【本】なぜおいしいアイスクリームが売れないの?


なぜおいしいアイスクリームが売れないの? ダメな会社をよみがえらせる3つのレッスン (講談社BIZ)なぜおいしいアイスクリームが売れないの? ダメな会社をよみがえらせる3つのレッスン (講談社BIZ)
(2006/11/29)
S. チョウドリ

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小説仕立てのビジネス指南書です。

いくつかの疑問がわきました。

品質を改善すれば売上増につながり品質改善にかけたコストは回収できる、ということを主張しています。しかし、低品質でも低価格をもとめる需要はたしかにあります。仮に、従業員から、多少品質を落としても安いアイスクリームを売りましょう、という意見が出たら、それは聞くべきアイデアなのでしょうか。

たしかに、品質を向上させろ、という声に応えてビジネスを成功させた、という話は美しいと思います。しかし、現実の世界では、単純に高品質を求める企業ばかりではありません。現に小説の中のアイスクリーム屋は他社の低価格商品に悩まされています。

このビジネス指南は、高品質戦略を採った企業だけのものなのか、それともすべての企業は品質改善を目指すべきと説いているのか、判断がつきませんでした。

また、小説の中で、改善を実行するために、登場人物たちが自腹を切っているのが引っかかりました。具体的には、

・主人公が部下からアイデアを得るために自分のポケットから100ドル提供
・会社経営者から経費を引き出すために、成果がでない場合に二十時間の無給労働を約束
・職場をきれいにするために従業員が無償労働

小説では美談にしています。反面、皮肉な目でみれば、やりがいをかきたてながら、滅私奉公を強いているようにも見えました。

評判のいい本のようですが、私には違和感がありました。
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【朝日新聞】死刑確定で終わらぬ光市事件

2月28日朝日新聞朝刊オピニオン欄。桐蔭横浜大法学部教授の河合幹雄氏が、「死刑確定で終わらぬ光市事件」という一文を載せています。

報道された事件と、記録でみる事件とが、これほど大きく異なる事件はない。報道機関は光市事件で、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会からの厳しい批判を受け、あおる報道はやめたが、正しい情報提供はできていない。
少年の原体験は、自殺した母親の死体の脇に自分がひとりぼっちで取り残されることであったろう。殺してしまった母親の脇にとりのこされた赤ん坊によって、原体験を再現してしまった。その赤ん坊は「自分」だったはずである。裁判の事実認定で、発覚を防ぐために赤ん坊を殺したというのは、死刑という結論に無理にもっていくための後付けの理屈のように思える。
最高裁は、世論調査を見て、少年の刑事罰は軽くするという司法界の常識が世間で全く受容されていないと解釈し、国民を啓蒙するのではなく、「世論」に追随したようにみえる
治安の悪化や、少年犯罪の凶悪化といった誤った印象を国民に与えて、厳罰化世論を形成させた報道機関は、それを是正する義務がある。「安全と水はタダ」の70年代に比べ、現在は殺人事件が半分以下に減少しているのに、死刑判決が急増したことを大きく取り上げるべきだ。
被害者遺族の気持ちや死刑についてあまりにも単純化された言説が多すぎる。更生が期待できないというが、死刑囚こそ反省の必要がある。現場ではそう信じられ努力している。悪人も救われる、生まれ変わるといった死生観もある。死刑確定で終わりではない。
(後略)



日本の治安がだんだん良くなってきていることは、決して関係者だけが知っていることではありません。一般人である私もそう理解していたくらいです。

河合氏には分からないようですが、一般人にとって、治安がよくなってきていることの認識と厳罰化を求めることは矛盾していません。個々の犯罪被害者の心情を察したり、自身が被害者になることを想像したりすることで厳罰をもとめる気持ちが高まります。統計的に処理された数字をもとに政策立案をしているのではなく、自分の問題として考えているからです。

混ぜっ返して言えば、厳罰化に流れたからこそ治安がどんどん良くなったとも言えます。もちろんそんな単純なことではないでしょうが。


最高裁が世論に迎合したと言うのであれば、根拠をあきらかにすべきです。法学部教授である河合氏が法律の専門家であることは疑いませんが、最高裁の判事も法律の専門家です。根拠を示さず一方を非難しても、第三者である素人は納得しません。


少年の原体験は、自殺した母親の死体の脇に自分がひとりぼっちで取り残されることであったろう。殺してしまった母親の脇にとりのこされた赤ん坊によって、原体験を再現してしまった。その赤ん坊は「自分」だったはずである。

どこからこんな想像をしているのか分かりません。弁護士や被告人もこんなことは主張していませんでした。あやすつもりで首に紐をちょうちょう結びにした、と言っていたはずです。


更生が期待できないというが、死刑囚こそ反省の必要がある。

「死刑囚こそ反省の必要がある」というのは私も反対しません。処刑されるまでの間でも自分の罪と向き合うべきだと思います。

そのことと「更生が期待できない」ことは矛盾していません。更生とは罪をつぐなって社会復帰することです。社会復帰を許されない死刑囚でも反省すべきだ、というのは誰も反対しないと思います。

