【アニメ】べるぜバブ


べるぜバブ 第一巻 【初回限定版】 [DVD]べるぜバブ 第一巻 【初回限定版】 [DVD]
(2011/06/29)
小西克幸、沢城みゆき 他

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原作は未見です。

良作です。

安易にバトルものに流れず、最後までギャグを忘れなかったのも好感がもてます。また個々のサブキャラクターにも最後まで活躍の場があったことも好感がもてます。

5クールという長丁場でしたが、あきることなく最後まで鑑賞できました。

話はまだ続きがありそうですが、一応の決着がついた終わりなので、投げっぱなしという感じではありません。それなりの到達感があります。

毎週、楽しめました。

機会があれば原作も読んでみようと思います。
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【朝日新聞】社説:外国人介護士―施設の負担を減らそう

3月30日朝日新聞社説より引用します。

 インドネシアとフィリピンとの経済連携協定(EPA)で来日し、全国の福祉施設で働いていた36人が介護福祉士の国家試験に合格した。
 4年前の協定発効とともに来日し、受験資格を得る3年以上の実習を経た若者たちにとって初めての挑戦だった。
 合格率は38%。同じEPAでの看護師試験を受けた外国人の合格率11%よりは高いが、日本人合格率(64%)に比べれば、低すぎる。
 介護現場でリーダー役となる介護福祉士は高齢化社会で大事な役割を担う。外国人であっても有能な人材は大切にしたい。
 彼らは現地の看護学校などを卒業しており、一定の専門知識はある。ネックになるのはやはり日本語の能力だ。
 現場の声を受け、政府は改善に取り組んできた。国家試験で「褥瘡(じょくそう)」といった難解な漢字にルビを振り、来日前の日本語研修を拡充した。4年前にはその制度がなかったので、今回の不合格者のうち、一定水準の人には滞在期間の1年延長を認め、来年、再挑戦できるようにした。
 だが、外国から希望者を受け入れ、現場で日本語教育を担ってきた施設側の負担感は今も解消されていない。
 受け入れ施設数を見ると、ピークだった09年に比べて昨年は約3分の1に減った。大量の不合格者が出る看護師の受け入れ施設数も、やはり大幅に減っている。
 受け入れ施設がなくては、日本で働く夢はかなえられない。介護の場合、インドネシアからの入国者は09年の189人が昨年は58人に、フィリピンからも同期間に190人から61人に減った。このままでは先細りだ。
 制度を生かすには、施設の負担を減らすとともに、合格率を上げることが重要だ。政府は夜間勤務の介護報酬への加算を、実習中の外国人にも認める方針だ。漢字のルビ振りの拡大や試験時間の大幅延長など、実効ある対応を急いでほしい。
 介護現場の人手不足は深刻だ。介護職員はいま140万人だが、厚生労働省の試算によると、2025年には230万人前後の働き手が必要になる。EPAの人材流入で日本人の職場が奪われ、待遇が悪化するというのは杞憂(きゆう)にすぎない。
 日本人だけでなく、外国人にも加わってもらおう。今年からベトナムでも介護・看護人材の事前研修が始まる。インドやタイからも要望がある。
 無用な障壁をなくし、アジアにケア人材の門戸を広げたい。


この件では、以前にも朝日新聞の社説にコメントしたことがあります。これです。

業務に必要な知識を試せているかが問題なのであって、外国との友好関係のために試験問題を変えるのは本末転倒ということを指摘しました。

このような医療に対して無責任な放言ができるのは、朝日新聞が介護士の仕事を軽くみているからに違いありません。仮に、これが医者の試験だったらどうでしょう。さすがに、日本語の定かでない外国人医師を増やせとは言わないはずです。介護の仕事を馬鹿にしていると思います。

なお、「無用な障壁」が何を指しているのか明確ではありませんが、日本語を「無用な障壁」だと言いたいのであれば噴飯物です。

【アニメ】バクマン。(二期)


バクマン。 1 (ジャンプコミックス)バクマン。 1 (ジャンプコミックス)
(2009/01/05)
小畑 健

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一期に続いて視聴。ただし、原作は未読です。

一期同様面白かったです。

一期は漫画家になるまでの道でしたが、二期は漫画家としての苦難と成功の数々です。病気や作品の打ち切り、編集への不信など苦難の道が続きますが、最終回でアンケート一位を獲得したときは感動しました。それぞれのキャラクタが何を目指しているかよく分からない凡百の作品に比べ、はるかによい出来です。

難をいえば、主人公たち(特に最高)の言動が幼すぎるところです。年齢も二十歳に満たないことを差し引いても、非常識なところが目に余ります。子供の頃から漫画一直線で生きてきたためなのでしょうか。このため、完全に主人公たちに感情移入がしにくいところはありました。しかし、そうした欠点があってもなお感動させられるというのは大した作品です。

第三期も期待します。

あと驚いたのは、四百票程度のアンケートで一位を取れていることです。全体で千か二千票しか集まっていないのでしょうか。実際の少年ジャンプもこれと同じくらいの票数だとすると、組織票がありそうな気がしますが、どうなのでしょう?

【アニメ】ラストエグザイル 銀翼のファム


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(2012/01/25)
豊崎愛生、悠木碧 他

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前作は観ていました。

前作も映像的には素晴らしいものでした。今作はさらにパワーアップして、劇場用といっても過言ではない迫力の映像でした。

ただし、ストーリー的にはいただけません。

どういう信条で動いているのか、よくわからないキャラクターが多すぎます。特に、ルスキニアとリリアーナの内面が不可解なのが致命的です。全体を通してルスキニアが何を考えていたのがわかりません。特に最終回の行動はでたらめです。中盤の大きな謎であったリリアーナの「裏切り」の理由がまるでわかりません。作劇上の都合なのでしょうが、どういう都合なのかさえ分かりません。

前作とのつながりもよくありません。これならまったく別の作品として作った方がよかったと思います。無理に続編と銘打ったおかげで、新規の視聴者を逃したのではないでしょうか。


