【新聞】「日本でも「白熱」サンデル教授」

日本でも「白熱」サンデル教授

朝日新聞(2010年8月30日 朝刊)に、ハーバード大のマイケル・サンデル教授の東大での特別講義の記事が載っていました。
この記事の中でのサンデル教授の問いに、私なりに答えてみようと思います。直接講義を受けたわけではありませんので、あくまで、新聞に載っている問いかけを前提とします。質問のニュアンスを取り違えているかもしれませんが、そこはご容赦ください。
なお、NHKで放送した”ハーバード白熱教室”は、気がつくのが遅かったため最後の2回のみ視聴しました。


◆漂流ボートでの殺人は許されるか
 19世紀の英国での話をしよう。難破船の船長と乗組員3人が漂流した。雑用係の少年が衰弱している。食料がなくなり、船長は「誰かを食べよう」と提案した。船長は少年を殺し、3人は彼の血と肉で命をつないだ。3人は救助されたが、帰国後に逮捕された。
 みなさんが裁判官なら、この場面で少年を殺すことは道徳的に許されると判断するだろうか。


許されません。
生きているものを殺したのですから、この行為は許されません。死んでしまった人を食べたということであれば、重い議論になると思います。しかし、殺した場合は許されません。もしかしたら5分後に救助隊がやってくるかもしれなかったのですから、実際には来なかったとしても、殺人はいけません。


◆イチローは高額な年収に値するか
 日本人で最も年収の高い人は誰か。イチロー? そうかもしれない。イチローの年収は、学校の先生の400倍、オバマ大統領の42倍だ。これはフェアと言えるだろうか。


野球選手の年収を、政治家や教師の年収と比べるのは意味がありません。野球選手の年俸は、野球界の論理に基づいて決まります。野球選手と公務員の比較は無意味です。
もしかしたら、 米国人の言う“フェア”という言葉に、私の理解していない意味合いがあるのかもしれませんが。


◆多額寄付者の入学を認めるか
 もし東大の入試で、合格ラインにギリギリ届かないけれど、親が裕福で「入学したら大学に5千万ドル寄付する」という学生がいたとする。入学を認めれば、新しい図書館やプールが整い、みんなのためになる。東大はこの学生の入学を認めるべきか。


認めるべきではありません。
東大は、私立ではないのですから。
私立なら、問題ないと思います。


◆指名手配された兄を警察につきだすか
 米国のバルジャー兄弟の話。弟は元州上院議長で現在は大学の学長だ。兄はギャングの一員で殺人を犯し、国外に逃亡中。あるとき兄から弟に電話があった。しかし「兄が見つかるような協力はしない」と弟は捜査への協力を拒んだ。あなたが東大の著名な教授で、兄弟が殺人者でヤクザだとしよう。隠れ場所を何となく知っている。あなたは兄弟を引き渡す必要がないだろうか。


警察に協力するのが正義です。情においては忍びなくとも、何が正義かと問われれば、答えは明白です。


◆自国民と他国民、どちらを救う?
 南アジアの最貧国で大洪水が起き、多くの人が亡くなった。日本でも同じ時期に大災害で大きな被害を受けたとする。日本は自国への援助を優先すべきか。あるいは災害援助資金を二分し、この国にも援助すべきだろうか。
 さらに極端な例を考えよう。目の前に瀕死(ひんし)のバングラデシュ人と日本人がいる。一人しか救えないとして、日本人のあなたはどちらに手を差し伸べますか。


はじめの問いには、日本を優先すべき、と答えます。余裕があるなら外国を援助するのはたいへん結構なことだとは思いますが、自国民を放っておいて、外国を助けようというのは本末転倒です。

二つ目の問いに関しては、国籍で差をつけるのは不正義だと思います。どちらか一人しか助けられないのであれば、近くにいる方を助けるのではないでしょうか?とっさにどちらに手を伸ばすか、という時に国籍を気にしている余裕はないはずです。選択する余裕があるのであれば、年齢とか性別とか怪我の軽重で判断すると思います。国籍は無関係に考えるのが正義だと思います。


◆オバマ大統領は謝罪すべきか
 現代の日本人は、祖父母の世代が東アジアで犯したことに賠償する責任はあるか。今の米国人は原爆の責任を持つべきか。オバマ大統領は生まれる前のことを謝罪すべきだろうか。


