【アニメ】革命機ヴァルヴレイヴ 2ndシーズン


革命機ヴァルヴレイヴ 2nd SEASON6(完全生産限定版) [DVD]革命機ヴァルヴレイヴ 2nd SEASON6(完全生産限定版) [DVD]
(2014/05/28)
逢坂良太、木村良平 他

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第1期に続いて観ました。第1期の評価は低いものでした。感想はここです。

残念ながら2ndシーズンでもこの評価を覆すことはできませんでした。むしろひどくなりました。

やりたかったのは、世界の秘密を暴くことで「革命」が起きる、ということだったのだと思います。しかし、死んだ人間が生き返る映像を見せただけで、民衆があっさり信じるのは納得できません。信じただけでなく、それを契機に宿敵と共闘するとか、学生に発砲するとか、ありえません。だいたい学生がバタバタ死んでいるのですから、不死身でないのは明らかです。都合の悪い映像だけを捏造と信じ込ませる情報操作だけが成功するのも馬鹿馬鹿しいかぎりです。

要するにご都合主義です。

ちらちら見せてきた未来とどうつながっているのかも分からないままでした。普通こういう構成をとると最終的に円環が閉じるような爽快感があるものですが、この作品にはありません。

素材は悪くなかったと思いますが、料理に問題がありました。

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【映画】ハンガー・ゲーム2


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写真フォトスタンド APOLLO

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前作は割りと好きだったので期待して観にいきました。前作の感想はここです。

残念ながら低評価です。

まず、ゲームがはじまるまでの前置きが長すぎます。ここでなぜ再び主人公がゲームに参加させられるかが説明されるのですが、説得力を感じません。革命の希望になる恐れがあるからといって、再度ゲームに召還する意味がわかりません。時間を割いたにしては無意味でした。

ようやく始まったゲームもメンバーの殺し合いというより、主催者のトラップと戦っている印象の方が強いです。主人公もすぐに仲間と行動を共にしますので、前作にあった切迫感がありません。

前作で雰囲気だけだした体制への反抗というテーマも次作に持ち越しのようです。

一番問題なのは、この映画が単体で完結していないことです。次作に引っ張るのはいいのですが、一本の映画としてなんらかの終わりをみせるべきですが、それができていません。これではダメです。



【世論調査】朝日新聞「20代はいま」

12月29日朝日新聞朝刊に世論調査の結果が発表されました。今回は「20代はいま」というテーマです。

いつもは、自分にこの調査がきたらどう回答するかを書くのですが、今回は、青春の悩み調査みたいなものが多く、回答意欲がわきません。つまらない質問は省略して、コメントをいれていく方式にします。

 (数字は%。小数点以下は四捨五入。(20)は20代、(30)は30代以上で、基本的に左の数字は(20)、右は(30)。質問文と回答は一部省略。◆は全員への質問。◇は枝分かれ質問で該当する回答者の中での比率。〈 〉内の数字は全体に対する比率。特に断りがない限り、回答は選択肢から1つ選ぶ方式)

◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
 支持する53 55
 支持しない33 33


11月12日の世論調査では安倍内閣の支持率は53%でした。12月8日の世論調査で安倍内閣の支持率が46%になり下がっています。今回持ち直しました。ただし、不支持は25%→34%→33%なので横ばいです。
支持率が下がったときは大々的に報じたのに、上がったときに黙殺する新聞社の態度はどうかと思います。
(なお、実際の人口構成比に比べ今回の調査対象は20代が多くなっています。そのこともあり、数値に補正をかけないと日本全体の支持率はでません。ただし、この結果は53%と55%という誤差の範囲なので、そうした議論は無視します。支持率はほぼこの数字の辺りと言い切れます。)

(略)
◆人から友達が少ないと思われることに抵抗がありますか。抵抗はありませんか。
 抵抗がある23 17
 抵抗はない74 79


この結果はちょっと驚きました。年代による差がなく、抵抗が薄いようです。ただし、実際に友達が少ない人を抽出しての結果ではないことに留意する必要があります。友達の多い人が、“気にすること無いよ”と思っているだけかもしれません。

(略)
◆好きな異性には自分からアプローチする方ですか。自分からはアプローチしない方ですか。
◆「男性は女性を守るべきだ」という考えについてどう思いますか。
◆結婚したいと思いますか。
◆「人はできるだけ結婚するべきだ」という考えについてどう思いますか。
(結果は省略)


この手の質問は、年代別でわけるより、男女別の数値を出した方が面白いと思います。今回の世論調査のテーマが「20代」だからといって年代別にこだわるのは硬直しています。

(略)
◆結婚していない方も、結婚したとしてお答えください。結婚後は専業主婦または専業主夫でいたいと思いますか。外で働きたいと思いますか。
◇(「専業主婦または専業主夫でいたい」と答えた人に)それはどうしてですか。
◆結婚相手に専業主婦または専業主夫でいてほしいと思いますか。外で働いてほしいと思いますか。
◆共働きの夫婦だったら、家事・育児をどう分担したいと思いますか。
(結果は省略)


これも男女別の数値が見たいです。

(略)
◆日本の首相が靖国神社を参拝することに賛成ですか。反対ですか。
 賛成60 59
 反対15 22


日本全体で「首相の靖国神社参拝」への賛成は60%と言えます。反対はせいぜい20%程度です。
これは朝日新聞の社論と乖離しています。社論が世論調査と違っても構いません。しかし、過半の世論は首相の靖国参拝を支持しているという事実は大きく報道すべきです。しかし、この世論調査のまとめ記事は、『ネットのみ交際でも「友人」20代26%』だの、『「場の空気」気づかう20代』だの『右傾化は際立たず』だのといったものだけです。
社論と異なるからといって事実の報道を怠るのは問題です。この数字は軽視していいものではありません。

(略)
◆尖閣諸島や竹島をめぐる中国や韓国の姿勢についてどう思いますか。
 大いに反発を覚える39 50
 ある程度反発を覚える44 40
 あまり反発を覚えない10 5
 まったく反発を覚えない2 1


中国と韓国は別に訊くべきです。両国の「姿勢」は同じではありませんで。また、「領土問題」ということではロシアの北方領土を無視すべきではありません。

 〈調査方法〉 全国の有権者から、6月30日時点での20代3千人と30代以上2500人を選び、それぞれ郵送法で実施した。
 対象者の選び方は、ともに層化無作為2段抽出法。全国の縮図になるように、20代は334、30代以上は339の投票区を選び、各投票区の選挙人名簿から対象者を選んだ。11月6日に調査票を発送し、12月20日までに届いた返送総数は、20代1859、30代以上1836。無記入の多いものや対象者以外の人が回答したと明記されたものを除いた有効回答は20代1839、30代以上1792、回収率は20代61%、30代以上72%。
 有効回答の構成比は次の通り。

 20代調査
男47%、女52%、無記入1%
20代前半46%、20代後半53%、無記入1%。

 30代以上調査
男48%、女51%、無記入1%
30代17%、40代18%、50代19%、60代22%、70代16%、80歳以上8%。

【アニメ】COPPELION(コッペリオン)


COPPELION vol.1(Blu-ray)COPPELION vol.1(Blu-ray)
(2013/11/27)
戸松遥、花澤香菜 他

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原作は初めの数巻だけ読んでいます。設定を確認するために読んだ、映像化された部分の前半くらいまでしか読んでいません。

「事故」による「汚染」による防護服なしでは、旧首都に人が住めなくなりました。遺伝子改造を施され「汚染」への耐性をそなえた主人公たち(コッペリオン)は、旧首都に取り残された人たちを救出に向かう、という話です。

「事故」だの「汚染」だのとあいまいな言葉遣いですが、どうみても原発事故による放射能汚染にしか見えません。気になって原作をあたったら、堂々と、地震による原発事故であると書いてありました。東日本大震災の事故のために、ぼやかした表現にしたのだと思います。地上波での放送がなかったのも規制なのかもしれません。なお、原作は東日本大震災の前から連載しています。

汚染地域で20年も避難民が生きているのは釈然としませんし、救出活動がはじまった途端に、次々と危機が起きるというのも変です。映像化以後の部分で説明されているのかもしれませんが、アニメを見た限りでは疑問だけが残ります。

廃墟の東京で政府の命令系統からはずれた自衛隊の部隊(第一師団)が出てきます。これは、永井豪の「バイオレンス・ジャック」に出てきた「黄金の軍隊」を思い出します。またコッペリオンでありながら、組織を裏切り主人公たちと戦う姉妹(小津姉妹)が中盤で登場します。このモチーフは、「仮面ライダー」や「人造人間キカイダー」といった作品と共通しています。敵味方は逆転していますが。

最後に、小津姉妹の姉(歌音)は主人公(成瀬荊)に妹を助けてもらったこともあって、改心します。これはちょっと納得がいきません。小津歌音は、戦闘中に妹を盾にとったことがありますので、妹思いとは考えられません。また小津姉妹の怒りはコッペリオンを生み出した人間一般に向けたものであり、成瀬荊に向けられたものではありません。同じコッペリオンに助けられたくらいで、人間への憎しみが消えるというのは無理があります。第一師団の改心にいたってはなんの説明もありません。不自然なだけです。

他の創作物と比較するのは、批評としては禁じ手なのかもしれませんが、あえて言います。「バイオレンス・ジャック」の「黄金の軍隊」と比べ、この作品の第一師団はリアリティの点でも想像力の点でも劣ります。また、「仮面ライダー」や「人造人間キカイダー」の原作に比べ、“作られた人間”の設定の深みがありません。

前半で、やたら輪郭線の太い絵が続きました。何かの効果を狙ったのかもしれませんが、背景から浮き上がった印象が強く違和感がありました。後半では太い輪郭線をやめたので、失敗した、と思ったのでしょうか。

廃墟の都市をこぎれいな女子高生3人が行く、というキーとなるビジュアルは魅力的でした。話にもう少し設定に整合性を持たせるか、人間の狂気の部分を膨らませるかしてほしかったです。また、精一杯頑張ったのかもしれませんが、はっきりと原発事故と言い切れば、問題作として残ったかもしれません。題材としては興味をひかれたので、ちょっと残念な結果でした。


【朝日新聞】社説:首相と靖国神社 独りよがりの不毛な参拝

12月27日朝日新聞朝刊の社説です。安倍首相の靖国参拝の話題です。

 内向きな、あまりに内向きな振る舞いの無責任さに、驚くほかはない。
 安倍首相がきのう、靖国神社に参拝した。首相として参拝したのは初めてだ。
 安倍氏はかねて、2006年からの第1次内閣時代に参拝しなかったことを「痛恨の極み」と語ってきた。一方で、政治、外交問題になるのを避けるため、参拝は控えてきた。
 そうした配慮を押しのけて参拝に踏み切ったのは、「英霊」とは何の関係もない、自身の首相就任1年の日だった。


