【時事問題】結いの党の会派離脱問題

1月31日の朝日新聞の記事より引用します。

結いの党6人、抗議の退席 会派離脱問題で代表質問できず
 みんなの党が、結いの党の参院議員6人の会派離脱を認めていない問題で、結いの参院議員は30日、代表質問ができなかったことに抗議し、みんなの松田公太氏が代表質問をしている間に退席した。
 結いの小野次郎幹事長は退席後、「代表質問は、国会議員に与えられるべき権利。通常国会の冒頭で認められなかったのは納得いかない」と語った。結いは衆院では会派結成が認められ、江田憲司代表が29日に代表質問を行った。


特に、結いの党を応援しているわけではありませんし、みんなの党に含むところもありませんが、この件は結いの党の言い分が正しいと思います。

比例で通った議員が勝手に離党するのはよろしくない、という問題提起は理解できます。しかし、離党は違法ではありません。必然的に会派離脱も認めなければなりません。会派離脱を認めないというのは、法の隙間をついた行為です。

みんなの党は、子供じみたいやがらせを止めるべきだと思います。
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【朝日新聞】あすを探る 社会:我々は加害者の末裔である 森達也

1月30日朝日新聞朝刊オピニオン欄。映画監督で明治大学特認教授の森達也氏の「我々は加害者の末裔である」より

 昨年の夏は1カ月ほどヨーロッパに滞在した。特にEU圏においては、パスポートを提示することなく国から国へ移動することが普通になってきた。通貨はほぼユーロ。国境の概念がとても薄くなっている。
 かつてヨーロッパを舞台に戦争は何度も起きた。領土問題も恒常的にあった。でも現在はほぼ消えた。少なくとも東アジアの現状とは相当に違う。帰国してから考えこむ。なぜ東アジアは今も国境線を挟んでいがみ合い続けるのか。街場の喧嘩のようなフレーズが双方のメディアのあいだで躍るのか。
 ヨーロッパの融和が進んだ理由はいくつかある。その一つはホロコーストだ。ナチスドイツほどではないにせよ、他のヨーロッパ諸国もユダヤ人を長く迫害し続けてきた。だからこそ被害者意識だけに埋没できない。他民族を蔑視して差別し続けてきた自分たちの加害性と戦後も直面し続け、後ろめたさを保持し続けてきた(これには功罪あるのだが)。
 鎖国の時代が終わって新しい国家体制を創設するとき、この国は富国強兵と脱亜入欧をスローガンとした。この時期のアジアはほとんどが列強の植民地だ。でもこの国はその辛酸を舐めなかった。アジアの盟主として君臨し、中国とロシアを相手にした戦争でも勝利をおさめた。
 この国は特別なのだ。万世一系の現人神に統治されたアジアの一等国。その意識がこの国の伝統的な排他性(村落共同体的メンタリティー)と化学変化を起こす。アジアへの蔑視や優越感を燃料にした思想が正当化され、アジア太平洋戦争へとつながり、やがて敗戦を迎える。でも大きな犠牲を強いられながらもこの国は自分たちの加害性から目をそらし続けてきた。日本を統治するために天皇制存続を選択したアメリカは平和主義の天皇を騙したり追い詰めたりしてこの国を戦争に導いたA級戦犯という存在をつくりあげ、結果として1億国民は彼らに騙された被害者となっていた。
 そのA級戦犯を合祀した靖国問題が、今も東アジアとの関係を揺さぶり続ける。誤解を解きたいと安倍晋三首相は言った。再び戦争の惨禍に人々が苦しむことのない時代を創る決意を祈念したのだとも。
 ならば同時に宣言するべきだ。戦争とは一部の指導者の意志だけでは始まらない。彼らを支持する国民との相互作用が必要だ。戦争責任をA級戦犯だけに押しつけるべきではない。私たちは被害者であると同時に加害者の末裔でもあるのだと。
(略)


森氏の「我々は加害者の末裔である」と宣言せよとの意見を支えているのは、現在のヨーロッパで戦争の危険がなくなった理由の一つがホロコースト(ユダヤ人迫害はドイツだけでなくヨーロッパ一般にあり、ヨーロッパ人は加害者の末裔としてみな悔いている)だとの説です。

しかし、事実は違います。ヨーロッパで戦争が起きる危険がなくなったのは、ソ連とその衛星国が崩壊したからです。ホロコーストとは関係ありません。

なお、東アジアでの紛争の危険は中国の政策に起因しています。東アジアで戦争が起きるとしたら、中国が周辺国(日本とは限りません)に仕掛けるか、中国の衛星国といえなくもない北朝鮮が起こすかのどちらかです。日韓は政治的にはもめていますが、武力衝突がおきるとは誰も思っていません。

