【本】二度目の人生を異世界で1

著:まいん

作者のネットでの発言が問題視され、アニメ化の話がぽしゃった「二度目の人生を異世界で」を読んでみました。

タイトルに「1」がついています。ライトノベルでは一作目には「1」をつけず二作目から「2」「3」と付けていくことが多いように思います。「2」が出るかどうかは一作目の売り上げにかかっているからでしょう。一作目に「1」がついているのは初めから続刊が予定されていたことを意味します。

内容はよくある異世界転生ものです。

主人公は前世の記憶を持っていません。ただし死後に神に依頼されたところからは覚えていますので、別世界から転生したという知識は持っています。

ちょっと珍しいのは、主人公が転生前に94歳で老衰死しているというところです。転生後は18歳くらいの肉体を持ちますがきちんとした理由があります。

前世での本人のプロフィールはこんな感じです。
・幼少より剣道を嗜み、13歳にして剣術へ移行し、その才能を開花させる。
・15歳より、武者修行と称し中国大陸へ渡り黒社会で活動。
・刀一本で大人数へ切り込み、生還する様から「剣鬼」の異名で呼ばれる。
・黒社会活動中の殺害人数は5年間で912名に及ぶ。
・その後、世界大戦に従軍。
・4年間の従軍期間中の殺害数は3712名。全て斬殺。
・「ブレードオーガ」のコードネームで畏怖される。
・終戦後は巧刀流の家督を継ぎ、後進の育成や、剣術の普及に尽力
・各地で公演や剣術の実演を行い、巧刀一刀流を広く普及させ、国内外に49の道場を持つに至る。
・晩年は刀匠とし大成し、「華蓮」の銘を持ち、人間国宝に指定。
・美食家としても知られ、自身も高い料理の腕を持つ。
・94歳と127日目にして、老衰にて死去。
・生涯殺害数、5730名。
・終戦後だけで1106名を殺害しているものの犯罪歴なし(この巻の段階では理由は不明)

どうやら、アニメ化反対の原因は作者のSNSでの発言だけでなく、主人公のプロフィールにもありそうです。従軍期間中に3712名を斬殺、というのが気に障ったみたいです。

しかし英語の異名をついたあたりは、現実の日本軍とは思えませんが、もしかしたら作者はたいして歴史への興味がなく、右派的な思想は見せかけだけ(ファッション)だったのかもしれません。

この一冊で、おそらくアニメ化したら2話くらいの内容だと思います。遺憾ながら、アニメ化したら多分1話だけみて視聴継続しなかったでしょう。なぜなら、ありきたり感があふれているからです。せっかく18歳の肉体をもつ94歳という珍しい設定なのに生かせていません。これでは、多少世間慣れしている程度の18歳です。

2巻目以降で化けるのかもしれませんが・・・
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【本】明治維新の正体 徳川慶喜の魁、西郷隆盛のテロ

著:鈴木壮一
出版:毎日ワンズ

著者は元銀行マンの在野の研究家です。正規の歴史学者ではありませんので、ある程度割り引いて読む必要があります。

解釈はともかく、事実関係の流れは一冊にまとめてあるので幕末の歴史を知るのには最適です。文章もすらすらと頭に入ります。

随所に、右翼っぱい記述がある割に、薩摩や長州をこきおろし徳川慶喜を高く評価しています。なぜかというと、理由は、

そこには(水戸尊皇思想)、天皇を「玉」と呼び、幼帝を掌中に保持して権力奪取の道具にする、といった不純さは微塵もない。天皇を自己の権力奪取の道具とした薩長と、その陰謀を充分に承知したうえで、恭順謹慎し自己の権力の一切を投げ捨てた慶喜との大きなる違いこと、「偽の尊皇」と「真の尊皇」の違いなのである
(P304)

とのことです。

読んで損はない本だと思います。

【本】究極の疲れないカラダ

著:仲野広倫

この本は読んでいません。本の感想ではなく朝日新聞に掲載された広告の感想です。読まずに批評するのは無責任と思われるかもしれませんが、それ以前にこの広告自体に問題があるのであえて取り上げます。

科学的に証明された!生涯元気に動けるカラダづくり
あらゆる痛み・不調が消える!弱ったカラダがよみがえる!
世界の最新医学が証明した
開脚・前屈ストレッチ 何百回のスクワット ラジオ体操・柔軟体操 1日一万歩 すべて不要です
10万人を治療したNY在住の全米屈指の日本人
スポーツカイロプラクターが教える自宅でできるセルフケア!!