小泉首相のときに中国は8月15日への参拝を特に反対していました。邪推かもしれませんが、朝日新聞は、終戦の日に参拝すればもっと強烈に反対すると思います。参拝するならせめて「英霊」と関係のある日を選ぶべき、という意見でないかぎりこのような非難をするべきではありません。

 首相がどんな理由を挙げようとも、この参拝を正当化することはできない。


こういうことを言うのが一番困ります。たとえ相手の行為が間違っていると感じても、理由によっては正当化できるかもしれない、と考えるのが大人です。社説子の態度は子供のようです。

 中国や韓国が反発するという理由からだけではない。首相の行為は、日本人の戦争への向き合い方から、安全保障、経済まで広い範囲に深刻な影響を与えるからだ。
 首相は参拝後、「母を残し、愛する妻や子を残し、戦場で散った英霊のご冥福をお祈りし、手を合わせる。それ以外のものでは全くない」と語った。
 あの戦争に巻き込まれ、理不尽な死を余儀なくされた人たちを悼む気持ちに異論はない。
 だが、靖国神社に現職の首相や閣僚が参拝すれば、純粋な追悼を超える別の意味が加わる。
 政治と宗教を切り離す。それが、憲法が定める原則である。その背景には、軍国主義と国家神道が結びついた、苦い経験がある。
 戦前の靖国神社は、亡くなった軍人らを「神」としてまつる国家神道の中心だった。戦後になっても、戦争を指導し、若者を戦場に追いやったA級戦犯をひそかに合祀した。
 境内にある「遊就館」の展示内容とあわせて考えれば、その存在は一宗教法人というにとどまらない。あの歴史を正当化する政治性を帯びた神社であることは明らかだ。
 そこに首相が参拝すれば、その歴史観を肯定していると受け止められても仕方ない。
 それでも参拝するというのなら、戦死者を悼みつつ、永遠の不戦を誓った戦後の日本人の歩みに背を向ける意思表示にほかならない。
(略)


首相は、『全ての戦争において命を落とされた人々のために手を合わせ、ご冥福をお祈りし、そして、二度と再び戦争の惨禍によって人々の苦しむことのない時代を作る決意を込めて、不戦の誓いをいたしました』と語っています。靖国神社の意思がどうあれ、安倍首相の考えはこれです。
社説子の理屈が正しければ、首相にかぎらず靖国神社の参拝者はすべて「戦後日本人の歩みに背を向ける意思表示」をしていることになってしまいます。すこし論理が粗雑です。

以下、社説からの引用は省略します。

私の考えでは、政府要人が宗教施設への参拝を公式に行うのは、政教分離の原則からみてやや疑問があります。しかしながら、国に徴兵されて死んでしまった人たちになんの態度も示さないというのは問題がありますし、靖国神社以外に追悼施設に参拝するのは死者への約束を反故にするものとなります。

大騒ぎにならず、静かに参拝できるのが一番望ましいのですが、マスコミが騒ぎを大きくしているように(中韓をたきつけているように)見えてなりません。

【アニメ】フリージング ヴァイブレーション


フリージング ヴァイブレーション Vol.1 [Blu-ray]フリージング ヴァイブレーション Vol.1 [Blu-ray]
(2013/12/25)
能登麻美子、市来光弘 他

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二期目です。一期目も観ていました。感想はここに書きました。さんざんな評価を書きましたが、二年以上も前の放送を覚えていたわけですから、それなりに認めていたと言ってもいいでしょう。

まず、悪かった点を挙げます。
■パンドラ適合者の一部しか軍務についてくれないので兵員が不足していて状況があります。そのため一般人を人工的にパンドラ化する計画がたてられます。この人口パンドラ(Eパンドラ)の開発に無理があって人権無視の実験を繰り返しているというのが、二期の前提です。
Eパンドラには、危険な軍務に志願させるため、それなりの金銭的なものが提供されているようです。一方、パンドラ適合者はお金持ちのお嬢さんばかりです。
普通に考えれば、Eパンドラを開発するより、パンドラ適合者のすべてを徴兵するか、なにがしかの利点でつるほうが簡単なはずです。作中にこの疑問に対する答えはありません。
また、パンドラがお金持ちのお嬢さんばかりというのは無理があります。幼少期にいいものを食べないとパンドラ適合者になれないのかとも思いましたが、トップ5人のうち一人は浮浪者だったのを拾われたということだったので、その可能性もありません。
これは、二期の前提に関わることなので、見過ごせない問題点です。
■主人公が全く活躍できませんでした。一期では3年の先輩とのバトルがありましたが、二期では父親の権力に頼ることしかしていません。事態に対してほぼ傍観者でした。
■エリザベス(ウェストの二位)の実家が陰謀を暴こうとして逆に追い詰められました。サテライザー(主人公)の実家は成功します。おそらく家の勢力が違うのでしょうが、作中にその説明がありませんでしたので、同じことを繰り返しているような、そして同じ結果になるような気分になりました。むしろ、成功したのでびっくりです。
■一期の問題点と同じですが、作品内でリミッターを使えていません。時々登場してくる程度です。パンドラと同じ数のリミッターがアラスカにいたはずなのですが、ほとんど画面に出てきません。Eパンドラにリミッターがついていたのかどうかも不明のままです。

問題は多々ありますが、評価できる点もあります。主人公のサテライザーは、かつて弟に性的虐待を受けていて、それがもとで他人との接触することを嫌う(恐れる)ようになったという衝撃的な話がありました。「接触禁止の女王」の異名の意味が明らかになり、心を「フリージング」されていた、という題名の隠された意味も示唆されました。

悪いところはありますが、一期目よりもよくなったと思います。一期目は、人類の危機と学園バトルという二つの路線を整理できていませんでした。二期目は路線を一本に絞ったので、見やすくなっています。

三期目があれば(ありそうな終わり方でした)、おそらく観ます。

【朝日新聞】今こそ政治を話そう:「宗教国家」日本

12月25日朝日新聞朝刊オピニオン欄。65年生まれの作家、星野智幸氏の寄稿『今こそ政治を話そう:「宗教国家」日本』より。

星野氏はノンポリだった旧友たちと再会して、彼らが中韓への敵意をむき出す姿に違和感を持ちます。そして、星野氏が学生時代に遭遇した学生運動家や新興宗教の信者とおなじ性質を見つけます。すなわち、『価値観を共有しない他者(中国や韓国)を軽蔑し、自分たち(日本人)を優越視し、自分たちの考えを絶対化して信奉する姿』です。

星野氏は、このようなナショナリズムの広がりの理由をつぎのように考えます。

 それにしても、不思議に思う。あれほど政治や社会を熱く語ることを毛嫌いし、冷淡だった人たちが、今にしてなぜ、こうもナショナリズムに入れ込んでしまうのか。
 さまざまな理由が複合する中で、私が強く感じるのは、みんな、絶対に傷つかないアイデンティティーを渇望しているんだな、ということである。
 ナショナリズムは、それを信奉する人に一つのアイデンティティーを与えてくれる。「日本人である」というアイデンティティーである。このアイデンティティーの素晴らしいところは、決して傷つかないこと。日本社会の中で生きている限り、日本人だという理由でバッシングを受けることはない。そういう理由で批判をしてくるのは、近隣の外国であり、それに対しては「日本人」同士でまとまって反論することができる。だから、自分一人だけが傷つくことはない。
 「自分は日本人なんだ、日本人はまじめで粘り強く頭がよく、規律正しく団結力があって、サムライ的な腹をくくれる強さがあって、苦境を乗り越える力を持っている、そんな日本人の一員なのだ」。そう考えれば、自分が個人として抱いている劣等感も消え、強い存在になったかのように感じられる。生まれたときから「日本人」である以上、これは最初から自分に備わっている性質で消えることはなく、しかも仲間がたくさんいて、この感覚をわかり合える。いつでもどこでも孤立することなく「日本人」同士でつながっていられて、居場所を失うこともない。  そのような魔法のアイデンティティーを、ナショナリズムという信仰は用意してくれるのである。信じさえすれば、「日本人」でいられる。信仰を得た者はもはや、個人である以前に「日本人」なのだ。
 今や同調圧力は、職場や学校の小さな集団で「同じであれ」と要求するだけでなく、もっと巨大な単位で、「日本人であれ」と要求してくる。「愛国心」という名の同調圧力である。「日本人」を信仰するためには、個人であることを捨てなければならない。我を張って個人であることにこだわり続けた結果、はみ出し孤立し攻撃のターゲットになり自我を破壊されるぐらいなら、自分であることをやめて「日本人」に加わり、その中に溶け込んで安心を得たほうが、どれほど楽なことか。
 自分を捨ててでも「もう傷つきたくない」と思うほど、この社会の人たちはいっぱいいっぱいなのだと思う。長年の経済的な停滞と労働環境の悪化、それに伴う人間関係の破壊、いつか人生を転落するんじゃないかという恒常的な不安などがつのっていたところに、大震災と原発事故が起こった。その巨大な喪失感は何年たっても埋められず、希望を抱ける要素は何もなく、心は不安定で、感情の揺れを抑えられない。多くの人が、自覚のあるなしにかかわらず、そんな存在の危機にある。私自身も涙もろく怒りっぽくなった。
 限界ギリギリで持ちこたえていることに疲れきり、もう落ち着きたい、安心したい、穏やかでいたいと、安定を求める気持ちが高まるのは、当然だろう。これ以上悲観的なニュースや将来像は見たくないと心身が悲鳴を上げ、現実から目をそらす。そうして無関心が広がっていく。
 「日本人」信仰は、そんな瀬戸際の人たちに、安らぎをもたらしてくれるのである。安倍政権を支えているのも、安定を切望するこのメンタリティーだろう。


ようするに精神的に弱った人たちが愛国心にしがみついている、という意見です。しかし、根拠が示されていません。

統計をとって精神に不安を抱えている人と愛国的言動に相関関係が示されれば、なるほどと思える根拠になります。統計とまでいかなくても、星野氏の出会った旧友たちをみると精神に問題がありそうだというなら、個人的な意見として拝聴できなくもありません。しかし旧友たちは愛国的言動以外はいたって普通だったそうです。

つまり、精神的に弱った人たちが愛国心にしがみついている、との言説は証明できていません。

また、星野氏は中韓を嫌う日本人が増えた理由を日本人側にのみ求めていますが、これは考慮が不足しています。旧友たちは中韓を嫌う理由を語ったはずです。その理由が理不尽であると論証しないで、日本人側の精神の責にするのは飛躍しすぎです。つまり、中韓が責任があるという可能性を考慮していません。

星野氏の結論は、以下のものです。

 もちろん、このように有権者が自ら主体を放棄した社会では、民主主義を維持するのは難しい。民主主義は、自分のことは自分で決定するという権利と責任を、原則とした制度だから。だが、進んで「日本人」信仰を求め、緩やかに洗脳されているこの社会は、その権利と責任の孤独に耐えられなくなりつつある。自由を失うという代償を払ってでも、信仰と洗脳がもたらす安心に浸っていたいのだ。それがたんなる依存症の中毒状態であることは、言うまでもない。みんなでいっせいに依存状態に陥っているために、自覚できないだけである。
 この状態を変えようとするなら、強権的な政権を批判するだけでは不十分だ。それをどこかで求め受け入れてしまう、この社会一人ひとりのメンタリティーを転換する必要がある。難しくはない。まず、自分の中にある依存性を各々が見つめればよいだけだから。