【アニメ】ギルティクラウン


ギルティクラウン 01【通常版】 [DVD]ギルティクラウン 01【通常版】 [DVD]
(2012/01/25)
梶 裕貴、茅野愛衣 他

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残念ですが低評価です。

もともとの設定(占領中の日本と異能の力を持つ主人公)は、容易に別の作品を思い出させます。あからさま過ぎて、隠す気もなかったのかもしれません。もちろん、その作品の完全なコピーではありませんので、それを非難するつもりはありません。いかに類似作の上をいくかが問われます。しかし、とてもではありませんが、上にはいけませんでした。

個々のシーンで何をしているかは分かるのですが、全体を通じて、それぞれのキャラクターが何を目指してどういう心情の変化をたどっているのか、よくつかめません。わかりにくいのではなく、もともと考えていないのではないかとさえ疑えます。やりたいシーンとシーンを延々とつなげていったという印象です。

一番問題だと思うのは、ヴォイドの位置づけです。前半の設定では、ヴォイドを引き出された人は気を失ってその間の記憶もなくしていました。後半では、特別な説明もなく、本人がヴォイドを利用できるようになりました。どちらでも面白い話にはなると思ったのでしょうが、どちらかに決めなければいけません。企画会議で出た意見を全部採用したみたいな感じです。

スタイリッシュなものをつくりたいという思いは感じ取れますが、もう少し整理しないと作品への共感は得られないと思います。

【アニメ】ブラック★ロックシューター

TV版の感想です。OVA版は未見です。

非常にとっつきにくい作品でした。現実世界の話はわかるのですが、時々挿入される異世界の闘いの説明がないために、何をしているのかさっぱり理解できませんでした。最後まで観てようやく理解できましたが、謎が解かれたという爽快感はありません。疑問が湧き続けるだけです。遺憾ながら、謎を解こうと努力したくなるほどの魅力は感じられませんでした。

設定への疑問はともかくとして、少女たちの悩みや苦しみが、異世界に影響を受けているというのはちょっと薄っぺらいように思います。最後はもっともらしく、現実で人と向き合おう、などとメッセージを投げかけていますが、それならはじめから異世界の設定はいりません。現実世界でもがき続ける少女たちを描いた方がメッセージは伝わります。二つの世界が相互に干渉し合うとのをやりたかったのであれば、安直なメッセージを発するのは控えるべきです。

ちょっと空回りした感じがします。

【アニメ】ソ・ラ・ノ・ヲ・ト


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(2010/03/24)
金元寿子、小林ゆう 他

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本放送でも観ていました。今回再放送をしてくれたので、再視聴しました。

良作です。

楽しい日常、神話的世界、旧文明、トラウマ、メカの戦闘、政治劇といったいくつもの要素が互いに邪魔することなくみごとに融合しています。

オリジナルでありながら設定の巧緻さ重厚さは、小説を原作にしたものにひけをとりません。しかも、話をおいてきぼりして設定を肥大化させただけのスカスカの話ということもありません。直接明かさずに想像にゆだねる部分には豊かな世界を感じさせます。

再視聴によって発見することも多くあります。よく考えて作ったものだと感心します。

使われている音楽も素晴らしいです。

難をいえば、クライマックスの造反・戦争・和平といった流れがバタバタしたところです。もう一話か二話いれて膨らませてくれたらさらによくなったと思います。

是非多くの人に見てほしい見事な作品です。


【朝日新聞】慰安婦問題は「人道問題」 韓国大統領、日本に決断促す

3月22日 朝日新聞朝刊の国際面より引用します

韓国の李明博大統領が21日、朝日新聞などとの会見で、旧日本軍慰安婦問題は「法律問題ではなく人道問題」との認識を示したことで、被害者への人道支援を中心に日韓の協議が進む可能性が出てきた。韓国政府内や支援団体には異なる意見もあり、進展には曲折が予想される。李大統領は日本が人道上で「勇気ある決断」をするよう訴えた。
 韓国政府は2005年に日韓の国交樹立にいたる過程の外交文書を公開して以来、慰安婦や在韓被爆者問題は国交正常化時に想定されておらず、日韓請求権協定にも含まれていないとの見解を取っている。
 だが、李大統領は会見で「請求権協定の締結時には慰安婦のことはわかっていなかったので(協定とは)関係がない」とし、法律問題と切り離す考えを明らかにした。協定の有効な範囲について踏み込まない認識を示したのは、協定で「請求権問題は解決済み」とする日本側に受け入れやすいようにする配慮と言える。
李大統領は昨年末の日韓首脳会談で大半の時間をこの問題に充て、野田圭彦首相に対処を求めた。物別れに終わったが、首相は「人道上の見地から知恵を絞ってやっていきたい」とし、日本の政府当局者らが水面下で模索を続けてきていた。
李大統領は全体的な日韓関係の発展を高く評価した上で「(日韓間の)懸案には、できる問題とできない問題があるが、この(慰安婦)問題は日本がやろうと思えばできる問題だ」と述べた。
韓国側には、金銭的な支援よりも元慰安婦との面会や亡くなった被害者の墓参など、日本の誠意を示してほしいとの声が強まっている。このため、李大統領も「私が解決のため具体的な提案をするのは適当ではない」としつつ、「おばあさんたちの気持ちをやわらげてあげてほしい。人道的な問題だ」と訴えた。
(後略)
(ソウル=箱田哲也)



続けて、李明博大統領の発言要旨を引用します。

(前略)
【慰安婦問題】
韓日関係は確実に深化している。最も近い友邦だ。慰安婦問題は解決可能な問題だけに、おろそかにしてはいけない。1965年に韓日が国交を結び、請求権を締結した時、慰安婦問題はまだなかった。あとで明らかになったので(協定とは)関係がない。法律問題より人道問題として解決するのが良い。元慰安婦が全員亡くなってしまえば問題が終わるわけではなく、取り返しがつかないことになる。日本政府の勇気ある決断が必要だ。


「(協定とは)関係がない」というのであれば、法律的に請求可能だ、という主張になるはずです。「法律問題より人道問題」と主張したいのであれば、韓国に請求権はないことを認めるところから始めるべきです。李大統領の主張には一貫性が感じられません。