【時事問題】前原政調会長の会見拒否

朝日新聞社説から引用します。

会見取材拒否―前原さん、それはない

民主党の前原誠司政調会長が、定例記者会見への産経新聞記者の出席を拒んだ。
自分に批判的な一連の記事は「事実に基づかない悪口」「ペンの暴力」であり、「受容の限度を超えた」のだという。
この対応に驚くとともに、あきれる。
公党、とりわけ政権与党の政策責任者が、報道された内容を理由に、特定の社を会見から締め出すなどということを、なぜ、やるのか。
前原氏はみずからの説明責任の重さを自覚して、速やかに、「産経排除」を撤回すべきだ。
産経新聞の記事が前原氏に手厳しいのは確かだ。「言葉ばかりで、結果が伴わない人」という意味で、「言うだけ番長」という表現を、5カ月余りで計16回使ったという。
これらを前原氏は執拗(しつよう)な個人攻撃と受け止めたのだろう。
しかし、一例を挙げれば、国土交通相就任直後に明言した八ツ場ダム建設の中止が果たせていないことは事実である。
もし、産経の記事に間違いがあるというのなら、会見で堂々と反論すればいい。
政治家は常に批判にさらされるものだ。その覚悟のなさを露呈した取材拒否は、前原氏の政治家としての狭量ぶりを印象づけるだけだろう。
ニュースを伝える媒体が多様化する現在、フリージャーナリストを含めて、取材者の背後には多くの読者や視聴者がいる。
民主党は従来の政権より、フリーにも会見を開放するなど、国民への説明責任を重視してきたはずだ。
その意味では、民主党政権としての対応も問われる。
ところが、野田首相はきのうのインタビューで、「それぞれの判断に、お任せしている。これ以上はコメントできない」と答えた。この認識は甘すぎる。党の代表として、前原氏をたしなめるのが筋だ。
(中略)
「私は君の意見には反対だ。だが、君がそれを主張する権利は、命をかけて守る」
先人の、この名言を前原氏に贈る。


朝日新聞の社説に全面的に同意します。

産経新聞と仲の悪いと言われる朝日新聞ですら、前原氏を擁護していません。おそらく擁護するマスコミはないでしょう。いかに前原氏の行いがおかしいかということの証明です。

おかしな意地をはらずに、撤回すべきです。さもなければ前原氏の将来に悪影響を及ぼすことになるでしょう。

私は民主党の政治家の中では、前原氏をある程度評価していただけに、今回の振る舞いは非常に残念です。

【展覧会】ルドンとその周辺-夢見る世紀末

もっと知りたいルドン―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)もっと知りたいルドン―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
(2011/10)
山本 敦子

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於:三菱一号美術館

オディロン・ルドンの「グランブーケ」を中心に、ルドンの作品と、ルドンに関連した画家の作品展です。

日曜日に行きましたが、ほどよい程度の混み方で、ストレスなく鑑賞できました。

進化論などの科学、気球などの技術の発達が、ルドン作品に与えた影響が理解できました。音声ガイドもためになる情報がおおくて勉強になりました。

「グランブーケ」はさすがに迫力がありました。
あと、ギュスターヴ・モローの「ピエタ」がよかったです。

3月4日までの開催です。

【本】マリア様がみてる:「おっぱいクッキー」

雑誌Cobaltで発表された、「マリア様がみてる」の新作短編です。

最近の「マリア様がみてる」の新作短編の例にもれず、これも本編(?)とは無関係に成立している話です。

ある出来事を三人の元リリアン卒業生がそれぞれの主観で語るという「藪の中」形式です。それぞれの解釈が三人の職業にまで影響したようです。あるいは順序が逆で、そういう風に解釈する資質がそれぞれの職業を選んだのかもしれません。

「マリア様がみてる」の場合、卒業生といってもせいぜい大学生までしか登場しないのが通例でした。学校の先生として戻ってきた人は例外で、あとは年配者のOGだけだったように思います。結婚前くらいの年齢のリリアン卒業生というのは珍しくて面白かったです。

小説は四人目の卒業生によって真相が明かされて終わります。

でも、もしかしたらこの「真相」も四人目の主観に過ぎないのかもしれません。そんなことを考えてしまいました。

【朝日新聞】弁護士の法廷闘争に一石

2月23日朝日新聞朝刊社会面に、「弁護士の法廷闘争に一石」という光市の母子殺人事件裁判の特集記事が載りました。

橋下徹弁護士(現・大阪市長)がテレビ番組で、光市母子殺害事件の大月孝行被告(30)の弁護団を非難し、市民に呼びかけたのは2007年5月のことだ。
「許せないと思うなら一斉に懲戒請求をかけて」
犯行時18歳の少年だった被告は当初、殺意や強姦目的を認めたが、途中で否認に転じ、新たな主張を始めた。橋下氏は、被告自身ではなく「弁護士が中心となって組み立てられたとしか考えられない」と批判した。
(中略)
新たな弁護団が「真相」として主張したのは、精神的に未熟だった被告が被害女性に母のイメージを重ね、偶発的に事件が起きたとする「母胎回帰ストーリー」だった。
甘えを受け入れて欲しいと抱きついたことが犯行の発端で、死亡後に姦淫したのは自分を母の胎内に戻す願望の実現だった。だから、殺人や強姦にあたらない―――。
検察側は「荒唐無稽だ」と反発した。
当時、弁護団の一人だった今枝仁弁護士(41)=広島弁護士会=の事務所には「お前の家族も同じ目に遭わせてやろうか」などと書かれた手紙が数週間で20~30通届いた。
「刑事弁護人の役割を正しく理解してほしい」。今枝弁護士ら4人は橋下氏を相手に民事裁判を起こした。
(中略)
草野尋之・一橋大教授(刑事法)は「社会の共感が得られなくても、法廷で自由に主張できることによって、刑事裁判の公正さは保たれる」と指摘する。
うそをそそのかすのは許されないが、誠実に被告の言い分を聞いて伝えるのが弁護人の責任だ。多数者が納得する主張しか許されないのでは、裁判とはいえない」


