【朝日新聞】移民? 難民?

3月25日朝日新聞朝刊。イスティチョアイアブドゥラ駐日EU大使のインタビューです。記事の見出しは「移民発生させぬ対策を」となってます。

変な、見出しです。移民というのは受け入れるとか受け入れないとかであって、“発生”するものではないでしょう。“発生”という言葉は譲ったにせよ、発生させたくなければ流入させなければいいだけです。移住したいといっている人間すべてを受け入れる義務はありません。対策なんて必要ありません。

記事を引用します。

(略)
 移民問題への対応にも変化が求められている。アフリカや中東からの移民の玄関口になっているイタリアやギリシャなど、一部の国に大きな負担がかかっている。こうした国に財政的、人的支援がもっと必要だ。
 EUにとって想定外だったのは、労働市場の需要の高まりに応じて受け入れた移民に続いて、さらに多くの人々がやってきたことだ。移民を発生させないための対策強化も求められている。中東や北アフリカ諸国への投資やインフラ整備を通じ、雇用を生んだり、治安を改善したりすることが必要だろう。
(略)
 (聞き手・津阪直樹)


移民の玄関口がイタリアやギリシャというのもわかりません。

大使は、移民のことでなく、難民のことを言っているのではありませんか?

EU大使というのがどのくらい偉いのかよく知りませんが、おそらくエリート階層だと思います。そのエリートが移民と難民の区別がついていないのだとすると、一般人はもっとわかっていないはずですから、かなり問題です。

津村記者には、そこら辺を追求してほしかったです。
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【新聞】事件の匿名報道

朝日新聞の記事より引用します。

フジテレビ社員による車の名義貸し問題で、警視庁は22日、元記者(32)=東京都品川区=と、名義貸しを依頼した無職男性(59)=同新宿区=を電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で書類送検し、発表した。フジテレビによると、元記者は男性に約230万円を貸していたという。
 フジによると、元記者は男性と出会った2013年4月以降、「仕事の金が必要」と頼まれ、複数にわたって計約230万円を貸した。約170万円が返済されていないという。2人は月1回ほど会食し、高級飲食店での平均約15万円の2次会代金は20回以上、男性側が負担したという。
(略)


朝日だけを引用しましたが、ネットで読売新聞、毎日新聞、サンケイ新聞の記事も読んでみました。どれも一様に実名を伏せています。

事件は、報道記者が取材を通して知り合った組織犯罪の構成員に取り込まれた、というものです。報道機関にとっては非常に重大な問題です。

にも関わらず、各社横並びで実名を伏せるというのは、かばいあいをしているとしか思えません。

この案件が実名で報道できないなら、ほかの事件の被疑者も実名での報道は控えるべきです。

【新聞】天皇譲位と憲法

3月18日朝日新聞朝刊オピニオン欄。政治学者・原武史氏はインタビューで天皇退位の問題を語っています。

 ――特例法に向けて与野党が合意し、天皇の退位が現実味を帯びています。これまでの流れをどう見ていますか。
 「はっきり言っておかしいと思います。いまの憲法下で、天皇は国政に関与できないはずです。それなのに、天皇が退位の気持ちをにじませた発言をすると、急に政府が動きだし、国会でも議論を始めた。『お気持ち』を通して、結果的にせよ、国政を動かしています。私が知る限り、戦後、天皇が意思を公に表し、それを受けて法律が作られたり改正されたりしたことはありません
(略)
 ――本来、どういう過程だったらよかったと考えますか。
 「日本国憲法の国民主権の原則との矛盾を避けるには、あらかじめ国民の中に『天皇の年齢を考えると、そろそろ退位してもらい、皇太子が即位した方がいい』という意見が広がり、その国民の『総意』に基づいて、天皇が退位するという過程をたどることでしょう。憲法は天皇の地位を『国民の総意に基づく』と定めています」
 「あるいは、その総意を受けて、国民の代表である国会議員が退位を発議するという形でもいいかもしれません」
(略)
 「政府の有識者会議の委員、あるいは会議に呼ばれた専門家の中にも、私と同じような疑問を抱いた人はいたようです。発表された会議の論点整理には、『天皇の意思に基づく退位を可能とすれば、そもそも憲法が禁止している国政に関する権能を天皇に与えたこととなるのではないか』『仮に、今上陛下の御意向に沿って制度改正したということとなると、憲法の趣旨に反するのではないか』といった記述があります」
(略)


