【朝日新聞】学びを語る:平和教育 現実との「乖離」縮めて説得力を

10月30日朝日新聞朝刊。教育面。「学びを語る」のコーナー。東京女子大准教授・竹内久顕氏の「平和教育 現実との「乖離」縮めて説得力を」より

内閣府の世論調査によると、「国を守るという気持ちの教育の必要性」について、「ある」と答えた人は2003年に初めて5割を超え、12年には70%に達した。
■■■
 日本における平和教育は、第2次世界大戦の戦争体験を主な題材として、反戦・反核・軍縮を目指すことが課題とされてきました。特に「原爆教育」では世界的にも遜色のない蓄積がなされてきたと評価できます。
 しかし、従来の平和教育は、戦争を克服し紛争を非暴力的に解決する展望を育てることに必ずしも成功していません。それは二つの乖離によります。
 第一に、過去の戦争と今日の戦争の乖離。現代の戦争は、国家対国家から、テロ組織などの非国家主体と国家の戦いに変わっています。無人偵察機などの最新兵器の登場により、人を殺すことの実感も乏しくなりました。さらに第2次世界大戦は遠い過去のこととなり、リアリティーを持って感じることが難しくなっています。
 第二に、平和創造の理念(平和憲法)と現実の乖離。平和憲法の原理に期待したいが、暴力が吹き荒れる現実とかけ離れ、両者を近づける具体的な回路が見えないのです。
 これらの乖離を抱えたままでは、平和教育は説得力を失ったままです。新たな実践として、戦場での加害行為を悔いる元日本兵の映像を通し、加害者にならざるを得なかった過去の時代状況を理解する取り組みがあります。
 また、領土問題などの対立を「リンゴ1個をめぐる2人の争い」などの身近な問題に置き換え、第三者による交渉や調停により、新たな解決策を探っていく紛争解決教育もあります。
 決定的な処方箋はありません。現代版の平和教育構築が急務です。
 (聞き手・渡辺洋介)


私が思うに、「従来の平和教育」が昨今成功していないように見えるのは、核兵器にこだわりすぎたのが原因です。

米ソが核兵器でにらみ合っている時代では、地域の戦争が核戦争につながりかねず、核戦争は文明崩壊や人類滅亡を招きかねませんでした。こうした時代だと、戦争はなんとしても避けなければならないという考えが多数を占めていました。だから、戦争=悪というやや単純な図式の教育が浸透できたのです。

しかし今や人類が全面核戦争におびえていた特殊な時代は去りました。こうなると日本への侵略には断固として戦うべきという考えが説得力をもつようになります。

「国を守るという気持ちの教育の必要性」があると答える人が70%になったのを平和教育の失敗、と考えることがそもそも間違っています。自国を守るのは当然のこととしつつ、他国に対して武力の行使や威嚇はよくない、というのを平和教育の基礎とすべきです。

他国が攻めてきたらどうするのかという当然の疑問に回答せず、「加害行為を悔いる元日本兵の映像」だの「第三者による交渉や調停により、新たな解決策を探っていく紛争解決教育」だのと言っているのはただの思考停止です。
スポンサーサイト

【朝日新聞】特派員メモ:ニューヨーク 神をめぐる議論

10月30日朝日新聞朝刊。国際面の特派員メモ。「神をめぐる議論」から。

 ユダヤ系男性(47)に先日、夕食に誘われた。
(略)
 彼は生まれも育ちもNY。だが、イスラエルを「母国」と呼ぶ。毎年、同胞に呼びかけて資金を集め、病院の建設費などとしてイスラエルへ寄付を続けているという。
 「イスラエルのパレスチナ占領地での入植をどう思いますか」。酒も入り、ふだん感じている疑問をぶつけてしまった。答えは「あれは神が私たちに与えた土地だ」。
 少年時代に鹿児島の田舎で「田の神」や「山の神」に親しんだことを引き合いに出し、「常に神は自分の側にいるというのは独善的だ」と反論したが、「私が信じる神は唯一絶対だ」と譲らない。
 周囲の客も私たちの論戦に耳をそば立て、「彼が正しい」「違う」と合いの手を入れてきた。議論は平行線のまま、来月も食事をする約束をして別れた。彼の考えをもっと深く知りたいと思う。たとえ同意はできなくても、理解したいと願っている。(春日芳晃)


春日特派員は、このユダヤ系男性の考えを理解できていないと言っていますが、ユダヤ系男性は十分に説明しています。「神が私たち(ユダヤ人)に与えた土地だ」からパレスチナ占領地への入植は間違っていない、という意見です。春日特派員も「常に神は自分の側にいるというのは独善的だ」と反論しているのですから、十分に理解しているはずです。

春日特派員がこれ以上、何を「理解したいと願っている」のかよく分かりません。批判するならきちんと批判すべきです。ものわかりのいい振りをしただけの文章だと思いました。

【時事問題】社民党元首相

東京新聞のコラムより引用します。

(略)
その昔は日本社会党という政党があった。万年野党と皮肉られ政権担当能力を疑われながら二十世紀後半の政治史に無視できない足跡を刻んでいた。
 その社会党、もちろんいまは影も形もなく、流れをくむ社民党はといえば衆参両院で議席わずか五つ。今国会ではついに代表質問の権利すら失った。
 華の舞台の予算委も衆院は論戦に立てず、参院で吉田忠智新党首が短時間、質問できただけ。いまさらながら、隔世の感がある。
 こんな古巣の惨状を見かねて、最後の社会党委員長で初代の社民党党首もした村山富市元首相が、解党・新党必要論を口にする。
 圧倒的な数の与党に対抗するには、社民なんて名にこだわらず護憲や脱原発の勢力を結集する新党へ走るしかないじゃろう、と。
 隠居したご老人の繰り言と笑うまい。権力ににじり寄ったり、敵失待ちを決め込んでじっと口を閉じる人たちよりは、ずっとまともである。 


村山元首相にはあいた口がふさがりません。

社民党がいまの惨状に至ったのは、自民党と連立して村山内閣をつくったことが原因の大部分です。これにより自民党に反対だからという理由で社会党(社民党)を応援していた層が離反しました。ようするに村山氏の責任です。自分のやってきたことを棚にあげて、後輩に忠言する神経には恐れ入ります。

そのことは置くとしても、調子が悪くなると“解党して新党結成”の繰り返しにはうんざりします。総理大臣を務めたくらいなのですからもっとまともなことを言ってほしいです。

こうしたことを書くのは、社民党を応援しているからではありません。自民党の一極集中には漠然とした不安があり、健全で有能な野党の出現を望んでいるからです。

【朝日新聞】社説:冬ソナ10年―ずっと韓流頼みでは

10月28日の朝日新聞の社説です。

(略)
 主演の韓国ドラマ「冬のソナタ」が日本で放映されたのは03年。「冬ソナ」ブームは、韓国ドラマや音楽の「韓流」人気が巻き起こる起爆剤となった。
 今年が日本の韓流10年といわれるのはそのためだ。
 冬ソナに続く別のドラマに加え、近年は「KARA」「少女時代」などのKポップが台頭。もはや一過性のブームではなく、日本社会に定着した娯楽文化の一つと言えるだろう。
 一方、ソウル近郊の金浦空港でも、日本のアイドルの到着を多くの韓国のファンが待ち受ける。あちらでも「日流」が根付いてきているのだ。
 国民同士が互いに関心を持つにつれ、交流のパイプは広がった。日韓の間には今、週に600便以上の飛行機が飛び交う。昨年往来したのは約550万人で「冬ソナ元年」の10年前と比べると倍増の勢いである。
 だが一方で、韓流関係者は、日本の一部に広がる「嫌韓」感情に危機感を強めている。これまでも政治に起因する関係悪化に振り回され、時に厳しい逆風にもさらされてきたためだ。
 国益を守るはずの政治が、素朴な文化交流や関連業界の人々を苦しめる。何とも愚かしい構図というほかない。
 だが、そもそも韓流や日流が生まれる下地をつくったのは政治だった。ちょうど15年前、当時の小渕首相と金大中大統領が打ち出した「日韓パートナーシップ宣言」である。
 宣言で小渕氏は、過去に対して「痛切な反省と心からのおわび」を述べ、金氏は「和解と善隣友好協力に基づいた未来志向的な関係発展」に踏み出すことを表明。首脳同士の相互訪問などとともに、文化や人的交流の拡大をうたい上げた。
 あれから市民の交流は発展したのに、政治のつながりはむしろ後退しているではないか。
 5年前、ヨンジュンさんの俳優活動が韓国で文化勲章を受けた際、こんな功績が語られた。「日韓の政治家や外交官100人分以上の役割を果たした」。的を射た指摘だ。
 国家外交のつたなさを、市民の文化交流が補うという政治の甘えの構造をいつまで続けるつもりなのか。15年前の宣言の精神に立ち返り、真剣に関係改善を進めるべきだ。


この社説は、日韓の国民の間では友好関係の基礎はできているのに政治家がそれを疎外している、という前提です。しかし、日韓ともに民主主義体制をとっていて政治家は世論と独立して存在しているわけではありません。韓国の前大統領による天皇への謝罪要求なども、彼個人の意見というよりは国内世論に押された結果だと見るのが妥当です。

思い起こせば「冬のソナタ」以来の“韓流”ブームはかなり不自然でした。マスコミを含め関係者が煽り立てたことが人気爆発の理由の一つで、純粋なファンは一部だったと思います。こうした人工的な人気が終息に向かうのは必然であり、政治の責任にするのは無理があります。

そもそもその国の芸能が好きだからといってその国との友好関係が樹立できるとは限りません。それはそれ、これはこれ、だと思います。むしろ芸能の交流にしか頼れない日韓友好のひ弱さを印象づけられました。