弁護士に脅迫状まがいの手紙を送りつけるのは賛成できません。しかしながら、この事件で弁護士団が批判を浴びたのはしかたのないことだと思います。

被告人が主張していることを弁護士が代弁したのであれば、それがどんなに荒唐無稽な話でも弁護士が批判されるべきではありません。大多数の国民はそのことは理解しているはずです。

しかし、この事件では弁護士が主導して被告の主張を作り上げたとみなされたから批判されたのです。まさに「うそをそそのかす」のが許せなかったのです。

朝日新聞は、橋下氏を含めた批判者の批判内容を捻じ曲げていると思います。

【アニメ】今、そこにいる僕


今、そこにいる僕 Vol.1 [DVD]今、そこにいる僕 Vol.1 [DVD]
(1999/12/22)
岡村明美、名塚佳織 他

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Gyaoにて視聴。初見です。

異世界ファンタジーでした。現代の日本の少年が別世界に飛ばされて、その世界の争いごとに巻き込まれます。また、ボーイ・ミーツ・ガールの要素もあります。

「萌え」といった要素は皆無です。主人公は明朗な性格ですが、終始陰鬱な雰囲気に包まれています。この世界が水不足のためか滅びに向かっていて、政治体制も内戦と政治弾圧(少年兵狩りなど)が横行していることが原因です。主人公と同じように現代社会からさらわれた少女が強姦された上に妊娠という救いのないサブストーリーもそれに拍車をかけています。

舞台の世界と主人公のいた現実世界がどういう関係なのか明かされません。未来世界なのか、並行世界なのか。ただ、彼らはかなり自由に現実世界と往来できるようです。理由はわかりませんが、彼らの問題の解決のために、現代世界を利用しようという発想はないようです。二つの世界の関係を描くというSF的な視点はありません。舞台の世界を描くための案内人という位置づけで現代の日本人少年を主人公にしたようです。

しかしながら、舞台の描き方が説明不足です。水不足とか少年兵とか頭のネジがゆるんだ独裁者という部分部分しかわかりません。さらに、伝説の魔術使いの少女(?)みたいなものまで出てくるにいたっては、何が見せたいのかはっきりしません。

深刻な話をアニメでやることは意欲的だと思います。しかしその深刻なテーマをささえるだけの話の構造になっていなかったと思います。

【アニメ】2011年のアニメ 総合評価

アニメ調査室(仮)さんのサイトで2011年アニメのランキングが発表されました。
このランキングを私の評価に違いを検証してみます。
私の評価を、Sを3点、Aを2点、Bを1点、Cを0点、Dを-1点、Eを-2点と数値化します。
アニメ調査室(仮)さんのランキング評価との差を求めます。
差が大きいほど、世間の評価と私の評価がズレていることを意味します。以下のような結果になりました。

2011anime.gif

ズレは私の評価の方が高いものと、低いものに分かれます。

■私の評価が低くなったもの

デッドマンワンダーランド」「Aチャンネル」「IS」「NO.6」「バカとテストと召還獣(2期)」「レベルE」「GOSICK」が世間より低く評価していました。。

「デッドマンワンダーランド」はある程度物語に白黒がついていれば、もう少し高く評価できたと思います。なぜこんなに(相対的に)高い評価なのか不思議です。

「IS」は趣味の人たちの評価が高かったのではと思います。私にはよくわからない作品でした。

「バカテス」「レベルE」「GOSICK」は原作ファンが点数を押し上げたのかもしれません。再視聴すると評価が変わるかもしれません。

「NO.6」はどう考えてもこれ以上の評価はしようがありません。世評とズレが起きたのは不思議な気がします。

■私の評価が高かったもの
逆境無頼カイジ」「BLOOD-C」「Fate/Zero」の評価を高めに出しました。

このうち「カイジ」と「Fate/Zero」はS評価(最高評価)としましたので、ズレたのはしかたないと思います。(誰もS以上の評価をつけられないので「中和」されることがありませんので)

「BLOOD-C」は、はじめからの想像通りに大きくズレてしまいました。なぜこの作品が世間で低評価なのか理解しているつもりですので、この結果には驚きません。むしろ世評とは違う評価ができたので、ちょっと誇らしい気分です。

■全体を通して
思っていたより、他の人と違うことはないのに自分でも驚きました。

参)
アニメ調査室(仮)さん へのコメント(2011/1-3)
2011夏調査(2011/4-6月期、終了アニメ、30+1作品)
2011夏調査(2011/4-6月期、終了アニメ、30+1作品)
2011秋調査(2011/7-9月期、終了アニメ、35+3作品)

【朝日新聞】私の視点:政府の自殺対策 相談の受け皿整え周知を

2月20日朝日新聞朝刊のオピニオン欄の「私の視点」コーナーで、NPO自殺対策支援センターライフリンク代表の清水康之氏が「政府の自殺対策 相談の受け皿整え周知を」という一文を載せています。

前段が自殺対策強化月間の標語の問題。後段は政府がなすべき自殺対策への提言です。提言自体はもっともなことだと思いますが、ここでは、前段の標語の問題について述べてみたいと思います。