賠償と謝罪を分けて考えるべきです。また、政治家(コミュニティーの代表)と、一般国民(コミニュティーの成員)も分けて考えるべきです。

この問いに答えるには、二つの前提が必要です。第一に、問題となっている過去の行為を現在の政治指導者や国民が”悪行”とみなしていること。第二に、謝罪や賠償が不完全であると認識していること。悪いこと、と思っていないなら、謝罪も賠償もありません。生まれる前の出来事だからではなく、悪いと思っていないから謝らないのです。また、謝罪や賠償が済んだ、と思っているなら、それ以上に謝罪や賠償をする、ということはありえません。この二つの前提を置かなければ、議論は歴史認識や政治的主張に流れていってしまうでしょう。

まず、賠償についてです。コミュニティーが賠償する場合、そのコミュニティーの成員に賠償責任があるか否かを問われています。次のように考えます。ある国が、どこかの国に賠償を払う場合、そのお金のもとは結局のところ自国民のお金です。つまり、過去の行為に対して国が賠償するとなると、結局のところ現在の国民が負担することになります。いいも悪いもなく、必然的にそうなります。

「現代の日本人は、祖父母の世代が東アジアで犯したことに賠償する責任はあるか」否かは、先にあげた前提を満たしているか否かの議論、つまり歴史認識の議論になります。

次に謝罪についてです。ある国の過去の行為(悪行)に対して、現在の政治指導者は謝罪すべきか、および、現在の一般国民は謝罪すべきか、が問われています。政治指導者は、その国の過去の行為に謝罪することはあってもおかしくはありません。例えば、会社の過去の不祥事に対してその時に任になかった現在の社長が謝罪する、というのは不思議でもなんでもありません。むしろ、自分の任期中のことでないことを理由に謝罪を拒否したら、社会的な納得は得られないでしょう。

「オバマ大統領は生まれる前のこと(原爆投下)を謝罪」すべきか否かも、米国内で、原爆投下が謝罪すべき悪行とみなさているか、という、やはり先の前提を満たしているか、ということに依存します。

一方で、一般国民が謝罪するのはおかしいと思います。単なる一国民にすぎないものが、国を代表するかのような謝罪をするのは、傲慢であり滑稽にも感じます。
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【雑誌】週刊金曜日:千葉法相の死刑執行

週刊金曜日 2010.8.6(810号) の金曜アンテナというコーナーで、死刑に関する記事がありました。「民主党政権で初の死刑執行 千葉法相の“変節”に官僚の影?」という見出しです。死刑廃止論者である千葉法相による死刑執行について、廃止論者からの批判を主な内容としています。

この記事で紹介されている千葉法相への批判には強い違和感を覚えました。

「死刑の執行に自ら立ち会ったことも覚悟の証しというよりは、異様な印象を受ける。」(神奈川県在住の六〇代の女性)
「九月までの任期と目されるなかでこういう決断をするのは政治家として卑怯」(「死刑廃止を推進する議員連盟」の村越祐民事務局長)
「結局官僚にとって自民党の法務大臣よりも扱いやすい大臣になった。」(保坂展人前衆議院議員)

いままで同志だった者が、意に反することをした途端に、激しく非難するというのは、はたで見ていて美しいものではありません。こうした内ゲバのような体質が、死刑廃止論が一般に広がらない原因のひとつのように思えます。


※千葉法相は、先の参院選で落選。法務大臣を辞めることなく、民間人大臣として引き続き職についています。大方の予想では九月で大臣を辞めるとみられています。今回の死刑は、民間人大臣となった時期に、執行されたものです。

【映画】キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争 3D 吹き替え

前作が好きだったのと、3Dということで劇場に見に行きました。今回は3Dを目当てにしていたので、吹き替えでみるつもりでした。3D映画を字幕でみる気には、まだなれません。もっとも、行った劇場では吹き替え版のみを上映していました。

3Dの効果がでるのは比較的近くの光景をとらえた場合なので、犬の顔のようにでこぼこがあるものには、効果があったように思います。
ただ、内容の方は不満でした。前作の魅力は、馬鹿馬鹿しいともいえる楽しい設定にありました。犬も猫も実は言葉をしゃべれる・犬が秘密機関を設立している・人間に気がつかれないように忍者猫と犬が闘う、等々。残念ながら、2作目にあたる本作では、それらを超えるようなものはありませんでした。また、正義側にたつ猫を登場させたのは、悪い意味での子供向き、という感じがしました。

ちょっと残念でした。

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