もとになった論証が論証になっていなかったためか、単なる精神論に過ぎません。

【アニメ】ワルキューレ ロマンツェ


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(2013/12/27)
山下誠一郎、清水 愛 他

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原作ゲームはやっていません。アニメ化されるまで存在を知りませんでした。

ジョストという認知されているがなじみの薄い競技を題材にしていますが、基本はハーレムものです。

ジョストは一瞬のすれ違いざまに勝敗が決しますので、かけひきとか作戦とかを映像化した際に表現しにくい競技です。このためか、実際のジョストのシーンはたんたんと過ぎた感じです。美桜とベルティーユの勝負も、事前に貴弘が美桜に(視聴者に)教えた作戦どおりに運ぶという単調さです。みどころがあったのは、茜の三段突きと、スィーリアvs美桜の最後の勝負で羽根が落とされたところくらいです。

キャラクタの性格づけは平凡だったと思います。類型化されたものに過ぎません。

健康的なお色気は楽しかったですが、「しゃせい」がどうのこうのというギャグはちょっとやり過ぎだと思いました・・・

世界観がどうの設定がこうの、と論評するような作品ではなく、気楽に楽しむアニメなのでしょう。悪くはありませんが、名作とは言えません。

【朝日新聞】ベトナムの「歴史」 国民が共有できない理由

12月21日朝日新聞朝刊オピニオン欄。京都大学大学院准教授(ベトナム史)の伊藤正子氏の『ベトナムの「歴史」 国民が共有できない理由』より。

 かつて韓国は米国に加担し、ベトナム戦争に派兵した。今年9月にベトナムを訪れた朴槿恵大統領は、原発輸出や自由貿易協定などセールス外交に力を注ぐ一方、以前の金大中、盧武鉉大統領とは異なり、謝罪をしなかった。韓国の進歩的新聞「ハンギョレ」が批判したが、日本の保守紙はこれを都合良く引用。ベトナムが韓国に歴史認識の一致や謝罪、反省を求めず、未来志向の協力を重視する「成熟」した態度を示していると評価、こうした態度は「韓国の対日姿勢に対する圧迫になる」とした。日韓関係が悪化するなか、一般の日本人にも「韓国は日本に謝罪を求めるが、自分たちは民間人虐殺についてベトナムに謝らない」という見方が広がっているようだ。
 ハンギョレの指摘は妥当だが、日本は朴政権を同じく批判できるだろうか。1944年冬から翌春にかけ、日本占領下のベトナム北部で大飢饉)が発生した。天候不順だけでなく、鉄道が連合国軍に爆撃され、コメを南部メコンデルタから運べなかったこと、コメの代わりに軍需用作物を植えさせたことなどが原因で、ベトナムでは「餓死者200万人」と言われている。
 ベトナムは仏、米や中国などからも侵略されてきた。しかし現政権は「過去にふたをして未来に向かおう」というスローガンを掲げ、どの国にも「歴史」を持ち出さない。実は日本も、その「恩恵」にあずかっている。
 過去を問わないのは、国民が「歴史」を共有できないからだ。旧南ベトナム政権側だった人たちは、現政権と「輝かしい戦いの勝利の歴史」を共有できず、全国民を包摂するナショナリズムの中核に「歴史」を置けない。国家は「経済発展」こそが代わりになるとし、いたずらに「過去」を持ち出して対外関係を悪化させ、経済援助を減らしてはならないと考えている。
(略)
 それに比べ日本では歴史を学ばず、歴史認識を批判され、反発する動きだけが目立つ。多少なりとも過去に真摯に向き合おうとした「慰安婦」をめぐる「河野談話」や侵略、植民地支配を反省した「村山談話」さえ風前のともしびだ。スローガンは、どこの国でも「過去にふたをせず、過去をふまえて未来へ向かおう」であるはずなのに。


まったく賛同できません。

第一に、「ハンギョレの指摘は妥当だが、日本は朴政権を同じく批判できるだろうか」という問いかけは議論のルールを踏み外しています。

議論をするのに資格は問われません。身分がどうであろうが、人種や民族がどうであろうが、学歴がどうであろうが、事実を指摘し意見を言うことは許されます。

ただし、倫理を語るならば、それを語る資格があるかないかは問題にされます。例えば、泥棒で逮捕された男がいるとします。その男が「だれそれも泥棒稼業の仲間です」と告白することには何の問題もありません。しかし、「泥棒はいけないことだ」などと言い出したら、「お前にそれを言う資格があるのか」と返されます。

韓国の振る舞いが二重基準だと指摘するのに資格はいりません。韓国の二重基準が倫理的に悪いことだと言うのであれば、自身も二重基準を働いていないことが求められます。しかし、伊藤氏が示しているのは、日本もベトナムで悪いことをした、ということだけですので、韓国の二重基準を語ってはいけない理由にはなりません。

第二に、ベトナムが『過去を問わないのは、国民が「歴史」を共有できないからだ』というのは疑わしい意見です。なるほどベトナム戦争は自国が南北に分かれて戦っているので、南ベトナム政権の生き残りとは、あの戦争の歴史を共有できないのかもしれません。しかし、フランスや日本や中国に対しては、歴史の共有ができない理由はありません。

ベトナムが『「過去にふたをして未来に向かおう」というスローガンを掲げ、どの国にも「歴史」を持ち出さない』のは別の理由だと考えるべきです。そもそも、外交で歴史を持ち出してやまない国は少数派です。ベトナムは多数派です。

第三に、伊藤氏はベトナム氏が専門なのですから、『ベトナムでは「餓死者200万人」と言われている』などと伝聞で書くべきではありません。きちんと調査して確信を持てることだけを述べるべきです。研究者として問題があります。

これでは、論理的思考なしで、思い込みと勢いだけで研究をしているとそしられてもしかたのないレベルです。

【アニメ】ガリレイドンナ


ガリレイドンナ 1(通常版) [DVD]ガリレイドンナ 1(通常版) [DVD]
(2013/12/13)
日高里菜、大久保瑠美 他

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ノイタミナ枠の原作なしのアニメです。

ガリレオ三姉妹はガリレオの「遺産」を狙う悪漢に追われながら、先祖の残した宝探しをするという、よくいえば王道の話です。しかし、なぜ二つのグループの悪漢たちは突然ガリレオの子孫が「遺産」への鍵を持っていると信じたのか、説明がありませんでした。実際、三姉妹は「遺産」のことを狙われて初めて知ります。しかも、「遺産」はガリレオの子孫でなくても推理力があれば回収可能でした。適当すぎます。

エネルギーが枯渇している社会のはずなのに、エネルギー効率の悪そうな飛行機械がうようよ飛んでいるのは理解できません。簡単に日本に行ったり、帰ってきたりしているのでエネルギー危機に見えません。

愉快な冒険ものと思いきや、突然罪の無い子供の死や、一般市民の虐殺シーンがあるのは疑問です。残酷な話がいけないとはいいませんが、それをするなら三姉妹の心に影響があるべきです。残虐趣味ですらありません。意味の分からない死でした。

最終回の裁判はいいかげんのきわみです。三姉妹が被告の刑事裁判のはずなのに、被害者が検察席にどうどうと座っているわ、検事が証人台にいない被告人に尋問するわ、で目も当てられません。

母親が敵を欺くために記憶喪失のふりをしていたというのはいいにしても、証人として出廷したあとしばらく三姉妹の敵のふりをする意味がわかりません。証人台に立った瞬間に欺く必要はなくなります。視聴者をハラハラさせるためだけの意味しかありません。

いいところを探しきれないうちに終わってしまいました。

【朝日新聞】今こそ政治を話そう:秘密法とどう向き合う

12月20日朝日新聞朝刊オピニオン欄、「今こそ政治を話そう」のコーナー。東京大学教授(憲法学者)の長谷部恭男氏のインタビューで、特定秘密法についてのインタビューが載りました。

長谷部氏は特定秘密法に賛成の立場であり、国会では自民党推薦の参考人として意見を述べています。

特定秘密保護法に賛成している理由は、「国をも守るための法律だからです。国を守るとは、憲法を守るということ」「憲法の定める自由で民主的な統治の基本秩序を守り、現在の政治体制を守るためには、特定秘密法をつくり、特別な保護に値する秘密が外に漏れないようにしなければなりません」というものです。

ある程度の理解はできますが、懸念が完全に払拭されたとは言えません。ただ、ここでこのインタビューを紹介したかったのは、特定秘密法への意見が言いたかったわけではなく、インタビュアーの高橋純子氏があまりにもひどかったからです。

まず、出だしです。

 ――もしかして、「御用学者」と呼ばれていませんか。
 「何のことでしょうか」
 ――国会で特定秘密法に賛成の意見陳述をしたことが、この法律に反対してきた人たちに衝撃を持って受け止められています。


のっけから罵倒しています。卑劣というか、巧妙というか「呼ばれていませんか」と他の人からそういう評価をうけていないかを訊いているという体裁をとっています。“決して私が言っているわけではありません”と言いぬけられる話術です。しかし、ここは特定秘密法への賛成理由を問う場です。長谷部氏が御用学者と呼ばれているか否かは無関係です。

次に特定秘密法ができたことで、秘密を知りたいという欲求が高まり、結果的にさまざまな情報が世に出回ることになる、との意見に対して

 ――そうでしょうか。特定秘密を漏らせば厳罰が科されるのだから、社会の萎縮はどんどん進むでしょう。長谷部さんと違って、多くの人は世間の空気を読みますから。
 「すみませんね、空気も読まないで。そう。だからメディアが今、空気を作るべきなんです。萎縮する必要はないという空気を。それなのに『漏らせば厳罰』ばかり言ってむしろ萎縮ムードをあおっています」


長谷部氏の期待とは逆にやはり社会の萎縮が進むのではないかという疑念はもっともです。しかし、「長谷部さんと違って、多くの人は世間の空気を読みますから」などという、からかいは失礼です。これにはさすがに長谷部氏もむっときたようです。

「制度の外側からいくら心配しても心配な状況は変わりません。変えるためには内側に踏み込んで、情報を外に出せるルートを作るよう政府と交渉しないと。安倍政権の支持率が下がっている今が好機です。法律には反対だ、廃止しろとだけ言い続けていたら交渉できませんよ。ルートさえできれば情報はどんどん外に出てくるのですから。清廉潔白な朝日新聞さんは嫌かもしれませんが、清廉なだけでは勝負になりません」
 ――どんなに嫌みを言われても、特定秘密法、集団的自衛権、憲法改正をパッケージで見ると安倍政権に懸念を抱くのは当然でしょう。