引用します。


紆余曲折の末、自殺対策強化月間の標語「GKB47」が撤回された。自殺予防の門番を指す「ゲートキーパー」を広めようと、アイドルユニット名をもじった造語である。
公表時から「人の死をバカにするな」「本当に苦しい状況の人がどう感じるか想像できないのか」などの批判が相次いだ。私たち自殺対策に取り組む全国の民間団体も、連名で抗議声明を出した。
(後略)


“連名の抗議声明”というのはこれのようです。ライフリンクの名前も確認できます。ここからも引用します。

先日、政府が今年3月の自殺対策強化月間のキャッチフレーズを「GKB47宣言!」に決めたとの報道がありました。内閣府のホームページに掲載されている自殺対策推進室の資料によれば「GKB47のGKBとは、gatekeeper basic の頭文字をつなげたものであり、専門性の有無にかかわらず、国民一人ひとりが、それぞれの立場でできることから進んで行動を起こしていくこと、47は47都道府県を始め、国民すべてへの取組の広がりを示して」いるのだそうです。しかし、私たちは現場で自殺対策(生きる支援)を担う立場から、この「GKB47」を自殺対策強化月間のキャッチフレーズにすることには強く反対です。また、その使用を決めた政府に対して厳しく抗議するとともに、その撤回を求めます。その主な理由は、以下の通りです。

1)「GKB47」は、キャッチフレーズの役割を果たしていない
そもそも「gatekeeper basic(ゲートキーパーベイシック)」の意味が分かりません。まずは言葉に注目させて、それから意味を理解してもらおうと狙ったのかも知れませんが、それも裏目に出ています。「GKB47」は女性アイドルグループ「AKB48」のもじりとしての印象が強く、「冗談にもほどがある。人の死をバカにするな」「本当に苦しい状況に追い込まれている人がこれを見てどう感じるか想像できないのか」などの批判が沸騰しているのです。また「GKB」は若者の間でゴキブリを意味することから、「政府がやりたいのは自殺対策の推進でなく自殺の推進。ゴキブリは47(死ね)ということだ」といった中傷も拡散しています。キャッチフレーズとは本来、関係者はもちろんのこと、国民が心をひとつにするためのものであるはずです。人の生死と向き合う取り組み(自殺対策)のキャッチフレーズとして「GKB47」は、あまりに不適切であり、実際にその役割を果たしていないのです。
(後略)


「GKB(GateKeeper Basic)」の意味は確かに分かりませんが、一般人にはそもそもの「ゲートキーパー」自体が分かっていません。彼ら自身が分からない言葉を使っているのに、「GKB」を分からないという理由で責めるのは、違和感があります。

GKB47がアイドルユニット名のもじりであることは、確かでしょう。しかし、それだけでは人の死をバカにしているというのは言いすぎです。この手の標語は多かれ少なかれそうした軽さがつきものです。これが特にひどいという感じはしません。

GKBとゴキブリの連想にいたっては、妄想じみています。一部の集団の悪乗りにひきずられたように思えます。

たしかに異論続出の標語には問題があります。しかし、今回のGKB47の問題は、もとになったアイドルユニットへの反感や、政府への拒否感から異論が出ているのではないでしょうか。万人が納得する標語をつくるなどそもそも無理なのに、自殺問題とは関係ない意見や遊びに、踊らされたように見えます。

標語の問題で大騒ぎをしたのは、ちょっとまずかったのではないでしょうか。今後、自殺問題を考える民間団体がうるさい圧力団体扱いされることがなければよいのですが。

【本】救いの死


救いの死 (世界探偵小説全集)救いの死 (世界探偵小説全集)
(2000/10)
ミルワード ケネディ

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1931年。ミルワード・ケネディの推理小説。

この作者のことはこれまで知りませんでした。書評もしていたそうです。アントニー・バークリーの友人でもあるそうです。

作品は、書評家が書いたものだと思えば、すごく納得できるつくりです。つまり、よく言えば凝った作品と言えますが、悪く言えば頭でっかちになっています。アントニー・バークリーのある作品との類似も指摘されています。実際、似ていると思います。

好き嫌いが分かれそうな作品です。私にはちょっと受け付けられませんでした。

【朝日新聞】舞踏会 踊る極右

2月16日の朝日新聞朝刊の記事より引用します。

ウィーン「支持者の集会」と批判
文化遺産登録から除外
ウィーン伝統の舞踏会が政治に踊らされている。国連教育科学文化機関(ユネスコ)のオーストリア委員会が1月、同国の無形文化遺産の登録から外した。一部の舞踏会が極右勢力の集会になっていると批判されたためだ。「政治と文化は無関係」と主催者側は批判するが、急伸する極右に人々は神経をとがらせている。