要するに、ユーロッパでは東西対立の一方が退場したから紛争の危険がなくなった。東アジアでは退場していないから紛争の危険がある、というだけのことです。倫理とか反省とかの問題ではありません。

また、“加害者の末裔”という言葉に、親の罪は子の罪とか、罪人の血統とかいう前近代的な思想を感じます。馬鹿馬鹿しいといえば馬鹿馬鹿しいですが、同時に気味の悪さを覚えます。

余談ですが、「日本」という言葉を使わずに「この国」と呼ぶのが森氏の中では流行なのかもしれません。しかし、「この国」が指すのが日本であるという明らかでもないのに、唐突に日本を「この国」と書くのは、少しおかしいです。「日本」と書きたくない理由でもあるのでしょうか?

【朝日新聞】参拝3日前、側近を私邸に呼んだ 安倍首相の靖国参拝

1月29日朝日新聞朝刊。安倍首相の靖国参拝に関しての分析記事です。

(略)
 安倍首相の靖国神社参拝は、日韓関係はもちろん、対米関係の冷却化を招いた。背景には、昨年12月6日にソウルであった朴槿恵韓国大統領とバイデン米副大統領の会談がある。
 バイデン氏は3日に行った安倍首相との会談内容を説明。首相が日韓関係で行きすぎた対応があったことを認めた、と伝えた。安倍氏が村山、河野両談話を継承し、靖国参拝を行わない考えを示した、とも説明したうえで、日韓協力を進めるよう求めたという。
 この情報に触れた日本政府は「首相が靖国への不参拝を外国要人に約束するわけがない」(関係者)と驚いた。米韓両政府に会談内容の確認を求めたが、ほぼ同じ趣旨の答えが返ってきた。複数の関係者は「なぜ、バイデン氏がそう理解したのかは謎だ」と語る。
 昨年10月に訪日したケリー国務長官とヘーゲル国防長官は靖国神社ではなく、東京都千代田区の千鳥ケ淵戦没者墓苑を訪問。日本外務省は「靖国に参拝するなというメッセージ」(同省当局者)と受け取っていた。別の関係者は「バイデン氏は、自分の願望も含めて朴氏に語ったのではないか」とみる。
 複数の日本政府関係者によれば、日本外務省は昨夏、首相官邸でも一部の関係者だけの秘密とされていた年内の靖国参拝に向けた首相の動きを察知。米国の政府、議会関係者や有識者らの反応を極秘に探った。結果は「安倍政権の外交を百%支持するが、参拝すれば、その評価は百八十度変わる」といった否定的なものばかりだった。
 外務省はこの結果を首相官邸に報告したが、菅官房長官が参拝に慎重になる一方、安倍首相の姿勢に変化はなかったという。
 バイデン氏の発言はこうした経緯を踏まえたとみられる。事実、首相の靖国参拝後、日本政府が米国の反応を探ったところ、「バイデン氏の反応が最も激烈だった」(政府関係者)といい、これが米政府の「失望」という表現につながったとみている。
 日本政府関係者の一人は「バイデン氏はオバマ政権の議会調整役を一手に引き受けていた。元々、首相とオバマ氏の関係は良好とは言えないのに、さらに米議会との関係にも悪影響が出かねない」と懸念する。
(略)


バイデン副大統領との会談の後、安倍首相は靖国に参拝したわけですから、靖国参拝を行わないとバイデン副大統領に言ったはずがありません。つまり、バイデン副大統領は、嘘をついているか、とんでもないうっかり屋だということになります。

「バイデン氏の反応が最も激烈だった」ことから考えると、安倍首相の真意を捏造して韓国に伝えることで既成事実をつくろうとしたのでは、と想像できます。想像が当たっているかどうかはともかく、日韓のこじれた関係をさらに米国がこじらせたのは確かです。

二週間前に、イスラエルでケリー米国務長官が酷評されたことをblogに書きました。これです。これと同じ構図ではないかと思います。要するに、外交の能力のないオバマ政権が、同盟国の不信を買っているという構図です。

それとは別に、次の一節が気になりました。

複数の日本政府関係者によれば、日本外務省は昨夏、首相官邸でも一部の関係者だけの秘密とされていた年内の靖国参拝に向けた首相の動きを察知。米国の政府、議会関係者や有識者らの反応を極秘に探った。

反応を探った、というのは要するにご注進に及んだということなのでしょう。日本の外務省は米国のスパイなのですか?