「私が解決のため具体的な提案をするのは適当ではない」というのも分かりません。要求する側が具体的な要求内容を明らかにしなければなにもはじまりません。

これでは、日本に解決を求めているというより韓国世論を気にしているように見受けられます。請求権がある、といえば日本の反撃をうけてしまう。しかし、請求権がない、とは世論の手前明言できない、ということでしょうか。具体的な要求を明らかにしないのも、弱腰批判を恐れてのことでしょう。

このような韓国からの延々と続く要求にはうんざりします。ここで日本が妥協しても、数年後に違う要求を繰り返してくることは火を見るより明らかです。

なお、韓国にとって日本が「最も近い友邦」なのかどうかは知りませんが、日本から見て韓国は友邦なのでしょうか。私にはそうは思えません。

【朝日新聞】震災から1年 本社世論調査

3月21日朝日新聞朝刊。朝日新聞の世論調査の結果が発表されました。

いつもの内閣支持率や政党支持率とあわせ、今回は震災から1年たったということらしいく「絆」というテーマでも設問がありました。

いくつか興味をひいたものを挙げてみます。

会社に勤めるAさんとBさんの例をあげますので、賛成か反対かで答えてください。Aさんの職場で、親睦を深めようと連休を利用して社員旅行が計画されました。しかし、Aさんは、連休は自由に過ごしたい、と参加を断りました。こうしたAさんの態度に賛成ですか。反対ですか。
賛成 45%
反対 42%


それまでの設問で、震災の話題や「絆」というキーワードがちりばめられてきたので、積極的に社員旅行に参加すべし、という方向に誘導されるかと思いきや、案外な個人主義的な傾向が現れたな、と思います。なお、私自身は賛成です。

Bさんは、久しぶりに家族とレストランで食事をする約束をしていました。しかし、取引先から食事に誘われたため、家族との約束を取りやめました。Bさんの判断に賛成ですか。反対ですか。
賛成 61%
反対 28%


個人主義は結構だが仕事は優先されるべき、という考えのようです。家族との食事は次の機会を簡単に設けられるのか、単身赴任などの事情で難しいのか、といった点も勘案しないと回答しにくいと思いますが、仕事に対する生真面目さが出た回答結果のようです。

一度就職したら、その会社にできるだけ長く勤めるほうがよいと思いますか。それともたびたび転職してもかまわないと思いますか。
できるだけ長く勤めるほうがよい 80%
たびたび転職してもかまわない 15%


はじめから数年で辞めるつもりで勤める人は少ないと思いますので、こういう結果になるのだと思います。結果として転職を繰り返す人生も悪いこととは言い切れません。アンケート結果としては妥当なものだと思います。私自身は訊かれれば、「できるだけ長く勤めるほうがよい」と答えるでしょう。

年齢や勤続点数にあわせて給料が決まる年功型の賃金と、仕事の成果にあわせて給料が決まる成果型の賃金では、どちらがよいと思いますか。
年功型の賃金  38%
成果型の賃金  51%


成果型賃金の人気に驚きました。成果型だと労働者の半数近く、もしくはそれ以上が金銭的に損になるはずなのですが、そうは感じていないということなのでしょうか。ここはもっとドリルダウンした設問(賛成の理由等)を追加して掘り下げてほしかったところです。

インターネットや携帯電話など新しいコミュニケーション手段は、人と人との結びつきにとって、よい面と悪い面のどちらが大きいと思いますか。
よい面が大きい 55%
悪い面が大きい 27%


誘導っぽい設問ですが、誘導には乗らなかったようです。新しいコミュニケーション手段に肯定的なところがわかります。回答者のバランス感覚に敬意を表したいです。

【本】最上階の殺人


最上階の殺人 (Shinjusha mystery)最上階の殺人 (Shinjusha mystery)
(2001/08)
アントニイ バークリー

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1931年。アントニー・バークリー作の推理小説。

探偵は、ロジャー・シュリンガムです。

ロジャー・シュリンガムが探偵の作品によくあるユーモアにあふれています。外国の(翻訳の)ユーモア小説だと、感覚が違うのかそれほど大笑いというものは少ないのですが、これは素直に笑えました。

推理小説の推理の部分よりも、秘書とロジャー・シュリンガムの恋愛駆け引きが面白いです。

楽しく読むことができました。


【アニメ】偽物語


「偽物語」第一巻/かれんビー(上)【完全生産限定版】 [Blu-ray]「偽物語」第一巻/かれんビー(上)【完全生産限定版】 [Blu-ray]
(2012/04/25)
神谷浩史、喜多村英梨 他

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原作は既読。大好きです。

原作にある会話が一部省かれているのが残念です。これは「化物語」でも感じたことですが、映像化には尺のしばりがあるでやむをえないのでしょう。

しかし、決して小説の宣伝などではありません。スタッフの意気込みがわかります。おそらくスタッフのみなさんは原作が好きなのだろうな、と感じさせます。

やや違和感があったのは、火憐が異常に強すぎたところです。原作では、火憐の強さはあくまで人間の範囲内です。それが、影縫余弦の衝撃的な強さを引き立たせるのにつながっていました。アニメでは火憐が強すぎ、しかも闘いにリアルさがありませんでした。これだと暦が影縫余弦にボロボロにされても、さほど衝撃的でなくなりました。やはり原作どおりが良いです。

また、原作未読の人には分かりにくいところが多かったのではないかと思います。原作は、「化物語」-「傷物語」-「偽物語」と発表しています。「傷物語」で忍野忍というキャラクターをつかんでからの「偽物語」だと分かるのですが、「傷物語」を飛ばすとちょっと無理があります。もしかしたら、映画「傷物語」はもっと早く完成する予定だったのでしょうか。