ウィーン中心部にあるハプスブルク家王宮のホーフブルク。1月27日夜、その内と外は別世界だった。
「王宮の外にいる連中こそ民主主義の敵だ。誇り高き、われわれドイツ圏の文化を守り抜こう!」
豪華なシャンデリアが照らす王宮内で、オーストリアの極右政党・自由党のシュトラッヘ党首が気勢を上げると、華やかな衣装に身を包んだ約3千人の男女が熱に浮かされたように踊り始めた。オーストリアやドイツの学生団体が主催する舞踏会。羽根帽子に剣を携えた中世風の民族衣装の若者たちも目立つ。
舞踏会は今年で59回を数えるが、世間では「極右の舞踏会」とも呼ばれている。国内外からの極右勢力の政治家や支持者が多数参加し、王宮という華やかな舞台で結束を固める場になっていると指摘されている。この日も、フランスの右翼政党・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首、スウェーデンやベルギーの極右政党幹部が来賓に名を連ねた。
「ナチスは出て行け!」「オーストリアの文化を汚すな!」。同じころ零下に冷え込んだ王宮の外では、舞踏会に抗議する約2500人のデモ隊が怒声を上げた。ナチス・ドイツのアウシュビッツ強制収容所が解放された日とも重なったことから「死者への冒涜だ」と過熱し、一部は警備の警官隊と衝突して9人が負傷、20人が逮捕された。
発端は一週間前にさかのぼる。ユネスコの国内委員会が同国の無形文化遺産として2010年に認定した「ウィーンの舞踏会」を突然、登録リストから抹消すると発表した。無形文化遺産にふさわしいと判断した約20の舞踏会の中に「極右の舞踏会」が含まれていることを、外部からの指摘された委員会は「重大なミスだった」と謝罪した。
(中略)
同国経済はEU加盟国の中でも堅調で、失業率も約4%と低水準。一方、豊かさを求めてトルコやユーゴスラビア諸国などから移民が流れ込み、外国籍の住民は10年前に比べ35%も増えた。国民の中にくすぶる反移民感情が右傾化の一因となっているといわれる。
地元調査機関は「特にオーストリアの若者は将来に悲観的で、仕事を失うことに恐怖を抱いている。自由党は過激な政府批判を繰り返し、不満を吸い上げて支持を拡大している」と分析する。
(ウィーン=玉川透)


よくわからない記事です。

確かにその舞踏会には「極右」の人たちが多く集まっているようですが、やっていることはダンスのようです。掲載された写真も踊っているだけのものでした。ダンスのあとで演説会があるとかいうなら政治集会かもしれませんが、記事にそのような説明はありません。これではたまたまそういう政治傾向の人が踊りに集まっているだけのようにしか見えません。

しかしながら、反対集会に3000人も集まっているのですから何かに怒っているのは確かです。それが何なのか記事からさっぱり伝わってきません。お定まりの、移民が増えて職を失った若者が移民排斥に、というストーリーにまとめただけです。

写真を見る限り、舞踏会の出席者は生活に余裕のありそうに見えます。むしろ反対派のメンバーの方が失職の危険を感じている層に見えます。正式な舞踏会のために着飾った人たちと氷点下の外にいる人たちとの違いかもしれませんが、素直に写真を見る限り貧困層が外国人を排斥している、という構図は違っているような気がします。

文化遺産登録抹消の経緯も釈然としません。単に「重大なミスだった」だけでは説明になっていません。具体的にどこが問題とされたのかを取材すべきです。背景の説明がなければ、いやがらせと事なかれ主義の結末にしか見えません。

以上は、記事への批判です。次に、集会反対派についていくつか指摘します。

気に喰わない連中の舞踏会を暴力で阻止しようというのは、集会の自由をおかしています。これでは「民主主義の敵」といわれてもしかたがありません。

また、アウシュビッツ解放の日だからと怒るのは馬鹿げています。一年は365日しかないのですから、毎日がなんらかのナチス・ドイツに関連する日になるでしょう。アウュビッツ解放日をわざと選んだとするのは、妄想が入っているように思えます。

さらに、移民に反対するから「極右」というのは極端です。ナチス・ドイツのユダヤ人政策と、移民反対の間にはあきらかに相当な開きがあります。冷静さを欠いています。

【本】数字のカラクリを見抜け!


数字のカラクリを見抜け! (PHPビジネス新書)数字のカラクリを見抜け! (PHPビジネス新書)
(2011/09/17)
吉本 佳生

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グラフやデータを読み取る上で気をつけなければいけない点(データ分析術)の解説書です。

全19項目を、会社の新人と上司(データ分析の達人)の会話劇とそれに続く解説でまとめています。まず新人の考えのどこに間違いがあるのかを考えてから解説を読んでより理解が深まるように工夫されています。うまい構成だと思います。

内容も、今まで気がつかないでいた点の指摘もあり勉強になりました。特に、1章、3章、4章、5章といった前半の項目はためになりました。

お勧めできる本です。

【朝日新聞】性的少数者の報道:おネエ系人気は芸能界だけ「LGBT」活動知り迫って

2月14日朝日新聞朝刊オピニオン欄の「わたしの紙面批評」で、「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」日本代表の土井香苗氏が、「性的少数者の報道:おネエ系人気は芸能界だけ「LGBT」活動知り迫って」という一文を載せています。

「レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー(性同一性障害者)といった性的少数者のことを新聞でもっと伝えるように努めてほしい、というのが要旨です。