【世論調査】朝日新聞:1月25、26日実施

1月28日朝日新聞朝刊。世論調査の結果が発表されました。

 (数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。◆は全員への質問。◇は枝分かれ質問で該当する回答者の中での比率。〈 〉内の数字は全体に対する比率。丸カッコ内の数字は昨年12月7日の調査結果)

首相の靖国参拝、反対46% 朝日新聞世論調査
◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
 支持する50(46)
 支持しない29(34)

◇それはどうしてですか。(選択肢から一つ選ぶ=択一。左は「支持する」50%、右は「支持しない」29%の理由)
 首相が安倍さん14〈7〉 8〈2〉
 自民党中心の内閣17〈9〉 19〈6〉
 政策の面47〈23〉 60〈17〉
 なんとなく18〈9〉 9〈3〉

◆今、どの政党を支持していますか。
自民35(35)
民主5(6)
維新2(1)
公明3(3)
みんな0(2)
結いの党0(-)
共産3(3)
生活0(0)
社民1(1)
みどりの風0(0)
新党大地0(0)
新党改革0(0)
その他の政党0(1)
支持政党なし43(39)
答えない・分からない8(9)

◆沖縄県にあるアメリカ軍の普天間飛行場を、沖縄県の名護市辺野古に移設することに、賛成ですか。反対ですか。

 賛成 36
反対 34

◇(「反対」と答えた34%の人に)普天間飛行場はどうしたらよいと思いますか。(択一)
 沖縄県内の別の場所に移設する 3〈1〉
 沖縄県以外の国内に移設する 23〈8〉
 国外に移設する 51〈17〉
 移設しない 19〈6〉

◆19日にあった沖縄県名護市長選挙では、普天間飛行場の辺野古移設に反対する現職市長が当選しました。安倍政権は、選挙結果とは関係なく、移設を進める方針です。安倍政権のこうした姿勢を評価しますか。評価しませんか。
 評価する 33
 評価しない 46

◆沖縄には、在日米軍の基地や施設の74%が集中しています。沖縄の基地が減らないのは、本土による沖縄への差別だという意見があります。その通りだと思いますか。そうは思いませんか。
 その通りだと思う 26
 そうは思わない 59

◆安倍首相は昨年12月、靖国神社に参拝しました。首相が参拝したことはよかったと思いますか。参拝するべきではなかったと思いますか。
 参拝したことはよかった 41
 参拝するべきではなかった 46

◆安倍首相の靖国神社参拝を、中国、韓国、アメリカ、ロシアなどが批判しました。安倍首相はこれら外国の批判を重く受け止めるべきだと思いますか。それほどのことではないと思いますか。
 重く受け止めるべきだ 51
 それほどのことではない 40

◆靖国神社とは別に、過去の戦争で亡くなった人々を追悼するために、宗教と関わりのない施設を国が新たにつくるという考えに、賛成ですか。反対ですか。
 賛成 50
反対 29

◆原子力発電を今後、どうしたらよいと思いますか。(択一)
 ただちにゼロにする 15
 近い将来ゼロにする 62
 ゼロにはしない 19

◆今、停止している原子力発電所の運転を再開することに賛成ですか。反対ですか。
 賛成 31
反対 56

◆今度の東京都知事選挙で、原子力発電の問題を争点にすることは、妥当だと思いますか。妥当ではないと思いますか。
 妥当だ 38
妥当ではない 49

     ◇

〈調査方法〉 25、26の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、全国の有権者を対象に調査した(福島県の一部を除く)。世帯用と判明した番号は3439件、有効回答は1914人。回答率56%。


この調査が自分のところに来たと仮定して回答してみます。

>◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
支持します。
一時的に支持率が低下したのは秘密保護法の影響だと思いますが、回復したようです。

>◇それはどうしてですか。
「首相が安倍さん」だからです。

>◆今、どの政党を支持していますか。
支持政党はありません。

>◆沖縄県にあるアメリカ軍の普天間飛行場を、沖縄県の名護市辺野古に移設することに、賛成ですか。反対ですか。
普天間基地の危険を除去するには移設はしかたないことだと思います。賛成します。