ここに来て高橋氏が特定秘密法に反対する本当の理由がわかりました。安倍政権を嫌っているから反対しているだけです。ひょっとすると、法律の文面は同じでも安倍政権でなかったら、あるいは自民党政権でなかったら賛成していた可能性さえあります。

こうしたインタビュー記事は全文を載せるのではなく、記者が抜粋して載せているのだと思います。つまり、どんなにインタビューであってもインタビュアーは自分をもっともらしく飾ることができます。それにも関わらず、この記事では高橋純子氏の無礼さが露呈してしましました。もしかしたら、無礼だと思っていないのでしょうか。

【アニメ】境界の彼方


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(2014/01/08)
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原作は未読です。

京都アニメーションの作品です。

異能バトルものという京都アニメーションにしては珍しい題材ですが、『中二病でも恋がしたい』の前例がありますので、絵は心配していませんでした。事実素晴らしい絵でした。

ストーリーはありがちなボーイミーツガールであり、異能バトルでした。ただ、主人公たちの出会いに隠された意図があったことがわかり、再視聴すると細かい表情や動作の意味が分かるという凝ったつくりをしています。また、主人公二人の出会い方は類例を思いつかないほど衝撃的でした。

残念ながら、予定調和的な終結でしかありません。しかも問題が解決されていません。「境界の彼方」はもとに戻ってしまったようですが、世界への脅威はどうなっちゃったんでしょうか。多くのことが語られぬままに終わった感じです。いかにも続編が作れそうですが、こういう終わり方だと爽快感がありません。

最終回で、主要なキャラクタが死んだと思わせておいて、大した説明もなく“生きていました”というのがありました。これはやめて欲しいです。

総じて、バトルものの悪いパターンにはまったといえるかもしれません。そのためか、メインの話と離れたコメディ回(屋上の妖夢の話)が一番よかったように思います。

評価としては難しいものがありますが、毎回楽しみに観ていたのは本当です。

【朝日新聞】社説余滴:日韓、まだ米国頼みですか

12月19日朝日新聞朝刊オピニオン欄の社説余説のコーナー。国際社説担当の箱田哲也氏による「日韓、まだ米国頼みですか」より

 「米国としては日韓関係の緊密化が極めて望ましいと考えており、事情はあろうが、関係の打開を切望する」
 こう語ったのは、米国のケネディさんだ。といっても、先月着任したケネディ駐日大使が日韓関係を憂えたわけではない。
 1961年6月、訪米した池田勇人首相にジョン・F・ケネディ大統領が日韓国交正常化を促した時の言葉だ。
 ケネディ政権は米国の対韓援助の軽減などにつながるとして、日韓を結びつけようと双方に強い圧力をかけた。
(略)
 それから半世紀以上たった今、日韓は新しいトップが決まって1年たっても首脳同士がまともな対話すらできない関係に陥っている。
 いたましい現状を日本政府関係者は「朴槿恵問題」、韓国側は「安倍問題」と呼び、それぞれ相手の首脳が最大の支障になっていると嘆く。
 「周囲がどれだけ汗を流しても朴大統領が首をたてに振らない」「せめて安倍首相は過去に関する『談話』を踏襲すると明言すべきだ」――。
 そんな中、わずかではあるが、日韓の政治関係に明るいきざしが見え始めた。年明けにも外務次官協議を模索し、うまく転がれば春ごろまでに首脳会談を、と互いにイメージできるところまできた。
 だが、悲しいかな、今回も変化のきっかけには米国が大きく影響している。
 米国は、安倍政権の歴史認識に危うさを覚えながらも、朴大統領の異常なほどの頑固さに業を煮やし始めた。そんな空気を察知した韓国政府が重い腰をあげつつある。
 一方の安倍政権は、米国が嫌がる慰安婦問題などで持論を展開せず、韓国と真正面から向き合うことは避けて、外面を整えようとしている。
 日韓の対話が進むことは望ましい。だが、和解に近づけようという気持ちが互いになければ距離は縮まらない。それは何より今日までの日韓関係が証明している。
 ケネディ大使の着任は韓国でも大きな話題となった。米国に関係改善のお膳立てを期待するのが悪いとは言わないが、いまだに自分たちで対立を乗り切れない日本と韓国はなんともなさけない。


米国の“ケネディさん”が日韓関係に言及したというので当然キャロライン・ケネディ駐日大使の言と思いきやジョン・F・ケネディ大統領の1961年の発言だったといううっちゃりです。さすが新聞記者だけあって博識だと素直に感心しました。しかし、全体の結論はおかしいです。

箱田氏が説明する経緯を普通に読めば、日本も韓国も互いに友好を望んでいないが、米国の圧力でしかたなく和解した、と解釈できます。そしてそれは現在の日韓関係をまさに言い当てています。韓国は日本が嫌いですし、日本は韓国に辟易としています。

私は、一般的にはどの国とも仲良くするのはよいと考えています。その中には当然ながら韓国も含みます。しかし、韓国の大統領が世界中で日本の悪口を言いふらしているこの時期に、日本から歩み寄るのは国際社会におかしな印象を与えると思います。韓国の出方を見極めた上で慎重に対処することを望みます。

世界には200近くの国があり、すべての国と首脳会談をしなければならない法はありません。現状のなにが問題なのかさっぱり分かりません。そもそも、日韓首脳会談を望む人たちは、どういう結果を期待しているのか述べるべきです。それとも単に会談さえできればよいのでしょうか。

箱田氏は日韓の和解が米国の影響で行われることを恥ずかしがっているようですが、私は米国の圧力で日韓が親しくしなければならなくなりそうなことを疎ましく思います。


参)箱田哲也氏の文章に言及した本Blogの記事は、他に以下のものがあります。
【朝日新聞】社説余滴:政治決着できる慰安婦問題 
【朝日新聞】社説余滴:憎悪の倍返しはごめんだ
【朝日新聞】社説余滴:日韓のジレンマを解くには
【朝日新聞】「天皇訪韓」発言、真意は… 李大統領が吐露
【朝日新聞】慰安婦問題は「人道問題」 韓国大統領、日本に決断促す

【世論調査】朝日新聞 沖縄県民世論調査 12月14日、15日実施

12月17日朝日新聞朝刊に沖縄県民への世論調査の結果が発表されました。

 (数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。◆は全員への質問。◇は枝分かれ質問で該当する回答者の中での比率。〈 〉内の数字は全体に対する比率。丸カッコ内の数字は、2012年4月の沖縄調査の結果)

辺野古埋め立て承認、反対64% 沖縄県民世論調査
◆仲井真弘多知事を支持しますか。支持しませんか。
 支持する57(61)
 支持しない14(14)

◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
 支持する28
 支持しない51

◆いま、どの政党を支持していますか。
自民17(12)
民主4(8)
維新1(-)
公明3(2)
みんな1(1)
共産2(1)
生活0(-)
社民5(2)
みどりの風0(-)
新党大地0(0)
新党改革0(0)
沖縄社大1(1)
そうぞう0(-)
その他の政党0(1)
支持政党なし54(55)
答えない・分からない12(17)

◆普天間飛行場の移設問題についてうかがいます。安倍政権は名護市辺野古への移設工事に取りかかるため、沖縄県に辺野古沿岸部の埋め立てを申請しています。仲井真知事はこの埋め立ての申請を承認するべきだと思いますか。承認するべきではないと思いますか。
 承認するべきだ22
 承認するべきではない64

◆普天間飛行場を名護市辺野古に移設することに賛成ですか。反対ですか。
 賛成22(21)
 反対66(66)

◇(「賛成」と答えた22%の人に)それはどうしてですか。(選択肢から最も強く思うものを一つ選ぶ)
 移設しないと普天間飛行場が固定化するから50〈11〉
 政府の地域振興策が期待できるから10〈2〉
 日本の防衛のために必要だから23〈5〉
 アメリカとの関係が大事だから11〈2〉

◇(「反対」と答えた66%の人に)それはどうしてですか。(選択肢から最も強く思うものを一つ選ぶ)
 これ以上、沖縄に米軍基地をつくるべきではないから63〈42〉
 自然を破壊するから24〈16〉
 名護市が反対しているから3〈2〉
 沖縄に海兵隊は必要ないから8〈5〉

◇(「反対」と答えた66%の人に)普天間飛行場はどうしたらよいと思いますか。(選択肢から一つ選ぶ=択一)
 沖縄県内の別の場所に移設する3〈2〉
 県外に移設する36〈23〉
 国外に移設する50〈33〉
 移設しない8〈5〉

◆自民党の沖縄県連は衆院選と参院選の際、普天間飛行場の県外への移設を主張していましたが、名護市辺野古への移設を容認する方針に変わりました。自民党沖縄県連のこうした方針転換に納得しますか。納得しませんか。
 納得する17
 納得しない71

◆安倍政権は沖縄の基地の負担軽減策として、オスプレイの本土での訓練や嘉手納基地より南の基地の返還計画などを挙げています。こうした安倍政権の取り組みは、沖縄の基地の負担軽減にどの程度つながると思いますか。(択一)
 大いにつながる6
 ある程度つながる24
 あまりつながらない39
 まったくつながらない24

◆沖縄には在日米軍の基地や施設の74%が集中しています。沖縄の基地が減らないのは本土による沖縄への差別だという意見があります。その通りだと思いますか。そうは思いませんか。
 その通りだ49(50)
 そうは思わない44(41)

◆沖縄に米軍基地があることは、沖縄のこれからの経済発展にとってプラスになると思いますか。マイナスになると思いますか。
 プラスになる29
 マイナスになる46

◆安倍政権は普天間飛行場の県外への移設を否定し、名護市辺野古に移設しないと普天間飛行場が固定化されるという姿勢です。こうした姿勢に納得しますか。納得しませんか。
 納得する18
 納得しない71

◆沖縄の基地問題に対するこれまでの政党や政治家の対応をみて、政党や政治家の公約を信用できますか。信用できませんか。
 信用できる4
 信用できない84

◆政府は今後、先島諸島に自衛隊を新たに配備する方針です。この方針に賛成ですか。反対ですか。
 賛成 41
反対 39

◆日本と中国との関係についてうかがいます。沖縄県の尖閣諸島をめぐる最近の情勢をみて、日本と中国との間で予想外の軍事的な衝突につながる不安をどの程度感じますか。(択一)
 大いに感じる40
 ある程度感じる44
 あまり感じない11
 まったく感じない4
     ◇
 〈調査方法〉 14~15日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、沖縄県内の有権者を対象に調査した。世帯用と判明した番号は1617件、有効回答は901人。回答率は56%。


いつもは、この世論調査が私のところに来たと想定して回答するのですが、私は沖縄県民ではありませんので、回答する資格が無いと考え控えさせていただきます。かわりに、政党支持率の全国版との比較をしてみます。全国版は12月8日発表のものとの比較してみます。左が沖縄、右が全国です。

自民17⇔35
民主4⇔6
維新1⇔1
公明3⇔3
みんな1⇔2
共産2⇔3
生活0⇔0
社民5⇔1
みどりの風0⇔0
新党大地0⇔0
新党改革0⇔0
沖縄社大1⇔
そうぞう0⇔
その他の政党0⇔1
支持政党なし54⇔39
答えない・分からない12⇔9

