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【テレビ】麒麟が来る 第十八回「越前へ」

大河ドラマ「麒麟が来る」は美濃の内紛の結果、光秀は越前に落ち延びることになりました。

ここらあたりから明智光秀の実像として分かっているところとドラマとが合流しはじめます。

光秀は道三側について負けたのですから、信長のもとに逃げるのが上策のはずですが、斎藤高政(義龍)が尾張へのルートをふさいでいたので、あきらめて越前に落ち延びました。ですが越前の朝倉義景は特に歓迎する風でもありません。こんなことならさっさと朝倉に見切りをつけて、恩を売ったこともあり、縁者もいる信長のもとに参じた方が利口なはずです。

なぜ、朝倉に長逗留したのかをうまく説明できるかがドラマの見どころになりそうです。

ところで、斎藤道三は戦場で果てましたが、後世能力を疑われることはありません。同じように、信長も光秀も松永久秀も横死しましたが、無能だとは言われていません。

一方で、今川義元や武田勝頼や豊臣秀頼や浅井長政などは軽くみられる風があります。特に今川義元などは、おしろいお歯黒で語尾は「おじゃる」などと勝手なキャラ設定までされる始末です(この「麒麟がくる」では違いますが)。

この二つのグループのなにが違うのかと考えました。

前者のグループはそもそも悪名が勝っていますので、畳の上で死ねなかったのは悪行のむくいとみなされ、後者のグループは生前に悪いことをしたわけでもないのに非業の死を迎えたのですから本人が能無しだったとみなされた、というのが私の仮説です。

さて、近年まれにみる面白さだと感じている「麒麟がくる」ですが、残念ながら新型コロナの影響で、6月7日でいったん放送中止になります。再開日は決まっていません。収録もしていないのでかなり先になるやもしれません。主演女優のスキャンダルで放送スタートが遅れただけでなく踏んだり蹴ったりです。呪われた大河ドラマとか言われそうですね。
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【テレビ】名探偵ポワロ:第七回「海上の悲劇」

ハヤカワの短編集「黄色いアイリス」の中の「船上の怪事件」が原作です。

前回につづき旅行先のコミュニティ内で起きる事件です。今回は原作では登場していないヘイスティングも出ています。

地中海を航行する旅客船がアレキサンドリアについた後、裕福な婦人が刺殺されます。

舞台がアレキサンドリアなので異国情緒たっぷりの映像が楽しめます。小説だと舞台を外国にするのも英国内にするのも書くコストに違いはないのでしょうが(取材費は別として)、映像作品だとかなり違います。テレビドラマにしては豪華でした。日本だったら映画でもここまでできないんじゃないか、というくらいです。

ドラマで意外だったのはクラバートン大佐が結構年配だったことです。原作を読んだ感じでは、もっと若く人生をまだ一勝負できそうな年代かと思っていました。第一次大戦に従軍したという設定ですから、原作者もせいぜい30代くらいのつもりではなかったかと思います。

あと原作でも思ったのですが、10代の女の子が二人だけで旅行しているというのが引っ掛かりました。現代ならあり得ますが、当時はおかしくなかったのでしょうか? 地中海の船旅に出るくらいですからそれなりのお金はあるはずですが、自分で稼ぐ階級でもなさそうなので親が出したはずです。若い娘さんだけで外国旅行に出すというのも不思議です。

同時代の作者が書いて同時代の読者がいたのですから、異常ということではないのでしょう。短編だからはしょったのであって、長編だったらそういう設定の細部もあったのかもしれません。

【テレビ】名探偵ポワロ:第六回「砂に書かれた三角形」

短編集「死人の鏡」の中の「砂にかかれた三角形」が原作です。

クリスティの得意とする旅行先の小さなコミュニティで起きる事件です。つまり「オリエント急行殺人事件」とか「ナイルに死す」みたいに、旅行先で知り合った有閑層たちの間で起きる殺人事件で、そこにも偶然居合わせた探偵が解決するというパターンです。

古い一族の屋敷でおきる事件とか、童謡の歌詞通りに起きる連続殺人とかは、日本の推理小説界にも広く模倣作がでましたが、旅行先の事件というのは日本の推理小説では私の知る限り見当たりません。日本人の習慣としてそういう一時的なコミュニティをつくるという習慣がないせいかもしれません。欧米人はいまでもこんな感じなのでしょうか?