>◆19日にあった沖縄県名護市長選挙では、普天間飛行場の辺野古移設に反対する現職市長が当選しました。安倍政権は、選挙結果とは関係なく、移設を進める方針です。安倍政権のこうした姿勢を評価しますか。評価しませんか。
評価します。国外にもっていけたらいいとは思いますが、現実味のないことを言っていると、普天間の問題は解決しませんので。

>◆沖縄には、在日米軍の基地や施設の74%が集中しています。沖縄の基地が減らないのは、本土による沖縄への差別だという意見があります。その通りだと思いますか。そうは思いませんか。
74%というのは、米軍が占有している基地の割合です。自衛隊と共有しているものは含みません。だからといって沖縄の負担が少ないというつもりはありませんが、この数字だけを持ち出すのは公正ではありません。米兵の配備の割合とか、米兵による非行行為の発生数とか、他の数字も出して多面的に考えるべきです。
まして、この質問の前振りとして74%という数字を出す意味がありません。「沖縄の基地が減らないのは、本土による沖縄への差別だという意見があります。その通りだと思いますか。そうは思いませんか。」で十分なはずです。回答を操作しようとしているとしか思えません。
74%はともかくとして、沖縄の負担は重いと思っています。しかし、「差別」とは思いません。親が沖縄県民との結婚に反対するとか、就職で沖縄県民が差別されているとかいった現象が起きているとは思えません。
負担が沖縄に偏らない対策は必要ですが、「差別」という言葉を持ち出すのは違和感があります。

>◆安倍首相は昨年12月、靖国神社に参拝しました。首相が参拝したことはよかったと思いますか。参拝するべきではなかったと思いますか。
参拝してよかった、と思います。

>◆安倍首相の靖国神社参拝を、中国、韓国、アメリカ、ロシアなどが批判しました。安倍首相はこれら外国の批判を重く受け止めるべきだと思いますか。それほどのことではないと思いますか。
「重く受け止める」といのが具体的になにを指すのか不明瞭です。「重く受け止めて」今後の参拝はやめましょう、という意味なのでしょうか、それとも「重く受け止めて」参拝の真意をしっかり説明しましょう、という意味なのでしょうか。受け手によってどうとでも解釈できる設問は世論調査として無意味です。

>◆靖国神社とは別に、過去の戦争で亡くなった人々を追悼するために、宗教と関わりのない施設を国が新たにつくるという考えに、賛成ですか。反対ですか。
政治家が国の行事として靖国神社への参拝するのは政教分離の原則に外れていると思います。そこまで厳密に政教分離を徹底させる必要はないのかもしれませんが、原則を逸脱しているのは否定できません。
無宗教の施設を作れば、政教分離の問題は解決しますが、それで中韓がおさまるとは思えません。外国とのいざこざをなくす目的で新施設を作ろうというのであれば、無駄だと思うので、反対です。
ところで、その新施設ではいわゆるA級戦犯も追悼されるのでしょうか? BC級はどうなるのでしょうか?

>◆原子力発電を今後、どうしたらよいと思いますか。(択一)
「近い将来ゼロ」にすべきです。
原発そのものの事故で死者がでていない、との主張をよく聞きます。それはそうなのでしょうが、死者が出なかったのは幸運だったからです。このまま使い続けていいとは思えません。

>◆今、停止している原子力発電所の運転を再開することに賛成ですか。反対ですか。
他に合理的な方法がない以上、やむを得ず賛成します。

>◆今度の東京都知事選挙で、原子力発電の問題を争点にすることは、妥当だと思いますか。妥当ではないと思いますか。
争点にしたい候補者を頭から否定はしません。しかし、私(都民です)の心には響くものがありません。防災とか雇用とかの方に関心があります。

