【雑誌】SPA:伊良部秀輝氏のインタビュー

雑誌SPA(7/19号)で元メジャーリーガーの伊良部秀輝氏インタビュー記事が載っていました。そのインタビュー記事を読んで、トラブルメーカーという世評とは異なり、頭が良く快活な人柄という印象を持ちました。そうしたところ、今回、伊良部氏の自殺というニュースがありました。

インタビューを読む限り、決して、自殺をするような人間には思えませんでした。

私の親類にも自殺者がいます。この経験でいうと、自殺の兆候は家族にもわかりませんでした。まして、赤の他人のインタビュー記事で分かるはずもありません。

一方で、私たちはインタビュー記事を読むことで、その人の性格・考えを理解したつもりになっています。実際、ある程度は理解しているのでしょう。

しかし、その理解には限度があり、本質的な部分に肉薄することはどうしてもできないようです。伊良部氏の自殺の報をきいて、他人を理解することの難しさを感じさせました。

伊良部氏の冥福をお祈りします。

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【朝日新聞】カジノを日本に

7月29日 朝日新聞朝刊 オピニオン欄の「争論」コーナーでカジノ合法化の話題を取り上げていました。

カジノ賛成の民主党衆議院議員の古賀一成氏の意見を考察します。

引用します。

我々議連は、議員立法によるカジノ合法化を目指している。単にカジノをつくりたいからではない。ホテルや会議場、ショッピングモールなどが集まる総合的な施設の中にカジノ設置を認め、海外からの観光客や国際会議を引き寄せ、その経済効果で日本の元気を取り戻したい、との思いがある。そのために、特定複合観光施設区域整備法を成立させたい。
シンガポールでは昨年からカジノを認めた。カジノを含む巨大な総合リゾートが二つ開業し、世界からVIP、会議参加者、観光客が訪れ、巨額な収益をあげている。
(中略)
シンガポールの施設でカジノが占めるスペースは数%に過ぎない。しかし、それは大規模事業を呼び込むために欠かせないアクセサリーだ
日本にはカジノ経営のノウハウを持つ企業はないので、海外の事業者と日本企業が連携することになるだろう。
(中略)
民間からの巨大投資を伴うカジノは失敗できない。私は必ず成功すると思う。我が国には観光の宝がある。四季豊かな自然や固有の文化、「おもてなしの心」がある。治安もいい。海外のカジノ経営者は口をそろえて「日本なら世界最高のものをつくれる」と言っている。


まるで説得力がありません。

そもそも数字を挙げていないのが良くありません。どのくらいの投資が必要で、収益を見込みはどの程度なのか、まるでありません。成功事例としてあげたシンガポールでも「巨額の収益をあげている」と書くだけで、いくらの収益があがったのか分かりません。

「シンガポールの施設でカジノが占めるスペースは数%に過ぎない。しかし、それは大規模事業を呼び込むために欠かせないアクセサリーだ」というのもダメです。なぜカジノが欠かせないのか、理由が述べられていません。必要だから必要なのだ、と言っているのと同じです。

揚げ句の果ては、「カジノは失敗できない。私は必ず成功すると思う」ときました。失敗できないから成功すると思います、など実に馬鹿げた主張です。

単に、「海外のカジノ経営者」にたぶらかされているだけにも見えます。政治家ならまともに説得する技術をもつべきです。

※私はカジノに対して反対しているわけではありません。古賀議員の主張が説得力を欠いていることを問題にしているだけです。

【時事問題】高校無償化

7月28日 朝日新聞朝刊 教育欄に「全日制高校進学7割どまり」という記事が載っていました。

生活保護世帯の子どもの全日制高校への進学率は東京都内で7割弱と、全世帯の平均が9割を超えているのに比べて著しく低いことが分かった。
(中略)
子どもの貧困に詳しい立教大学の湯澤直美教授(社会福祉学)は「家庭の貧困が子どもの教育にも影響し、貧困の連鎖のリスクが高まっていることが数値で裏づけられた。高校授業料の無償化の存続はもちろんだが、高校版就学援助制度の創設や給付型奨学金の拡充など、教育費負担を軽くする制度が必要だ」と話している。


生活保護受給者の子供が、経済的な理由で、進学できないでいることが報告されています。

意欲も能力もある若者が学校で学ぶことをあきらめるのは、本人にとって不幸ですし、社会にとっても損失です。こういうことにこそ公的な支援が必要だと思います。

しかしながら、現在の一律の高校無料化の政策には賛成できません。

親が普通に稼いでいるなら、子供の学費くらい親が出すのが当たり前です。一方、貧しい家庭では、湯澤教授がいうように、高校の授業料の無料化だけでは足りません。

必要のない人間に金を配って、必要とする人間に十分な支援ができていない。これが現状です。

一律の高校無償化のような馬鹿げた政策はすぐにでも撤回して、重点的な配分にすべきです。それこそが政府の役目だと思います。

【本】殺人者はまだ来ない

殺人者はまだ来ない―マラキ・トレント殺人事件 (カッパ・ノベルス)殺人者はまだ来ない―マラキ・トレント殺人事件 (カッパ・ノベルス)
(1983/01)
イザベル・B・マイヤーズ

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1930年の発表。

懸賞で、エラリー・クイーンの「ローマ帽子の秘密」を押さえながら、作者の来歴が不明といういわくつきの本格推理小説です。

あやしいバラモンによる催眠術が使われるあたりやや軽薄な印象をうけます。これがノックスの十戒でいう「中国人を出すな」にあたるものなのかもしれません。

登場人物が少ないのが印象に残ります。

【朝日新聞】やらせメールの深層心理

7月26日朝日新聞朝刊 オピニオン欄 米国カルフォルニア工科大学教授 下條信輔氏の文章です。

引用します。

「やらせメール」問題が耳目をにぎわわせた。原発再開を巡る番組の公平性を損ねた、実にけしからぬ。世論はそういう糾弾路線で一致したが、微妙な違和感を持った。
アメリカ的な価値観で言うと、動員をかけること自体は問題ではない。市民参加の政治スタイルとして、むしろ当然だ。またたとえ組織がトップダウンで指令しても、たいていは強制たり得ない。不当な強制力を行使した場合に対する内部告発の反動もまた強大だ。
当初の報道では、指令メールは子会社、孫会社の約2300人に送られた。それに応じて送られたメールは約50通。その後の調査で100人超に増えたが、指令メールを受けた人数を大幅に増えている。大部分の社員は無視したことがわかる。また、送られたメールには自分の意見と会社の立場が合致した人々の自発的なものも含まれていたはずだ。
(後略)
政府・メディアも九電と同じく、上から目線に過ぎると思える。当事者たちの自発性を軽視しすぎている。国民のそれぞれが自分の頭で子孫のために判断しようとするなら、こういう個々人の心理の深層こそが、本当は決定的なのかもしれない。