【朝日新聞】今こそ政治を話そう:あえて、9条削除論

10月26日朝日新聞朝刊オピニオン欄。法哲学者・井上達夫氏へのインタビュー記事「あえて、9条削除論」です。

 ――安倍政権は「集団的自衛権は行使できない」という従来の憲法解釈の変更を目指しています。
 「集団的自衛権行使を容認すれば、日本は米国の軍事戦略に際限なく巻き込まれます。『集団的自衛権は憲法上NO』はそれに対する拒否権カードです。安倍政権が日本の外交力を強化したいなら、なぜこの『貴重』な対米交渉カードを自ら手放そうとするのか。理解不能です。日本は米国にとって必要不可欠かつ代替不能な戦略的拠点を提供しており、さらにこんな愚かな『貢献』をする必要はない。『米国は日本にそんなにひどい要求はしてこないはずだ』と考えているのなら、タカ派の平和ボケと言わざるを得ません」
 「ただ一方で、『解釈改憲だ。許されない』とする護憲派の安倍政権批判にも、私は違和感を覚えます」
 ――どういうことですか。
 「『自衛隊は9条2項が禁じる戦力ではない』という歴代自民党政権の詭弁を追認した内閣法制局の見解も、明白な解釈改憲です。しかし護憲派の大勢はそれを黙認ないし是認している。集団的自衛権行使容認は政治的に筋が悪いですが、解釈改憲という点では同じです。自分たちに都合のいい解釈改憲ならOKというのは欺瞞です。こんな護憲派の姿勢は、憲法の規範的権威を毀損し、『うそ臭い念仏』化させることに一役買ってしまったと思います」
 ――護憲派は憲法を守ってこなかったということですか。
 「護憲派は他人頼みなのです。『専守防衛で集団的自衛権はNO』を日本の公式見解として守ってきたのは、自民党と内閣法制局ですよ。護憲派はこの自民党と法制局の『自己規制』に頼りながら、それを自分たちの手柄のように言ってきた。安倍政権はいま、護憲派のこの甘えを突いてきています。集団的自衛権行使容認が目的の内閣法制局長官人事は大いに問題がある。しかし護憲派はそれに憤慨する前にまず、自分たちの欺瞞と甘えを反省すべきです」
 「だからといって、改憲派には護憲派の欺瞞を難じる資格はない。『押し付け憲法』を改正して日本の国家的主体性を回復するのだと息巻く改憲派は、占領の主役だった米国に軍事基地を忠実に提供し続けている。さらに、集団的自衛権容認に向けた9条の解釈改憲で対米従属構造を一層強化しようと。これは究極の自己欺瞞です」
 ――ただ、自民党は集団的自衛権行使を可能にすると訴えて選挙に勝ち、民意を得たとの声もあります。
 「集団的自衛権行使に道を開きたいのなら、憲法9条を改正すべきです。政治とは、政治的アクターがそれぞれの政策構想の実現をめざして闘うゲームで、憲法はそのゲームのルールです。だからこそ、プレーヤーが自分に都合のいいようにルールを変更できないよう、憲法改正には高いハードルが課される。これは立憲主義の要諦です。安倍政権は、96条改正でこのハードルを下げようとしたがうまくいかないので、改正手続きをバイパスする解釈改憲をしようとしている。これは立憲主義の否定であり、許されません」
 「ゲームの勝者が好きなようにゲームのルールを変えられるというのは、単なる『勝者の正義』の押し付けです。勝者には、その勝者の正義を超える『正統性』の調達が要請されるのです。なぜか。敗者が『勝者の決定は間違っているが、次の挑戦機会に覆せるまでは尊重する』と言えるようなフェアなゲームのルールが保持されない限り、この政治社会は成り立たないからです」
(略)
 ――右も左も欺瞞だらけだと。じゃあ、どうしたらいいでしょうか。
 「9条は固守するでも改正するでもなく、端的に削除すべきです」
 ――条文まるごと、ですか。
 「そうです。9条は、自衛隊の肥大化や、日本が米国の軍事行動に巻き込まれることを抑制してきた。しかしそれは事態の進行を遅らせる程度の抑止力でしかなく、既成事実はどんどん広がっています。イラク戦争への自衛隊派遣が好例です。人道復興支援などとごまかしていますが、イラクの抗戦勢力にすれば日本は完全な交戦当事国です」
 「護憲派は9条だけは守っていると良心を満足させ、既成事実の拡大を止められない責任を深刻に自覚せずに済ませてきた。その積み重ねが、集団的自衛権の行使容認という新しい局面に対して、大規模な対抗運動を組織できない現状を生んでいる。法制局がダメだから、今度は公明党頼みですかと。護憲派は憲法を『凍結』させて9条の条文を守れればいいという甘えから脱却し、9条の思想を現実の政策に反映させるべく、民主政治の闘技場に自らの足で立ち、不断に闘うべきです」
 「改憲派もそうです。押し付け憲法が日本をダメにした、9条が日本の国際的立場を弱くしたなどと、何でも憲法のせいにして自分たちの政治的主体性の欠如を隠蔽してきた。責任転嫁できる9条がなくなったとき、米国に振り回されない主体的な安全保障体制を構築できるのか、国民にちゃんと答えてみなさいと」
 ――それは一種の精神論ですね。
 「いえ、心構えではなく立憲主義の枠組みの問題です。立憲主義の基本は公正な民主的政治競争の条件と基本的人権、特に被差別少数者の人権の保障です。安全保障問題は、政治という闘技場の中で争われるべきことで、闘技場の外枠である憲法で規定すべきではありません」
(略) 
(聞き手・高橋純子)



『自衛隊は9条2項が禁じる戦力ではない』という歴代自民党政権の詭弁を追認した内閣法制局の見解も、明白な解釈改憲です。しかし護憲派の大勢はそれを黙認ないし是認している。

護憲派のなかには非武装中立を唱えている人たち(=自衛隊を認めていないひとたち)は少なからずいます。また、護憲派で自衛隊を認める人たちは、自身を解釈改憲をしているとは思っておらず、正当に解釈していると考えているのだと思います。

無理やり単純化した批判だと思います。


「だからといって、改憲派には護憲派の欺瞞を難じる資格はない。『押し付け憲法』を改正して日本の国家的主体性を回復するのだと息巻く改憲派は、占領の主役だった米国に軍事基地を忠実に提供し続けている。さらに、集団的自衛権容認に向けた9条の解釈改憲で対米従属構造を一層強化しようと。これは究極の自己欺瞞です」

はじめに読んだとき、井上氏のこの理屈が理解できませんでした。おそらく、次のような論理なのだと思います。
・改憲派は、現行憲法は米国の押し付けだと非難している。
・したがって、改憲派は反米の立場である。
・しかし、改憲派は、米国への軍事基地の提供に賛成し、集団的自衛権の容認をしているので、対米従属である。
・ゆえに、改憲派は、反米と対米従属という矛盾を抱えている。自己欺瞞だ。
この井上氏の論理には穴があります。

現行憲法が押し付けであると認識していても反米とは限りません。憲法が押し付けか否かは歴史事実の認識の問題であり、反米か親米かは政治的主張の問題です。

私は、現行憲法が押し付けられたというのは客観的事実だと考えています。決して、押し付けたのが米国だから「押し付け憲法」だと言っているわけではありません。ソ連が押し付けてきたとしてもやはり「押し付け憲法」です。現行憲法が押し付けであるという認識と、反米思想はつながりません。

井上氏は、改憲派に対しても、単純化しすぎています。


「ゲームの勝者が好きなようにゲームのルールを変えられるというのは、単なる『勝者の正義』の押し付けです。勝者には、その勝者の正義を超える『正統性』の調達が要請されるのです。なぜか。敗者が『勝者の決定は間違っているが、次の挑戦機会に覆せるまでは尊重する』と言えるようなフェアなゲームのルールが保持されない限り、この政治社会は成り立たないからです」

そもそも、一度成立した憲法が後続の世代に守らせる(=単純多数決で変更してはならない)根拠に疑問があります。王制を打倒した際に制定したとか、独立した時に作ったとかいった建国神話的なものと結びついているならば理解もできます。しかし、ここで俎上にあがっている改憲派は、出発点として現行憲法に正統性への疑問を持っています。その人たちに「正義を超える『正統性』の調達が要請される」と言ってみても説得力がありません。


「9条は固守するでも改正するでもなく、端的に削除すべきです」

削除すべき、との意見の理由は理解しました。しかし、インタビューの最初に「『集団的自衛権は憲法上NO』はそれに対する拒否権カードです。安倍政権が日本の外交力を強化したいなら、なぜこの『貴重』な対米交渉カードを自ら手放そうとするのか。理解不能です」と言ったこととの整合性がありません。

短いインタビュー記事の中で矛盾したことを言って、ご自身矛盾だと思わないのでしょうか。

【朝日新聞】記者有論:松代大本営 「加害の跡」、国が保存を

10月26日朝日新聞朝刊のオピニオン欄、「記者有論」のコーナー。オピニオン編集部の駒野剛氏の「松代大本営 「加害の跡」、国が保存を」より

(略)
 第2次大戦末期、旧軍部は米軍との本土決戦に備え、司令部である大本営を東京から移し、松代の山塊を掘り進めた地下に築こうとした。移動対象は政府機関や日本放送協会だけでなく、皇居も含まれていた。舞鶴山に掘られた地下施設の一部は気象庁の精密地震観測室として使われているが、そこは皇后の関連施設に予定されていたところだ。
 工事は44年11月に始まった。当時、働き盛りの男性は戦地に送られ、アッツ島やサイパンなど激戦地では「玉砕」という名の全滅が続いていた。国内に突貫工事をやり遂げる満足な労働力はなく、このために動員されたのが、植民地だった朝鮮半島から連れてこられた労働者だった。
 現代のシールド工法のような技術はない。削岩機とダイナマイト頼りに硬い岩を掘る。6千人とも7千人とも言われる労働者は過酷な作業と生活を強いられた。死傷者も出たが、実数は分かっていない。現在も壁には望郷の思いか、「大邱」の漢字やハングルで記された落書きも残る。
 相次ぐ敗北と撤退。資源は枯渇。食料も事欠く中、なお本土決戦を夢想する当時の軍人たちの狂気が「無駄な穴」の原動力だった。
 現在の姿は、そうした愚かさとともに、戦争の加害責任を突きつける。日本の戦争のため、朝鮮人労働者を酷使した過去を直視させるからだ。
 ユダヤ人虐殺というナチス・ドイツの加害の現場であるアウシュビッツは、広島の原爆ドームなどとともにユネスコの世界遺産に登録されている。一方、日本の国内には加害の歴史を示す「史跡」が少ない。あしき記録も直視し、きちんと記憶に刻むことが、アジアとつきあう基礎ではないだろうか。
 松代大本営で最大の象山地下壕跡は現在、長野市が管理しているが、国が責任を持って保存し、国民に周知して子々孫々に継承すべきだろう。過去から逃げないために。