法律論として、原氏の指摘する懸念は理解できます。

しかし、その解釈はあまりにも原理主義的すぎるように思います。

仮に、原氏の考える理想的な過程(天皇譲位を、国民が発議し国会が決める)を辿れば、天皇自身の意思とは無関係に譲位が決まることになります。途中で意思を確認すること自体許されません。つまり譲位の意思がなくても譲位が強制されます。憲法の規定で天皇は国政に関する権能を持っていないからです。

つまり厳密に憲法を解釈すると、天皇にはなんの自由意志も認められないことになります。

憲法を厳密に解釈しすぎるのは、かえって普遍的に守るべき価値観に背いているように思います。

【朝日新聞】「ヒトラーのように」

3月17日朝日新聞朝刊、スポーツ欄。「ロシア排除「反対」 国際スキー連盟会長、平昌出場巡り」という記事です。

国際スキー連盟のカスパー会長は16日、国ぐるみのドーピング違反が発覚したロシア選手団の平昌五輪出場について、「潔白な人を処分することには反対だ」と全面締め出しに否定的な考えを述べた。
 ロシアは昨夏のリオデジャネイロ五輪で世界反ドーピング機関(WADA)から全選手団の締め出しを勧告されたが、国際オリンピック委員会(IOC)は陸上以外は、各競技の国際連盟の判断にゆだねた。カスパー会長はIOC理事でもあるが、IOCは平昌五輪については判断を先送りしている。
 カスパー会長は「ヒトラーのように個々の行為の有無を問わず、ユダヤ人はすべて虐殺されるべきであるかのように(全面的に締め出すのは反対だ)」などと、第2次大戦中のナチス・ドイツのユダヤ人大量虐殺を引き合いに出した。その後、IOC広報を通じて「不適切で無神経なコメントで率直に謝罪したい」との声明を出した。(平昌=稲垣康介)


ドーピングに関係していない選手を処分するのに反対だ、というのは、それはそれで真っ当な意見だと思います。これだけなら「無神経なコメント」ではありません。

謝罪に追い込まれたのは、ナチスのユダヤ人虐殺をたとえ話に使ったのが理由だと思われます。

しかし、これも奇妙なことです。ヒトラーのユダヤ人虐殺は良くないこと、という文脈で持ち出しています。

誰が、何で怒っているのかよくわかりません。

昔、ブログでこんなことを書きました。

これも、何を怒っているのか分かりません。

この二つから導かれる教訓は、たとえ話でナチス関係を持ち出すのは危うい、ということだけです。

【朝日新聞】多難な日韓関係

3月9日朝日新聞朝刊のオピニオン欄。「耕論」のコーナー。今回のテーマは「多難な日韓関係」です。

まず、元韓国大使の小倉和夫氏の「共通のビジョンを描こう」です。

日本の大使がいなくていいわけがありません」とか、「経済や文化的な交流の問題にまで措置を広げるのではなく、むしろこんな時だからこそ交流を増やしていくべきです」とか「日韓、日中韓のFTAを進める好機」とか「「アセアン五輪」を開けるよう日中韓が協力するのはどうか。自国のメダル数だけにこだわらず、アジアのほかの国が五輪に出場でき、活躍できるよう日中韓が手をつなぐ。大きなビジョンをもつことが求められています」とか主張してます。

頭が痛くなります。

韓国に限らず、どんな国とでも友好的な関係になれたら素晴らしいとは思います。しかし世界の他の国に優先して韓国と仲良くしなければならない理由がわかりません。

元韓国大使だからといって、韓国との友好を日本の国家目標みたいに言うのは笑止です。

仲が悪いなら悪いなりの付き合いをすればいいだけではないでしょうか。

次に、韓国大衆文化ジャーナリストの古家正亨氏の「実像伝わらず悪循環続く」です。

韓国の若者の間では映画「君の名は」が流行ったり、日本風の居酒屋が軒を連ねたりしている実情を伝えないマスメディアが日韓のあつれきを生んでいる、という指摘です。

これも疑問です。

日本の文化にいかに親しんでいるからといって、その人が親日とは限りません(そもそもかの国では「親日」が悪口らしいですから)。

彼らも日本アニメを見ながら、イ前大統領の「天皇は土下座して謝れ」発言に拍手し、パク大統領の告げ口外交に喝采をおくっていた可能性は十分にあります。すくなくとも、“よその国にこういう態度をとるべきではない”、という声が韓国市民の間で沸きあがったという話は聞きません。