全国と比べて目を惹くのは、自民党の支持率の低さと社民党の高さです。自民党は18ポイントも低くなっています。社民党はプラス4ポイントですので、自民党支持の欠損部分は無党派に流れている模様です。

社民党の強さは意外です。理由はよくわかりません。

なお、下記の二問に関しては、他の設問への回答との分析をして欲しいです。つまり、中国に対して危機感を持っている層だけに限定して辺野古移転への賛否を問うといった、いわゆるクロス集計が欲しいです。

・「◆政府は今後、先島諸島に自衛隊を新たに配備する方針です。この方針に賛成ですか。反対ですか。
・「◆日本と中国との関係についてうかがいます。沖縄県の尖閣諸島をめぐる最近の情勢をみて、日本と中国との間で予想外の軍事的な衝突につながる不安をどの程度感じますか。(択一)

また、この二問は全国向けの世論調査にも入れることを望みます。想像ですが、全国では沖縄ほど中国に対して切迫した危機感はないのではないかと思います。


【朝日新聞】私の視点:音楽と社会活動 「演奏届けるプロ」も必要

12月16日朝日新聞朝刊オピニオン欄の「私の視点」コーナー。日本テレマン協会代表の中野順哉氏の『音楽と社会活動 「演奏届けるプロ」も必要』より。

 立派な音楽ホールは全国各地にある。「うちの町にもクラシック音楽専用のホールを」という市民の声で、バブル期などに建てられたものも多い。しかし当時のクラシックの公演は空席が目立った。結局求められたのは、自分の町の都市格、「力」の象徴ではなかったか。現在、自治体の財政難もあってホールは自主公演を減らしている。
 しかし今、日本は急速に高齢化する中で、人々は「力」ではなく「心」に飢えを感じている。演奏家が果たす義務は、良質の音楽で満たすことだが、難しさも横たわる。
(略)


日本各地に音楽ホールが作られながら有効利用されていないというのは聞いています。原因は単純です。日本でのクラッシック音楽の需要以上にホールを作ったのが原因です。隣の市がホールを造ったからうちでも造りたい、などと思ったのかもしれません。

私の周りを見渡しても、クラッシック音楽が隆盛だとは思えません。中野氏を含めたクラッシック音楽関係者の勘違いは、誰もがクラッシック音楽を愛していると信じていることです。

もちろん黒字にならない文化は廃れていいとは言いません。文化の保護発展のために国や地方公共団体が乗り出すことはあってしかるべきです。しかし、それは文化によります。日本のものであれば、日本で守らなければ無くなってしまいます。しかし、クラッシック音楽というのは西洋のものです。日本で保護発展させなければならない理由はありません。

日本人の『「心」に飢えを』をクラッシック音楽で満たせると思うのは関係者の驕りです。

なお、日本人でクラッシック音楽を好きな人を非難する意図はありません。あくまで、自分の趣味が必ずしも多数派ではないことや自国の歴史や伝統にそっていないことに無自覚な人たちへの違和感の表明です。

【朝日新聞】日曜に想う:国家優先、「和」のパワー損なう

12月15日朝日新聞朝刊。「日曜に想う」のコーナー。特別編集委員の冨永格氏による「国家優先、「和」のパワー損なう」です。

(略)
 MANGA、アニメ、ゲームといった、いわゆるクールジャパンの主役たちは、平和国家の産物だ。もとより息苦しい社会、せせこましい価値観からは豊かな創造力など生まれない。
 ただ悲しいかな、ソフトパワーは和風だしのように、はかなくもある。
 かつて世界の中心だったヨーロッパは、東の果てから渡来する磁器や浮世絵の洗練ぶりに目を見張った。幕末から明治、日本を訪れた異邦人は穏やかな民情に驚いたとされる。アジアの新興国が集めかけていた畏敬の念は、しかし昭和に入り蒸発した。葬ったのは自らの軍隊、痛恨の極みは72年前、ハワイ真珠湾への奇襲だった。
 破局への道は言論統制と弾圧に始まる。国が決める、民は黙ってついて来いと。朝日新聞もNHKラジオも国策の宣伝マシンになり果てた。体制の用心棒よろしく治安維持法ができ、6年後に満州事変、捕らえるべき危険分子をむやみに増やす全面「改正」から日米開戦まで、1年たらず……。
 希代の悪法に、おととい、13日の金曜日に公布された特定秘密保護法が重なる。秘密を愛する権力者がその気になれば、いくらでも解釈が広がる出来そこないの代物だ。知恵が足りないならまだしも、あえてアバウトに仕上げたのなら怖い。デモはテロ、秘密は報じさせぬと言わんばかりの講釈をたどれば、本音が透けてくる。情報公開の習いが未熟な国だけに、危なっかしい火遊びというほかない。
 なるほど、身の丈に余るハードパワーをもてあそぶ隣国があり、米国との疎通は欠かせない。コトは国家の存亡に関わると、大仰な言葉で新法の要を説いた人もいる。とはいえ前中国大使丹羽宇一郎さんが言う通り、国民あっての国家なのだ。本当に強い国をお望みなら、まず気遣うべきは巷の活力ではないか。もの言えば唇寒しの世では民は萎え、国は衰える。「和」のパワーどころではない。
(略)


アジアの新興国が集めかけていた畏敬の念は、しかし昭和に入り蒸発した。葬ったのは自らの軍隊、痛恨の極みは72年前、ハワイ真珠湾への奇襲だった。

欧米の人たちは平和を愛する人たちで日本の真珠湾攻撃が平和への挑戦だったという歴史観のようです。当時の日本が平和国家でなかったのは事実ですが、欧米も決して正義の存在ではありませんでした。いまどき東京裁判そのままのような歴史観を持った人がいるのに驚きました。

それはともかく、日本の磁器の起源は、通説によれば秀吉が朝鮮から連れてきた陶工によるものです。戦争の産物というのは言いすぎかもしれませんが、少なくとも平和の産物とはいえません。浮世絵は江戸時代のものですので平和の産物といえなくもありませんが、江戸時代が息苦しくない社会だとか自由闊達な社会だというのは間違っています。厳しい身分制度に縛られた社会でした。

つまり、息苦しい社会や戦争は、かならずしも文化の発展を阻害しません。

私も特定秘密保護法には賛成しかねています。また、自由闊達な社会をよしとしますし、戦争より平和を望みます。しかし、反対意見のためにあやしげな知識を振りかざすのは感心しません。かえって説得力を失ってしまします。

【朝日新聞】記者有論:交通事故と暴力団排除 被害者救済との両立を

12月14日朝日新聞朝刊のオピニオン欄の記者有論のコーナー。西部報道センターの中野浩至記者の「交通事故と暴力団排除 被害者救済との両立を」より。

 事故の相手が暴力団だったら、被害者でも十分な補償が受けられないかもしれない。そんな事態が進みつつある。
 自動車の任意保険を扱う損保会社が「契約者が暴力団とわかれば、その時点で契約を解除できる」という条項を約款に盛り込み始めている。日本損害保険協会が昨年12月、自動車保険に暴力団排除条項を入れたモデル約款を定めたのを受けた動きだ。
 みずほ銀行が、暴力団組員らへの融資を放置していたことが問題になった。暴力団排除の動きは、各業界にとって当然の流れとなりつつある。暴力団関係者が事故を偽装して保険金をだまし取る詐欺事件は後を絶たず、その被害防止という理由は理解できる。
 だが自動車保険には、被害者に大けがを負わせたり、死亡させたりした場合に、加入が義務づけられている自賠責保険(けがだと120万円など)だけでは、足りない分を補うという目的がある。契約を断られ、任意保険に入っていない暴力団員に事故を起こされたとしても、自賠責での補償しか受けられない。加害者が支払えなければ、被害者は泣き寝入りするしかない。
 組員に免許を与えなければいい、という意見もあるだろう。だが暴力団対策に詳しい加藤久雄弁護士は「運転免許証は身分証明書という重要な側面もあり、取り上げるのは生存権を保障する憲法に違反する可能性がある。免許証の偽造など新たな犯罪も生みかねない」と否定的だ。
 NPO法人「交通事故後遺障害者家族の会」代表の北原浩一さん(77)の長男(37)は26年前、トラックにはねられ、今も高次脳機能障害で車いす生活を送る。相手は任意保険に入っていなかったが、北原さんが加入していた車の保険に、契約者側が損害を負った場合に適用される特約があったため、補償された。
 (略)


任意保険に入っていなければ自賠責の分しか補償が受けられないというのは、加害者が暴力団員であろうがなかろうが同じです。文中で紹介のあった北原氏の子息の場合も、明示していませんがトラック運転手は暴力団員ではないようです。ようするに、暴力団員に保険加入を許すべきか否かの問題ではありません。現在の自賠責の上限が低すぎるというのが問題なのではないでしょうか。

なお、「組員に免許を与えなければいい」というのは、保険の件とは別にして妙案だと思います。組織暴力に身を置いている者に社会的に不利益を課し、組織から離脱するように誘導するというのは理にかなった案です。

生存権を保障する憲法違反などというのは笑止千万です。視覚障害者にも運転免許は交付されませんが、生存権の否定とは誰もいいません。そもそも自動車は道具であるとともに「凶器」という一面を持っています。暴力団員に猟銃の所持が許可されないのと同様に、「凶器」である自動車の運転免許を与えないのは合理的です。

また、「免許証の偽造など新たな犯罪も生みかねない」などというのもねじくれた発想です。偽造したら逮捕すればいいだけのことです。

【映画】ゼロ・グラビティ


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出演:サンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニー

ストーリーは単純明快です。不要な人工衛星を爆破したことでデブリ(破片)が宇宙空間に巻き散らかされ、ハッブル望遠鏡を修理中の宇宙飛行士が宇宙空間に投げ出されます。ここからいかにして生き延びるかというお話です。

特異なのは、顔を見せる出演者が二人だけに限定されていることです。しかも実際には多くの場面がサンドラ・ブロックの一人芝居となっています。この点はハリウッド的なアクション映画とは異なっています。ただし、次から次へと絶え間なく困難が襲い掛かってきて危機一髪のところで回避する、という点で基本的には娯楽映画だといえます。

物理の知識があやふやなので自信を持って言えませんがリアリティを感じる画面です。無重力の描写も素晴らしいですし、爆発音が聞こえないというのもそれっぽいです。

よく分からなかったのは、ISSも中国の宇宙ステーションが無人だった理由です。スペースシャトルはデブリの直撃を食らったので、乗員が全滅したのはわかります。実際に死体も映していました。しかし、宇宙ステーションの方は、内部は荒れていたとはいえデブリの直撃を受けてはいません。一応、宇宙ステーションとしてかろうじて機能していました。無人の理由を聞き逃したのかもしれません。

今年観た映画では一番良かったです。

余談ですが、中国の宇宙ステーションの内部で、卓球のラケットが浮遊していたのが笑えました。無重力状態での卓球ってどういう具合にやるのでしょうか?