【朝日新聞】私の視点:大阪の教育改革 人事評価より対話重ねよ

3月17日朝日新聞朝刊オピニオン欄の「私の視点」のコーナーで、愛知県の拠点校指導員大野洋子氏の投稿が載りました。橋下大阪市長の教育改革への異論です。引用します。

橋下徹・大阪市長や大阪維新の会が国民から支持されているようだ。既存の政党、政治家への不信が新しい勢力への期待というかたちで表れているのだろう。
橋下氏らが推し進める改革案の中で、特に大阪府教育基本条例案の「校長による人事評価」については、疑問を持たざるを得ない。
条例案によると、教師は相対評価によって5段階で評価される。つまり、必ず5%の教員は最低の評価を受け、最低評価が続けば、分限処理が課せられるという。
教師は評価者の目を気にしながら子どもと向き合うという、異常な状態で仕事を強いられるのではないか。そうした教師との出会いは、子どもたちにとって不幸である。
(後略)


相対評価に関しては私もやや疑問に思っています。しかし評価すること自体は不当だとは思いません。不当どころか極めて妥当なことだと思います。

いかなる職業であっても形は様々であってもなんらかの評価を受けます。評価されずに仕事ができたら楽だとは思いますがそういうわけにはいきません。政治家だって選挙がなければ気楽でしょうが、それはいきません。

また、教師が評価者の目を気にしていると子供にとって不幸だ、という理屈は成り立ちません。むしろ幸福なことです。

教師の好き勝手な言動で傷ついている子供を、私は見聞きしました。多くの大人は思い当たることがあると思います。民間企業であれば弾き飛ばされたであろう資質の持ち主が教師であるゆえに居座っているのは間違っています。

評価者の目を気にするのは、何かの問題があると自分で自覚しているからでしょう。大いに気にしていただきたいです。

【朝日新聞】「決して抗日映画ではない」

3月16日朝日新聞朝刊国際面より。

「決して抗日映画ではない」
「南京!南京!」陸川監督が強調
旧日本軍による南京事件を題材にした中国映画「南京!南京!」の陸川監督(41)が来日し、15日、朝日新聞の取材に応じた。陸監督は「戦争の本質や過ちを描いた作品で決して抗日映画ではない」と強調。「中国人も単なる抗日映画は求めていない。過去の歴史について、真実を知りたがっている」と述べた。
作品では日本兵の心の葛藤にも焦点を当てた。中国では作品を評価する一方で、「日本を美化するな」などと批判も多かった。2009年に中国で公開され、日本では題材への反発もあって、一部で自主上映されたのみだ。
陸監督は「(主人公の)日本兵のように、私たちも戦争になれば見知らぬ人に銃を向ける運命にある」と強調。「日中両国民の感情を逆なですることが目的ではなく、あくまで戦争の悲惨さを知ってもらいたい」と作品の意図を明らかにした。
南京事件を否定した河村たかし名古屋市長の発言については「信じられない発言で日中友好の努力が無駄になってしまった。私自身、『日本人は反省しているんじゃなかったのか』とブロガーから批判される始末だ」と述べた。
文化大革命など中国国内にも迫害の例がある中、南京事件をあえて取り上げることについて「第2次大戦中にアジアで起こった最も極端な事例。私たちは被害者であり、日本人から問われるべき問題ではない」。「歴史問題が解決しなくては日本と中国の真の友好関係は築けない」として日本での一般上映を強く望んだ。(向井宏樹)


中国と一般的な意味での友好関係を結ぶことに反対はしませんが、陸氏のいうところの「真の友好関係」なるものの意味がわかりません。中国側の歴史認定を日本人が全面的に受け入れることを、「歴史問題の解決」と呼び、「真の友好関係」だというのであれば、そんな関係はお断りです。別に「真の友好関係」にならなくても結構です。

映画の題材として、中国国内にも例があるのになぜ南京事件を取り上げたのか、という問いに、「私たちは被害者であり、日本人から問われるべき問題ではない」では回答になっていません。この反応からも、陸氏のいう「真の友好関係」の正体が日本の屈服であることが透けて見えます。

それにつけても、河村たかし名古屋市長発言はほとんど盛り上がりを見せません。これまでだと、中国側の猛反発に対して日本側が譲歩することで収束していました。この件での中国側の反発は民間交流の停止ぐらいですし、日本で呼応する声も大きくなりません。日中関係の潮目が変わってきたのかもしれません。

【映画】戦火の馬


戦火の馬 オリジナル・サウンドトラック戦火の馬 オリジナル・サウンドトラック
(2012/02/22)
サントラ

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全世界待望のスティーブン・スピルバーグ監督最新作にして、彼が運命に導かれるように創り上げた渾身の感動作が、いよいよベールを脱ぐ。

第一次大戦前夜のイギリスの農村―― 貧しい農家にひきとられた一頭の美しい馬は、ジョーイと名付けられ、この家の少年アルバートとかけがえのない絆で結ばれる。だが、開戦によってジョーイはアルバートから引き離され、英国軍の軍馬として戦場の最前線に送られてしまう。死と隣り合わせの過酷な日々の始まりは、ジョーイの驚くべき旅の始まりであり、彼がやがてめぐりあう戦時下の人間たちの、切なくも美しいドラマの始まりだった・・・。
悲劇に打ちのめされながらも希望を信じて生きようとする人間たちの姿を描き出す、壮大なる感動作『戦火の馬』。戦火を生き抜くジョーイという一頭の美しい馬との出会いと別れを通して、彼らひとりひとりのドラマが鮮やかに浮かび上がる。

(公式サイトより)

長時間の映画ですが、飽きさせないのはさすがスピルバーグ監督というべきです。一つ一つの物語が連なり、全体として一つの構造を持ちます。最後は予定調和の終わり方ですが、違和感はありません。ちょっと出来すぎかもしれませんが、許せる範囲です。

ただ、戦争の光景は悲惨すぎて子供がみるには抵抗があるかもしれません。

大傑作とまでは言えませんが、観て後悔しない映画です。

余談ですが、ジョーイは、額が白くかつ四本の足先すべてが白いという馬です。三国志を知っている人なら、劉備の乗っていた馬を思い出すでしょう。この特徴の馬は、凶馬中の凶馬とされ騎乗したものに祟りをなす、とされています。この映画でもジョーイに乗った人は次々と不幸な目にあっていきます。製作者が中国の馬相を意識したはずはないですが、ちょっと驚きました。