といった派手な惹句が並んでいます。

スポーツカイロプラクターというのがどういう商売なのか分かりませんが、医者とか学者とかいう「権威」のある専門家ではないようです。

もちろん「権威」のある人間が常に正しく、在野の研究者が常に間違っているとは限りません。しかし大くの場合「権威」のある人間の方が正しいというのは実態です。

その理由の一つがひとりで集めるデータには限りがあり偏りがあるからです。この著者の知っている範囲では彼の健康法は有効なのかもしれません。しかし一人が集めるデータ数はせいぜい数百から数千でしょう。しかも母集団はニューヨークの自分の顧客だけというひどく偏ったものです。

在野の意見でも、例えば「毎日、ミニトマトを一個食べよう」とか「朝起きたら深呼吸を3回しましょう」といったあたりさわりのないもの、健康を害する心配のないものであればかまわないのですが、多くの専門家が効用を説いているストレッチやスクワット運動を否定するのは危険な意見です。

怪しげな民間療法を信じるのは反知性主義(←最近この言葉を聞かなくなりましたね)だと思います。

【本】日本大使が徹底分析 韓国の大誤解

著:武藤正敏

駐韓国大使だった武藤正敏氏の本で、2016年4月に出ています。つまりパク政権の時代で、慰安婦合意(2015年12月)の後、パク大統領がひきずりおろされる(2017年3月)前です。

いわゆる「嫌韓」本のひとつと数えられているのかもしれませんが、実際は韓国への愛のある助言といった感じです。しかし、その真意が韓国に伝わっていないことへのいら立ちも著者にはあるみたいです。

気になったことが二点あります。

第一に、韓国人は建前では反日だが本音では親日だ、と著者の説です。

ちょっと信じられません。日本人に対して直接嫌なことを言う韓国人があまりいないから本音では親日だ、というのは理屈があっていません。身内だけの場所(日本人がいない場所)で言っていることや行動していることが”本音”とみなすのが正しいはずです。したがって、韓国人は建前(表面)では親日で本音は反日と考えるべきです。

第二に、韓国が反日姿勢を改めて日本と協調すれば、日本とwinwinの関係になれる、というものです。

一昔前ならそうだったかもしれません。

当初は、日本の嫌韓は韓国の反日の反射だったと思います。しかし、イ・ミョンバク元大統領の天皇侮蔑発言あたりから日本の嫌韓は自立したように見えます。いまさら韓国が日本にすり寄ってきても日本側で韓国との協調気運がわくとは思えません。

日本の一般大衆のすくなからぬ人数が、”本音”で嫌韓になっちゃっています。

【本】親を、どうする?

著:小林裕美子

私のようなグータラサラリーマンでも、時々会社のトップと話をすることがあります。下々の者の意見にも耳を傾ける、というポーズかもしれませんが、組織人ですので指名されたら付き合わざるを得ません。

たいていは気を遣うだけで、決して忠誠心をかきたてられたりすることはありません。しかし、一回だけ、一人だけ例外がありました。この時の社長との会話は実に楽しかったと記憶しています。

他の重役と何が違うのか考えました。

結論は、会話が楽しかったトップは解答を示さない、ということです。

他の重役は、我々に日々困っていることは何かと訊き、それに答えると、“こうすればいい”とか“ああすればどうか”と解答を出します。しかし、日々問題に直面している我々はとっくに検討して捨てたアイデアです。いくら重役が偉いからといって、ほんの十分前に聞いた問題に適切な解答を出せるわけがありません。

しかし、意義があったと感じた重役は、解答を示さず、“俺も若いころに似たような問題に出くわして参ったヨ。それはかくかくしかじかで・・・”といった世間話的なことを言うだけです。

一見、解答を出す人との会話の方が有意義に思えますが、実際は違います。似た経験をした人がいたんだな、と感じる方が頑張る気力が出ます。

この本を読んで、それを思い出しました。

本書は老親の介護をテーマにした(基本4コマの)漫画です。

別に笑えるということはありません。年寄りの介護をしたことのある人だと、似たような経験が随所に出てきます。これを読んで、介護について知識が得られるという本ではありません。しかし、他人の経験(架空の話も含まれているかもしれませんが)を聞くことで実に心が楽になりました。

別にこの本に限る必要はないかもしれません。介護で困っている人は他人の経験談の本を読むことは良いことだと思います。

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えいび

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日々の出来事、映画やアニメの感想です。

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