【朝日新聞】どうする 秘密法:ヘイトの叫び、増長させない

12月13日朝日新聞朝刊。特定秘密保護法についての各界からの意見をつのる連載です。在日3世の人材育成コンサルタント辛淑玉氏の「ヘイトの叫び、増長させない」です。

 東京の新大久保などで繰り返される在日韓国・朝鮮人などへのヘイトスピーチ(差別的憎悪表現)にあらがうため、9月に「のりこえねっと」を結成し、共同代表になりました。
 ヘイト(憎悪)を叫ぶ人々は「朝鮮人は出ていけ」などと口汚くののしります。悲壮感はなく、差別を楽しんでいます。「自分たちには権力の後ろ盾がある」と感じているからです。
 政府は北朝鮮による拉致問題などと結びつけ、朝鮮学校を高校無償化の対象から外しています。「従軍慰安婦」問題への対応も冷淡です。こうした姿勢が彼らに「権力の側」を意識させています。
 特定秘密保護法はこうした外国人差別をさらに増長させる危険性があります。秘密の対象になる防衛、外交、スパイ、テロはいずれも「外国人は危険」という漠然とした印象を大衆に植えつけます。
 同法による「適性評価」は、秘密を扱う人の配偶者や両親らの国籍も調査対象にしました。「敵と味方は血で分ける」との思想で、まさに人種差別です。外国籍住民が大衆からも国家からも攻撃される対象になりかねません。
(略)


前提として、私は今回成立した特定秘密保護法には懸念を持っていることをおことわりしておきます。

その上で、辛氏の意見を読んで、失礼ながら平衡感覚を失っているような印象を持ちました。たしかに「ヘイト・スピーチ」には問題があります。日本になじんで平和に暮らしている人に「出て行け」と言うのは不適切だと思います。

しかし、ヘイト・スピーチの人たちの振る舞いに「悲壮感はなく、差別を楽しんでいます」というのは根拠を欠きます。デモ参加者が、同じ目的の仲間と同じ時間を過ごしているためか、楽しそうに見えるのは、彼らに限りません。反原発のデモを見たことがありますが、彼らもまじめな動機で参加しているのでしょうが、一見楽しそうでした。

辛氏の発言に平衡を欠いているように見えるのは、それぞれ別個に考えるべき問題である、ヘイト・スピーチも朝鮮学校を高校無償化問題も「従軍慰安婦」問題への対応も特定秘密保護法もすべて同じ側に追いやっているところです。そしてなにやら得体の知れない怒りを抱え込んでいるようなところに、ある種の不健康さを感じざるを得ません。

【朝日新聞】争論:そこそこ国家で天下取るでよ

12月12日朝日新聞朝刊オピニオン欄。争論のコーナーで東京一極集中を論じています。東海地方でラジオのDJをしているつボイノリオ氏は東京一極集中に批判的な意見を表明しています。

 リニアに、僕は8年前に試乗しました。とても快適で、東京まですぐだから地下鉄のようなものです。これは今、まったく話題にもなっていない首都機能移転を大きく後押しします。名古屋に首都機能の一部を持ってきても何ら不便ではないからです。
 東京や首都圏は開拓し尽くされているのに対し、名古屋にはなお土地があり、発展の「伸びしろ」がある。土地やテナント料が東京より安い。いちいち東京に住まずともいい、泊まらなくていい。
 もちろん名古屋で打撃を受ける業界はあるでしょう。レストランは東京と商圏が同じになり、味といい、サービスといい、対抗しなければいけない。最初は被害を受けるかもしれないが、東京に刺激を受けてクオリティーは自然に上がる。決して悪いことじゃない。
 今まで東京にはインフラがそろっていたから、人を引き寄せました。例えば、キー局が東京にしかなかったから、僕も仕方なく上京していました。テレビは東京でしかできない番組があるからです。でもラジオは違う。情熱があればどこでもできます。だから僕は今、ふるさとで仕事をしている。僕のように考えてできる仕事が増えていきます。そして、名古屋は全国の地方のお手本になります。
 人が動けば、文化もお金も流れが変わる。必然的に一極集中から分散へと向かう。その意味で、東京五輪は最後の「あだ花」ですね。今のインフラからいえば、確かに五輪は東京でしかできないでしょう。五輪は東京型繁栄の末期の象徴となるのです。
 でも五輪の後は、リニアとともに新しい日本が形作られる。開通はJR東海(本社・名古屋市)が決めたことなんですね。トヨタ(本社・愛知県豊田市)とともに日本経済の命運を握る企業が愛知には二つもある。これからはこの愛知が次の時代の国づくりの方向性を決めると思っています。
 そもそもこれは、日本がどんな国を目指すのかという問題にかかわります。世界には国連加盟で193カ国ぐらいありますが、日本の国土面積、資源からいえば、豊かさの指標でいうと15~16位ぐらいでちょうどいいんじゃないか。
 日本は米国、中国と競って、しのぎを削ろうとするので苦しいことになる。東京に一極集中して無理してでも勝たなければ、必ず右肩上がりにしなければという強迫観念が生まれる。そうではなくて、米国と中国にはバリバリ競争してちょうよと。日本は人口が減るもんだで、8千万~9千万人でもやっていける「そこそこ国家」を目指すほうが余裕ができる。
 (略)
 (聞き手・松田京平)


前提として言いますが、東京の一極集中は国の政策だったとは思えません。関東平野が日本の平野の中では広大だったことや、巨大な人口を支えるだけのインフラの整備ができたことなどから、徐々に人が集まってきたのであって誰かの意図だとは思えません。国土の一部に機能が集中しすぎるのは安全面からいって懸念はありますが、国民に移住するように指図することもできません。悪いかもしれないが仕方がないのではないか、というのが私の考えです。

さて、つボイノリオ氏の発言です。日本は「そこそこ国家」でいいんじゃないか、というのは、それなりに魅力のある提案です。しかし、つボイノリオ氏がおかしいのは、トヨタやJR東海のリニアを誇らしく考えていることです。トヨタやJR東海は、決して「そこそこ」でいいとは考えず、世界一を目標としているのだと思います。

東京への一極集中をどう考えるのかというのが本題なのに、名古屋のお国自慢になってしまっています。論議を深めることを目的としているはずのコーナーでこのような漫談まがいの発言はふさわしいとは思えません。

【本】新世界より


新世界より(上) (講談社文庫)新世界より(上) (講談社文庫)
(2011/01/14)
貴志 祐介

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新世界より(中) (講談社文庫)新世界より(中) (講談社文庫)
(2011/01/14)
貴志 祐介

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新世界より(下) (講談社文庫)新世界より(下) (講談社文庫)
(2011/01/14)
貴志 祐介

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著:貴志祐介

アニメ版を先に観ました。感想はここです。感銘を受けた作品なので原作も読んでみました。かなりのページ数ですが、いっきに読めました。読了後の感想は、アニメ版の感想と同じく、すごいものを読んだ、ということにつきます。

ストーリーはアニメ版と大きな違いはありません。明白な違いは、主人公の早季が物語の途中で異性と性的関係を持つことです。アニメでは省いていました。省いても、物語に支障ありませんし、破綻もしません。通常の物語で、主人公の性体験が重要視されないというのはあまり考えられません。これが「新世界より」の特色だと思います。

どういうことかと言えば、普通の物語では、設定の上にキャラクタが動くドラマが存在します。ところが「新世界より」は設定の説明に終始します。少女だった早季がさまざまな体験を経ながら世界の秘密を解いていく(要するに、設定を説明する)というのがすべてです。

クライマックスであるはずの東京での冒険も、東京で回収した最終兵器は有効活用されないわけですので、行かなかったとしてもストーリーは成り立ちます。物語の展開で東京に行かせたのではなく、東京の状況を説明するために行かせたというのが実態です。

似たような構造の物語のジャンルに本格推理小説があります。つまり秘密を解くことが目的のすべてというものです。

類似点はそれだけではありません。「新世界より」でも、本格推理小説のように、注意して読めば謎を解く鍵は随所に示されています。作者は推理小説界の人なのでこういう構造にするのに躊躇なかったのかもしれません。

アニメ版を先に見るより原作を読むこととをお勧めします。アニメ版では複雑な設定を理解するのが骨がおれますので。

【朝日新聞】インタビュー:人間本位の金融論

朝日新聞朝刊のオピニオン欄。ノーベル経済学賞受賞の米エール大学教授、ロバート・シラー氏のインタビューです。

 ――ノーベル賞は、市場の合理性を説く米シカゴ大学のファーマ教授らとの共同受賞でした。驚きませんでしたか。
 「最初は驚きました。考え方が似ていませんからね。でもあとから、なるほど、と思い直したのです。我々の論争に決着はついていません。双方に賞を与えることで、市場の見方に違いがあることや、論争の中でこそ学問の発展があることを強調できるのだと」
 ――市場は効率的・合理的か否かをめぐって、ファーマ教授と意見が大きく異なりますね。
 「ファーマ教授は、市場は効率的であり、だれも予想できない新しい情報にのみ反応するという立場です。受賞後の公開討論で、彼が将来の市場は予測できないと話すので、私は珍しく攻撃的になり、『長年にわたって市場を打ち負かしてきたファーマ教授をお祝いする、よい機会ですね』と発言しました」
(略)


前から不思議に思っていたのですが、日本の経済学の先生たちは一般人の面前でよく非難し合います。テレビでもそうですし、新聞や雑誌や書籍でもよく見聞きします。意見の対立はいいのですが、ちょっと度を越した、悪罵に近いものがあるのを感じます。他の分野の学者では見たことがありません。

理由は金銭にからむことだからだと思います。経済学者をふくめたエコノミストと呼ばれる人たちの発言が市場や政策に影響することがあるため、一般人も注目します。損得勘定に直接結びつくためか、どうしても発言がとげとげしくなるようです。

日本だけの現象なのかと思っていたら、この記事を読んで、米国の先生も似たようなものがあるのがわかりました。もっともシラー氏の場合はもう洗練された発言なのかもしれませんが。

【世論調査】朝日新聞:12月8日

12月8日朝日新聞朝刊に世論調査の結果が発表されました。

◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
 支持する  46(49)
 支持しない 34(30)

◆今どの政党を支持していますか。
自民35(36)
民主6(5)
維新1(3)
公明3(2)
みんな2(2)
共産3(3)
生活0(0)
社民1(0)
みどりの風0(0)
新党大地0(0)
新党改革0(0)
その他の政党1(0)
支持政党なし39(36)
答えない・分からない9(13)

◆国会は今、自民党だけが大きな議席を占めています。国会で自民党だけが強い、いわゆる自民一強体制をよいことだと思いますか。よくないことだと思いますか。
 よいことだ   19
 よくないことだ 68