九電のやらせメールについては、前にこのブログで書いたことがあります。原発を再稼動させたいわけではありませんでしたが、メールの依頼自体は非難に値することではない、という趣旨でした。

こうした考えは少数意見のようで、今回の下條氏まで、同じような意見は見たことがありませんでした。

ただ、「送られたメールには自分の意見と会社の立場が合致した人々の自発的なものも含まれていたはず」、政府・メディアも「当事者たちの自発性を軽視しすぎている」という指摘は、私は気づいていなかった視点です。勉強になりました。

【雑誌】週刊SPA(7/19):松本“ドラゴン”の恫喝は意外に正論だ!

週刊SPA(7月19日号)の『松本“ドラゴン”の恫喝は意外に正論だ!』より

暴言によって辞職に追い込まれた松本龍前復興相についての記事です。多数意見に反してSPAは、松本前復興相を擁護しています。

(前略)
政治ジャーナリストの藤本順一氏が話す。
「今後、復興税や電気料金値上げなどにより国民の負担が重くなってくると、皆、被災者に同情ばかりしていられなくなる。被災者が助けてもらって当たり前だという顔をしていたら、世論の反発も生まれかねないことを理解して、松本氏はあえて厳しい口調で「知恵を出せ」と知事に接したはず。というのも松本氏の祖父は、部落解放の父と言われた松本治一郎氏。メディアは「被災者の気持ちを考えない大臣」などと報じましたが、社会的弱者への思いは人一倍強い人なのです。」
(中略)
曰く、今回の騒動はマスコミの悪意が働いて発生した可能性も
「松本氏の発言は知事に対して発せられたものなのに、それを編集上、高圧的な態度の部分だけを抜き出し、さも被災者全員に発したかのようにすりかえている節がある
(中略)
物議を醸した「自分が入ってから客を呼べ」発言も、礼儀について触れたもの。復興や被災地とはなんら関係のない話だ。態度や話しぶりに問題はあれど、復興にかけるドラゴン(松本氏)の思いは本物だった・・・・・・とSPA!は信じたい


実におかしな記事です。

「はず」だの、「可能性も」だの、「節がある」だのといったあやふやなことを元に、最後は「信じたい」です。あやふやな根拠で勝手に信じているに過ぎません。

また、お祖父さんが「部落開放の父」と呼ばれているからといって、孫が「社会的弱者への思いは人一倍強い人」とはなりません。当たり前ですが、なんの関係もありません。

他のマスコミと一線を描くそうというSPAの意図かもしれませんが、まるで理屈が通っていません。

そもそも松本前復興相が批判されたのは、その”恫喝”的な言動です。言っていることが正しければ恫喝的な態度が許される、ということにはなりません。

粗雑な記事だと思います。

【朝日新聞】社説:橋下発言判決―刑事弁護を理解しよう

7月25日朝日新聞朝刊の社説から

現大阪府知事の橋下氏が山口県光市母子殺害事件の弁護団への懲戒請求をテレビで呼びかけたことに対する裁判が終わりました。それををうけての社説です。

引用します。

(前略)
 心配なのは、気にいらない弁護活動について懲戒を請求したり、あおったりすることにお墨付きが出たとの受け止めが広がることだ。「なぜ悪人をかばうのか」との声が聞かれるなど、現時点でも十分な理解を得ているとは言いがたい刑事弁護が、いっそう厳しい制約と抑圧の下に置かれかねない。
 弁護活動は被告の言い分を聞くことから始まる。不合理な弁解をしたり、被害者の気持ちを傷つける主張を繰り広げたりすることも珍しくない。それでも警察や検察という強大な機関に対抗し、被告に寄り添い、その利益と権利を守る。それが弁護士の大切な使命だ。
 もし次々と懲戒請求が起こされたらどうなるか。
 懲戒には当たらないと反論する作業に労力を割かれるし、人間である以上、常に強い気持ちでいられるとは限らない。人々の圧力が弁護士をひるませ、その影響が他に及ぶ事態も考えられる。弁護活動の萎縮は、めぐりめぐって市民一般の権利を揺るがすことにもなるだろう。
 むろん、刑事弁護に対して批判の自由はある。だが言論でなく懲戒請求という手法に訴えることの危うさを、一人ひとりが認識する必要がある。公判のボイコットや偽証のそそのかしといった悪質な行為はともかく、弁護方針や主張の当否は、その刑事裁判の判決の中で決着をつけるのが筋ではないか。
 人権が抑圧された戦前の教訓を踏まえ、弁護士の問題行為は国の機関ではなく、市民の懲戒請求を受けた弁護士会が自ら処分する定めになっている。市民が担う役割が重いからこそ、適切な運用を心がけたい。


おかしな主張だと思います。

そもそも懲戒請求が「言論」でない、という発想が理解できません。たしかに、事件に直接関係ない人達にテレビで呼びかけ懲戒請求が殺到するというのは想定していなかった事態だと思います。しかし、懲戒請求そのものは認められた手続きです。

懲戒請求を出した結果、弁護士が「懲戒には当たらないと反論する作業に労力を割かれ」ようが、「人々の圧力が弁護士をひるませ」ようが知ったことではありません。

一般人は民事訴訟を起こされると、たいへんな負担になります。しかし、だからといって一般人向けに民事訴訟をしてはいけない、とはなりません。これと同じことだと思います。