芸能界では「おネエ系タレント」といわれる人たちが人気を博している。その一方で、一般社会に目を移すと、性的な少数者(マイノリティー)をみぢかに感じることはまずない。
彼、彼女らは職場や学校、ときには家族の一員として普通に生活している。ある企業が従業員を調査したところ、5%が「自分は性的マイノリティーだ」と回答したという。実際はもっと多いという人もいる。
(中略)
私たちは小さいときから「愛」は尊いと教えられてきた。すべての「愛」は等しく尊いはずだ。ある「愛」は認めるが、この「愛」はだめと差別してよいものだろうか。
難民。貧困世帯の子ども。ひきこもり。障がいを抱える人。在日外国人。路上生活者・・・・・・。いつの時代にも、多数派が少数派を差別し、偏見を持つことは多い。
こうした少数者の実像に光を当てる報道を心がけてきたのが朝日新聞ではないか。少数派の真の姿を伝える報道には、社会の偏見を打ち破る力が秘められている。少数派といわれる人たちにも、人として同じように考え、悩み、そして生き抜いている。そうした姿を知ることで、改めて「自分と同じ人間だ」と再確認できるからではないか。
(中略)
日本社会で今後、LGBTの人びとの人権を確立していくためには、性的指向や性自認による差別の禁止、同性婚、トランスジェンダーの戸籍変更要件の緩和など様々な制度改革が必要だ。国連も日本政府に対応を求めている。だが、こうした制度改革に向けた議論を行う土台さえ、日本社会では十分整っていない。
欧米の新聞では、LGBTの実情を伝える優れた記事を読むことができる。朝日新聞にも、日本社会のオピニオンをリードする、深みのあるLGBT報道を期待したい。


主旨は賛成です。同性愛者や性同一性障害だからといって社会から排斥されるのは間違っています。しかし、土井氏の主張には、いくつか気になるところがあります。

土井氏は、「ある企業が従業員を調査したところ、5%が「自分は性的マイノリティーだ」と回答したという」調査に言及します。一般に思われているよりも多くの性的マイノリティーがいることを言いたいのでしょう。しかし、どこの国でいつ実施した調査かが分かりません。また、調査対象が何人なのかも分かりません。それよりも分からないのはこの会社が調査した目的です。会社が社員にたいして行う調査としては異例なものだと思います。このような正体不明の調査を引用すると主張から説得力を失わせます。

また、「LGBT」つまり同性愛者・性同一性障害者は性的少数者といっても当たり障りの無い人たちだけです。けれども性的少数者の中には、たとえば幼児性愛者や死体愛好者といった、かなり許容されにくい人たちもいます。土井氏は、彼らの「愛」も等しく尊い、と考えているのでしょうか。それとも、この「愛」はだめと差別するのでしょうか。土井氏の思想がどこまで徹底したものなのか分かりかねます。

性的少数者に関して以前に書いた記事があります。ご参考までに。

【本】問題発言


問題発言 (新潮新書)問題発言 (新潮新書)
(2011/12/16)
今村 守之

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戦後から現在までの政治家・スポーツ選手・テレビタレントなどの発した「問題発言」。一つの「発言」に2~3ページでまとめています。時代順なので、世相の変化も実感できてスイスイ読みやすい本です。

著者の政治的立場は不明です。左右どちらとも分かりません。ちょこちょこっと短評を入れていますが、特に偏った意見ではありません。もしかしたら「問題発言」にならないように気をつけているのでしょうか。

過去の発言はリアルタイムでは知らないので、背景の説明はただなるほどと読むだけでした。リアルタイムで知っている発言だと、ちょっと気になるものもあります。今上天皇の「桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると、続日本紀に記されていることに、韓国とのゆかりを感じています」(2001年12月18日)という発言です。私の記憶ではこれが「問題発言」と扱われたことはないと思います。桓武天皇の母方の血筋についてはタブー扱いで秘密になっていたとは思えません。むしろこの発言は好意的に受け止められたように記憶しています。この記事だけはちょっと違和感がありました。

あとがきで続編を匂わせています。期待します。

【映画】ベルセルク 黄金時代編Ⅰ 覇王の卵

【映画パンフレット】 『ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵』 監督:窪岡俊之.出演(声):岩永洋昭.行成とあ【映画パンフレット】 『ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵』 監督:窪岡俊之.出演(声):岩永洋昭.行成とあ
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原作は知っています。TVアニメ版も観ていました。

尺が短いので、多少端折ったところはありますが、それでも要領よくまとめていますので違和感はありません。初見の人でも問題ないと思います。

絵は、映画にしただけあって最高に素晴らしいものです。群像シーンはもとより、1対1の剣戟も迫力満点です。

原作を知っている人にも知らない人にも薦められます。

第二部、第三部も観に行くつもりです。

参)【映画】ベルセルク 黄金時代編Ⅱ ドルドレイ攻略
参)【映画】ベルセルク 黄金時代編Ⅲ 降臨

【本】古代史 闇に隠された15の『謎』を解く!


古代史 闇に隠された15の謎を解く! (じっぴコンパクト新書)古代史 闇に隠された15の謎を解く! (じっぴコンパクト新書)
(2011/12/17)
福田 智弘

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旧石器時代から大化の改新あたりまでの通史です。

「はじめに」でうたっているように、旧来の古代史の本の長所・短所を研究して、ビギナー向けに分かりやすく十分な情報を届けることを目指しています。この狙いは成功していると思います。読みやすく、内容は頭に残ります。

中国の歴史書と日本側の資料、考古学的な発見をバランスよく説明してくれるので、定説とされているものが何であるかがつかめます。

私には、「倭の五王」のところが勉強になりました。

お勧めします。

【朝日新聞】異議あり:IT漬けが会社をダメに。「断食」を

2月8日朝日新聞朝刊オピニオン欄にIT企業社長の山本孝昭氏のインタビューが載りました。

氏はITの負の面を憂慮しています。

まず、会議にパソコンやタブレットを持ち込ませると、議論のぶつけ合いが行われず、ただ画面を見ているだけで会議の意味がない。また、「聞いていない」といわれないために、膨大なメールを送りつけることが横行している。さらに、プレゼンテーション作成ツールのおかげで、見栄えはいいが考え抜かれていない資料が増えている。