【本】「お手本の国」のウソ


「お手本の国」のウソ (新潮新書)「お手本の国」のウソ (新潮新書)
(2011/12/15)
田口 理穂ほか

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日本で「お手本」とされる国々の複数の人のルポです。必ずしも言われているような理想社会でないことを伝えてくれています。かといって暴露的なものではなく客観的で公正な見方をしているのが好印象です。

したがって、「ウソ」という題名はちょっと言いすぎている感じがします。読者を呼び寄せるための大げさな表現で、仕方のないことだと思いますが。

私には、アメリカの陪審裁判の項が面白かったです。著者はカルフォルニア州の裁判所で書記官を勤めている方です。陪審裁判で陪審員がどのように選ばれるのかとか、座っている椅子が粗悪であるといったところまで生々しく伝えてくれています。アメリカの法廷ドラマが好きな人なら目を通しておくと参考になります。

法廷ドラマといえば、最近「ボストン・リーガル」にはまっています。お勧めします。

ボストン・リーガル お騒がせグレート弁護士 vol.1 [DVD]ボストン・リーガル お騒がせグレート弁護士 vol.1 [DVD]
(2011/06/03)
ジェームズ・スペイダー、ウィリアム・シャトナー 他

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【朝日新聞】沖縄基地問題の報道

3月13日朝日新聞朝刊オピニオン欄の「わたしの紙面批評」で朝日新聞紙面審議会委員の内田樹氏が、「沖縄の基地問題の報道:変化した米の西太平洋軍略 沖縄撤収の条件に踏み込め」という文を載せています。

(前略)
まことに不思議なことに「アメリカの西太平洋戦略は何か?」というもっともラジカルな問いを日本の政治家も官僚もメディアも問わないのである。
もちろん「軍拡を進める中国の脅威」とか「朝鮮半島有事への備え」とか「ロシアの領土的野心」という観念的な言葉は繰り返し口にされている。だが、それらの言葉が指し示す実際の地政学的状況は時々刻々と変化している。
中国市場はアメリカ経済の「頼みの綱」であり、米中間の軍事的緊張が高まることから利益を得られるものは両国どちらにもほとんどない。米ロ関係は東西冷戦時代からは、想像もできないほどに良好である。
(中略)
今のアメリカにはもう巨額の国防費負担に耐えられるだけの財政的な体力がない。だから、共和党の大統領候補の一人ロン・ポールは在外米軍基地の全面的な撤収を公約に掲げているのだ。この公約が米国内で一定の支持を得ている以上、日本のメディアは「アメリカはどういう条件が整えば沖縄から出ていってもよい」と考えているのか、踏み込んだ取材活動を行ってもよいのではないか。だが、メディアはこの論件には全く興味がないらしく、私が知りたいことは何も報道してくれない。
いずれにせよ、西太平洋の地政学的布置の変化に伴って、米軍の軍略に大きな変化が生じていることは確かである。にもかかわらず日本政府は「沖縄の軍事基地の重要性は変わらない」と主張し続けており、メディアもそれに追随している。だが、地政学上の大きな変化にもかかわらずその重要性が変化しない軍事基地が存在するとすれば、それはロジカルには「地政学上全く重要性のない基地」以外にない。
私はこのような知性の不調を指すときに「思考停止」という以外の言葉を思いつかない。



「地政学上」なるものが、日本の都合のことを言っているのか、米国の都合のことを指しているのか区別がつきません。

仮に、米中ともに軍事的緊張が増すことをよしとしないというのが本当だとします。その場合、日中が軍事的に衝突をしながら米国が傍観する、というのは日本にとっては最悪の事態です。これを抑止できるのであれば、日本にとって米軍基地は依然として重要と考えるべきです。

米ロ関係は冷戦時代より良好なのは事実だと私も認識しますが、仮にロシアが「領土的野心」を具体化したら、日本にとって困ったことになるかもしれません。米国の都合はともかく、日本にとっては不都合です。

日本人にとって重要なのは、日本(沖縄でなくてもよいですが)に米軍基地があることの必要性の有無です。内田氏の説明では、日本にとって地政学上意味を失っているということを説得できていません。


もし、米国にとって沖縄基地に意味がないのであれば、日本が何を言おうと彼らは勝手に出て行くはずです。米国政府や米軍も「思考停止」して沖縄の基地を維持しているとでもいうのでしょうか。仏現代思想が専門の先生にとっては畑違いの分野に対して、あまりにも自信を持ちすぎているように思います。

米国にとって日本に基地がある「地政学上の理由」は依然として残っていると考えるのが自然です。素直に考えれば必要だから、居続けようとしているのではないでしょうか。


アメリカが巨額な国防費負担に耐えられないから海外基地を全面撤退させたいというのが本当なら、「アメリカはどういう条件が整えば沖縄から出ていってもよい」のかなどと考える必要はありません。前提で国防費負担に耐えられないといっています。「どういう条件」も何もありません。無条件で出て行くはずです。内田氏は自分が立てた前提を忘れて書いているのでしょうか。