むしろ、懲戒請求を出すな、という朝日新聞の主張の方が「市民一般の権利を揺るがすこと」になります。

【週刊SPA】大人気アニメ「まどか☆マギカ」の正体

週刊SPA(7月19日号)の『大人気アニメ「まどか☆マギカ」の正体』より

アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の簡単な紹介と、5人の識者による「まどか☆マギカ」論です。

社会学者宮台真司氏は、「セカイ系が陥っていた自意識のどん詰まり感を超えていく物語」と評しています。「セカイ系」と呼ばれる作品群との違いに着目しています。

評論家の宮崎哲弥氏は、功利主義や仏教との類似点を挙げています。

二人とも、珍しい視点で論じているとは思います。しかし、こうした評論が作品理解のためになるとはとても思えません。かつて、あふれかえった「エヴァンゲリオン」論を思い出させます。作品論というより作品をだしにして知識自慢をしているだけのようにも見えます。

また、宮台氏の「すでに一部男性しか享受できなくなりつつあった“クソみたい”なゼロ年代的深夜アニメに対するアンチテーゼとしての『まどか』だったのかもしれない」との発言は、いただけません。宮台氏の信奉者は、これを読んで、“クソみたい”な深夜アニメをいくつか思い浮かべて、納得するのかもしれません。しかし、もしかしたら宮台氏は別の深夜アニメを”クソみたい”と思っていて、信奉者が思い浮かべた作品は結構高く評価しているかもしれません。これでは出来の悪い漫画です。具体的にどの作品が“クソみたい”なのかを言うべきです。

肝細胞生物学者の八代嘉美氏は、「HeLa細胞」というヒト由来の初の継代可能な培養細胞との連想や、八代氏が感じている医学のジレンマと絡めて、語っています。

公認会計士の磯崎哲也氏は、キュゥべえの勧誘方法をみて、「日本人の契約観」を変える物語、と論じています。

この二人の論は、作品から連想した自分の専門知識を書いているだけで、作品論ではありません。当然、作品理解にはまったく役立ちません。

明治大学国際日本学部准教授の森川嘉一郎氏の論は、納得できるものでした。第一の指摘は、DVD販売を大きな目的にしたため観かえすたびに新たな発見があるように作っていること。第二の指摘は、構図が舞台のようにロングからとらえたシーンが多く「シュールなほど広々とした」空間が表現されていること。第三の指摘は、「癒し系の皮を被った生々しい作品が登場し、新鮮な驚きを与え」たことです。

森川氏だけが、誠実に「まどか☆マギカ」を論じています。

【展覧会】カレル・ゼマン展

於:松涛美術館

チェコのトリック映画の巨匠。アニメーション映画とも評されていますが、特撮映画と言うほうが合っていると思います。

10分とか15分くらいの映画を会場のあちこちで流しています。定期的に一時間以上の作品も上映しているようですが、スケジュールがあわず視聴できませんでした。

客観的に言って現在の特撮技術には遠く及びません。それでも、楽しんで作っていることが伝わり好感をもてました。

【朝日新聞】特派員メモ:性的少数者の一票

7月21日 朝日新聞朝刊 国際欄より

引用します。

今月3日にあったタイの総選挙。女性に性転換した人たちが困っていた。投票に必要なIDカードが、男性だったことの顔写真のため、本人確認ができずに投票を断られる例があるという。
性転換者の多いタイだが、性別変更を認める法律はない。このためIDカードは元の性のまま。性転換者の協会は「学校でも病院でも選挙でも、いつも困っている」と法整備の遅れを批判した。
同性愛者のナティーさん(54)も怒っていた。異性間の夫婦と同様の権利を、同性同士のペアにも認めるようにしてほしいという。「愛する人が死に際にあっても、『夫婦じゃない』と病室に入れてもらえない。この苦しみを理解してくれる党がない」
2007年の参院選にレズビアンであることを公表して立候補した、元大阪府議の尾辻かな子さんを取材したことを思い出す。同様の問題を指摘していた。「違いを認めて多様性のある国を」と訴えた尾辻さんは、落選した。
少数者の声は、なかなか国政には届かない。誰からのものであれ、小さい声にも耳を傾けてこそ民主主義と思うのだが (吉田大輔)


性的少数者であっても民主主義である以上、他の人と同様の権利を持つのは当然です。最後の「誰からのものであれ、小さい声に耳を傾けてこと民主主義」という主張には全面的に賛成します。これを前提のうえで、以下私見を述べます。

このコラムは、以下の三つの事実を紹介しています。

1.タイの選挙で性転換者が、前の性だった時の顔写真のIDカードしかないため、投票できなかった。
2.タイで同性愛者がパートナーの死に際に病室に入れなかった。
3.レズビアンの元大阪府議が2007年の参院選に落選した。

まず、1番目です。IDカードの写真と実際の容貌が違っていたら、本人と認めない、というのは当たり前のことです。差別でもなんでもありません。性別変更を認める法律があっても、写真と実際が違っていたら投票できないという問題は解決しません。

2番目は、改善すべきだと思います。

3番目は、まるで同性愛者だから参院選に落選したかのようなことを書いていますが、こういうことはおおっぴらに主張すべきではありません。民主主義なのですから有権者の出した選挙結果は素直に受け取るべきです。

一般的には差別はなくすべきですが、自分の希望が通らないことを薄弱な根拠で差別のせいにするのは不毛ですし、不健全だと思います。もう少し丁寧に論理を展開してほしいです。

【朝日新聞】社会余滴:財界総理、かくも長き不在 

2011年7月21日 朝日新聞朝刊のオピニオン欄に経済社説担当の駒野剛が「財界総理、かくも長き不在」という文を載せています。

引用します。

かつては「財界総理」と言われた経団連会長がいた。
一流企業のトップ中のトップというだけではなく、一級の見識や道義を持つ人物だったから、仰ぎ見られたのだ。
第2代会長の石坂泰三氏は、鳩山一郎政権の日ソ正常化に異論を唱える一方で、財界内にも消極論があった資本などの国際自由化を進めた。

