”は(テレビ朝日:Jチャンネル)
イケメン棋士と勝負 藤井四段結果に地元は(TBS:Nスタ)
藤井四段ついに敗北(フジテレビ:みんなのニュース)


テレビ朝日とTBSが連勝ストップを伝えていません。


予告で、“連勝ストップ”とか“藤井四段敗れる”とか書いていないのは、ほぼ間違いなく結果を受けての訂正が間に合わなかったからです。

早い時間帯では、連勝ストップを伝えられているに遅い時間帯だと伝えられなくなっています。一部、夕方に持ち直している局もあります。

おそらく、早朝の番組担当者(新聞社に見出し変更を伝える係)は、勝負の結果の出た21時半から訂正のギリギリまでの時間帯に起きて仕事を始めていたのでしょう。一方で、昼の番組担当者は、すでに寝ていて、夕方の番組担当者はまだ寝ていなかったのだと想像できます。


それにしても“イケメン”というのが頻繁に出てきます。

藤井聡太を止めた男イケメン棋士の戦略(テレビ朝日:グッド!モーニング)
藤井四段破ったイケメンは誰?(TBS:ビビット)
藤井敗れるイケメン棋士徹底取材(日本テレビ:PON!)
藤井四段30連勝かけイケメン棋士と熱戦(フジテレビ:直撃ライブグッディ)
イケメン棋士と勝負 藤井四段結果に地元は(TBS:Nスタ)


と民放は4局すべて”イケメン”です。

語彙が乏しいです。
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えいび

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日々の出来事、映画やアニメの感想です。

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