これらのIT依存を抜け出すために、会議にパソコンを持ち込ませないとかメールを見ない時間をつくるとかいったルール作りが必要である、としています。

IT企業の社長が言うだけに耳を傾ける価値はあるのかもしれません。しかし私にはやや鼻につく意見のように思えました。むしろ、IT企業の社長が言っているからこそ余計に鼻につくのかもしれません。

そもそも会議にパソコンを持ち込んで議論に参加しない人は、パソコンがなければ積極的に発言していたのでしょうか。プレゼンテーション作成ツールなしで資料をつくると、果たして、考え抜いた資料ができあがるのでしょうか。

そんなことはないと思います。ITが悪いのではなく、ITによってその人がもともと持っていた性質があらわになっただけでしょう。

また、無駄なメールを送るのを禁止したら、どうやって「聞いていない」を防げるというのでしょうか。

ITを万能視することは間違いですが、人間の仕事の不出来をITのせいにするのも間違っています。

【朝日新聞】「再逮捕」報道は慎重にして

2月7日朝日新聞の投書欄に、『「再逮捕」報道は慎重にして』という投書が東京都在住の社会保険労務士の方からありました。

最近の事件報道で気になることがある。警察が一人の被疑者を逮捕・送検した後、別の容疑で「再逮捕」した場合、あまり簡単に「再逮捕」と報じている気がしてならないのだ。
刑事訴訟法上、警察に通常逮捕された場合、送検を経て起訴または不起訴処分まで最長23日間身体を拘束される。再逮捕となれば、拘束はさらに23日間続く。問題となるのは、警察が本筋の容疑では証拠不足で逮捕できない場合に、まず微罪で逮捕し、本筋の事件の自白を得ようとする「別件逮捕」の場合だ。
計46日間もの長い拘束で精神的に圧迫されれば、被疑者は虚偽の自白をしかねない。それは過去の冤罪事件が証明している。最高裁がこの手法を認めているとしても被疑者の人権や冤罪防止の観点からは大問題だ。
マスコミは、捜査機関が容疑者を逮捕した時や、再逮捕を前提として微罪で逮捕した時に発表をうのみにしないでほしい。その場合は「別件逮捕」の手法であることを明確にするとか、「殺人の被疑事件につき、まず関連の死体遺棄容疑で逮捕」と丁寧に報じるなど、捜査機関の暴走を抑止するように心がけた報道をしてもらいたい。


100%賛成できる意見です。

捜査機関には彼らなりの事情はあるのでしょう。しかし、だからといって何をしても許されるというわけではありません。

マスコミは警察の発表をただ垂れ流すことのないようにしなければなりません。なんでもかんでも警察を敵視しろと言っているのではありません。常に権力を監視し問題があれば批判する、という精神を忘れないで欲しいということです。

特に、事件報道の場合は、情報の出所を捜査機関に頼らざるを得ない面がありますので、ややもすると警察とマスコミが馴れ合っているのではとの疑いがあります。

こうした投書が載るくらいですので、朝日新聞はまだまだ大丈夫と信じてよいのでしょうか。今後の「再逮捕」報道に注目したいと思います。

【朝日新聞】「胃ろう、エイリアンだ」自民・石原幹事長が発言

2月7日朝日新聞朝刊に、『「胃ろう、エイリアンだ」自民・石原幹事長が発言』という記事が載りました。

自民党の石原伸晃幹事長は6日のBS朝日の番組で、病院に腹部に穴をあけて胃に管を入れて栄養を送る「胃ろう」の措置を見学した際の感想として、「意識がない人に管を入れて生かしている。何十人も寝ている部屋を見たときに何を思ったかというと、(映画の)エイリアンだ。寄生したエイリアンが人間を食べて生きているみたいだ」と述べた。
終末期医療の問題点を指摘するなかでの発言だが、映画「エイリアン」を医療措置の引き合いに出したことで、患者の家族の批判を招く可能性がある


実際に、批判されたのなら、その事実は報道価値があります。また、朝日新聞が、この発言が問題だと言うのなら、堂々と批判すべきです。

そのどちらでもなく、「批判を招く可能性がある」と逃げをうった書き方は無価値どころか有害です。

【本】大学生からの文章表現

大学生からの文章表現 無難で退屈な日本語から卒業する (ちくま新書)大学生からの文章表現 無難で退屈な日本語から卒業する (ちくま新書)
(2011/02/09)
黒田 龍之助

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著者は大学の先生。学生向けに行っている文章指導を再現した形式です。

著者は軽妙な文章が好みのようで、その線にそった文章が多く紹介されています。

文章の技術的な面だけでなく、心構え的な面にも重点が置かれています。

「思う」という言葉はなるべく使わないように、という提言は、『日本語は本当に「非論理的」』にもありました。これは最近私も気をつけています。

文章読本はえてして偉そうに書かれたものが多いですが、本書はそれとは一線を画しています。

【本】ペンギンは知っていた


ペンギンは知っていた (エラリー・クイーンのライヴァルたち)ペンギンは知っていた (エラリー・クイーンのライヴァルたち)
(1999/06)
スチュアート パーマー