(中略)

石油危機の翌1974年、「行動する経団連」を掲げ、土光敏夫氏が4代会長に就く。各地を飛び回って実情をつかみ、会員各社に設備投資を呼びかけ、政府に進言、要望を繰り返した。
(中略)
福島第一原発の建設には、2人が社長を務めた東芝も参加していた。彼らが生きていたら何と言うか。あれこれ弁解する前に、ただただ頭を下げるだけかもしれない。
いまの経団連会長、米倉弘昌氏も色々と発言中だ。首相の浜岡原発停止要請に「思考の過程がブラックボックス」だと非難。ストレステストをめぐる政府の混乱には、机をたたいて憤った。東京電力への「国の全面支援は当然」という。経団連会長は電力応援団と兼務だったか。
政府を論難する前に財界トップがまず述べるべきは、東電という有力会員が起こした重大事故への反省と被害へのおわびではないか。それが経済道義というものだ。
そして、取り組むべきは、長期的で野心的なエネルギー政策の提案だろう。
日本国総理の劣化は目を覆うばかりだが、財界総理の方は長い不在が続いている


おかしな主張です。

>「福島第一原発の建設には、2人が社長を務めた東芝も参加していた。彼らが生きていたら何と言うか。あれこれ弁解する前に、ただただ頭を下げるだけかもしれない。

「かもしれない」などとあやふやなことを根拠にしても無意味です。二人とも頭を下げないかもしれませんし、弁解したかもしれません。想像で、二人の「財界総理」を立派だと褒め称えているに過ぎません。そしてその想像には何の根拠もありません。

そもそも東芝に今回の原発事故の責任を負わせるのは無理があります。政府の想定が悪かったのか、東京電力の事故対応に問題があったのか、まだはっきりとした結論は出ていないと思いますが、すくなくとも東芝の製品の品質が原因で原発事故が起きたとの主張は聞いたことがありません。

二人の「財界総理」が「あれこれ弁解する前に、ただただ頭を下げる」などというのは、ほとんどありえないと思います。


>いまの経団連会長、米倉弘昌氏も色々と発言中だ。首相の浜岡原発停止要請に「思考の過程がブラックボックス」だと非難。ストレステストをめぐる政府の混乱には、机をたたいて憤った。東京電力への「国の全面支援は当然」という。

米倉会長の政府への注文と、二人の「財界総理」の政府への要望にどういう質的な違いがあるというのでしょうか。単に、駒野氏が米倉会長の主張に反対、というだけに見えます。

米倉会長に批判があるなら、その中身を堂々と論ずるべきです。勝手な想像で祭り上げた「財界総理」と比較して「不在」呼ばわりは卑怯です。

【本】仕事ができる人はなぜデスクがきれいなのか

超・オフィス整理術 仕事ができる人はなぜデスクがきれいなのか超・オフィス整理術 仕事ができる人はなぜデスクがきれいなのか
(2010/06/24)
小松 易

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挑発的な題名ですが、内容はいたってオーソドックスです。

デスクの片付け方に役立つアドバイスです。

この本で一番役に立ったのは、「外に出す」というものです。つまり、引き出しなら引き出しの物をすべて外に出して見渡してみろ、というアドバイスです。

いままでも片付けらしきことをしてきましたが、それは引き出しの中から、いらないものを見つけて捨てる、という作業でした。これだとどうしても死蔵されたものがそのままになってしまいます。

今日、仕事場の引き出しをこの方法で整理してみました。かなりの物を捨てることができました。たいへん有益なアドバイスでした。

ただし、私の周囲の人たちを客観的に評価して、デスクの整頓ぶりと仕事の能力は関係がないように思います。個人的にはきれいなデスクの方が好きですが、デスクをきれいにしたからといって仕事ができるようになるとは思っていません。

【朝日新聞】石原都知事発言から

7月18日 朝日新聞朝刊 東京面の「石原都知事発言から」から。

引用します。

なでしこ決勝へ
サッカー女子ワールドカップで日本代表が決勝に進み、米国と対戦する。
「女は強いですね、つくづく。男はだらしねえけどね。結構なことじゃないですか。(中略)とにかく最後にアメちゃん(米国)にだけは勝ってもらいたい。そうしたらやっぱり日本人は溜飲下げるよ。
(中略)俺なんか古い人間だから、65年の遺恨っていうのがあるわけだよ。戦に破れてからの。君ら、全然痛痒をかんじてないだろうけどさ」


まるで理解できません。太平洋戦争が終わってから、スポーツで米国に勝ったことは幾度もあります。米国発のスポーツである野球の世界大会で日本が世界一になったことさえあります。にもかかわらず石原都知事は、いまだに恨みを晴らせないようです。今回、女子サッカーで米国を破って世界一になりましたが、それでも都知事の恨みは晴れないでしょう。

だったら、何もここで女子サッカーの試合で恨みを晴らそう願っても仕方ないではないでしょうか。どうせ遺恨は晴れないのですから。

【映画】銀河鉄道の夜

於:コスモプラネタリウム渋谷

プラネタリウム用のCG映画。映画上映の前に10分ほど星空解説がつきました。

宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」を、プラネタリウム用のCG映画にしたものです。朗読は、声優の桑島法子さんです。

半球の内側に投影するプラネタリウム用の画面は、3D映画より迫力があります。また桑島さんの朗読も素晴らしかったです。

観て損のない作品です。

【映画】SUPER 8

【映画プレスシート.パンフレットではないです】 『SUPER8/スーパーエイト』 監督:J・J・エイブラムス.製作:スティーヴン・スピルバーグ【映画プレスシート.パンフレットではないです】 『SUPER8/スーパーエイト』 監督:J・J・エイブラムス.製作:スティーヴン・スピルバーグ
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ストーリーの根幹が秘密になっていますので、内容については触れません。