駒野氏も書いているように当時内地の男の多くは戦地に送られ、「玉砕」した人も少なからずいました。それに比べて松代大本営の仕事が過酷とは言えません。また、当時の朝鮮半島は日本領土でした。取り扱いに差別的なところがあったにせよ彼らは日本人でした。「加害」というのは後から振り返って言っているに過ぎません。

どんなところからでも日本の「加害」を見つけてくる精神には辟易とします。こうした「加害」を発見をして言い立てることで、自分が良心的思想の持ち主だと言いたいだけに見えます。

念の為に付け加えますが、当時松本大本営で苦労された朝鮮半島の労働者の方々に含むところはありません。落命された人の冥福を祈るのは当然だと思います。なんでもかんでも「加害」だと言い立てる駒野氏への疑問を表明しただけです。

駒野剛氏の文章を取り上げた記事は下記にも書きました。ご参考までに。
【朝日新聞】社会余滴:財界総理、かくも長き不在 

【本】アメリカが劣化した本当の理由


アメリカが劣化した本当の理由 (新潮新書)アメリカが劣化した本当の理由 (新潮新書)
(2012/12/15)
コリン・P.A. ジョーンズ

商品詳細を見る

著者は同志社大学法学部大学院教授。訳者の名前がありませんので日本語で書いたようです。

題名からすると“昔と比べて今のアメリカが悪くなった理由”が書いてあるように思いましたが、もともと持っている問題点を米国憲法から解読しようというものです。歴史的な出来事との関連も書かれているので、歴史好きな人にも読みごたえがあります。

アメリカ合衆国が複数の国家(州)の連合体のような構成であるため現在からみると不可思議な部分が多く、さまざまな軋みがあることが明らかになっています。

第2章「参政権は穴だらけ」と第5章「奴隷制の長い影」が特に勉強になりました。

そうはいっても著者は現在のアメリカを全否定する立場ではありません。少しずつでもよい方向になっていることは認めています。単純な反米アジテートではありません。

お勧めします。

【朝日新聞】私の視点:北東アジアの和解 戦後処理に米が責任果たせ 

10月23日朝日新聞朝刊。オピニオン欄。スタンフォード大学アジア太平洋研究所副所長ダニエル・スナイダー氏の「北東アジアの和解 戦後処理に米が責任果たせ」を取り上げます。北東アジアの和解という題ですが、日韓の和解がテーマです。

 日本と近隣国との関係の混迷ぶりは、戦争が残した負の遺産を清算しないままでは、安定に希望はないことを証明している。歳月が経っても戦時中の傷痕は癒えず、北東アジアの若い世代に燃えさかるナショナリズムの火がしずまることもない。
 日本は悲しい過去を十分くぐっており、前を向いて進む時だと多くの日本人が感じていることは理解できる。だが過去は今も「過去」になってはいない。和解の責務は現在の問題である。政治的指導力さえあれば、この地域の各政府が和解を導く現実的な解決策をとることはできる。
 米国は、未完の戦後処理と、和解を阻んできた冷戦システムについて歴史的な責任を負っている。同盟国である日韓間などの歴史問題で起きる緊張により、米国の国益が脅かされてもいる。
 最大の課題は、従軍慰安婦など強制労働制度の犠牲者への補償だ。米国の支援もあって日本は、サンフランシスコ講和条約と、中韓との国交正常化の合意により補償問題は解決済みと主張してきた。
 だが法学者たちは、国家間の決着は個人の請求権を禁じていないと論じている。韓国の裁判所は最近、その国際法の原則にもとづき、日本企業で強制徴用された労働者の請求に勝訴を言い渡した。
 日本はこの問題を外交関係への脅威と見るのではなく、正義を実現する機会と見るべきだ。
 (略)
 米国は戦後問題について中立を装う姿勢を改め、動き出すことが肝要だ。日本の首相は、歴史問題をめぐる自己弁護の習性を脱し、率先して行動を起こさねばならない。


米国は、未完の戦後処理と、和解を阻んできた冷戦システムについて歴史的な責任を負っている。

最近の日韓のゴタゴタは冷戦や冷戦の終結とは関係ありません。時期が完全にずれています。

米国の支援もあって日本は、サンフランシスコ講和条約と、中韓との国交正常化の合意により補償問題は解決済みと主張してきた。

日韓はいざ知らず、日中の正常化に米国が支援したという事実はありません。

そもそも事実関係の把握がおかしいです。スナイダー氏の基本的知識に疑問を感じます。

だが法学者たちは、国家間の決着は個人の請求権を禁じていないと論じている。韓国の裁判所は最近、その国際法の原則にもとづき、日本企業で強制徴用された労働者の請求に勝訴を言い渡した。

法学者たちの議論なるものについては知りませんが、ごく自然に考えて両者の間で合意した約束事を反故にするのが正義だとは思えません。

日本の首相は、歴史問題をめぐる自己弁護の習性を脱し、率先して行動を起こさねばならない。

ひとの発言を自己弁護と断ずるなら、それなりの論拠が必要です。なんの論証もなく、一国の政治指導者に向かって「自己弁護の習性」などと悪罵をなげつけるスナイダー氏の態度は品位に欠けます。

なお、米国も国際社会の中で決して真っ白ではありません。スナイダー氏には、日韓の問題に口出しする前に、米国が暴れまわった国々への補償の実現を「正義を実現する機会」ととらえ運動することをおすすめします。

【時事問題】死刑制度 その2

前回の続きです。


日本の死刑の実態
日本では毎年、死刑判決があり、執行され続けています。
死刑判決が確定すると、面会や手紙のやりとりは極端に制限されます。
死刑はその日の朝、突然知らされ、親族にたった一言の最後の別れをすることもできません。
執行方法は絞首刑です。最近は、執行日時、氏名、執行場所などがなどが明らかにされていますが、もっと多角的な情報公開が必要だと、私たちは考えます。
世界では、死刑廃止国が増え、執行数が減っていますが、日本ではその動きに完全に逆行して、年々執行数が増え、執行までの年数も短くなっています。
2008年10月、国連規約人権委員会の審査で、日本の死刑制度や代用監獄を含む刑事司法制度に対して、批判が集中しました。


死刑囚であっても、面会や手紙のやりとりはもっと自由にさせてやってもよいと思います。死という刑罰以外の部分で苦痛を与えるのは健全だとは思えません。絵画展の説明で、死刑囚に与えられる画材にも制限があると聞きました。執行までの間に不必要な束縛を加えるのは賛成できません。

しかし、執行日の朝突然知らされるのがいけないとは思いません。例えば、一ヶ月前から予告されたとしたら、それはそれで苦しむのではないでしょうか。

また、死刑廃止派はよく「もっと多角的な情報公開が必要だ」と言いますが、具体的に何を公開しろと言っているのかさっぱりわかりません。


死刑をめぐる最近の動き
世界では死刑廃止、執行停止がいっそう進んでいます。
死刑を廃止した国は、この20年間で、50カ国以上に増加しました。
国連加盟国193カ国のうち、2012年に死刑を執行した国は、21カ国だけで、日本はそのうちの1カ国です。
アジアでは、カンボジア、ネパール、東ティモール、ブータン、フィリピン、モンゴルなどで死刑が廃止され、韓国では事実上の死刑廃止国となっています。米国も死刑存置国ですが、17州とコロンビア特別区が死刑を廃止しています。米国の執行数は1999年(98年)をピークとして、2012年はその半分以下(43件)となり、執行があった州も9州だけとなっています。
2012年12月、国連総会は、全ての国に対して、死刑廃止を視野に入れて死刑執行の停止を求める決議を賛成多数で採択しました。
賛成111カ国、反対41か国、棄権34か国です。国連総会でこのような決議が可決されるのは4回目ですが、日本は4回とも反対票を投じました。


よその国で廃止しているからといって日本が死刑を廃止しなければならない理由にはなりません。死刑制度に限らず、罪に対してどういう刑罰が相当なのかはそれぞれの国家の主権の問題です。「他国では云々」といった主張には説得力を感じません。

また死刑制度を維持している日本が、国連の死刑執行停止決議に反対票を投じるのは当然です。怪しむべきことではありません。


死刑は殺人を抑止することができるでしょうか?


「5カ国における殺人の発生率」のグラフが描かれています。1991年から2009年までの期間です。

グラフから米国の発生率が徐々に下がりつつあることが読み取れます。独仏も低下傾向がみられます。英国と日本はほぼ横ばいです。

2009年(グラフの最後の年)を見ると、日本の殺人発生率は最低。英仏独の三カ国の発生率はほぼ変わらず、日本の2から3倍。米国は日本の10倍くらいです。

また、次の説明書きがあります。

フランス:1981年法制化し死刑を完全廃止。2007年憲法に明文化
ドイツ:1949年西ドイツ議会にて死刑廃止を可決、憲法に明文化。
英国:1957年より段階的に廃止し、1970年死刑完全廃止。
米国:50州のうち34州に死刑制度あり。
日本:死刑制度あり。


データの見せ方がおかしいです。死刑による殺人の抑止効果をみたいのであれば、比較のためにフランスでは1981年以前の殺人発生率が必要です。ドイツでは1949年以前、英国では1957年以前が必要です。しかしグラフは1991年からです。これでは何も言えません。

あえて言えば、この項では「死刑制度あり」に数えられている米国の殺人発生率が高いこと、死刑制度のある日本の殺人発生率が低いことから、死刑制度と殺人発生率の影響は不明、と結論をだせます。

しかし、「死刑をめぐる最近の動き」の項では「米国も死刑存置国ですが、17州とコロンビア特別区が死刑を廃止しています。米国の執行数は1999年(98年)をピークとして、2012年はその半分以下(43件)となり、執行があった州も9州だけとなっています」と書かれていました。米国が死刑の準廃止国のような扱いです。

そこから強引に論を組み立てれば、死刑制度を維持している日本だけが殺人の発生率が低い、死刑制度を持たない国は殺人の発生率が高い、と結論づけることも可能です。


死刑廃止に傾いている私ですが、アムネスティのこのパンフレットにはなんの説得力も感じませんでした。

また、私からみて一番肝心な誤審の危険についてまったく触れていないのが訝しいです。


下記は、弊blogで死刑制度に触れた記事です。
【本】知っていますか? 死刑と人権 一問一答
【朝日新聞】死刑容認85%って本当? 「設問に偏り」日弁連検証
【朝日新聞】死刑積極支持「44%」 英のNGO、日本人にアンケート