私には、内田氏の方こそが「観念的」になっているように見えます。

【朝日新聞】先進国の病:縮む中流層 声にならぬ怒り

3月12日朝日新聞朝刊オピニオン欄の「風」のコーナーでアメリカ総局長の立野純二氏が「先進国の病:縮む中流層 声にならぬ怒り」という一文を載せています。

最近の国際政治で、にわかに注目を集める人々がいる。それは「中流層」である。
「長期的に中流層の家庭を守る道筋が必要」(オバマ米大統領)「中流層が社会の多数派に育たねばならない」(ロシアのプーチン首相)
(中略)
 先進国で作る「経済協力開発機構(OECD)」の昨年12月の報告書によると、この30年間、格差は着実に広がっている。その主因は技術革新にある。中流層の職や賃金が機械化で減る一方、情報通信や金融技術にたけた人材がいびつに高い賃金を稼ぎ、所得が二極化している。
 そんな格差世界の政治に珍現象が起きていると、米国の歴史家フランシス・フクヤマ博士が論文「歴史の未来」で論じている。富裕層に手厚い「右翼」が目立ち、階級闘争が得意なはずの「左翼」がふるわない。米国の例では「茶会」運動は続いても、「反格差」は雲散したように。
 そこに中流層の苦悩がにじんでいると博士は見る。格差に怒っていても、ギリシャ危機などを目撃した今、年金や保険など政府の介入頼みも限界があると悟らされた。なのに左翼は今も「大きな政府」路線から脱皮しない。多くの中流層は受け皿を失い沈黙しているというのである。
(中略)
その閉塞感の中で、橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」も、自民党も、総選挙をにらんで憲法改正論を打ち出した。復興、電力、財政など国難の渦中に今なぜ改憲か。それは世界に共通する格差社会の奇妙な右傾化なのか。真剣に見極めなければなるまい。
(後略)
(アメリカ総局長)


現在の政治的立場を右翼・左翼という分け方で区分けするのが合理的だとは思えません。相続税強化をうったえる「維新の会」を金持ち優遇の右翼と呼んでいいのか疑問があります。さりとて左翼とは思えません。また、憲法改正をうったえる人を右翼と呼ぶのは、日本固有のことです。

立野氏の文章はフクヤマ博士の論の紹介にかこつけて、大阪維新の会や自民党の悪口を言っているだけのように見えます。

なお、フクヤマ博士の議論には一考の価値があるかもしれません。しかし、もし米大統領選挙で「茶会」運動が敗北したら、そちらの方が雲散してしまうものかもしれません。


【本】検証 陰謀論はどこまで真実か


検証 陰謀論はどこまで真実か パーセントで判定検証 陰謀論はどこまで真実か パーセントで判定
(2011/01/19)
ASIOS、奥菜 秀次 他

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世間に流布している陰謀論を紹介。それぞれの真実味を検証します。基本的にはすべての陰謀論が根拠なしとして退けられていました。

私の主観ですが、妄想じみた陰謀論もありますが、割と普通に真実味があるとされているものもあります。前者の例は、「競馬にはサインが隠されている」や「インド洋大津波は、核爆弾によって人工的に起こされた」。後者の例は、「地球温暖化はでっち上げだ」や「ロッキード事件はアメリカが仕組んだ田中角栄つぶしの謀略だった」などです。

興味がある話題だけを読むのもいいかもしれません。

私には、「ナチスによるガス室のユダヤ人虐殺はなかった」の項が面白かったです。いままで否定論者の見解ばかり聞かされて、存在を肯定する側からは情緒的だったり、異常に過激な反応だったりしか見た覚えがありませんでした。この項では論理的に否定論に反駁しています。常に問題になるユダヤ人虐殺の公的文書が見つかっていない、という件にも反論が示されています。

一読の価値があります。

【朝日新聞】チベット族 命をかけた祈り

3月9日朝日新聞朝刊。一面および国際面で、チベット僧侶の焼身自殺を取り上げています。この件はネットを通して知っていましたが、新聞で読むのははじめてです。

チベット側、中国側の両方の言い分を載せていますが、取材妨害から記事をはじめるなど、中国当局に非があると誘導しているように感じました。

中国当局の言い分の部分を引用しておきます。

中国当局の説明は全く異なる。
北京で開かれている全国人民代表大会(全人代)に出席した四川省カンゼ・チベット族自治州の李昌平州長は7日、外国人の立ち入りが認められていない現状に対して、「誰でも入れるはずですよ」と延べ、これを否定した。(※)
焼身自殺についても、四川省アバ・チベット族チャン族自治州の呉沢剛州長は、「一連の政治的策略で、国内外のチベット独立勢力が自殺者をあおって英雄扱いしている」と非難。さらに、「自殺者は前科などがあり、社会的名声が望めないため現世に絶望して自殺を選択している」とした。
チベット族が集中して居住する地域の全人代代表たちが語るのは、当局の少数民族政策を正当化する言葉ばかりだ。チベット自治区の区都ラサのドジェ・ツェジュグ市長は「中央政府が道路や水道などを整備して発展を支えてくれているので、みなが幸せに暮らしている」と政府の対応を称賛した。
(青海省=奥寺淳)


(※引用者注)記事は、記者がチベット自治州から警察に追い返されるところからはじまっています。このため、これを読んだ読者は、中国当局がシレッと嘘を言っているように感じます。

【本】フライアーズ・パードン館の謎


フライアーズ・パードン館の謎 (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)フライアーズ・パードン館の謎 (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)
(2005/03)
フィリップ マクドナルド、森 英俊 他

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1931年発表の、フィリップ・マクドナルドの本格推理小説。当初は、マーティン・ポアロックという名義で発表していました。

密室殺人・溺死体なのに部屋に水がない・幽霊の噂が付きまとう屋敷・交霊術、と雰囲気たっぷりです。いかにも黄金期の作品という感じがします。

溺死につかった水を始末する方法は驚きました。これだけでも読む価値があります。

なお、屋敷の見取り図がなかったのは不満が残ります。

参)【本】ライノクス殺人事件

【テレビ】クローズアップ現代:「アニメを旅する若者たち “聖地巡礼”の舞台裏」

3月7日 NHKの「クローズアップ現代」で「アニメを旅する若者たち “聖地巡礼”の舞台裏」が放映されました。

前半は、アニメ制作で背景を実際にある場所を使っていることと、そこを「聖地巡礼」するアニメファンの紹介でした。そのアニメ作品の舞台を見に行きたいというファンもいますし、どこの風景を使ったのかを解き明かそうという謎解きの楽しさでやっている人たちもいます。特に揶揄している雰囲気はありませんでした。むしろ、経済効果に焦点をあてていました。

後半は、「聖地巡礼」で町興しをもくろんだ鴨川市の取り組みです。それまでの「聖地巡礼」が行政とはまったく無関係に始まったのに対して、鴨川市は、アニメの企画段階から行政と住民が絡んでいます。