【朝日新聞】記者有論:NY新市長 格差の暴走、どう止める

1月25日朝日新聞朝刊のオピニオン欄、記者有論のコーナー、ニューヨーク支局長の真鍋弘樹氏の「NY新市長 格差の暴走、どう止める」より

 え、本気でそう思ってるんですか……。ニューヨークで格差に苦しむ人たちに話を聞いていると、予想外の反応に驚くことがある。
 「この国はすばらしいよ。努力すれば誰でも成功できる。俺は失敗したけどね」。ハーレムに住み、配給で食いつなぐジャマイカ移民の男性の言葉だ。「プール付きの家に住むのが私の目標なの」。ホームレスの20代シングルマザーがそう言うのも聞いた。
 この街には、格差と競争が組み込まれている。人々の意識にも、社会の仕組みにも。
 中流以上の家庭の多くは、家事や子の面倒を見る女性を低賃金で雇っている。食事のデリバリーを頼めば、チップを収入にする移民系の男性たちが、気温零下でも自転車をこいでくる。共働き夫婦が仕事と家庭を両立させるためのインフラは、いわば格差で支えられている。
 努力すれば誰でも豊かになれるという夢。いわゆるアメリカンドリームは、低所得層の意欲を支え、途上国から移民を呼び寄せる。格差と機会均等を経済の駆動力とする米国のからくりが、この街ではむき出しになっている。
 そんなニューヨークでは近年、暴走と表現できるほど格差が広がっている。最下層2割の平均年収は90万円以下なのに、資産1千億円以上の富豪は約70人もいる。企業と富裕層を誘致したブルームバーグ前市長は確かに市を豊かにしたが、わずかな人に過剰に富が集まるいびつさは放置された。
 最大の矛盾は、貧困に陥る子どもが増えていることだ。ブルームバーグ市政の約12年間で、ホームレスの家族は7割増えた。子どもの貧困は教育の機会を奪い、人生のスタート地点を不公正にする。いくら努力しても社会の階段をはい上がれないとしたら、米国の夢は画餅と化す。
(略) 
 総中流から格差社会へと姿を変えた日本は、米国の背中を猛然と追っている。格差先進都市の風景が今後、どう変わっていくのか。決して私たちにも無縁ではない。
 放っておくと格差は限りなく増殖する。それを、この街は教えてくれる。


貧困層が固定化するのは健全とは言いがたい社会だと思います。その点では真鍋氏に同意します。しかし、格差が広がるという問題と、貧困層が固定化するという問題は、関連はありますが、別です。格差が広がっても、その最貧困層が最低限の衣食住を得られ、子供に教育を授けられる社会もありえます。逆に格差が少なくても、貧困層が固定化する社会もありえます。ごっちゃにするべきではありません。

また、「ニューヨークでは近年、暴走と表現できるほど格差が広がっている」理由は、あきらかに低賃金で働く移民が一因です。移民が低賃金で働くため低賃金労働者の競争が激烈になっていよいよ低賃金になる、という構図です。仮に外国から移民が来なければ、賃金は下げ止まったはずです。低賃金で働く移民を受け入れることは、富裕層には恩恵がありますが、低所得層には打撃となります。これが格差を生み出しています。つまり、移民さえ入れなければ、「格差は限りなく増殖する」ことはないはずです。

真鍋弘樹氏関連で、このblogが触れたものは以下の二つがあります。
【朝日新聞】記者有論:慰安婦発言 米社会が理念を譲らぬ理由
【朝日新聞】(インタビュー)安倍政権と戦争の記憶

【展覧会】人間国宝展

於:東京国立博物館

人間国宝(重要無形文化財の保持者)の作品と、彼らに影響を与えた古典の名作の展示です。

器や人形、日本刀など多彩な工芸作品が揃っています。分野が多岐にわたっているせいか、出展数の割に鑑賞に時間がかかりました。隣で催していた、「クリーブランド美術館展」の鑑賞者も流れてきているのか、結構な人だかりでした。

去年の夏に、「人間国宝展」・「クリーブランド美術館展」・「世紀の日本画」(東京都美術館)の3展共通前売り券(1000円)を購入していました。正直に言って、3展共通前売り券がなければ「クリーブランド美術館展」と「世紀の日本画」には行っても、「人間国宝展」には食指が動かなかったと思います。縁があって鑑賞できたということでしょうか。

「クリーブランド美術館展」は後日の鑑賞として、後は本館とアジア・ギャラリーを覗いてきました。

本館の国宝室では、長谷川等伯の松林図屏風が展示されていました。結構感動しました。

アジア・ギャラリーでは、職業体験の中学生がアジアの占いを紹介してくれるコーナーがありました。職業体験と呼べるほどの作業ではありませんが、まったく知らない大人と会話するというのは有意義なのでしょう。博物館なので変な大人も来ないでしょうから、安心です。まじめで知的そうな少年と少女でした。

【朝日新聞】耕論:今こそ政治を話そう 野党の生きる道

1月25日朝日新聞朝刊のオピニオン欄。「耕論」のコーナーでテーマは「今こそ政治を話そう 野党の生きる道」です。その中から、元民主党衆院議員・内山晃氏の「大人にならず、身を挺して」より