若者や市民は仲良く従っているのに年寄りや権力者が邪魔している、というステレオタイプの解釈に過ぎません。

韓国・東亜日報東京支局長の徐永娥氏の「冷静な判断、大統領選の後」は引用してコメントします。

(略)
 今回の対立の発端は、昨年末、釜山の日本総領事館前に慰安婦の少女像が建てられたことです。これは韓国政府も外交儀礼の面から望ましくないとの立場であり、批判的な意見を新聞で発表する識者も少なくありません。


発端は像ではないと思います。何度も何度も韓国が問題を蒸し返すことに、日本が腹を立てたのが発端です。日本が黙っていたら、日韓の軋轢が無かったとは思えません。軋轢が生まれるまで韓国は行動をエスカレートさせていったと思います。

しかし韓国人にとって慰安婦問題は、日本の植民地支配の被害の象徴です。多くの人は、理屈ではなく感情の問題として反応してしまいます。
 昨秋以来の不正疑惑で朴大統領を追い込んだのは、街頭に出た市民の力でした。そして「朴大統領のやったことはすべて悪い」という流れになって、慰安婦問題をめぐる韓日の合意無効を訴える声が大きくなりました。


この説明は、韓国人が理屈を度外視して感情で行動していると言っているだけです。韓国の「身内」にならば、それで通るのかもしれませんが、日本と韓国は隣人ではあっても他人です。他人には通用しません。

 ところで日本の方たちは、韓国人がいつも反日感情をむき出しにしていると思っているのではないでしょうか。
 今、韓国では日本旅行ブームで、昨年は過去最高の509万人が訪れました。韓国人は慰安婦や独島(日本名、竹島)問題ではすごく反発しますが、日本の温泉や食べ物、買い物やアニメは大好きなのです。こうした多様な日本観を日本でもっと報道したらどうでしょうか。一方、日本の方が政治的に敏感なようで、韓国に行く人が減り、昨年は約230万人でした。相手を知る機会が減り、残念です。


ここは、古家氏と同じパターンです。市民が直接触れ合えば仲良くなれる、という幻想です。

 第2次大戦から70年以上たち、世代が代わりました。かつて日本の指導者の多くは、保守であっても韓国の植民地支配について申し訳ないという意識を持っていたようです。しかし安倍首相は、過去の歴史から抜け出したいという気持ちが強いようです。
 韓国も世代交代が進みましたが、被害を受けた側は簡単には忘れられません。この認識のギャップが摩擦を起こすのではないでしょうか。


かつての日本の指導者の多くが韓国に融和的だった理由は、第一に冷戦の存在です。それと推測ですが、日韓双方の怪しげな人士の利権関係があったのではないかと疑っています。日本の指導者が心底植民地支配を反省していたら、北朝鮮にも融和的であったはずです。

 韓国も経済力が豊かになり自信を持つようになりました。もう学ぶところはない、として日本を無視するような傾向すら一部に見られます。
 今回、大統領選挙に意欲を示す政治家は、みな韓日合意に否定的です。しかし国と国との約束を一方的に破れば、国際社会で「ゴールポストを動かす信頼できない国」と批判されるかもしれません。新しい政府が、国際合意はどうあるべきか、慎重に検討すべきです。選挙後ならば、ポピュリズムに左右されず冷静に判断できるはずです。


この分析は的確だと思います。合意を破ったら韓国は国際社会で信用を失うでしょう。

付け加えるなら、日本では既に韓国のことを「ゴールポストを動かす信頼できない国」と広くみなしちゃっています。だから、大使を帰任させなくても政府への批判が起きないのです。
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Author:えいび
日々の出来事、映画やアニメの感想です。

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