【映画】宇宙戦艦ヤマト2199 第七章 そして艦は行く
![]() | 宇宙戦艦ヤマト2199 第七章「そして艦は行く」 映画パンフレット 【監 督】出渕裕 【声の出演】菅生隆之、小野大輔、桑島法子、鈴村健一、大塚芳忠 () 不明 商品詳細を見る |
最終章です。
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前作では、波動エンジンの設計図を送りながら放射能除去装置の設計図を送らなかった理由がわかりませんでした。ありていに言えば、作劇上の都合であって理由はなかったのでしょう。今作では、その疑問に答えが示されました。納得感があるかどうかはともかく、理由は語られています。この点で、スターシアの言動につじつまが合いました。
しかし、波動砲に対する嫌悪から、コスモリバースシステムを引き渡すの渡さないの、というくだりには納得感がありません。そもそもイスカンダル人が波動エンジンの設計図を渡す際に、武器への転用を禁ずると言った形跡がありません。地球人が自分達の創意工夫で開発したものですので、文句を言うのは筋違いかと思います。
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第七章では、デスラーが唐突な行動をとってガミラス本星の人々を慌てさせます。ほとんど戦力が残ってない状態で、頼みの波動砲(デスラー砲)が命中しなかったので、あのような行動に出たのだとは思いますが、ちょっと説明というか描写が足りなかったように思います。唐突すぎました。完成版では直っていることを期待します。
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帰還するヤマトとデスラーの戦闘は前作よりもすぐれています。前作ではとってつけたような新機能(反射板のようなもの)を作動させ、しかも偶然にデスラー艦に反射するというものでした。今作ではそのような新機能も偶然もありません。前から伏線(?)のあった実体弾が勝敗を決するというカッコの良いものでした。
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森雪の死と復活のくだりは前作と同様でした。ただし、前作では合理的な説明もなく復活しましたが、今作では「合理的な」説明があります。旧作のヤマトのシリーズでは死んだキャラクタが気軽に復活することが頻発したため、あきれられる面もありました。おそらくこの点への反省から「合理的な」理由を付け加えたのだと思います。
私も旧シリーズの安直なキャラクタの復活には、鼻白むところがありましたが、第一作の森雪の復活は、物語が内包しうる奇跡とみなしていたので、それ以降のものとは別と考えていました。つまり不合理であることが素晴らしかったと思っていました。その意味で、森雪の復活の流れは前作に軍配を上げたいと思います。
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すべて劇場で観ました。その価値は十分にありました。スタッフのみなさま、ありがとうございました。
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