 2007年5月、民主党がまだ政権をとる前の野党時代のことです。衆院厚生労働委員会で、与党自民党は年金時効特例法の採決を強行しました。こんな横暴は許されない。私は採決を宣言しようとした委員長の背後に駆け寄り、両脇に私の腕を下から入れて、抱きかかえるように体をおさえました。
 当時の第1次安倍政権は、郵政選挙で大勝した小泉政権から受け継いだ「数の力」で採決の強行を繰り返していました。年金制度を変えたくて国会議員になった私は、法案の可決を阻止するため、「委員長を委員会室の外へ連れ出さないといけない」と考えたのです。民主党幹部からの指示もない、一心不乱の行動でした。
 結局、法案可決は阻止できずに抵抗は失敗。私は「羽交い締め」をした責任を問われました。懲罰を決める衆院本会議で私は「強行採決は国民の年金制度を(政権与党が)真剣に考えていない証拠。懲罰されるなら国民の負託に応える行動が封殺されてしまう」と訴えましたが、与党の数の力で、除名に次いで2番目に重い「登院停止30日」の処分を受けました。
 ところが、議員事務所に届いた電話やメールの9割は「よくやった」という評価でした。私が抵抗したシーンは繰り返しテレビで報道され、直後の参院選では「消えた年金」の問題とあいまって年金が争点になりました。民主党は大勝し、その後の政権交代につながりました。
 もちろん暴力がいいというつもりはありません。かつての社会党のような長期間の審議拒否や牛歩戦術は「税金のムダ遣い」と批判され、世論の支持が得にくい。野党の抵抗手段はかなり狭まっているのが現実です。今の民主党は一度政権を担ったがゆえに大人になりすぎて、「多勢に無勢」というあきらめや無力感もあるでしょう。
 しかし、昨年の秘密保護法の採決で、野党議員が委員長の机をたたいて抗議する姿は生ぬるく、国民から「どうせパフォーマンス」と見透かされている気がしました。政権与党が出す法案が本当におかしいと思うなら、処分覚悟で身を挺してほしい。与党の横暴さを浮き彫りにしながら、「次」につなげるためにもっと戦う姿勢が必要ではないでしょうか。
(略)
(聞き手・梶原みずほ)


自分の政治的意見と違う結果になりそうだからだと暴力に訴えることに、私は嫌悪感を持ちます。内山氏は『もちろん暴力がいいというつもりはありません』と言ってはいますが、発言の全体を見れば、自身の行動を武勇伝のように語り、野党議員には『処分覚悟で身を挺してほしい』とすすめていますので、本音では暴力を肯定しているのはあきらかです。

自分の“正しい”信条のためには暴力を肯定する内山氏の思想はテロリズムにつながるものです。このような人物が議員であったことに唖然とします。

同時に、朝日新聞がこうした暴力肯定論を堂々と載せることにも深く憂慮します。民主主義ですので、政治信条そのものは何でも構いません。しかし、民主主義で運営されている現代の日本で、政策の実現手段として暴力を肯定する思想は許されるべきではありません。

【朝日新聞】記者有論:台風の名前 防災の視点で活用を

1月24日朝日新聞朝刊のオピニオン欄。前田史郎編集委員の記者有論「台風の名前 防災の視点で活用」です。

 「ハイエン」と聞いて何だと思うだろう。
 昨年11月、フィリピンを襲い、レイテ島などで甚大な被害をもたらした台風30号の名前だ。中国語で海燕を意味する。アジアの多くの国では、この名前で通っている。
 実はすべての台風にはアジア共通の名前がある。
 (略)
 日本では、その年の発生順に「○○号」と呼ばれるが、大災害が起きた場合、番号より名前の方が記憶に残りやすい。名前の活用は、避難の呼びかけなど過去の被害を思い出してもらううえで、インパクトがあり、防災上の利点も大きいと考えられる。
 台風委員会は、被害が大きな台風の名前は被害国の申請を受け、リストからリタイアさせて「永久欠番」にする。
 来月、タイで台風委員会がある。30号に「ヨランダ」という独自名をつけているフィリピンは「ハイエン」をリタイア申請する予定だ。中国も昨年秋、数百万人に及ぶ被災者を出した「フィートウ」(花の名・23号)のリタイアを申請する。一方、日本は04年に100人近い死者・行方不明者を出した23号「トカゲ」で申請をしなかった。
 気象庁は「日本人にとってなじみのある名前ばかりではないし、番号だけで十分に伝わっている」と言う。
 以前は日本でも、大災害を起こした台風を伊勢湾、室戸など地域名をつけて事後に命名したこともあった。しかし、特定の地域に代表させるのは難しいとして、1977年の沖永良部台風を最後に名前は付けられていない。
 占領下の50年、死者約400人を出した台風は28号ではなくジェーン台風として人々の記憶にとどまっている。
 わかりやすく正確な情報伝達は気象庁にとって積年の課題だ。名前を番号と併用することは、シンプルで安上がりな改善策の一つではないか。