【時事問題】死刑制度 その1

数週間前に渋谷で開催されたアムネスティ日本と死刑廃止ネットワーク東京による「死刑囚の絵画展」にたまたま立ち寄りました。その際にもらった公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本のパンフレットを素材に死刑制度について考えてみます。

はじめに私の立場を説明します。いまの時点では死刑反対に傾いています。冤罪への恐れが拭えないからです。

死刑反対派の私ですが、アムネスティのパンフレットには首を傾げざるをえないところが多々あります。これらを挙げながら死刑廃止派がなぜ日本の多数派にならないかを探ります。

パンフレットは、「もしも死刑がなかったら」という題名でA4サイズに裏表がカラー印刷されています。


まず、はじめの文章です。

もしも日本に死刑がなかったら、どうなると思いますか?
凶悪犯罪が増えると思いますか?
しかし、それは思い込みかもしれません。誰も明確に説明できていないのです。
ひとつだけ確かなことは、死刑は人の命を奪う刑罰だということです。
誰かが死刑という殺人をしているのは、まぎれもない事実です。

死刑判決が確定すると、数年後に死刑が執行されます。
法務大臣がハンコを押した時、執行されるのです。
命令を受けて、死刑囚の首に縄をかけるのは、刑務官です。
もともと刑務官の仕事は、囚人を教育し更生させることです。
人を殺すことではありません。
しかし死刑がある限り、私たちは正義の名において、刑務官に殺人をさせてしまっていることになります。
しかもそのような事実は、あまり世間に知らされていません。

毎年、私たちの知らないところで、死刑は確実に行われています。

死刑についての考えは、人それぞれです。
アムネスティは、死刑に関する様々な情報を提供します。
大切なことは、まず死刑について知り、考えることです。
現に100人もの死刑囚が刑に処せられようとしているのですから。


「法務大臣がハンコを押した時、執行されるのです」というのは間違いです。事実は刑務官がボタンを押した時に執行されます。

それに至るまでの大まかな流れは、

逮捕→起訴→死刑確定→法務大臣のハンコ→執行

です。法務大臣のハンコはそのうちの一つに過ぎません。

これが死刑廃止派の主張の奇妙な点の一つです。彼らは、逮捕した警察も、起訴し死刑を求刑した検察官も、直接執行した刑務官も非難しません。彼らの標的はつねに法務大臣です。

私から見れば、警察が逮捕するのも、検察が起訴するのも、法務大臣がハンコを押すのも、刑務官が執行するのも、すべて職務上の義務で選択肢はありません。警察が犯人を逮捕するのは当然ですし、十分な証拠があるなら検察が起訴するのも当然です。刑務官が命令に従うのがあたりまえのように、法務大臣もハンコを押すのは当たり前の職務です。ハンコを押さない大臣がおかしいのです。

死刑執行に至る流れで選択肢があるとすれば裁判官の判決くらいなものです。これも相場で決めているようなので選択肢があるとは言い切れませんが、死刑判決を下さないことが職務上の義務の不履行にはなりません。

故に、死刑反対派が批判すべきなのは法務大臣ではなく、死刑判決を出した裁判官であるべきです。法務大臣に職務の執行よやめろなどと無茶な抗議をするのではなく、無期懲役なり有期刑なりにしろと裁判官に要求すべきです。

なぜ法務大臣を非難するのか理解できません。

「もともと刑務官の仕事は、囚人を教育し更生させることです」というのも理解できません。刑務官が死刑に関わってきたのは昔からです。ありていに言えば、死刑執行は刑務官の仕事の一つでした。「もともと」死刑にかかわりがなかったとの主張は事実と異なります。

「毎年、私たちの知らないところで、死刑は確実に行われています」というも事実ではありません。死刑を執行していない年もあります。また死刑執行の後マスコミを通じて発表がありますので、国民の知らないところで死刑を行っている、というのは間違いです。

理屈もおかしいし、事実関係もあやふやです。これでは賛同は得られないでしょう。



死刑は被害者遺族を癒せるのでしょうか?
凶悪事件が起きると、「なぜ加害者の人権が守られて、被害者の人権が軽んじられているのか」という声が聞かれます。
加害者は刑事訴訟法によって、逮捕から起訴、裁判まで法律によって守られています。
しかし、被害者、そしてその家族を守ってくれる法律は十分に整備されていません。日本における犯罪被害者対策は、欧米に比べて30年遅れていると言われています。死刑があることによって、私たちは被害者遺族が癒されていると思い込んでいるだけかもしれません。


この点についてはある程度賛同します。

加害者であろうと人権は保護すべきです。被害者の遺族が苦しんでいるからといって加害者への法の保護をなくしていいことにはなりません。被害者の遺族へのいたわりと加害者の人権保護は相反するものではありません。

ここまではアムネスティの言い分と私の意見は同じなのですが、「死刑があることによって、私たちは被害者遺族が癒されていると思い込んでいるだけかもしれません」というのが分かりません。

「思い込んでいるだけかもしれません」という主張には、「死刑があることによって、被害者遺族は癒されているかもしれません」という主張をぶつけてみたくなります。

すべてではないかもしれませんが、死刑で癒される家族がいるのは真実です。


長くなるので後半は明日にします。

【朝日新聞】天声人語(10月21日)

10月21日朝日新聞の天声人語より。

(略)
いまの憲法は「押しつけ」だという議論が絶えない。一面ではそうだろう。他面ではしかし、それを受け入れる下地もあっただろう。戦前からの「民主主義的傾向」の積み重ねである。ポツダム宣言はそれを「復活強化」せよと促したのだった
明治のころ闊達に交わされた草の根の議論の蓄積が、実はいまの憲法の遠い源流になっているという指摘もある。国のかたちをめぐって連綿と続く営みの跡をたどり直してみたい。


現行憲法が押し付けだという根拠は、占領下に作られたものであり、日本に拒否権があったとは考えられないからです。つまり憲法制定の手続きへの疑問です。

一方、現行憲法が民主主義的で旧憲法より我々にとって好ましいではないか、というのは憲法の中身の話です。

中身がいいから手続きがおかしくても許されるということにはなりません。

また、ポツダム宣言は「促し」などという生易しいものではありません。占領軍が日本人の草の根の議論の蓄積を源流として憲法案を考えたはずもありません。ここで天声人語の言っているのは、事実を無視した空想です。

余談ですが、私は現行憲法には特段の不満はありません。戦争放棄については現実を無視しているように思いますが、基本的人権や主権在民など基本的な条文には賛成です。ただし、現行憲法が米国の押し付けであることは間違いないと思っています。

【朝日新聞】経済気象台:すっかり冷めた中国熱

10月19日朝日新聞朝刊の金融情報欄。「経済気象台」のコーナーに載った「すっかり冷めた中国熱」を紹介します。

中国の大企業トップたちが来日し、民間レベルで日中関係修復へ動き始めた。
中国の経済界が雪解けを急ぐ事情は簡単だ。製造業の場合、日本からの進出は止まっており、新規造成された地方の工業団地はがら空きだ。数年前に進出した日系企業も、追加の設備投資は控えて、工場の買い手を探している。
日系企業の本音はできれば撤退したいが、中国では、倒産するならともかく、撤退は難しい。「働く場所がなくなる」と訴訟になるリスクがあるためだ。
海外への投資を回収するのは、配当やロイヤルティー(のれん代)を得る方法などがあるが、回収は早くて4年から5年、初期投資が大きいと、7、8年はかかる。
アセアンから中国へと投資先が動いたのは2003年ごろからだった。「やっとリターンを」と思ったとたん、日系の工場に対して、覆面をかぶった集団の略奪と破壊活動が行われ、当局もそれを放置してきた。
しかも地方当局の「管理監督」が厳しくなり、稼いだお金を日本に持ち帰ることはとても難しい。
タイやインドネシアなどにも進出に伴うリスクはある。だが、どの国の企業にとっても同じだ。「チャイナ・リスク」は別格。日本企業のみが突然標的になる。
「法の支配」は全てに平等だが、「党の支配」は恣意的であり、選別がある。ここ1年、破壊活動を取り締まらない中国当局の姿勢に対して、日本の企業は学んだ。
冷めた中国熱がもとに戻ることはないだろう。ミャンマー行きの飛行機や現地のホテルは日本人で満杯である。日系企業の視線は再びアセアンに向かっている。
(遠雷)


最近の週刊誌では中国経済の見通しを批判的に取り上げる記事が増えましたが、朝日新聞がこういうのを載せるのは珍しいと思います。人権問題についてはいうことはありますが、日本企業が中国から手を引きたがっていることを伝えたのは驚きました。外部の人間に書いてもらっているコラムなので新聞社の統制がゆるいのかもしれません。

ただし、このコーナーは匿名(厳密にはペンネームと呼ぶべき)なので、遠雷氏が経済人なのか学者なのかわかりません。つまり日本企業が中国に嫌気がさしている、というのは遠雷氏の実感なのか、外から見た感想なのかは不明です。多少割り引いて読む必要はあるのかもしれません。

また、遠雷氏が言っているのは中国の工場で製造する、という業態についてです。中国の市場目当てで進出した企業の“中国熱”がいまどうなっているのかは述べられていません。

それでも潮目がかわりつつあることが理解できるコラムでした。

【映画】ルノワール 陽だまりの裸婦


ポスタ- アクリフォトスタンド入り A4 パターンA ルノワール 陽だまりの裸婦 光沢プリントポスタ- アクリフォトスタンド入り A4 パターンA ルノワール 陽だまりの裸婦 光沢プリント
()
写真フォトスタンド APOLLO

商品詳細を見る

画家ルノワールの晩年を描いた映画です。

特に事件が起きるわけでもなく、画家の生活を淡々と描いています。息子やモデルを務める女性との葛藤など一応起伏らしきものはありますが、ルノワール本人が超然としているためか「事件」になりません。

正直に言って映画の出来としては良くないように思います。何が描きたいのかちょっとピンと来ませんでした。ルノワールという世界的な有名人を題材にしたおかげで、そこそこさまになったのでしょう。

どうせなら、晩年ではなくパリで活躍していた時代を描いた方が有名人をどっさり登場させられたのでよかったように思います。



【朝日新聞】耕論:大丈夫かアメリカ

10月17日朝日新聞朝刊オピニオン欄。「大丈夫かアメリカ」という題で中国・ロシア・フランスの3人が意見を寄せています。そのうちフランスの映画俳優アニエス・ジャウィ氏の意見を取り上げます。