番組を見た印象としては、作品に介入しすぎに見えました。もっと街を舞台にしろとか名物料理を出せとか勝手なことを言っています。作品そのものに人気がなければ“聖地巡礼”に来てくれる絶対数が減ってしまいます。おかしな横槍をいれて作品の質を落とさないように、よく考えてほしいものです。

輪廻のラグランジェ 1 (初回限定版) [Blu-ray]輪廻のラグランジェ 1 (初回限定版) [Blu-ray]
(2012/03/23)
石原夏織、瀬戸麻沙美 他

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【朝日新聞】窓:論説委員室から「司令部壕の説明版」

3月6日 朝日新聞夕刊の窓:「論説委員室から」に「司令部壕の説明版」というコラムが載りました。

世界遺産である那覇市の首里城跡の地下に、沖縄戦を指揮した旧陸軍の第32軍指令部壕があることは、どれほど知られているだろうか。
内部の崩落が激しく、危険で一般公開できないため、今月、入口に説明版をおく。その説明文から「慰安婦」という文言と、日本軍による住民虐殺についての記述をなくすことを沖縄県が決めた。
説明文の文案は有識者でつくる検討委員会がまとめた。昨年11月の検討委では、全委員が記述に賛成して、県側からも異論はなかった。しかし最終段階で、仲井真弘多知事が削除を決めたという。
「慰安婦と住民虐殺についてさまざまな証言があり、県として事実の確証がもてなかった」と、県の担当者は説明する。
史実に基づく記述にこだわった研究者らが記録や証言を踏まえて盛り込んだ文言を、検討委との協議もなしに削るとは乱暴すぎる。
壕内に慰安婦がいたことや住民虐殺があったことは、第32軍の高級参謀が書いた「沖縄決戦」をはじめ資料や証言が数多くあるのだ。それでも知事は、検討委が決める文言の復活を否定している。
削除を急がず、資料を踏まえて検証し、対応すべきだ。沖縄戦の本質を遠ざけかねない知事の姿勢は禍根を残す。
(大矢雅弘)


大矢氏はおかしなことを言っているように思います。

検討委員会の委員は「有識者」とありますので、政治家ではないのでしょう。一方、沖縄県知事は選挙で選ばれています。有識者に検討を依頼したのなら、その意見はできるかぎり尊重すべきだとは思います。しかしながら、最終判断は、民意に基づいて選ばれた政治家がすべきです。有権者がその判断を受け入れないのであれば、次の選挙で落ちるでしょう。それが民意の反映です。政治家の判断よりも検討委の決定を上に置いてはいけません。

たとえ史実であったにせよ、史跡の説明書きにすべての事実を書かねばならないという法はありません。説明版は政治信条を開陳する場ではありませし、説明版の文言で政治闘争を繰り広げるべきではありません。日本軍の行為を問題にしたいのであれば適切な場で行うべきです。

なお、慰安婦がいたのが事実だったとしても、司令部の地下壕に慰安婦も避難させたというのは、決して日本軍の暗部ではありません。むしろ人道的な行いと賞賛されるべきだと思います。

【朝日新聞】投書:「学生交流に水差す河村発言」

3月5日 朝日新聞の投書欄に、中国南京市で日本語教師をしている36歳男性から「学生交流に水差す河村発言」という投書が載りました。引用します。

河村たかし名古屋市長の発言は中国に住み、南京工業大学で日本語を教える私にとって無視できない問題です。南京事件は、日本政府が「村山談話」以降の政府の認識を踏襲する姿勢を改めて示したことを見ても、日中両国ともに認める歴史的事実でしょう。
確かに具体的な死者数には論者による違いがあります。しかし事件を「なかった」とする河村氏の発言は乱暴である上に、今も事件に痛みを感じている人々にあまりにも配慮を欠く言葉ではないでしょうか。
私の学生たちは発言に怒りよりも悲しみを覚えたようです。私は、中国国内で膨らんだ対日不信感が日本語を学ぶ彼らまでに向かないか恐れています。日中交流文化行事の南京ジャパンウィークも延期になってしまいました。学生たちは東日本大震災に募金活動をしたこともあって、震災の写真展を催す宮城大学の学生との交流を心待ちにしてきました。日中両国の若者が出会って信頼関係を築く、かけがいのない機会に水を差す発言に強い怒りを覚えます。


そもそも河村氏は、「なかった」とは言っていません。まさに具体的な死者数を問題にしています。

また、今回「交流」を停止したのは中国側です。一市長の発言が原因で市民のの交流を止めるのは不可解です。はっきり言えば、「交流」を人質にして日本側に圧力をかけているようにしか見えません。

このような中国側の思惑に沿った投書を日本の新聞社に送るよりも、中国側に彼らの言う「動かぬ証拠」を提示するように働きかける方が建設的だと思います。

【テレビ】NHKスペシャル:ヒューマン なぜ人間になれたのか


NHKスペシャル ヒューマン なぜ人間になれたのか オリジナルサウンドトラックNHKスペシャル ヒューマン なぜ人間になれたのか オリジナルサウンドトラック
(2012/02/22)
佐藤直紀、元ちとせ 他

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第一集:旅はアフリカからはじまった
第ニ集:グレートジャニーに果てに
第三集:大地に種をまいたとき
第四集:そしてお金が生まれた

人類がアフリカを出たところから、貨幣を作り出すところまで、人間が人間になっていく出来事を全四回で放送しました。内容的には人類学の分野から歴史の分野まで多岐にわたっています。見る前は散漫な内容になるのではと予測していましたが、実際に見ると結構筋の通った構成で引き込まれました。また、脳科学や文化人類学の成果も取り入れ、「人間」に迫っています。

