【本】日本大使が徹底分析 韓国の大誤解

著:武藤正敏

駐韓国大使だった武藤正敏氏の本で、2016年4月に出ています。つまりパク政権の時代で、慰安婦合意(2015年12月)の後、パク大統領がひきずりおろされる(2017年3月)前です。

いわゆる「嫌韓」本のひとつと数えられているのかもしれませんが、実際は韓国への愛のある助言といった感じです。しかし、その真意が韓国に伝わっていないことへのいら立ちも著者にはあるみたいです。

気になったことが二点あります。

第一に、韓国人は建前では反日だが本音では親日だ、と著者の説です。

ちょっと信じられません。日本人に対して直接嫌なことを言う韓国人があまりいないから本音では親日だ、というのは理屈があっていません。身内だけの場所(日本人がいない場所)で言っていることや行動していることが”本音”とみなすのが正しいはずです。したがって、韓国人は建前(表面)では親日で本音は反日と考えるべきです。

第二に、韓国が反日姿勢を改めて日本と協調すれば、日本とwinwinの関係になれる、というものです。

一昔前ならそうだったかもしれません。

当初は、日本の嫌韓は韓国の反日の反射だったと思います。しかし、イ・ミョンバク元大統領の天皇侮蔑発言あたりから日本の嫌韓は自立したように見えます。いまさら韓国が日本にすり寄ってきても日本側で韓国との協調気運がわくとは思えません。

日本の一般大衆のすくなからぬ人数が、”本音”で嫌韓になっちゃっています。
スポンサーサイト

【本】親を、どうする?

著:小林裕美子

私のようなグータラサラリーマンでも、時々会社のトップと話をすることがあります。下々の者の意見にも耳を傾ける、というポーズかもしれませんが、組織人ですので指名されたら付き合わざるを得ません。

たいていは気を遣うだけで、決して忠誠心をかきたてられたりすることはありません。しかし、一回だけ、一人だけ例外がありました。この時の社長との会話は実に楽しかったと記憶しています。

他の重役と何が違うのか考えました。

結論は、会話が楽しかったトップは解答を示さない、ということです。

他の重役は、我々に日々困っていることは何かと訊き、それに答えると、“こうすればいい”とか“ああすればどうか”と解答を出します。しかし、日々問題に直面している我々はとっくに検討して捨てたアイデアです。いくら重役が偉いからといって、ほんの十分前に聞いた問題に適切な解答を出せるわけがありません。

しかし、意義があったと感じた重役は、解答を示さず、“俺も若いころに似たような問題に出くわして参ったヨ。それはかくかくしかじかで・・・”といった世間話的なことを言うだけです。

一見、解答を出す人との会話の方が有意義に思えますが、実際は違います。似た経験をした人がいたんだな、と感じる方が頑張る気力が出ます。

この本を読んで、それを思い出しました。

本書は老親の介護をテーマにした(基本4コマの)漫画です。

別に笑えるということはありません。年寄りの介護をしたことのある人だと、似たような経験が随所に出てきます。これを読んで、介護について知識が得られるという本ではありません。しかし、他人の経験(架空の話も含まれているかもしれませんが)を聞くことで実に心が楽になりました。

別にこの本に限る必要はないかもしれません。介護で困っている人は他人の経験談の本を読むことは良いことだと思います。

【本】「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気

著者:牧村康正+山田哲久

大ヒットアニメ「宇宙戦艦ヤマト」の生みの親、西崎義展の半生のレポートです。同時に日本アニメーション会の歴史が描かれます。

敵が多すぎるために、おおくの関係者から実名を出すことさえ嫌がられ「N氏」とか「ヤマトの某氏」など呼ばれていたこともありますが、いままで西崎氏の業績を日本アニメーション史のどの辺に位置づけるべきなのかよくわからないでいました。この本で、それが氷解しました。

表紙の写真は、開襟シャツをだらしなく着込み、ズボンのポケットに両手をつっこみ、くわえ煙草で、視線をカメラに向ける西崎氏です。道で前からこんなのが歩いてきたらよけたくなります。とてもではありませんが、まともな人間には見えません。

本書で描かれる西崎氏のひととなりは、この写真の通りです。ただ、それとは別に「宇宙戦艦ヤマト」をよい作品にしようとした彼の生き様も公平に書かれています。

私も「宇宙戦艦ヤマト」は好きでした(今でも好きですが)。いまに至るもアニメファンなのは、この作品によるところが大です。しかしシリーズを重ねるにつれ違和感が増大したのも事実です。よくも悪くも「宇宙戦艦ヤマト」が私の一部分を形成したといえるでしょう。

そんな私にとって、本書で知る制作の裏側は興味以上の感情を持ちました。

【本】エヴァンゲリオン化する社会

著者:常見陽平

「エヴァンゲリオン」というのはアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のことです。

「エヴァンゲリオン」で描かれた世界が、現代社会の、特に労働者の働き方を予言していたかのように一致する部分があるという考察で進めています。

サブカルチャーをもとに現代社会を論じる社会学的考察はどういうわけか日本では目に付きます。外国のことはよく知らないのですが、他所の国にもあるのでしょうか。「スターウォーズ化する米国社会」とか「ハリー・ポッターが予言する英国の未来」とか。どうも想像がつきません。日本だけで流行っているような気がします。

それはともかく、この手の論は、単なる偶然の羅列や、牽強付会の理屈に満ちているのがほとんどで、この本も例外ではありません。

普通に労働環境について語った方がよっぽど説得力があります。売れないかもしれませんが。

ただ、常見氏はきちんと「エヴァンゲリオン」を視聴しているのは確かで、その点は好感が持てました。

【本】「ドイツ帝国」が世界を破滅させる

著:エマニュエル・トッド

フランスの歴史人口学者エマニュエリ・トッドのインタビューをまとめたものです。副題に「日本人への警告」とありますが、これは嘘です。文芸春秋社が勝手につけたもので、もともと日本人相手に書いた(語った)ものではありません。

それゆえ、話題は欧州に集中しています。米国についてはある程度語っていますが、日本への言及はきわめてわずかです。

そのためか、「客観的」な世界情勢の分析とみなされ、日本で売れたのだと思います。

しかし、私にはもの足りませんでした。

たびたびインタビュアーに「あなたはドイツが嫌いなんですか?」と訊かれ、そのたびに否定していますが、やはりドイツが嫌いなようにしか見えません。

たびたび、“ドイツはこう”で、“ロシアはこう”と断定していますが、根拠らしきものは、歴史的事例からその国の振る舞いを決め付けているだけに見えます。

図表や統計数字が多いわりには、客観性に乏しく、論理よりも情緒に偏っているように感じました。

また、翻訳が悪いのか、この人の喋りの癖なのか、決して読みやすいものではありません。

sidetitleプロフィールsidetitle

えいび

Author:えいび
日々の出来事、映画やアニメの感想です。

sidetitle最新記事sidetitle
sidetitle最新コメントsidetitle
sidetitle最新トラックバックsidetitle
sidetitle月別アーカイブsidetitle
sidetitleカテゴリsidetitle
sidetitleFC2カウンターsidetitle
sidetitle検索フォームsidetitle
sidetitleRSSリンクの表示sidetitle
sidetitleリンクsidetitle