 米国の文化産業がデジタル技術の進展でさらに強まり、世界の覇権を握り続けていることに憤りすら感じます。フランスは今年、米国と欧州連合(EU)との自由貿易協定の交渉から映画など文化産業を除外するよう迫りました。文化の多様性を守るために有効な手段だと考え、欧州各国の映画人らと署名運動を展開しました。各国の映像文化の独立性を保つため、国際憲章の制定も提唱しています。
 米国はフランスなどは映画やテレビ番組の制作に補助金を出しており、保護主義的だと批判しています。だが、米国こそが保護主義的なのです。米国内の映画館でハリウッドの大作の上映を事実上優遇し、米国人の好みではないとして低予算の外国映画の配給を難しくしてきたではありませんか。
 私は反米思想の持ち主ではない。米国が世界の才能を引きつけ、優れた映画やドラマを生み出していることはもちろん認めています。私が監督した作品がアカデミー賞にノミネートされたとき、リメーク版の制作を持ちかけられたこともあります。
 観客を最も多く動員した作品が質的に最も優れているという考え方には納得できません。多様な作品をつくり続ける環境を守るためには、市場の論理にすべてを委ねてはなりません。
 それでは、どのように米国の覇権に対抗すればいいのでしょうか。カギを握るのは、学校での映像文化の教育です。インターネットの普及で多様な映像に触れる機会が増えたとはいえ、テレビ番組についてはその国の映画やドラマを一定の割合以上流すことを義務づけるような規制も必要でしょう。
 文化はぜいたく品ではなく、生活必需品です。経済的に貧しくても、美しい音楽や映像に触れる機会は平等に保障されるべきです。自分とは違う他者を理解することで、人種差別や戦争、自身の孤独と闘うすべを培うことができるからです。
 米国は市場原理を優先するあまり、「機会の平等」という理想をも見失いつつあるのではないでしょうか。他国の文化に触れる機会を米国人は知らず知らずに減らされており、自国の文化産業の犠牲者ともいえます。
 フランスの文化が他国の文化よりも優れているという考えで、自由貿易の交渉から除外すべきだというのは確かにおかしい。文化に優劣などないからこそ、それぞれが自国の文化にこだわることが大切なのです。
 日本は極めて洗練された文化を持っています。私にとって小津安二郎の映画がその象徴です。米国などと自由貿易協定の合意をめざしていると聞きますが、文化産業については欧州の前例にならい、他のアジア諸国と力を合わせて交渉から外すよう働きかけてはどうでしょうか。


観客を最も多く動員した作品が質的に最も優れているという考え方には納得できません」という点は賛成です。。しかしジャウィ氏の意見は全体として混乱しているようにみえます。

多数の観客に観てもらった映画の中にも質的にすぐれているものはあります。興行的に失敗した映画の中に優れたものもあります。また、いくつかの米国の映画が観客を多く動員するからといって、すべての米国映画が質的に劣っているとは限りません。作品価値の高い米国映画もあります。逆に、質に問題のある仏映画もあります。

ゆえに、米国発の映像を規制し自国の映画やドラマを規制しても、質の高い映像文化を守ることにはなりません。敵は米国ではなく商業主義のはずです。

また、「米国内の映画館でハリウッドの大作の上映を事実上優遇し、米国人の好みではないとして低予算の外国映画の配給を難しくしてきたではありませんか」と米国の保護主義を批判しているような発言があります。それでいてテレビ番組では一定以上に自国の作品を流すべき、と主張しています。フランスの保護主義はよくて米国の保護主義はいけないというのであればそれは身勝手です。

ジャウィ氏の意見は置いておいて、フランスのテレビが自国の作品を一定以上にしなければならない(おそらく米国の映像に席巻されている)というのは驚きました。日本でも米国のドラマは放送されていますが、地上波では深夜か平日昼間だけです。ゴールデンタイムでの放送はひさしくありません。映画は夜の9時台に放送されますが、連続ドラマだとありません。それでは人気がないかと言えばレンタルビデオ店では米国ドラマのシリーズは大人気です。

フランスの状況と日本の状況がなぜこのように違うのか興味がわきます。

2013秋調査(2013/7-9月期、終了アニメ、49+8作品)

アニメ調査室(仮)さんで行っているアンケートに投稿しました。

評価基準は
S : とても良い(第3回より追加)
A : 良い
B : まあ良い
C : 普通
D : やや悪い
E : 悪い
F : 見切り、視聴はしたが中止(または見逃しが多い)
x : 視聴なし、(または視聴中のため評価保留)
z : 視聴不可(わかる範囲で良いです)

次のように評価しました。

01,Free!,B
02,恋愛ラボ,x
03,君のいる町,x
04,進撃の巨人,A
05,有頂天家族,A
06,ムシブギョー,x
07,戦勇。 第2期,x
08,LINE OFFLINE,x
09,ブラッドラッド,x
10,ビーストサーガ,x

11,トレインヒーロー,x
12,きんいろモザイク,x
13,ロウきゅーぶ! SS,A
14,てーきゅう 第2期,x
15,げんしけん二代目,x
16,幻影ヲ駆ケル太陽,C
17,BROTHERS CONFLICT,x
18,宇宙戦艦ヤマト2199,A
19,銀の匙 Silver Spoon,A
20,ファンタジスタドール,x

21,ガッチャマンクラウズ,x
22,犬とハサミは使いよう,F
23,サーバント×サービス,x
24,神さまのいない日曜日,D
25,ハイスクールD×D NEW,x
26,ローゼンメイデン (新),B
27,獣旋バトル モンスーノ,x
28,戦姫絶唱シンフォギアG,F
29,とある科学の超電磁砲S,A
30,ステラ女学院高等科C3部,x

31,ぴっちぴち しずくちゃん,x
32,たまゆら もあぐれっしぶ,x
33,リコーダーとランドセルミ,x
34,超速変形ジャイロゼッター,x
35,ふたりはミルキィホームズ,x
36,神のみぞ知るセカイ 女神篇,x
37,八犬伝 東方発見異聞 第2期,x
38,魔界王子 devils and realist,x
39,たまごっち! ゆめキラドリーム,x
40,クロスファイト ビーダマン eS,x

41,Fate kaleid liner プリズマ イリヤ,x
42,銀河機攻隊 マジェスティックプリンス,D
43,ガラスの仮面ですが (無印/Z、全17話),x
44,超次元ゲイムネプテューヌ THE ANIMATION,x
45,私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!,A
46,マジでオタクなイングリッシュ! りぼんちゃん the TV,x
47,ダンガンロンパ希望の学園と絶望の高校生 The Animation,E
48,ポケットモンスター ベストウイッシュ シーズン2 (全59話),x
49,バトルスピリッツ ソードアイズ (無印/激闘伝、全50話),x
50,俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 (2期、14-16話),x

51,俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 (全32話),x
52,(特番) 絶対防衛レヴィアタン ミニ 焚き火劇場,x
53,(特番) ポケットモンスター ジ・オリジン,x
54,(特番) マジカル スター かのん100%,x
55,(特番) 未来日記リダイヤル,x
56,(注) 帰宅部活動記録,x
57,闇芝居,x

各作品の評価はリンク先をご覧ください。

■見切り作品について
「犬とハサミは使いよう」 3話まで観ましたが、どこに面白さがあるのか全く理解できませんでした。

「戦姫絶唱シンフォギアG」 1話だけ観ました。第1期は観ていましたが低評価でした。気を取り直して観てみましたが、やっぱりつまりませんでした。

【朝日新聞】社説余滴:政治決着できる慰安婦問題 

10月17日朝日新聞朝刊の社説余滴。国際社説担当の箱田哲也氏による「政治決着できる慰安婦問題」を取り上げます。

 ちょうど1年前、韓国の李明博大統領が日本に送った特使と野田佳彦政権の斎藤勁・官房副長官らが、従軍慰安婦問題の政治決着に向けた最後の詰めを急いでいた。
 野心的な試みは結果として時の壁に阻まれた。だが同時に、トップの意向次第で乗り越えられる問題である、ということも裏付けた。
(略)
 政治決着とは、慰安婦問題での対立に両政府が終止符を打つことにほかならない。
 「韓国政府が同意しても、支援団体が納得しなければ問題は解決しないだろう」。こんな声は根強い。確かに韓国には、法や規則より「道理」が先にたつような面があることは否めない。
 だが、果たしてそうだろうか、とも思う。
 軍事政権の終わりを告げた宣言から四半世紀。国民所得も格段に上がった。新たな政府間の合意は、昔とは異なる重みを生みはしまいか。
 (略)


日本人の中には、韓国の政権とどんな約束をしてもいずれ蒸し返してくるので政治決着は不可能だと考えている人が多くいます。箱田氏もそれに気付いているらしく次のように述べています。

> 「韓国政府が同意しても、支援団体が納得しなければ問題は解決しないだろう」。こんな声は根強い。確かに韓国には、法や規則より「道理」が先にたつような面があることは否めない。
 だが、果たしてそうだろうか、とも思う。
 軍事政権の終わりを告げた宣言から四半世紀。国民所得も格段に上がった。新たな政府間の合意は、昔とは異なる重みを生みはしまいか。


「昔とは異なる重みを生みはしまいか」などと根拠のないことを言っても、懸念は全く晴れません。

私の想像ですが、日本が譲歩の姿勢をみせるかぎり韓国は何度でも過去のことを持ち出してくると思います。箱田氏の言う政治決着では将来に禍根を残すだけです。

【朝日新聞】投書:被害相談、管外でも取り次げ

10月16日朝日新聞の投書欄より

50年前、小さな店を任されていた当時の出来事だ。休日に係員1人が出勤、電話で仕事の依頼を受けたが、担当地域外だったため担当店の電話番号を伝えて切った。後でわかったことだが、電話の主は私の上司だった。翌朝一番に呼び出され、「お客さんの電話をたらいまわしにしている」と部下への指導不足と監督不足を叱責(しっせき)された。
 女子高生刺殺事件での警察署の対応と重なった。最初に高校から被害を相談された警察署は、自宅に近い別の警察署に相談するよう勧めただけで、その署に情報を伝えなかったという。
(略)


77歳男性からの投書です。

まず、女子高生刺殺事件についてです。報道を信じるかぎり、警察署の連携不足が原因で事件が起きたとは言えません。“所轄署に相談してくれ”というのはもっともなアドバイスであり、被害者側もそのアドバイスに従っています。したがって事件が起きた原因はそこにはありません。的の外れた批判は無意味です。