難を言えば、紹介された学説が定説なのか、一部の学者が唱えているだけのものなのかの区別がつきにくかったところです。

全体を通してみると、素晴らしい番組だったと思います。

【朝日新聞】社説:朝鮮学校―無償化の結論だすとき

3月3日の朝日新聞社説です。

卒業式の季節になった。だが文部科学省には、年度内に解決すべき課題が残っている。
高校無償化を朝鮮学校にあてはめる判断だ。「厳正に審査」がずっと続いている。生徒や親をどこまで待たせるのか。
他の外国人学校生や日本の公私立高生は、2年前から無償化の恩恵を受けている。普通の家庭で年12万円弱になる。
その財源にと、特定扶養控除の一部が減らされた。この負担は朝鮮学校生の家庭にも等しく課されている。
民主党が衆院選マニフェストに掲げた高校無償化について、民主、自民、公明の3党が効果を検証する協議を始めることになった。検証するのは制度全体である。朝鮮学校を外し続ける事情にはならない。
立法の目的として説明された「すべての意志ある若者が教育を受けられるよう」をあてはめれば、認めるのが自然だ。
無償化は日本人拉致問題で軟化したメッセージを送ることになる、と反対する声がある。
だが拉致行為や北朝鮮の体制に責任のない生徒たちに、責めを負わせてはなるまい。
民主党政権は「教育に外交上の問題をからめない」と確認している。そうであるならば、政治の思惑によって、少数派であり、多感な年代である生徒たちを疎外するべきではない。
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)と結びついた学校のあり方にも疑念の声がある。文科省はそうした点にも踏み込み、調査を続けてきた。
その間の議論を通じ、学校側は開かれた教育への姿勢を示しつつある。教科書の記述も改める動きが出てきた。父母の間にも、祖国の「3代世襲」に違和感を持つ人はいる。教室に肖像画を掲げることも考え直す時期だろう。そして、自国の負の部分も教えるべきだ。
多様な学びの場の一つとして認めた上で、自主的改善を見守る。そんな関係を築けばよい。
歴史を思えば、私たちは在日の人たちとその社会をもっと知る努力をすべきだ。
韓流ドラマの翻訳を支えるのは民族の言葉を学んだ在日だ。年末の全国高校ラグビーには、大阪朝鮮高校がホームタウンの代表として3年連続で出た。彼らは北朝鮮だけを背負っているわけではない。生まれ育った国と祖国の間で悩み、揺れながら生きる若者がいる。
なぜ自分たちがハンディを負わされるのか――。政治の動きに巻き込まれ、生徒たちは苦しんできた。アウェーの寒風をいつまでも浴びせてはならない。


一読してあきれ返りました。

そもそも朝鮮学校に行く行かないは本人や親の自由意志です。したがって、それによって不利益をこうむっても、差別には当たりません。

また、学校が無償化されていないことと、「責めを負わせ」ることや、「疎外する」こととは結びつきません。私立学校の方が公立学校より金銭的な負担は重いですが、私立学校の生徒を疎外しているという論は成り立ちません。それと同じことです。

この社説でさえ朝鮮学校の実態が変化したとは言えないでいます。「教科書の記述も改める動きが出てきた」と書いていますが、実際にどのように記述が変わったのかを示していません。「父母の間にも、祖国の「3代世襲」に違和感を持つ人はいる」ことと朝鮮学校の教育方針とは関係ありません。「教室に肖像画を掲げることも考え直す時期だろう。そして、自国の負の部分も教えるべきだ」というのは朝日新聞がそういう意見を持っているということであって、朝鮮学校の実態とは何の関係もありません。つまり朝鮮総連と結びついているから無償化できない、という論を崩せていません。

韓流ドラマの翻訳を支えるのは民族の言葉を学んだ在日」なのだそうです。仮に、朝鮮学校で朝鮮語を学んだ在日朝鮮人が韓流ドラマを翻訳していたとしても、朝鮮学校を無償化する理由にはなりません。卒業生が翻訳業をしていることは、母校の授業料を無償化する理由にはなりません。

年末の全国高校ラグビーには、大阪朝鮮高校がホームタウンの代表として3年連続で出た」ことも朝鮮学校の無償化とは関係ありません。仮に、朝鮮学校のチームが全国大会に出ていなかったとしても、朝日新聞は無償化の論を取り下げないでしょう。

無理な理屈で主張されると、何か裏があるのではと疑いたくなります。

【映画】TIME/タイム


人間が25歳で成長を止め、残り寿命のやり取りが可能になった未来。人間は、事実上の不老不死を得た特権階級と、ぎりぎりの寿命を延ばすための労働を強いられる階級に分かれました。主人公は、この「不条理な世界に立ち向かいます。

特別に大スターが出ていないのに劇場は満員でした。設定の魅力が影響したのだと思います。

どういうストーリーなのか期待度大でした。しかし、物語は意外な展開をはじめます。寿命を奪ったと警察に誤解された主人公は大立ち回りを演じ、富豪の娘を人質に逃走。寿命の銀行を襲っては貧民に配り出します。つまりただのアクション映画です。悪い意味で意外な展開でした。

部分的には、寿命を賭けたポーカー・寿命の質屋など面白い設定が散らばっていますが、単純なアクション映画の中で描かれると、お金を寿命に置き換えただけのことになってしまっています。

一番わからないのは、特権階級が大衆の寿命を盗んでいる、という設定です。医療の進歩を受けられる人とそうでない人の違いではなく、「盗む」という行為があるようです。しかし説明がありません。めんどうくさいと思って説明を省いたのでしょうか。

主人公の父親と警察官にはなにかの因縁があるようですが、具体的には触れていません。触れる気がないなら、因縁話はやめればよいと思います。

寿命を賭けたバトルもよくわかりません。父親譲りの技を繰り出しますが、ただの腕力勝負に見えました。あの技がどういう効果をもったのか分かりませんでした。

警官が最後に寿命切れで死ぬのも変です。つねにギリギリの寿命で数十年生きてきたのですから、いまさらそんなうっかりミスをするのは考えられません。

警察が乗り出してこなければ、主人公はどうやって特権階級と戦うつもりだったのでしょうか。まさかギャンブルで勝ちまくって、というわけではありますまい。なにか策があったのだと思います。その展開の方こそ観たかったです。

もう少し考えてくれたら面白い映画になったと思います。せっかくの設定を生かしきれませんでした。
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Author:えいび
日々の出来事、映画やアニメの感想です。

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