ありきたりな話かもしれませんが、手馴れた感じで安心して観られました。

絶対的な悪という存在は出て来ませんが、この騒動の犠牲になった人も多数いますので、こころからのハッピーエンドというわけにはいきません。それでも最後に和解し通じ合えるとラストには感心しました。

一点だけ気になったのは、最後の場面で、主人公がペンダントを手放すシーンです。この時の主人公の心情がよくわかりませんでした。母親の死を乗り越えた、という意味かもしれませんが、ちょっと理解できませんでした。

ヒロインを演じたエル・ファニングの演技が素晴らしかったです。後で知ったのですが、ダコタ・ファニングの妹だそうです。

推薦できる映画です。

【朝日新聞】やらせメール ご無体な命令が思考を止める

7月15日朝日新聞朝刊のオピニオン欄にて、一橋大商学部長の沼上幹氏が九州電力の「やらせメール」について書いています。

引用します。


(前略)
先週発覚した九州電力の「やらせメール」事件は、「組織ぐるみ」の仕事にしては、内容も手順もあまりにもお粗末ではないだろうか。
どこが「お粗末」なのかを改めて確認するのもばかばかしいが、第一に、そもそもこの種の企画をしたこと自体が非常に非合理的である。もちろん非倫理的であるという批判も受けるべきだが、この「やらせ」は損得勘定で見ても割に合わない。あとで事件が発覚したら、どれほどのマイナスがあるのかを考えてみれば誰の目にも明らかだろう。
しかも、これが発覚しなかったらといって、得られる効果はたかが知れている。説明会に寄せられる賛成メールが増えるだけなのだ。原発を管理している会社にしては、無意味にリスク愛好的である。
お粗末だという二つめの理由は、実行プロセスがあまりにもずさんなことだ。「陰謀」は、確実に信頼しあえる少数者が、証拠の残らない口頭コミュニケーションで行うのが定石だ。それを転送・複写の容易なメールで子会社にまで依頼し、わかっただけで約2900人に伝わったというのは相当「お粗末」である。
多くの人が関与すれば、首謀者や会社そのものに怨恨を抱いている人が含まれる確率が高くなり、その首謀者の失脚や会社への復讐を狙って、マスコミへの密告が発生する危険が高まる。しかも、これだけ多くの人が知っていれば、誰が「裏切り者」かが露見しないので、気楽に密告できる。この「やらせ」は、かなり危ない橋を渡る企画なのに、その実行プロセスは穴だらけである。
(後略)



九電やらせメール問題を倫理面からではなく、陰謀のずさんさの面から批判しています。この後、沼上氏は組織論を展開していきます。最後にこう締めくくります。

組織が倫理観を維持するためにも、その倫理的判断力を支える論理的思考力が不可欠である。そのためには、常に組織の上下間で論理性の高い緊張感のある議論が維持されなければならないのである。


凡百の批判よりもはるかに刺激的な論考です。しかし、前提にしている九電やらせメールの分析には異論があります。

おそらく、九州電力は「やらせメール」を悪いことは考えていなかったと思います。だからこそ気楽にメールで2900人に依頼したのです。「お粗末」な「陰謀」ではなく、非難されると思っていなかっただけでしょう。

なぜなら、今回の「やらせメール」は、株主総会で社員を株主席に座らせ動議に拍手させるのや、政治家の街頭演説で支持者を動員するのと、基本的には同じことだからです。こうしたことは多かれ少なかれ、日本の社会では普通に行われています。それに気づいていない振りをして、九州電力だけを非難するのはカマトトというべきです。

九州電力を非難するなら、株主総会の「やらせ」や街頭演説の「やらせ」を等しく非難の対象にするか、九州電力の「やらせ」だけが問題だとする理由を説明すべきです。沼上氏に限らず、私の見聞きした範囲では、こうした議論はありませんでした。

念のために付け加えますが、私は原子力発電の再稼動を主張しているわけでもありません。電力会社を考えなしに批判することに異論があるだけです。

2011夏調査(2011/4-6月期、終了アニメ、30+1作品)

アニメ調査室(仮)さんで行っているアンケートに投稿しました。

評価基準は
S : とても良い(第3回より追加)
A : 良い
B : まあ良い
C : 普通
D : やや悪い
E : 悪い
F : 見切り、視聴はしたが中止(または見逃しが多い)
x : 視聴なし、(または視聴中のため評価保留)
z : 視聴不可(わかる範囲で良いです)

次のように評価しました。

01,X-MEN,x
02,変ゼミ,x
03,GOSICK,C
04,もしドラ,x
05,フジログ,x
06,昭和物語,x
07,DOG DAYS,F
08,そふてにっ,F
09,世界一初恋,x
10,Aチャンネル,D
11,緋弾のアリア,x
12,電波女と青春男,x
13,星空へ架かる橋,x
14,30歳の保健体育,x
15,イナズマイレブン,x
16,俺たちに翼はない,x
17,アスタロッテのおもちゃ!,x
18,殿といっしょ 眼帯の野望,x
19,聖痕のクェイサーII (2期),x
20,戦国乙女 桃色パラドックス,F
21,デッドマン・ワンダーランド,E
22,神のみぞ知るセカイII (2期),x
23,よんでますよ、アザゼルさん。,x
24,Dororonえん魔くん メ~ラめら,x
25,まりあほりっく あらいぶ (2期),C
26,ファイアボール チャーミング (2期),x
27,あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。,A
28,[ C ] The Money of Soul and Possibility Control,B
29,Starry☆Sky (ネット配信),x
30,俺の妹がこんなに可愛いわけがない TRUE ROUTE (ネット配信12-15話),A
31,俺の妹がこんなに可愛いわけがない (全16話),A

個々の作品評はリンク先をご覧ください。

今期は全体として低調でした。ものすごく楽しみにしている作品には出会えませんでした。ただ、ノイタミナ枠の二作は、いつものこの枠の作品より面白かったとおもいます。

■見切り作品について
DOGS DAY  二回目まで視聴。声優は豪華だと思いますが、何が狙い分からない作品でした。
そふてにっ 三回目か四回目まで観ました。ギャグが面白くないので切りました。 
戦国乙女 桃色パラドックス  三回目まで視聴。理解不能です。