また、投書子の経験ですが、上司の方に問題を感じます。投書を読む限り、担当地域外の電話があった場合の対応について組織として方針を定めていなかったようです。対応を部下まかせにしていながら、客の振りをして電話して部下を試すなど実に陰険です。50年前だとこういうのが普通なのでしょうか。

【アニメ】有頂天家族


有頂天家族 (The Eccentric Family) 第七巻 (vol.7) [DVD]有頂天家族 (The Eccentric Family) 第七巻 (vol.7) [DVD]
(2014/03/26)
櫻井孝宏、諏訪部順一 他

商品詳細を見る

原作は未読です。

今期、一番面白かった作品でした。

考え抜かれたと思われる構図は他に類例を見ません。背景も小道具も綿密に描かれています。特に、弁天さまが持っていた扇子の風神雷神もよかったです。風神雷神と言えば、俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一がそれぞれ描いていますが、弁天さまの風神雷神はそのどれとも違っていました。アニメ用にアレンジしたのかもしれませんが、高級感は落ちていません。こんな細かいところまでよくぞ、と思いました。

弁天さまの声の能登麻美子さんが素晴らしかったです。純真だった娘と妖艶な悪女の声をうまく演じてくれました。

設定の説明が不足しているところがありましたが、それを補って余りあるものがありました。

原作もいいのかもしれませんが、アニメスタッフの頑張りに拍手を送りたいです。

【映画】ウルヴァリンSAMURAI


【映画パンフレット】 『ウルヴァリン:SAMURAI』 出演:ヒュー・ジャックマン.真田広之【映画パンフレット】 『ウルヴァリン:SAMURAI』 出演:ヒュー・ジャックマン.真田広之
()
Livraison

商品詳細を見る

3D字幕スーパーで鑑賞。

X-MENの映画シリーズはすべて観ています。


X-MEMのいままでのシリーズとは異なり、ほとんどミュータントは出てきません。明白にミュータントといえるのはウルヴァリンと敵の女医だけで、ウルヴァリンを迎えに来た日本女性は予知能力をもったミュータントなのかただの人間なのかはっきりしません。なお、エンドロールの途中でなじみのミュータントも出てきますが、これは続編の予告のようなものなので勘定には入れていません。

明らかなミュータントは二人だけで、敵のミュータントも最後に倒すべき敵ではありません。今までX-MENにはミュータントと非ミュータントの葛藤という基調の上でミュータントどうしの闘いがありました。本作にはそれがいっさいありません。これまでのシリーズの映像の見せ場は、ミュータントの能力でしたが、本作はそれに頼っていません。そもそも日本ではミュータントは発生していない、という設定なのでしょうか。

中盤のクライマックスである、時速500Km(?)で走る新幹線の屋上でウルヴァリンが闘いも、相手はミュータントではなくただのヤクザでした。最後の敵は銀色の人型ロボット(と思ったら強化スーツ)。さらに手下は忍者軍団、と日本テイスト満載です。

大前提として、これらの日本風味を笑って楽しめないと本作は楽しめないと思います。


登場人物がそれぞれ何を考えているのかよくわかりません。まず、ウルヴァリンですが、死を与えてくれるという昔の知り合いの申し出を断ります。ところが断った理由が明かされません。やはり死ぬのはいやだったのか、死んで楽になるのを自分に許さなかったのか、不死を人に与えるのがいやだったのか、よくわかりませんでした。これは観客に委ねた、といえなくもありません。

しかし、昔の知り合いとその息子という二人の重要人物が、それぞれの時点で不合理な行動を取り続けるのは、作劇上の都合としか見えません。


使用人であり幼馴染み、という設定は魅力的ですが、男女それぞれ一人ずつ登場させるのはおかしいです。そういう設定は一人であるべきです。


旧家の家宝のような形で屏風絵が出てきますが、あんな技法の日本絵画はありません。そもそも、安っぽい落書きみたいでした。百歩譲ってあれがすばらしい屏風だという設定を受け入れたとしても、家の使用人が手がかりの紙を小刀でその屏風に突き刺してみせるという演出は変です。主家の大事なものなんですよね?


アクションシーンは、それなりに見せてくれます。ストーリーは考えすぎると駄目だと思います。虚心にアクションと欧米人の考える日本趣味を楽しむ映画です。



【アニメ】とある科学の超電磁砲S


とある科学の超電磁砲S 第5巻 (初回生産限定版)(特典ディスク付き) [Blu-ray]とある科学の超電磁砲S 第5巻 (初回生産限定版)(特典ディスク付き) [Blu-ray]
(2013/11/27)
佐藤利奈、新井里美 他

商品詳細を見る

前シリーズは観ています。アニメの禁書目録も観ていました。禁書目録の原作も読んでいます。

シスターズの話なので、どう展開するかは分かっていました。明るい話ではないので終始陰鬱な雰囲気でした。

これが後半のフェブリ編で一転します。シスターズ編では仲間に頼らなかったのが、フェブリ編ではみんなの協力を得る、という対比もよかったです。第一話に出てきてそれっきりだったレベル5が最終回でちらっと登場するのも見事でした。

まずまずの満足感を得られました。

【展覧会】竹内栖鳳展

於:東京国立近代美術館

近代日本画の巨人・竹内栖鳳の展覧会です。

基本的に、年代順に作品を展示していますので、画業を概観することができました。

有名な「班猫」(重要文化財)の前では人だかりがしていました。

竹内栖鳳: 京都画壇の大家 (別冊太陽 日本のこころ 211)竹内栖鳳: 京都画壇の大家 (別冊太陽 日本のこころ 211)
(2013/09/02)
廣田 孝

商品詳細を見る

なお、放送大学の学生証をみせたところ600円で入場できました。当日一般だと1300円のところが700円引きです。普通の学割だと900円なのですが、キャンパスメンバーズという制度でこの値段になったそうです。

【アニメ】ダンガンロンパ


ダンガンロンパ The Animation 第1巻 (初回生産限定版) [Blu-ray]ダンガンロンパ The Animation 第1巻 (初回生産限定版) [Blu-ray]
(2013/08/28)
緒方恵美、大本眞基子 他

商品詳細を見る

推理ものとしては不完全で、サスペンスものとしては説明のつかないところが多すぎます。

学級裁判のルールでは間違った犯人を指摘したら犯人以外は処刑されるはずです。主人公が濡れ衣を着せられたとき、そのルールを無視するのはおかしいです。なんのためにゲームか分からなくなります。

最後の裁判は、学園の謎を解けるか解けないかというもののはずでしたが、唐突に学園に残りたいか残りたくないかと変わってしまいました。視聴していて、置いてきぼりにされた気分です。

根本的なところで、殺し合いゲームをさせていた理由がわかりません。どういう権力・財力で外と隔離しながら生活物資を確保できているのかもわかりません。外の世界で何が起きているのかも説明なしでは、とうてい納得できません。