◆最近の国会の状況をみて、安倍内閣や自民党に国民の声を聞こうとする姿勢を感じますか。感じませんか。
 感じる  16
 感じない 69

◆特定秘密保護法は、国の外交や安全保障に関する秘密を漏らした人や不正に取得した人への罰則を強化し、秘密の情報が漏れるのを防ぐことを目的としています。一方、この法律で、政府に都合の悪い情報が隠され、国民の知る権利が侵害される恐れがあるとの指摘もあります。特定秘密保護法に賛成ですか。反対ですか。
 賛成 24
 反対 51

◆この法律は、衆議院に続いて参議院の委員会でも与党が採決を強行しました。特定秘密保護法について与党が採決の強行を繰り返したことは問題だと思いますか。問題ではないと思いますか。
 問題だ    65
 問題ではない 21

◆特定秘密保護法の国会での議論は十分だと思いますか。十分ではないと思いますか。
 十分だ    11
 十分ではない 76

◆特定秘密保護法ができることで、政府にとって都合の悪い情報が隠されるなどの恣意(しい)的な運用がされる不安を感じますか。感じませんか。
 感じる  73
 感じない 18

 <調査方法> 7日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、全国の有権者を対象に調査した(福島県の一部を除く)。世帯用と判明した番号は3212件、有効回答は1476人。回答率は46%。


この世論調査が私のところにきたと仮定して回答してみます。

>◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
支持します。
前回(12月2日)は特定秘密保護法の行方はほぼ決まっていたので、この時の数字の比較はあまり意味がありません。前々回(11月25日)は質問を郵送するといういつもと違う形式でした。そこで前々々回(11月12日)と比較をしてみました。
支持は53%から46%に。不支持は25%から34%になっています。誤差の5%を超える違いがありますので、あきらかに支持を落として不支持を増やしたことがわかります。

>◆今どの政党を支持していますか。
支持政党はありません。
これも前々々回(11月12日)と比較をしてみます。

自民36→35
民主5→6
維新2→1
公明3→3
みんな2→2
共産2→3
生活0→0
社民1→1
みどりの風0→0
新党大地0→0
新党改革0→0
その他の政党0→1
支持政党なし42→39
答えない・分からない7→9

各党ともほぼ変化なしです。自民が下げていないということは、今安倍内閣の浮動層人気を若干失ったが、自民党そのものの支持層は揺らいでいない。また野党はつけいることができなかったと言えます。

>◆国会は今、自民党だけが大きな議席を占めています。国会で自民党だけが強い、いわゆる自民一強体制をよいことだと思いますか。よくないことだと思いますか。
良いも悪いもありません。選挙の結果そうなったというだけです。長い間衆参のねじれのために決められない政治が続いてきた反動で自民一強となったとみています。

>◆最近の国会の状況をみて、安倍内閣や自民党に国民の声を聞こうとする姿勢を感じますか。感じませんか。
感じません。「最近」に限定しませんが。

>◆特定秘密保護法は、国の外交や安全保障に関する秘密を漏らした人や不正に取得した人への罰則を強化し、秘密の情報が漏れるのを防ぐことを目的としています。一方、この法律で、政府に都合の悪い情報が隠され、国民の知る権利が侵害される恐れがあるとの指摘もあります。特定秘密保護法に賛成ですか。反対ですか。
反対です。

>◆この法律は、衆議院に続いて参議院の委員会でも与党が採決を強行しました。特定秘密保護法について与党が採決の強行を繰り返したことは問題だと思いますか。問題ではないと思いますか。
やや問題を感じます。もっと洗練された方法をとれたはずだと思います。

>◆特定秘密保護法の国会での議論は十分だと思いますか。十分ではないと思いますか。
不十分だと思います。きちんと説明すれば賛成は増えたと思います。

>◆特定秘密保護法ができることで、政府にとって都合の悪い情報が隠されるなどの恣意的な運用がされる不安を感じますか。感じませんか。
感じます。

3番目の質問から、実際には同じことを訊いているように見えます。結果もほぼ同じようなものが出ました。この時期ですので特定秘密保護法に限定せずに、防空識別圏の問題やTPP交渉あるいは減反についてなどもっと色々な質問を入れた方がよかったように思います。

【展覧会】江戸の狩野派

於:出光美術館

狩野派の流れの一つで、江戸幕府に食い込んだ探幽をはじまりとするいわゆる江戸狩野の展覧会です。

事前に、東京美術の「もっと知りたい狩野派 探幽と江戸狩野派」(著:安村敏信)を読んで予習してから観にいきました。

もっと知りたい狩野派―探幽と江戸狩野派 (アート・ビギナーズ・コレクション)もっと知りたい狩野派―探幽と江戸狩野派 (アート・ビギナーズ・コレクション)
(2006/12)
安村 敏信

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展覧会の主旨も、「もっと知りたい狩野派 探幽と江戸狩野派」と同じく狩野派を肯定的にとらえています。展覧会ではとくに探幽を、狩野派の画風を一新したことと写生に多く残した点で評価しています。

残念ながら、数多い狩野派の画家の中から出品しているのは限られているため、「江戸の狩野派」の全容を伝えるという感じではありませんでした。会場が広くなく出品数も限られているのも影響していたかと思います。

12月15日までです。

なお、ここでは放送大学の学生証で学割になりませんでした。全科履修生のみが学割になるとのことです。これは三菱一号美術館と同じです。

【朝日新聞】(私の視点)日韓関係 議員の対話、修復の糸口に 

12月7日朝日新聞朝刊オピニオン欄。「私の視点」のコーナーに神奈川大助教・久田和孝氏による「日韓関係 議員の対話、修復の糸口に」より。

 11月末、東京で日韓・韓日議員連盟の合同総会が2年ぶりに開かれた。
(略)
 首脳会談を開けない障害はどこにあり、首脳会談開催の必要性をどう認識するか。これを議員同士ですり合わせることが、総会の焦点だった。ある韓国の議員は、私にこう語った。「韓国は譲ることのできる選択肢があまりにも少ない。従軍慰安婦、歴史教科書、独島(日本名・竹島)のどれか一つでも妥協すれば、朴槿恵政権はデモによって転覆されるくらいの反発を受ける。対して日本は、前提となる村山、河野談話の踏襲も揺らぎ、ヘイトスピーチも放置している。互いの歩み寄りが最初から望めない首脳会談は、開催が難しいと韓国国民も考えている」
 日本では、一部メディアの「韓国で首脳会談を求める声が高まっている」との論評により、「ボールは韓国にある」との認識が広まりつつある。だが、私は韓国の議員たちの話を聞きながら、こうした受け止め方に違和感を覚えた。韓国から見ればボールはまだどちらにも渡っていないのだ。
 総会でも、歴史や領土問題で激しいさや当てが展開され、共同声明では首脳会談をめぐる文言が削除された。それでも議員が直接顔をつきあわせ、本音でぶつかりあい、相手との温度差を肌で感じた意味は大きい。日韓中の共同歴史教科書の実現など関係修復の糸口を探る動きは始まった。日本側は村山談話をはじめ歴代政権の立場の継承も再確認した。
 首脳会談が開かれない異常な状態が続くほど、議連は首脳会談に劣らぬ対話の窓口となろう。今後は日韓間に諸問題が起きるたびに臨時総会を開くなど、議連には緊張した日韓関係をほぐす、一層の役割を期待したい。


久田氏は、日韓・韓日議員連盟の合同総会の焦点を二つあげています。日韓首脳会談を開けない理由と首脳会談の必要性をどう認識するか(首脳会談が必要な理由を共有するという意味だと思います)の二つです。

日韓首脳会談を開けない理由ははっきり書いてはいませんが、日本に妥協すると政権崩壊の危機にある韓国側の事情と匂わせています。ただし、日本と首脳会談をすることと日本に妥協することは別のことなので、正確には、日韓首脳会談で日本が譲歩の姿勢を匂わせないことが首脳会談をしない理由、と読めます。

韓国の譲ることのできない三つの問題というのも、よく考えるとおかしなものです。従軍慰安婦問題も竹島問題も、安倍政権の以前から日本の立場に変化はありません。安部政権の前の政権とは首脳会談をしていたのに、安倍政権としない理由にはなりません。韓国が対日要求を吊り上げたというのが真相だと思います。

次に、首脳会談の必要性の認識です。これについて久田氏は何も書いてくれていません。国交のある国すべてと首脳会談をしなければならないという決まりはありませんので、特に日韓で首脳会談をしなければならない理由はないように思います。「首脳会談が開かれない異常な状態」などというのは大げさすぎる表現ではないでしょうか。

久田氏は善意の人なのだとは思いますが、日韓が仲良くすることを自明の正義と信じて疑わない風なところはついていけません。

もっとも、そんな中でも、なんらかの外交のパイプは無いよりはあった方がいいかもしれませんので、議員どうしの会合にまで反対はしません。しかし「緊張した日韓関係をほぐす」などといった過大な期待はしない方がよいと思います。

【朝日新聞】経済気象台:ドイツを変えた危機感

12月5日朝日新聞朝刊金融情報欄の経済気象台のコーナーより

ドイツが元気だ。経済は底堅く回復し失業率も低い。経常黒字は拡大を続け、他国からはやっかみの声が上がる。強さの理由を、弱いユーロに求める向きが少なくない。そのおかげで輸出競争力が強まり、経済成長を牽引しているというわけだ。
しかしそれ以上に重要なのは、ドイツが労働市場改革という「身を切る」改革によって競争力と抵抗力を強めてきたという事実だ。
2000年代初頭、ドイツは低成長、高失業、深刻な財政赤字に侵された「欧州の病人」だった。しかし、2000年代前半にシュレーダー政権(社会民主党)が行った労働市場改革で、状況は大きく変わった。
失業手当を受給していた長期失業者は、職業紹介を受けて就業することを促された。その結果、サービス業を中心に短時間・低賃金の雇用が増えた。それが製造業を含めた全体の賃金水準を抑制した。また労働時間貯蓄制度によって、景気の繁忙に応じた柔軟な労働時間調整が可能となった。それに伴い残業割増賃金は削減され、企業は労働コストを抑制することができた。
つまり全体としてみれば、労働市場改革は、労働コストを生産性に見合った水準に調整=抑制することで失業を減らし、競争力を高めたのだ。
(略)
労働者の権利を守るはずの社会民主党が、なぜそのような改革を進めたのか。ドイツで尋ねた多くの識者の答えは、ドイツを危機から救うにはそれしかなかったから、というものだった。日本を危機から救うために、政権を賭する覚悟が安倍首相にあるだろうか。
(山人)


ドイツの経済についてさほどの知見があるわけではないので、山人氏の解説が正しいのかどうかはわかりません。ただ、ドイツ国民の大多数を占める労働者は不幸になったとしか思えません。

国民が貧乏になった一方で、国家が豊かになることに何の意味があるのでしょうかか。むろん国の経済が破綻してしまえば国民が不幸のになるのは分かります。度を越えた高賃金であれば抑制されてしかるべきです。