【朝日新聞】天声人語

7月14日 朝日新聞の天声人語より

九州電力の再稼動をめぐる問題で、佐賀県知事や玄海町長が、九州電力と関連が深いということを指摘し、「再稼動に前のめり」だった理由だとしています。

引用します。

(前略)
▼九州電力玄海原発の再稼働をめぐる混乱で、佐賀県知事と玄海町長の役どころは「国の迷走を嘆く地元首長」である。ごもっともだが、ご両人が「店の人」や「宣伝担当」だったら興ざめ極まりない▼知事は九電マンの父君を持ち、同社も支援し当選、九電幹部の個人献金を受けてきた。玄海町長も親族の建設会社が、九電から50億円を超す工事を受注してきた仲という▼あらら九電ファミリーと知れば、再稼働に前のめりだったのに合点がいく。住民の安全より自らの選挙や商売を案じているとは思いたくないが、板挟みへの同情はおのずと色あせよう
(後略)


政治家の背景になにがあるのかを知らせるのはマスコミの大切な機能です。こうした報道はマスコミの重要な役割だと思います。

ただし、「知事は九電マンの父君を持ち」との指摘には、非常な違和感を覚えました。これは献金や親族の工事の受注とはまったく性格の異なる問題です。親の職業で子を批判するのは間違いですし、異様な感じさえします。

【アニメ】俺の妹がこんなに可愛いわけがない TRUE ROUTE (ネット配信)

TV放映の際は原作を読んでいませんでしたが、ネット配信の際には追いついていました。原作は想像以上に面白かったです。

TV放映版は、割と原作から離れた話もありましたが、TRUE ROUTEは原作に準拠しています。準拠しているから「TRUE ROUTE」と名づけたようです。

どういう理由で、TVとは別に「TRUE ROUTE」をつくり、ネットで配信したのでしょうか。作品への興味とは別に、商業的な理由がありそうです。

優れた原作を得た力作でした。是非、二期目をお願いします。

【本】荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論

荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)
(2011/06/17)
荒木 飛呂彦

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漫画家荒木飛呂彦氏によるホラー映画の紹介です。

印象的なのは荒木氏が、どんな映画でも肯定的にとらえているところです。その映画の良い部分と悪い部分を論じるというよりは、良い部分を積極的に取り上げている感じです。それも闇雲にほめているわけではなく、具体的に良い点をあげています。

私などは、観た映画を、あれが良くない、これが良くない、と普段から悪態ついていますので、荒木氏の姿勢には感銘をうけました。

映画評論というより、漫画家という物語の作り手目線のホラー映画論です。ホラー映画ファンにも、荒木飛呂彦ファンにもお勧めの一冊です。


【展覧会】ラファエル前派からウィリアム・モリスへ

於:目黒区美術館

パンフレットの紹介文を引用します。

産業革命後の19世紀中葉のイギリスでは、物の豊かさと引きかえに精神性が失われて行くことに不安を覚えて、中世に憧れました。思想家ラスキン(1819~1900)は「自然の教えを思い出す」ことをとなえ、これに共鳴したハント、ミレイ、ロセッティなどロイヤルアカデミーの若い画家たちが「ラファエル前派同盟」を結成し絵画の革命を目指しました。それは当時の画壇による16世紀イタリアの様式の模倣を捨てて、「巨匠ラファエロより前」の、初期ルネッサンスの素朴で自然に忠実な絵画を志したもので、聖書や古代神話、中世の物語に画想を得ました。
後記はウィリアム・モリス、バーン=ジョーンズなどが加わり、象徴性を高め、世紀末芸術やアール・ヌーボーの源流となりました。
また明治時代の日本の美術界、文学界に清新な刺激をあたえてもいます。
現代社会においても、経済の効率性に重きをおいた時代を省みて、環境を見直し人間性の回復をはかることが叫ばれています。こうした時、本展は私たちに重要な指標をもたらしてくれるのではないでしょうか


神話や物語から着想を得た絵は、雰囲気たっぷりで、楽しめました。特に、女性を描いたものは素晴らしい作品が多かったです。反面、聖書を題材にしたものは私には面白くありませんでした。

おそらく、キリスト教絵画を素直に鑑賞できない私は、まだラファエル前派の精神性が理解できていないのだと思います。

こぢんまりとした美術館ですが、作品数に対してフロア面積が広くとっていたので、じっくりと鑑賞できました。


【映画】X-MEN ファーストジェネレーション

X-MEN:ファースト・ジェネレーション (ヒュー・ジャックマン 出演) [DVD]X-MEN:ファースト・ジェネレーション (ヒュー・ジャックマン 出演) [DVD]
()
不明

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映画シリーズはすべて観ています。原作のアメコミは知りません。アニメが作られているようですが、それも観ていません。映画シリーズのみ知っています。

第一作が面白かったのでDVDを買って何度も観ました。しかし、第二作や第三作、X-MEN ZEROはだんだんパワーダウンしている印象をもっています。そうしたわけで、多少疑いをもってこの作品を観にいったのですが、シリーズ第一作に匹敵する面白さでした。

ストーリーは明快で、プロフェッサーXとマグニートの出会いと別れが描かれています。これまで、マグニートは単純な悪ではなく複雑な背景を感じさせていましたが、その理由がうまく描かれていました。

ただし、この作品でのマグニートは強力なミュータントではあっても後にみせる圧倒的なカリスマ性はまだ感じさせませんし、プロフェッサーXとミスティークの関係も第一作とつながっていないように思います。今後、「ファーストジェネレーション」と第一作の間を埋める作品が待ち望まれます。

お勧めの作品です。


【映画】127時間

127時間 - 映画ポスター - 11 x 17127時間 - 映画ポスター - 11 x 17
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Punt Dog Posters

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実話をもとにしているそうです。事前にどうやって脱出できたのかは知らずに観ました。