やたら記憶喪失が出てくるのも疑問です。全員が記憶喪失、超高校級の探偵が記憶喪失、二重人格者が引っ込んでいる人格は記憶を持たない、と三つも使っています。

女性キャラが3人も人格がくるくる変わるというのも疑問です。一人だけなら面白いのですが3人も続ける意味がわかりません。

最終回でもう少し納得が得られるのかと思っていましたが何も解決されませんでした。

よかったのは声優陣です。素晴らしかったです。声優がよいと他がダメでも結構見られる、というのを再認識しました。

【展覧会】秋の優品展 禅宗の美

於:五島美術館

禅宗の書画の展覧会です。

悪く言えば地味なものが多かったですが、白隠の作品は異彩を放っていました。観ていて楽しくなります。

私には、書はわからないので眺めただけです。見ていると、そのうちよさが分かってくるのでしょうか。

10月20日までです。

【朝日新聞】(インタビュー)対立打開、東洋の知恵 

10月10日朝日新聞朝刊オピニオン欄。東洋文化研究者のアレックス・カー氏のインタビューです。

 ――歴史に関する政治家の発言が、外交問題に発展するケースが後を絶ちません。
 「歴史を直に見ない、歴史を編集したがるのは、ある意味、アジア全体の問題です。中国は膨大な死者が出た文化大革命をめぐる矛盾が、複雑な問題として残っている。タイも戦前から戦後にかけてあったファシスト系の軍事政権の過去を、いまだ処理できていない。この問題は日本だけの問題ではありません」
 ――しかし、日本の政治家の歴史認識は政治問題化します。
 「政府が『戦争を起こしたことは申し訳なかった』と言っても、すぐに政治家が『違う、日本は正しかった』と発言するから、中国や韓国から見れば、日本はまったく歴史を認めていない、ということになってしまう。実は反省している人々はたくさんいるのに。尖閣諸島をめぐって日本側から『歴史』を言い出すと、笑いものにされます。歴史を直に受け入れなければ、歴史を語る立場にはない。この点を踏まえないことが、日本の政治家の甘い部分だと思います」
 ――同じ敗戦国のドイツでは周辺国と同種の問題は起きていません。
 「ドイツは戦争の過ちを法律上も、学校教育の場でも、様々な博物館でも示しています。ドイツを恨む国はありません。日本には原爆ドームなど戦争で被害を受けたことを示す記念館はありますが、海外での加害を示す記念館はありますか。さらに、日本では日清戦争に始まり、韓国併合、第2次大戦といった近代の歴史に関して教育の場で『空白』箇所が多く、歴史をぼかしたり、政治家が軽率な発言をしたりしたツケが回っているのです」
 ――日本人は加害を直視せよ、ということですか。
 「私は、その機会はもう逸した、通り越してしまったと思っています。若者は教育を受けていない。政治は経済問題にばかり力を入れている。現実、日本の中ではその論争はすでに終わっていると思います」
 ――それでは、中国や韓国との和解も難しくなりませんか。
 「歴史については難しいでしょう。ただ、今の時代は、お互いの経済関係が複雑になり、損益でつながっている。いろいろ論争があってもそういう問題を避けて通る『バイパス』で、上手に解決していくことができると思っています」
 「政府レベルでは尖閣問題もあるけど、日本企業と中国企業の間では緊密な関係ができている。そのバイパスを太くしていけば、歴史をめぐる問題はゼロにはならないものの、ウエートは軽くなる」
 ――それでも、中国では尖閣問題をめぐる反日デモで日系企業や商店に投石や放火が相次ぐなど、政治が経済に大きく影響します。
 「そう、確かに中国は大変です。『慎重に』というしかない。でも、バイパスにも2通りある。中国と経済や文化面でもっと緊密な関係を持つのが一つ。もう一つは、中国ばかりに依存しないで、東南アジアやアフリカなどにも進出すること。中国一辺倒では危ういでしょう」
 ――知恵が必要なのですね。
 「アジアには本音と建前という知恵が昔からある。お互いのメンツを守りながら解決を探ることはできるはずです。本音と建前を使い分けていくことで、突破口がきっと見つかると思う。中国もそう考えているでしょうね。歴史や領土の問題については表では譲らないことにしながら、裏ではお互いに譲り合っている。楽観的かもしれないが、そうなるのではないかと思っています。米国ではそんな妥協ができないから、今、(予算を巡って)政府と議会が大変なことになっている」
 ――日本と近隣国との間には、靖国神社の問題があります。鎮魂の祈りの対象か、侵略戦争の象徴か、と見方も大きく分かれます。
 「先日、米国のケリー国務長官とヘーゲル国防長官が千鳥ケ淵戦没者墓苑に行きました。少しずつ、(戦没者慰霊の場としての)重心が、千鳥ケ淵に移っていくと思います。靖国神社の問題は、正面からぶつかっても、無理があります。しかし、これにも『バイパス』は考えられます。外交の世界で始まり、日本国内でも公的に千鳥ケ淵へ少しずつシフトしていく。これが前向きな方向の一つだと思います」
 ――カーさんは京都・亀岡の天満宮で暮らし、神道とのつながりも深いですね。その立場から靖国神社をどう見ますか。
 「私は靖国神社が嫌いではないし、参拝したこともあります。日本国民のほぼ全員が賛同した戦争で、全員に責任がある。A級戦犯がまつられていること自体も私は問題視していません。戦没者のための祈りの場は、神社の中にあっても、おかしくないと思います。欧米では教会の中にあるケースもありますね。しかし、靖国神社は、あの戦争を肯定するかのような遊就館という施設を造り、政治的な道を選びました。とても残念です。そういう選択をしなければ、もっと美しい靖国があった。神道の尊い面、深い面が今の時代に発揮されればよいのに、と思います。伊勢神宮も明治神宮も何も言わない。沈黙の中に神々しい空気が宿っています。これが本来の姿です」
 ――首相の参拝が、政治的な道を助長してしまったのでしょうか。
 「そうですね。もし、(靖国神社が)沈黙を保ったのなら、総理大臣が行っても誰が行ってもいいし、個人の思いに委ねればいいと思いますよ。でも、現状では、天皇陛下も行っていませんね」
 ――日本の天皇制については、どう考えていますか。
 「私は日本は天皇制を残して良かったと思っています。進駐軍と狂信的な和平反対派との軍事衝突を避けることができたし、日本の歴史を考えても、戦争に負けたからといって、天皇制を廃止するわけにはいかなかったでしょう」
 「ただ、天皇を江戸城から京都御所に戻す、つまり、政治の場から文化的活動の舞台に戻せば、もっと良かっただろうと思います。天皇が京都御所に住むことになれば、京都もプライドを持っただろうし、つまらない開発で街をお粗末にはしなかったことでしょう。平安時代以降の日本の歴史を振り返ると、9割以上の期間、天皇は政治に関わっていません。修学院離宮や桂離宮といった建築や、公家から庶民に広がった和歌など、文化面の影響力ははかり知れない。『ソフトパワー』の意味で、日本の皇室は重要なのです」
 ――歴史を直視しない姿勢は、現実を直視しないことにもつながります。東京電力福島第一原発事故の対応の問題とも関連する問題に思えますが、いかがですか。
 「原発をめぐっては電力会社や官僚、研究者、メディアを含めた、強固なシステムがありました。この『ムラ』の上に座ってあぐらをかいた。そんな安逸が、日本の悪の根源だと思います。原発事故の際も、日本は情報を出そうとしなかった。情報を開示すれば、反対派からも賛成派からも議論を招いて、政治の場でもホットな問題になったでしょう。そういう事態を避けたがる。今の米国はその真逆で、オバマ大統領は楽じゃない。でも大変さから生まれる健全なものもある」
(略)


ひとつひとつ論評するときりがありませんので、大枠で批評します。

まず、朝日新聞の質問がきわめて誘導的です。第2次大戦中のドイツとの比較には少々うんざりします。歴史の陰という意味なら、第2次世界大戦の戦勝国も問題を抱えています。ほかに欧州の植民地支配やら、十字軍やら、といくらでもありますが、なぜか第2次大戦中のドイツとだけ比較したがります。歴史問題と靖国神社は関連がありますが、天皇制の是非や、原子力発電にまで話を展開するのは恣意的です。

また、この人は東洋文化研究者であって政治や歴史を専門に考えている人ではないようです。尖閣諸島の領有に関して経緯を説明すると笑いものにされるというのも実際に見聞きしたり、取材して言っているとは読めません。こうした議論をするのに本当に適切な人間なのか疑問に思います。

また、自己紹介(?)の次の文が気になりました。
>父の潜水艦は日本軍の魚雷を受けた。死んでいれば、私はここにいなかった

自分が特殊だと思い込んでいるようですが、民間人が空襲にさらされた日本人はほぼ全員が同じ状況です。先祖のだれかが子をなす前に死んでいたら私たちはここにいません。米国人のカー氏が日本人に向かって言う言葉としては少々無神経かと思います。

蛇足で付け加えますが、戦闘用の潜水艦に魚雷を発射することはなんら不当なことではありません。しかし、民間人の頭上に爆弾を投下するのは、勝ったから問題にされなかっただけであって、不当な行為です。


【朝日新聞】地元志向 昔からある圧倒的な傾向

10月9日朝日新聞朝刊教育面。東大特任教授(地域医療論)の上昌広氏のインタビューです。

 「最近の若者は、地元志向が強い」――。就職や進学の傾向として、よく耳にするようになりました。この話の続きは「チャレンジ精神がない」となり、「だから『ゆとり教育』はダメなんだ」と進みやすいです。
 僕は、このストーリーにとても違和感があります。地元を希望する人が増えていても、それは不景気の影響だとみるべきで、若者の「縮み志向」ではない。何より、地元志向は最近に限った傾向ではないと思うからです。僕の研究室で研修中の慶応大3年の岡田直己さん(22)が、2013年度の大学入試の各大学の合格者の出身地を調査し、分析しました。とても興味深い結果が出ているのでご紹介します。
 東大は関東出身者が55%で、そのうち都内は33・6%。名古屋大は中部出身者が76%で、そのうち愛知県は53・8%にのぼりました。この傾向は、私立大でも変わらず、慶応大は関東出身者が78%(都内は44%)、早稲田大は同77%(同35%)でした。
 つまり、世に言う一流大学でも、大学所在地近くの学生が集まるのです。これは、若者が消極的になったことが原因ではなく、脈々と続く歴史的な流れだと解釈した方がよい圧倒的な傾向です。おそらく就職も同じでしょう。
 多くの人は、身近にいる親や友達の影響を受けて進路を選択します。身近な人が通う大学を進学先としてイメージし、親が働く姿を見て、将来の就職先をイメージする。その結果、地元で学び、働く人が多いのです。もっと前向きに若者をとらえるべきだと思います。
 (聞き手・古田真梨子)


上特認教授は研修中の大学生の調査から「地元志向は最近に限った傾向ではない」としています。

論理がおかしいです。この調査からそんな結論は導けません。最近の傾向か否かを見るには、現在と過去のデータを比較する必要があります。過去と同じくらいの程度であれば、「最近に限った傾向ではない」と言えますし、過去より傾向が強まっていれば「最近の傾向だ」と言えます。しかし、この大学生の調査は2013年のものだけです。したがって傾向については何も言えません。

なお、この大学生の調査を貶めるつもりはありません。単年度だけでも面白い調査だと思います。あくまで上特認教授の論理が飛躍しているというのが私の主張です。

ついでに一言。大学の先生が自分の研究室で研修している学生に対して「さん」付けするのは違和感があります。研究室の中だけなら先生が学生に「さん」付けしても構いません。そういう人間関係もあるのでしょう。しかし新聞のインタビューという外部へ向けた場であるなら、「君」がふさわしいと思います。

【世論調査】朝日新聞:10月8日

10月8日朝日新聞朝刊に世論調査の結果が発表されました。

(数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。◆は全員への質問。◇は枝分かれ質問で該当する回答者の中での比率。〈 〉内の数字は全体に対する比率。丸カッコ内の数字は9月7、8日の調査結果)

◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
 支持する  56(57)
 支持しない 24(24)

◇それはどうしてですか。(選択肢から一つ選ぶ。左は「支持する」56%、右は「支持しない」24%の理由)
 首相が安倍さん13〈7〉 7〈2〉
 自民党中心の内閣17〈9〉 21〈5〉
 政策の面53〈30〉 59〈14〉
 なんとなく15〈8〉 10〈2〉

◆いま、どの政党を支持していますか。
自民40(38)
民主5(4)
維新1(2)
公明3(4)
みんな1(2)
共産2(3)
生活0(0)
社民1(1)
みどりの風0(0)
新党大地0(0)
新党改革0(0)
その他の政党0(0)
支持政党なし42(40)
答えない・分からない5(6)

◆安倍首相は来年4月から消費税を8%に引き上げると決めました。この判断を評価しますか。評価しませんか。
 評価する  51
 評価しない 38

◆再来年10月に消費税を10%に引き上げることに、賛成ですか。反対ですか。
 賛成 24
 反対 63

◆安倍政権は消費税の引き上げにあわせて、公共事業や企業向けの減税を中心とした5兆円規模の経済対策を実施することを決めました。この経済対策を評価しますか。評価しませんか。
 評価する  41
 評価しない 40

◆安倍政権は、東日本大震災の復興のため企業が納めている復興法人税を予定より1年早く廃止する方針です。このことに賛成ですか。反対ですか。
 賛成 27
 反対 56

◆安倍政権は、企業の法人税を引き下げることで雇用や賃金を増やすことを目指しています。法人税減税が雇用や賃金を増やすことにつながると思いますか。そうは思いませんか。
 増やすことにつながる 21
 そうは思わない    63