さて、今回は原作と同じくヘイスティングは出てきません。場所が外国なのでジャップ警部の登場もありません。テレビ版では原作にかかわらず必ずこの二人が出てくるのかと思っていましたが、ここは原作通りでした。

原作と違うのは、舞台のロドス島が当時イタリア領(現在はギリシア領)であったことが強調されていることです。島では黒シャツ党が闊歩し、スパイが暗躍しています。原作では好々爺だったバーンズ将軍は、テレビでは少佐に格下げされてこのスパイ戦にからんでいます。

原作で「いかにも新思想の持ち主らしく、日焼けして身体には必要最小限のものしかつけていない」と書かれたパメラ嬢の水着とはどんなものかと期待しましたが、現代人の眼からすればずいぶんおとなしいものでした。

ただ「飾りのない、防水キャップはあまりにも実用的で、とても魅力的とはいいがたい」と書かれたゴールド夫人の水泳帽は確かに野暮ったかったです。

いつものイギリスとは離れた風光明媚な土地の文化も映像で確認できてとても面白かったです。

【テレビ】名探偵ポワロ:第五回「4階の部屋」

早川書房刊でいえば短編集「愛の探偵たち」の中の「4階のフラット」にあたります。

原題名は「The Third-floor Flat」で「3階」なのですが、英国では日本の2階を「1階」と呼びます。0から始まるという考え方のようで、これはこれで合理的な感じもします。

これも短編なので一時間弱の番組にするためTV版オリジナルをいれています。まず、ポワロがヘイスティングと推理劇の観劇にいって犯人を当てられるかの賭けをしますが、あまりのいい加減な脚本のためポワロが間違うとユーモアを混ぜています。また、犯人が割れたあとに逃走劇を追加し、その中でヘイスティング(原作では出てこない)の大事な自動車がおしゃかにされるという笑いも入れています。

総じてユーモアで尺を稼ごうとしているみたいです。

なお、原作では被害者がこの集合住宅に住んでいた(引っ越してきた)のが偶然なのか、被害者のストーカー的な行動なのかが判然としていません。しかしテレビ版では後者であると明確になっています。これはこれできちんと原作を補強した感じがします。

あと、この建物の名称は原作では名無しですが、テレビ版では「WHITEHAVEN MANSIONS」となっています。

「MANSION」とは英語で大邸宅のことで、日本語の「マンション」のような集合住宅ではない、と聞いたことがあります。英国の事情にも英語にも通じていないので、どうして普通の集合住宅が「WHITEHAVEN MANSIONS」なのかは分かりません。

【テレビ】名探偵ポワロ:第四回「24羽の黒つぐみ」

早川書房刊でいえば短編集「クリスマスプディングの冒険」の中の「24羽の黒つぐみ」にあたります。

この回も原作では登場しないヘイスティングとジャップ警部が出てきています。

原作は短編なのでこのままでは一時間弱の番組をつくれないという判断なのか、いろいろな設定を付け加えています。

大きな違いは被害者のヘンリーが割と名のある絵描きという設定にしていることです。油絵はほぼ手元においておく方針だったので、それなりの金持ちと言えます。原作では、週二回の外食ができる程度ではありますが、ほぼ資産というものは持っていません。

双子の片割れであるアンソニイは金持ちの資産家だというのは原作と共通しています。

事件の背景に、アンソニイが資産家でヘンリーは無一文というのが鍵になっているため、テレビ版の設定はちょっと疑問があります。

また、これは原作にも共通するの疑問ですが、甥のロリマー(原作では医師。テレビでは劇場の支配人という設定)からすれば、アンソニーもヘンリーも同じ程度のつながりのはずです。しかしロリマーはヘンリーの方とより強い血縁関係でないと彼の行動には矛盾があります。仮に、ロリマーはヘンリーの息子であるとすれば整合性はとれるのですが・・・

原作者クリスティーのミスなのか説明不足なのか悩ましいところです。

なお、ロリマーを劇場支配人という設定にしたためか劇的な演出があって、テレビ映えしました。

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えいび

Author:えいび
日々の出来事、映画やアニメの感想です。

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