最後まで、主人公がこのどういう性格なのかつかめないままで終わりました。回想シーンや妄想シーンなどで、掘り下げをしようとしていましたが、伝わってきません。アウトドア派ですが、一般的な意味でのヒーローでないことはわかりました。

時間経過のわりに、主人公の元気が衰えないように見えました。ほぼ飲まず食わずですから、だんだんにやつれてくるはずだと思います。それがなかったので、最後の脱出方法を採用するにいたる決意がちょっと見えにくかったです。

かなり凄惨な場面も出ますので、こうしたものに弱い人は注意が必要です。それまでギャグまじりの演出だったので、ちょっとショックを受けました。

映画にするには難しい題材に挑戦したことに敬意を表します。まずまずの出来でした。

【朝日新聞】いま子どもたちは 

7月6日 朝日新聞朝刊 教育欄より

算数オリンピックジュニアの決勝戦に出る小学5年生、須田涼太郎君(10)の紹介です。

(前略)
学校の話をすると、ちょっとだけ表情が曇った。
かつての先生に「なぜ算数ができるのに体育や図工はがんばらないの」「あっちができるならこっちもできるでしょ」と叱られた傷が心の隅に残る。「ま、出る杭は打たれるってことかな」と苦笑。国語は苦手、理科は好きだが生物分野には興味ない。
(後略)


この先生は、大筋では決して間違ったことを言っているわけではないと思います。ある分野に秀でた頭脳をもっている子供は、他の分野でも才能を発揮すると考えるのは自然です。また、他の分野に多少なりとも目を向けた方が、将来のためになる可能性もあります。これが常識的な大人の発想です。しかし、この少年は先生に叱られたことをすくなからず気に病んでいるようです。

この記事を読んでの感想は、自分よりはるかに優れた才能の持ち主を教育・指導することの、困難さです。傑出した人間の才能を伸ばすのには何が適切なのか、すくなくとも邪魔しないためには何をしてはいけないのか、平凡な大人の常識では判断できません。これはとても恐ろしいことだと思いました。

【朝日新聞】原発を国民投票で問う

7月6日 朝日新聞朝刊 オピニオン欄より。

論争のテーマは次のものです。

原子力発電をどうしていくべきか。誰かが決めなければいけない。初めての国民投票を行って国民が直接決めるのか、それとも国民に託された国会あるいは政府が担うべきか。推進論と慎重論を聞いた。


みんなで決めよう「原発」国民投票事務局長の今井一氏が推進論、民主党衆院議員の前原誠司氏が慎重論で、それぞれの立場から意見を述べています。

国民投票自体に反対というわけでもありませんが、両氏の意見を読んでみて、前原氏の意見の方が妥当だと思いました。

前原氏の意見から見ていきます。

原発について私は、20年なら20年と期間を区切って徐々に止めていく、しかしその間は安全性を高め、代替エネルギーの導入で経済全体に大きな影響を与えないようにし、さらにこれを日本の新たな強みにしていくような「電源のベストミックス」を提案していくべきだと考えています。


この意見だと、単純にイエスともノーとも言えなくなります。多様にある意見を無理に単純化するのはいけないいう指摘です。この意見には完全に同意できます。

一方、今井氏が発言を見ていきます

スイス、フランスの国民投票も取材しました。調べたら、世界中でこれまでに1100件以上、行われています。でも日本では建国以来、一度もありません。民主主義国として異常でしょう。


今井氏が紹介しているのは、
・スイスとフランスで国民投票を取材した。(つまりスイスとスランスでは国民投票をしている)
・世界中で1100件の国民投票が行われた。
の二点です。

日本を除く世界中の民主主義国が国民投票を実施しているというなら、確かに異常といえます。しかし、今井氏の言では、特定の国に偏っていることがうかがわれます。日本を異常に見せかけようとしているとしか見えません。こうした姑息なことをしているようでは信用できません。

次の意見はどうでしょうか。

脱原発か原発容認かは、憲法9条を変えるか変えないかに匹敵する、この国の未来を左右する問題です。国会や政府、一部の政党や政治家、官僚が決めていいことではありません。主権者である国民が自ら選択すべきです。


政治家を選んだのは国民です。政治家が決めても、国民が選択しなかった、ということにはなりません。ただし公平に言えば、政治家を選んでいるのであって政策を選んでいるわけではない、というのは確かです。国民投票を頭から否定できない理由がここにあります。

メリットとしてあげているのか次です。

国民投票が実現すれば、性別や納税額で差別されない普通選挙が初めて行われた時に匹敵するインパクトがあると思っています。日本の民主主義の歴史の新たな1ページになるでしょう。


情緒としては分かりますが、具体的ではありません。

全体として、前原氏の提出した二元論の危険性を払拭できるような意見でもありません。二元論に陥る危険をどう解決するのかを示してくれたら国民投票賛成にまわるかもしれませんが、今の段階では慎重論にくみします。

【アニメ】GOSICK

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(2011/05/10)
悠木 碧、江口拓也 他

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原作は第一巻のみ既読。推理小説としてはまるで評価できません。二巻目に進む気にはなれませんでした。しかし、アニメ化はある程度成功したと思います。それはヴィクトリカが可愛かったことにつきます。止まった絵だけでなく、表情やしぐさといった動きで可愛さをみせるというのはアニメの表現として大成功です。スタッフの実力を感じさせました。

ストーリーは何をしているのかよくつかめなくなってきました。原作を知らないとついていけないようですし、ついていきたいと思うほどの魅力があるストーリーではありません。

問題はストーリーだけではありません、人間への洞察が浅すぎます。11話を例に説明します。

11話では、ヴィクトリカと兄のグレヴィールの過去のエピソードがあらわになります。グレヴィールがひそかに想う女性(ジャクリーン)に殺人容疑がかかりました。これによりジャクリーンは婚約破棄寸前に至ります。グレヴィールはヴィクトリカに依頼し、ジャクリーンの無実を証明しました。この時の対価として、グレヴィールは、ドリル状の髪型をヴィクトリカに強要されることになりました。