昨年11月の台風30号には『ハイエン』という名前がつけられ『アジアの多くの国では、この名前で通っている』そうですが、肝心のフィリピンでは、『30号に「ヨランダ」という独自名をつけている』とのことです。にも関わらず、フィリピンが『「ハイエン」をリタイア申請する予定だ』というのはよくわかりません。何か裏があるんじゃないかと邪推したくなります。

それは置くとしても、前田氏が台風を名前で呼ぶことすすめる理由がわかりかねます。気象庁の『日本人にとってなじみのある名前ばかりではないし、番号だけで十分に伝わっている』というのは実に正当な理由です。

百歩譲って、『名前を番号と併用』が防災に役立つと信じているなら、気象庁に要請するのではなく、朝日新聞が台風の記事で使えばいいだけです。『日本など14カ国・地域が加盟する台風委員会』が決めているのですから使ってもおかしくはありません。気象庁というお上に使用をお願いする必要はありません。

邪推ですが、朝日新聞だけがアジア共通名を使って、他のマスコミが追随しなかったら恥ずかしい、と思っているのではないですか? マスコミ版・護送船団方式ですか?

【朝日新聞】社説:安重根論争 政治が負の連鎖を断て

1月22日朝日新聞社説です。

 明治維新の立役者の一人で元首相の伊藤博文を暗殺した朝鮮の独立運動家、安重根の評価をめぐり、日本政府と韓国、中国両政府が非難しあっている。
 暗殺現場である中国のハルビン駅に、地元当局が記念館を開設したためだ。昨年の安倍首相による靖国神社参拝に対抗した対日圧力の一環とみられる。
 いまの北東アジアに何より必要なのは融和の努力のはずだ。なのに、あえて対立の火種を増やし、言い争いを深める事態を憂慮せざるをえない。
 安重根の評価は、とくに日韓の間で対照的だ。菅官房長官は「死刑判決を受けたテロリストだ」とし、韓国外交省は「独立と東洋の平和のために献身した偉人」と反論している。
 この落差を埋める手だては、容易には見つからない。歴史とは、同じコインの表と裏を見るように、それを評価する者の立ち位置や考え方によって異なる叙述になりがちだからだ。
 9・11テロ事件の直後、当時のパウエル米国務長官はテロの認定の難しさをこう語った。「ある者には『テロリスト』でも、別の者には『自由の戦士』に映るような領域がある」
 パレスチナのアラファト氏や東ティモールのグスマオ氏のように、時に犯罪者、時に英雄とされた例は世界史に数多い。
 日本と中韓が安重根をめぐる自説をぶつけ合っても、生まれるものは争い以外にない。自国の叙述に閉じこもったまま相手の理解のみを求める行為は、もはや外交とはいえない。
 どの国の間にもある永遠の平行線の課題は棚上げし、協調できる結節点を探るのが政治の責務だろう。日中韓の指導者たちにはその自覚が欠けている。
(略)


大筋では賛成できる意見です。

自国の歴史の評価を他国に押し付けることはできません。「どの国の間にもある永遠の平行線の課題は棚上げし、協調できる結節点を探るのが政治の責務」という見解は正しいと思います。

ただし、「日中韓の指導者たちにはその自覚が欠けている」との指摘には疑問があります。

日本は、意見の相違は置いておいて首脳会談をするように呼びかけています。まさに朝日新聞がすすめる振る舞いです。「その自覚に欠けている」のは韓国の方です。

なお、中国は安重根の評価で日本と対立しているのではないように見えます。これまで安重根に興味を示していなかった中国が、このタイミングで記念館を設置したのは、日韓のよりいっそうの離反を企んでのことでしょう。「その自覚に欠けている」どころか、意図してやっている気配があります。