◆今回の消費税の引き上げが社会保障の安定に役立つと思いますか。そうは思いませんか。
 社会保障の安定に役立つ 39
 そうは思わない     47

◆2020年のオリンピックとパラリンピックの開催都市が東京に決まりました。このことはよかったと思いますか。そうは思いませんか。
 よかった    77
 そうは思わない 16

◆東京オリンピックの開催で東日本大震災の復興に弾みがつくと思いますか。それとも、復興が後回しにされると思いますか。
 復興に弾みがつく   37
 復興が後回しにされる 46

◆安倍首相はオリンピック招致を訴える演説で、福島の原発事故について「状況はコントロールされている」と発言しました。この発言はその通りだと思いますか。そうは思いませんか。
 その通りだ   11
 そうは思わない 76

 〈調査方法〉 5、6の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、全国の有権者を対象に調査した(福島県の一部を除く)。世帯用と判明した番号は3400件、有効回答は1897人。回答率は56%。


この世論調査が私のところにきたと想定して回答してみます。

>安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
支持します。

>◇それはどうしてですか。
「首相が安倍さん」だからです。

>◆いま、どの政党を支持していますか。
支持政党はありません。

>◆安倍首相は来年4月から消費税を8%に引き上げると決めました。この判断を評価しますか。評価しませんか。
仕方ないのかなあ、と思っています。

>◆再来年10月に消費税を10%に引き上げることに、賛成ですか。反対ですか。
引き上げには懸念があります。その反面、引き上げないことの影響が読めません。とりあえず反対と答えますが、本当はよく分かっていません。

>◆安倍政権は消費税の引き上げにあわせて、公共事業や企業向けの減税を中心とした5兆円規模の経済対策を実施することを決めました。この経済対策を評価しますか。評価しませんか。
必要な公共事業は推進した方が良いと思います。しかし、企業向け減税の効果には疑問があります。

>◆安倍政権は、東日本大震災の復興のため企業が納めている復興法人税を予定より1年早く廃止する方針です。このことに賛成ですか。反対ですか。
反対です。

>◆安倍政権は、企業の法人税を引き下げることで雇用や賃金を増やすことを目指しています。法人税減税が雇用や賃金を増やすことにつながると思いますか。そうは思いませんか。
すぐにはつながらないと思います。しかし同業他社が賃金を上げてきたら、横並びで上昇するのでは、と思います。

>◆今回の消費税の引き上げが社会保障の安定に役立つと思いますか。そうは思いませんか。
この質問は、消費税の引き上げで税収が増加するか、という質問と同義だと思います。正直言って分かりません。

>◆2020年のオリンピックとパラリンピックの開催都市が東京に決まりました。このことはよかったと思いますか。そうは思いませんか。
オリンピック誘致に賛成していませんでした。しかし、決まったことに対してケチをつける気はありません。関係者の努力が実ってよかったと思います。

>◆東京オリンピックの開催で東日本大震災の復興に弾みがつくと思いますか。それとも、復興が後回しにされると思いますか。
いよいよ国際的に注目されますので、震災復興をないがしろにはできないでしょう。復興に弾みがつく、と思います。

>◆安倍首相はオリンピック招致を訴える演説で、福島の原発事故について「状況はコントロールされている」と発言しました。この発言はその通りだと思いますか。そうは思いませんか。
そうは思いません。しかしながら、招致を訴える演説ですのである程度の脚色は認めるべきです。言の葉をとらえて難癖をつけるのは下品だと思います。

【アニメ】進撃の巨人


進撃の巨人 1 [初回特典:未発表漫画65P「進撃の巨人」0巻(作:諫山創)] [Blu-ray]進撃の巨人 1 [初回特典:未発表漫画65P「進撃の巨人」0巻(作:諫山創)] [Blu-ray]
(2013/07/17)
梶裕貴、石川由依 他

商品詳細を見る

原作は未読です。

2クールにわたってひきつけられました。話が中途で終わったのは残念ですが、原作に追いついてしまったらしいので仕方ありません。最終回のCパートでビックリ仰天させてくれたので、よしとします。コンピュータを駆使した絵も疾走感があってよかったです。

そもそも巨人がどこから来たのかが最大の謎です。人間が巨人になるという現象が特殊なのか、それとも他の巨人もすべてもとは人間なのか。巨人が現れる前の文明でなにが起きたのか。完結すればこうした謎も解かれるのでしょうか。是非最後まで映像化してほしいです。

人物の太い輪郭線が画面に緊迫感を産んでいました。アニメではあんな輪郭線は見たことないと思っていましたが、一つ思い出しました。「カイジ」も太い輪郭線でした。どちらも緊張した話でした。輪郭線が太いと画面が緊迫するのかな、と思いました。

【朝日新聞】社説:朴槿恵大統領―首相と会ってみては

10月7日朝日新聞の社説。

 「歴史や領土問題で後ろ向きの発言をする指導部のせいで、信頼が形成できない」
 韓国の朴槿恵大統領は、訪韓した米国防長官に、そう嘆いたという。日本となぜ、仲良くできないかを語ったものだ。
 安倍首相の歴史認識に、韓国や中国が不信を募らせているのは事実だ。しかし、朴氏の態度にも、日韓関係を改善しようという意欲は感じられない。
 首脳会談は、事務方が用意したシナリオを進めるだけの行事ではない。立場の違いを認めつつ、それを少しでも縮めるためにトップならではの丁々発止の論議ができる重要な場だ。
 不信や不満があるのならなおのこと、朴氏は安倍首相に直接話しかけてみてはどうか。
 そう思うのは、朴氏がこれまでも他国の要人との会談で日本問題を取り上げてきたからだ。
 5月の訪米ではオバマ大統領に「地域の平和のためには、日本が正しい歴史認識を持たなければ」と直訴した。中国でも、歴史問題などで地域の対立と不信が深まっていると憂えた。
 外交の基本は信頼であり、それは対話を積み重ねることで育まれるというのは、ほかならぬ朴氏の持論だったはずだ。
 また、朴氏はこれまで訪ねた国々で、政権の看板政策である「東北アジア平和協力構想」への支持を呼びかけてきた。
 環境やエネルギーなど対話しやすい分野から順に、多国間で話し合う枠組みをつくろうという構想で、日本の参加が欠かせないとしている。
 だが、崇高な理念と、すさびきった日韓の現実との間には落差があり、朴氏の姿勢には戸惑いを感じざるをえない。
 朴氏の今回の発言は、安倍首相の国連演説が背景にあるとされる。首相は紛争下の女性の保護に取り組むと訴えつつ、従軍慰安婦問題には触れなかった。
 日本政府も韓国の反発を予想していただけに、韓国政府側は「国連を舞台に日本が挑発してきた」と受けとめた。不信が不信を呼ぶ悪循環に陥っている。
 だが、日本政府は少なくとも首脳会談の開催を呼びかけている。韓国政府には、日本は日韓関係の改善を中国に見せつけたいだけではないのかと警戒する声もあるが、首脳会談でどちらか一方だけが何かを得ることなどありえない。
 日本との接点を絶つ理由を探すよりも、実際に顔を合わせて問題解決の道を探るのが、賢明なお隣づきあいではないか。
 これからの日韓や東アジアはどうあるべきなのか。
 朴氏の口から聞いてみたい。


いつもの朝日社説だと韓国側に注文を出すと同時に「安倍首相にも言いたい」などと両成敗のようなことを言い出しますが、今回はそういうのがありません。さすがにこの状態での日本政府批判は無理があると思ったのでしょうか。

日本側で韓国を庇う論陣がどんどん小さくなっていることをあらためて認識しました。

なお、韓国の(朴大統領の)立場に立てば、日本と首脳会談をしても日本が竹島をあきらめたり、戦後補償を再考したり、ということは考えられません。つまり首脳会談をするメリットがありません。この状態で首脳会談をすれば国内世論の突き上げを食うのは必至です。したがって、首脳会談を忌避するのは韓国なりの合理的な判断だと思います。日本としても、特に韓国との首脳会談を切望する理由はないように思います。

このまま朴大統領の退任まで首脳会談はないかもしれません。

【朝日新聞】子どもの臓器提供

10月5日朝日新聞朝刊に附属している日曜版から。「今さら聞けないPLUS」のコーナーで「子どもの臓器提供」についての解説がありました。

現状と問題点がきちんと書かれていてよい記事だと思いました。記事を書いた川原千夏子記者の「記者のひとこと」という短文を引用します。

臓器移植法が成立した時、中学生でした。「臓器移植は素晴らしい行為だが、提供したいと思うか」と作文で書かされました。誘導尋問も甚だしいと腹を立て「言いたくない」とほぼ白紙で出したら「0点」でした。あれから15年。意思を本当に尊重する社会になったでしょうか。


中学生の川原記者の感じた気分には同感します。私も中学生時代に似たような経験があります。誘導尋問っぽい作文に反発してテキトーなことを書いたら教師ににらまれました。間違ったことをしたとは思いませんでしたし、むしろ迎合している級友たちに違和感を覚えていました。いまに至るも同じ気持ちです。

ほぼ白紙で出した以上0点になったのは仕方のないことかもしれませんが、作文をさせる目的は、自分の考えを文章にするという訓練です。思想を植えつけるのが目的ではないはずです。教師にも問題があります。

学校での思想教育(=洗脳?)はやめてもらいたいです。

【展覧会】速水御舟 日本美術院の精鋭たち

於:山種美術館

速水御舟を中心に院展の画家たちの作品を集めています。

速水御舟は若くして他界したわりには作風が頻繁に変わり、どういう作品が速水御舟っぽいのかと問われても表現しきれない画家だと思っています。今回、速水御舟の作品の変遷を一日で見て、その思いがさらに強くなりました。

有名な「炎舞」が目玉です。薄暗い部屋に置いて照明も絞って見せるというやや演出過剰ぎみなところ(もしかしたら純粋に作品保護のためかもしれません)が気になりましたが、作品自体は素晴らしいものでした。

10月14日までです。

速水御舟速水御舟
(2013/08/28)
近代絵画研究会

商品詳細を見る
sidetitleプロフィールsidetitle

Author:えいび
日々の出来事、映画やアニメの感想です。

sidetitle最新記事sidetitle
sidetitle最新コメントsidetitle
sidetitle最新トラックバックsidetitle
sidetitle月別アーカイブsidetitle
sidetitleカテゴリsidetitle
sidetitleFC2カウンターsidetitle
sidetitle検索フォームsidetitle
sidetitleRSSリンクの表示sidetitle
sidetitleリンクsidetitle