このことに対して、グレヴィールはヴィクトリカに次のように主張します。

・本当に自分(グレヴィール)を苦しめたいのであれば、二度とジャクリーンを愛するな、というべきであった。
・このことは、人間なら誰しも思いつくはず。思いつかないのは、おまえ(ヴィクトリカ)が人の心を解さない”灰色狼”だから。

これに対して、ヴィクトリカは痛いところをつかれたような反応を示します。

これはおかしいです。本当にグレヴィールを苦しめたいなら、もっとも効果的なことはジャクリーンの容疑を晴らさないことのはずです。仮に、無関係のジャクリーンを兄妹の確執に巻き込むことを避けたのだとしても、人の内心の規制を要求するのは無理ですし、無意味です。そもそもジャクリーンは別の男と結婚する予定です。グレヴィールがひそかにジャクリーンを愛していても、ヴィクトリカには約束違反を証明する方法がありません。

故に、グレヴィールの理屈は間違っていますし、ヴィクトリカが半ばグレヴィールに同意しているのはおかしいです。

あれこれ問題はありましたが、ヴィクトリカが可愛かったので、作品全体としては許せます。


【アニメ】デッドマンワンダーランド

デッドマン・ワンダーランドBlu-ray 特装版 第1巻デッドマン・ワンダーランドBlu-ray 特装版 第1巻
(2011/06/24)
朴ロ美、花澤香菜 他

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原作は未読。

次から次へと謎が提出されたり、新キャラクターが登場したり、と落ち着きのない作品でした。はじめの囚人を使って死のゲームをさせ、それを見世物にする、という魅力的な設定も後半では忘れ去られたかのようです。

「赤い男」の正体について、ある予感を示して終わっています。肝心なところで終わってしまいました。原作が完結していないのかもしれませんが、ストーリーに何らかの決着がつくところまで作成してほしかったです。

何が何やら分からない作品でした。二期を作るとしても観るかどうかは微妙です。

【アニメ】まりあ†ほりっく あらいぶ

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(2011/07/27)
真田アサミ、小林ゆう 他

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第一期に続けて視聴。

手馴れた感じで安心して観られました。かといってマンネリにはならないように毎回新しい工夫をしているのが分かります。

あくが強いので好き嫌いは分かれそうですが、よく練られた作品だと思います。

ギャグアニメなので、笑えるかどうかが評価基準になります。第二期は第一期と同じく水準を越えていたと思います。ただし、第三期をつくるとなると、さらに工夫をしないと飽きられるかもしれません。期待はしています。

【朝日新聞】ウサギとカメで公倍数

7月2日朝日新聞朝刊 教育欄より

公倍数を教えるのに「ウサギとカメ」を使った授業の紹介です。

(前略)
倍数を学ぶ算数の授業では「ウサギとカメ」を題材にした。ウサギとカメが、0から100まで目盛りが付いた数直線上を競争する。足の速いウサギは1歩で目盛り八つ分進むが、遅いカメは六つ分だけだ。ゼロの地点に並んで、一斉にスタート
「しばらく進むとウサギは油断して寝てしまいました」と先生が言った。「あーあ」「目覚ましかければよかったのに」。先生は「みんなも目を閉じて」と言い、数直線上の途中に黒い布をかぶせた。
「目覚めるとウサギはびっくり。そこにはカメもいました。さて、2匹のいる場所はどこでしょう?」。子どもたちは「真ん中かな」「80?」と口々に予想しながら考えをノートにまとめた。
(後略)


この後、ウサギとカメが同じところにいる可能性があるのは6の倍数でかつ8の倍数の地点、つまり6と8の公倍数の、と説明を進めます。

朝日新聞は、この授業を肯定的に紹介していますが、私にはこの教え方は納得できませんでした。

ウサギは8目盛りずつ移動しながら、どこかで寝てしまうということなので、ウサギが居るのは(寝ているのは)、8の倍数の地点です。これはよいです。

しかし、ウサギが目覚めてカメがそこに居た時に、カメが一歩を終えた瞬間だとは限りません。カメは6目盛りずつ瞬間移動するわけではないのです。カメが足をおろしきらない瞬間にカメがウサギと並ぶことはあり得ます。その瞬間にウサギが目を覚ましても不思議ではありません。つまり8の倍数の地点ならどこでもあり得ます。公倍数の勉強にはなりません。

この授業が成立しているのは、ひとえに生徒達が空気を読んでいるからにほかなりません。算数の能力だけではなく、処世術も発揮しています。

算数や数学は抽象的なものを扱いますので、具体的なものに置き換えた方が理解しやすいと考えられているふしがあります。本当に具体化すると理解しやすくなるかどうかは疑問です。中学や高校の数学ではまず通用しません。小学生には具体化して教えるべきという意見もあるでしょうが、具体化を間違えると理解しにくくなるのは断言できます。この教え方は具体化に失敗しています。授業についていけなかった生徒もいたのではないかと思います。

奇をてらった実験的な授業ではなく、多少古めかしくても伝統的な方法で教えてもらいたいです。



【展覧会】ルドゥーテ展

Redoute~マリー・アントワネット、ジョセフィーヌが愛した宮延画家ルドゥーテの描いた美しき薔薇の世界 (e-MOOK)Redoute~マリー・アントワネット、ジョセフィーヌが愛した宮延画家ルドゥーテの描いた美しき薔薇の世界 (e-MOOK)
(2011/06/20)
不明

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於:Bunkamura ザ・ミュージアム

場内花の絵で埋め尽くされていました。非常に緻密に描かれていますが、構図だの光の方向などはまるで工夫していない絵です。もともと植物学の資料が主目的のようですので、絵画的工夫はしないのが正解なのでしょう。

音声ガイドはありませんでした。ガイドしようがないのでしょう。

題材が題材だからか、入場者のほとんどが女性でした。花が好きな人には楽しめるのだと思いますが、絵画としては、ちょっと物足りなかったです。

※Bunkamura ザ・ミュージアムは改修工事のため、12月まで閉館だそうです。


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えいび

Author:えいび
日々の出来事、映画やアニメの感想です。

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