山人氏は、安部首相に労働市場を改革して低賃金政策を促しているかのように見えますが、今の日本人の賃金が抑制を必要とするような水準とはとても思えません。

【時事問題】レーシック手術

12月5日の朝日新聞は、レーシック手術についての消費者庁の発表を報じています。

 消費者庁は5日、視力回復のレーシック手術を安易に受けることは避け、リスクの説明を十分受けるようにと注意喚起した。同庁の事故情報データバンクには危害発生の情報が5年間で80件寄せられたほか、手術経験者へのアンケートでは4割以上の人が何らかの不具合を感じていたという。
 レーシック手術とは、角膜の表面を薄くめくり、下の層にレーザーを当てて削った後に表面を戻し、近視や乱視を矯正する手術。
 同庁によると、事故情報データバンクには「目の表面に激しい痛みがあり、寝たきり状態になった」「ドライアイで10分ごとに目薬をささないと目を開けていられない状態」といった情報が寄せられている。今年11月におこなった手術経験者600人へのアンケートでも、259人(43%)が何らかの症状や不具合が生じていると答えたという。
 同庁は、手術前に合併症などについての説明を十分受けなかったとみられる例があり、インターネットでは景品表示法などに抵触する広告も散見されると言っている。


消費者庁のホームページには次のようにありました。

レーシック手術を安易に受けることは避け、リスクの説明を十分受けましょう!
希望した視力を得られないだけでなく、重大な危害が発生したケースもあります

事故情報データバンクには、レーシック手術を受けて危害が発生したという情報が80 件寄せられています(平成 25 年 11 月8日までの登録分)。発生している症状は、過矯正による遠視が最も多く、それに伴う頭痛や吐き気等の体調不良により日常生活に支障を来しているケースがみられます。また、乱視、光をまぶしく感じる、ドライアイ、目の痛みなどの症状が発生しているケースもあります。
レーシック手術については、ハロー・グレアや不正乱視、ドライアイなど、手術後に様々な合併症が起こり得ることが知られていますが、手術による様々なリスクにツ いて医療機関から十分に説明を受けていないおそれのある消費者もみられます。
また、消費者がレーシック手術を受けるきっかけとなった情報の約4割は医療機関
がインターネットで発信する情報(医療機関のウェブサイト及びインターネット広告)でしたが、これらの情報の一部には、関係法令に抵触するおそれがあるものもみられました。
レーシック手術を検討する際は、安易に手術を受けることは避け、インターネット等から得られる情報を十分に吟味しましょう。また、手術を受ける際は、リスクについて医療機関から十分な説明を受けて理解した上で、本当に手術が必要かどうか、よく検討する必要があります。
(略)


仮にある食品を食べて4割の人が食中毒の症状を訴えたとしたら、その食品は販売停止になると思いますし、業者は取り調べを受けるのでしょう。マスコミもそのように主張するはずです。

レーシック手術で4割の人が異常を訴えているというのに、医療機関から十分に説明を受けろだの、本当に手術が必要かどうか検討しろだのと生ぬるいことを言っているだけというのは言語道断です。マスコミの報道も通り一遍です。

一時的に手術を禁止し、抜本的な原因究明をすすめるべきではないでしょうか。


【朝日新聞】社説:国際学力調査―子どもの力を信じよう

12月4日朝日新聞の社説。

 もう少し子どもたちの力を信じよう。日本の子どもの学力は国際的にみて高い。足りないのは自信である。
 世界65の国と地域が参加した国際学力調査PISA(ピザ)の成績が公表された。日本の高校1年生は、読解・数学・科学3分野とも、順位と得点が向上した。課題だった学力の上下格差も、改善の傾向にある。
 弱点ははっきりしている。以前よりはよくなったが、相変わらず自信がないことだ。
 試験を受けた生徒へのアンケートによれば、日本は実際は数学が世界7位なのに、「数学の授業についていけないのでは、とよく心配になる」子が多く、自分は「成績がいい」と思う子はとても少ない。
 好成績の割には、答えを書かずに失点する割合も高い。ダメでもともと、できるかもしれないから解いてみるという積極性に欠けるようだ。
 謙虚さは成長に大切だし、謙譲を尊ぶお国柄もあろうが、過ぎたるは及ばざるがごとしだ。「社会に出て、先生がいなくなっても自分を高められるかどうかは、前向きに学ぶ心の有無にかかっている」と、PISAの分析担当者は指摘する。
(略)


朝日新聞には、どういう問題が出題されたのかも全問ではないようですが掲載されています。載っている問題を前提に言いますが、中学生でも解けるような問題でした。

日本の順位が世界で7位だからといって、個々の生徒が数学に自信がないと言っているのをいぶかしむのは不可解です。高校一年生の授業ではもっと難しいことを習っていますので、生徒が日々の授業についていけるかを心配するのはなんら不思議ではありません。PISAの簡単な問題が解けたくらいで喜んではいいはずがありません。

謙虚とか謙譲といったこととは違う話だと思います。

【本】さよならソルシエ 


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著:穂積

画家のフィンセント・ファン・ゴッホの弟のテオ(ゴッホを経済的にも精神的にも支えたことで知られています)を主人公にした漫画です。

この漫画のテオはやたらスタイリッシュで傲岸不遜。フィンセント・ファン・ゴッホは浮世離れしていますが穏やかな性格です。実際の、ゴッホ兄弟とはかけ離れた性格設定です。途中まで読んだ段階では、これならゴッホ兄弟を借りてこずに、架空の人物を設定した方がよかったのではないかと思いました。

ところが終盤で一気に逆転劇が起きます。これがこの作品の肝です。このどんでん返しをどう考えるが作品の評価を決めると思います。

私は、反則だという気がします。詳しく論評するとネタばれになるので書けませんが、フィクションとはいえ無理がありすぎます

そうはいいながらも、作品に内在する引力があることは認めます。読んで損をしたという気分にはならないことは保証します。

本筋の評価とは離れますが、アカデミーの重鎮のジェローム(ジャン・レオン・ジェロームがモデルだと思います)がギャングの親分みたいな振る舞いをするのはやや疑問です。社会的地位のある人間が、誘拐やピストルで脅迫といったあからさまな犯罪行為はしないでしょう。

【世論調査】朝日新聞12月2日

12月2日朝日新聞朝刊に世論調査の結果が発表されました。

 (数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。丸カッコ内の数字は11月9、10日の調査結果)
◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
 支持する  49(53)
 支持しない 30(25)

◆今どの政党を支持していますか。
自民36(36)
民主5(5)
維新3(2)
公明2(3)
みんな2(2)
共産3(2)
生活0(0)
社民0(1)
みどりの風0(0)
新党大地0(0)
新党改革0(0)
その他の政党0(0)
支持政党なし36(42)
答えない・分からない13(7)

◆特定秘密保護法案は、国の外交や安全保障に関する秘密を漏らした人や不正に取得した人への罰則を強化し、秘密の情報が漏れるのを防ぐことを目的としています。一方、この法案で政府に都合の悪い情報が隠され、国民の知る権利が侵害される恐れがあるとの指摘もあります。特定秘密保護法案に賛成ですか。反対ですか。
 賛成 25(30)
 反対 50(42)

◆この法案は衆議院で与党が採決を強行し可決されました。こうした採決の強行を問題だと思いますか。問題ではないと思いますか。
 問題だ 61
 問題ではない 24

◆特定秘密保護法案は今、参議院で審議中です。この法案をどうしたらよいと思いますか。今の国会で成立させるべきだと思いますか。継続審議にするべきだと思いますか。廃案にするべきだと思いますか。
 今の国会で成立させるべきだ 14
 継続審議にするべきだ    51
 廃案にするべきだ      22

◆この法案では、どの情報を秘密にするかは政府が判断します。秘密の指定について政府の判断を信頼できますか。信頼できませんか。
 信頼できる 22
 信頼できない 63

◆政府による秘密の指定が適切かどうかをチェックするため、政府から独立した第三者機関の設置が必要だと思いますか。必要ないと思いますか。
 必要だ 78
 必要ない 12

◆特定秘密保護法ができることで、秘密にされる情報の範囲が広がっていく不安をどの程度感じますか。(選択肢から一つ選ぶ=択一)
 大いに感じる   26(19)
 ある程度感じる  52(49)
 あまり感じない  15(22)
 まったく感じない  4 (5)

◆この法律ができることで、国民が本来知るべき情報が隠され、国民の知る権利が侵害される恐れがどの程度あると思いますか。(択一)
 大いにある  32
 ある程度ある 50
 あまりない  12
 まったくない  2

 <調査方法> 11月30日、12月1日の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、全国の有権者を対象に調査した(福島県の一部を除く)。世帯用と判明した番号は2018件、有効回答は1001人。回答率は50%。


この世論調査が自分のところに来たと想定して回答してみます。

>◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
支持します。
支持率が53%から49%に、不支持率が25%から30%になりましたが、統計調査の場合5%の誤差を想定しているので、これだけでは支持が減ったとはいえません。

>◆今どの政党を支持していますか。
支持政党はありません。
前回と比べほとんど変化していないことが目を惹きます。

>◆特定秘密保護法案は、国の外交や安全保障に関する秘密を漏らした人や不正に取得した人への罰則を強化し、秘密の情報が漏れるのを防ぐことを目的としています。一方、この法案で政府に都合の悪い情報が隠され、国民の知る権利が侵害される恐れがあるとの指摘もあります。特定秘密保護法案に賛成ですか。反対ですか。
反対です。

>◆この法案は衆議院で与党が採決を強行し可決されました。こうした採決の強行を問題だと思いますか。問題ではないと思いますか。
今国会で法案を成立させなければならないという切迫した事情があるとも思えません。民主主義ですので多数決は原則として正しいのですが、将来にわたって影響のある問題です。一時の多数決を絶対視することはできません。丁寧な国会運営を望みます。


>◆特定秘密保護法案は今、参議院で審議中です。この法案をどうしたらよいと思いますか。今の国会で成立させるべきだと思いますか。継続審議にするべきだと思いますか。廃案にするべきだと思いますか。
法案そのものは必要だと思っていますので、継続審議にしてよりよいものを目指して欲しいです。

>◆この法案では、どの情報を秘密にするかは政府が判断します。秘密の指定について政府の判断を信頼できますか。信頼できませんか。
信頼できません。
この場合、現在の政府を信頼するか否かというのはほとんど問題になりません。法律ができたら以降のすべての政府を信頼できるか否かということが問題になります。とても信頼できるとは言えません。

>◆政府による秘密の指定が適切かどうかをチェックするため、政府から独立した第三者機関の設置が必要だと思いますか。必要ないと思いますか。
必要だと思います。

>◆特定秘密保護法ができることで、秘密にされる情報の範囲が広がっていく不安をどの程度感じますか。(選択肢から一つ選ぶ=択一)
大いに感じます。

>◆この法律ができることで、国民が本来知るべき情報が隠され、国民の知る権利が侵害される恐れがどの程度あると思いますか。(択一)
大いにあります。
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日々の出来事、映画やアニメの感想です。

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