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1931年発表のスチュアート・パーマーの推理小説。
原題は「The Penguin Pool Murder」

本職は学校の先生をしている素人探偵ヒルデガード・ウィザーズが活躍します。

遠足で訪れていた水族館で殺人が起きます。巻き込まれたというか自分で首を突っ込んでいきます。

偽情報を流して犯人を引っ掛けるのが見せ場ですが、あまり効果的ではありません。たまたま犯人が偽情報に引っ掛けられていますが、偶然が過ぎます。また犯人もそれほど意外ではありません。

それでも、人物の描写は丁寧で実在感があります。快調に読めるので好印象です。

なお、作中で天才探偵の例としてシャーロック・ホームズに並んでファイロ・ヴァンスをあげています。出版のシリーズ名は「エラリー・クイーンのライヴァルたち」ですが、1931年当時だとヴァン・ダインの方が有名だったようです。

【朝日新聞】記者有論:鳩山さん、ネイチャー論文ヘンです

2月1日 朝日新聞朝刊オピニオン欄の記者有論のコーナーで、高橋真理子編集委員が鳩山元総理の科学雑誌へ寄稿した論文について言及しています。

読みごたえがありました。引用します。

鳩山由紀夫元首相と平智之衆議院議員(民主)による英科学雑誌「ネイチャー」への寄稿「福島第一原発を国有化せよ」は、日本の政治家が世界に発信した極めて珍しい例だった。
さぞ、多くの科学者が目を通したと思う。だが、中身を読んで首をかしげる人が多かったのではないか。何しろ、科学に基づかない記述が目につくのである。
12月15日号の「コメント」欄に載った論考は、再臨界と核爆発とメルトダウンの可能性を論じ、東電の情報公開の不十分さを指摘。情報を得るためには福島第一の国有化が不可避だと訴えている。
英国議会には科学や技術についての報告をまとめる科学技術局という組織がある。1月に来日したデイビッド・コープ局長は「ストレンジ(変わっている)」と評した。
コープさんは「水素が存在して水素爆発が起きた。なぜ核爆発を議論するのか理解できない」といい、国有化すべきだという主張には「一番重要なのは独立した強い規制機関を持つことだと思う」と、やんわり反論した。
再臨界とは、核分裂の連鎖反応が続く状態が再び現れることだ。3月下旬に東京電力が塩素38という放射性物質を検出したと発表したとき、盛んに論じられた。塩素38の存在は再臨界を示すからだ。
しかし、専門家から「ありえない。東電の測定が間違っていると断言できる」といった指摘が相次ぎ、結局、東電がデータを見直して測定ミスだったと認めた。
それに対し論考は「我々は東電のデータを入手して再分析し、確かに最初の報告のレベルで塩素38が存在したと結論づけた」と書いている。それだけで根拠は書いてない。
主張の是非以前に、根拠を示さず結論だけ書くやり方が科学のルールに反する。
核爆発が起きていた可能性をしきりに論じているのも不可思議だ。「核爆発」という言葉をどういう意味で使っているのかはっきりしないのだが、普通は核分裂の連鎖反応が原爆のように一気に進むことを指す。それなら、原子炉容器が吹っ飛ぶはずで、外に出る放射性物質の様相も今とは相当違ってくる。
(後略)


鳩山元総理には、いまさらながらあきれかえります。

毀誉褒貶のいりまじる総理大臣は多くいます。あまりにも短命で評価不能の総理大臣もいます。しかし、鳩山由紀夫氏に関してよく言う人はほぼいないでしょう。最低の総理大臣と評価され続けるのは疑いありません。

総理大臣を退いたのですからおとなしくしていればよいのに、いまだに日本に迷惑をかけつづけるとは、困ったものです。本人が恥をかくのは勝手ですが、元総理の肩書きは一生ついてまわるのですから、彼の恥は日本の恥です。

おそらく汚名返上のつもりでいろいろ活動しているのでしょうが、これではまさしく「汚名挽回」です。

【時事問題】50年後の人口

朝日新聞の記事より引用します。

出生率1.35に上方修正=高齢者、30年後にピーク―人口推計・厚労省
厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は30日、2060年までの日本の将来推計人口を公表した。女性が生涯に産む子どもの数である合計特殊出生率は、最も実現性の高い中位推計で「1.35」となり、前回(06年)の推計値1.26を上方修正。総人口は10年の1億2806万人から60年には8674万人と、半世紀で約4100万人減少すると予測した。高齢者人口は42年に3878万人でピークに達する。
 出生率を前回推計値の1.26から0.09ポイント上方修正したのは、30代の出産増などで過去5年間の出生率が回復したことを反映させたため。
 推計人口は国勢調査を基にしてほぼ5年ごとに見直す。年金、医療など社会保障制度の設計に関する基礎データとなる。今回の推計は、民主党が掲げる新年金制度など、今後の社会保障制度改革の議論にも影響を与えそうだ。

 
疑問がわきます。

果たして50年後の人口をどれだけ正確に予測できるというのでしょうか。結婚するとかしないとか、子供を生むとか生まないのとかいうのは非常に個人的な選択です。

例えば今から50年前の1962年に現在の人口を予測できたかといえば、できなかったと思います。

こういう「予測」で国の政策が左右されているのは、なにか釈然としません。
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えいび

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日々の出来事、映画やアニメの感想です。

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