【朝日新聞】時事小言:歴史問題

1月21日朝日新聞夕刊。国際政治学者の藤原帰一氏の「歴史問題」です。

 歴史問題をめぐる対立が続いている。韓国の朴大統領が安倍首相との首脳会談を拒む背景には慰安婦問題に関する日本政府の対処への批判がある。中国は、昨年末の安倍首相の靖国神社参拝に批判を繰り返すばかりか、中国ではなく日本こそが国際関係の安定を破壊している、靖国参拝はその証拠であると主張し、「歴史カード」を使って日本の国際的孤立を進めようとしている。日中戦争と第2次世界大戦から半世紀以上も経ちながら、過去の解釈が現在の国際関係を揺るがし続けている。
 どうすればこの状況を打開できるのだろうか。そんなことは考えるまでもない、簡単だという人たちがいるだろう。中国・韓国などの諸国では、日本が謝罪し被害者に補償をすればいい、それをしないから日本が信用できないのだと唱えられている。日本には、日本政府は繰り返し謝罪を行ってきた、これ以上何をすればよいのかという議論がある。そもそも謝罪の必要はない、第2次世界大戦における日本の行動は正当であったという、もっと急進的な立場をとる人もいるだろう。
 これらの議論は、変わるべきなのは相手のほうだ、自分の側は毅然として立場を堅持すればよいだけだと考える点で共通している。逆に言えば、自分のほうが変わる必要があるとは思っていない。問題の責任が相手にあるとお互いに考え、どちらも自分の立場を変えようとしないのだから、紛争の長期化は避けられない。さらに、領土主張の棚上げのような現実的妥協の可能な領土問題と異なり、歴史問題を利益調整や妥協で打開することは難しい。歴史問題が継続する根拠がここにある。
(略)


意見が対立しているということは、原則的には相手が降りてくることを期待する状態です。妥協を探りながらもできるだけ自分の意見を通そうとするのは当然のことです。その点では、日本だけなく中韓も間違ったことをしているわけではありません。藤原氏の意見は、子供の喧嘩を叱るようなものであって、有効だとは思えません。

また、歴史問題でこじれている国際関係は日中韓くらいのもので、被害加害の歴史があっても互いに触れることなく過ごしているのが大多数の国際関係です。したがって、歴史問題に本質的に解決しがたい理由(「継続する根拠」)があるという論は成り立ちません。日中韓に特殊な要因があると考えるのが自然です。

藤原氏の言うように、安倍首相の靖国参拝によって、日本の中韓以外でも国際的評価が下がった可能性はあります。しかし、小泉元総理の靖国参拝では中韓以外からの苦情はありませんでした。つまり、日本より中韓の対応・宣伝がうまかったということであって、靖国参拝に本質的な問題があるとするのは無理があります。

日本が首相の靖国参拝をやめる、と宣言したとしても、中韓はまた別の「歴史カード」を見つけてくるだけだと思います。

【朝日新聞】社説:タクシー規制 構造改革が欠かせない

1月20日朝日新聞の社説です。

 タクシーが過剰な地域では国土交通相が新規参入や増車を禁じ、減車を盛り込んだ計画を認可する。運賃も限度を超える安値を認めず、変更させる。
 そんな規制強化が始まる。
 27日に施行されるタクシー適正化・活性化特別措置法の改正法(タクシー減車法)である。自民、公明、民主の3党が共同提案し、成立した。
 タクシー業界では、小泉内閣時代の02年に需給調整が廃止され、車両や運転手が増えた。政府は規制緩和で雇用が増えたと強調したが、乗客数の減少に歯止めがかからず、縮むパイを奪い合う状況に陥った。
 政府は09年に規制強化へかじを切った。車両が多すぎる地域では新規参入や増車申請に厳しく対応し、業者が自主的に減車する仕組みも設けた。だが徹底せず、タクシーの労使がそろって対策の強化を求めていた。
 確かにタクシー業界の環境は厳しい。運転手は労働時間が全産業の平均より長いのに、収入は6割弱にとどまる。
 09年の規制強化後は、1日・1車両あたりの売り上げや運転手の収入はわずかに上向いた。とはいえ、さらなる規制強化で供給を絞るだけでは、抜本的な対策にはならない。
 総人口が減る中で、タクシー市場の縮小にどう歯止めをかけていくのか。取り組むべき課題は言い尽くされている。
 まずは、利用者への情報提供を強化することだ。
 消費者の目が競争を促し、それが市場の維持・拡大につながる。民間では当然の循環が、とりわけ流し営業が中心の大都市圏では起こりにくかった。
 ただ、運転手の数で9割を占める法人タクシーでは、スマートフォンと「配車アプリ」の普及で車を呼びやすくなり、あらかじめ料金の目安を調べられるなどサービスが充実してきた。
 あわせて、会社や運転手への評価制度を整え、積極的に公表してはどうか。東京などでは導入済みだが、全国でサービス向上を競ってほしい。
 運転手の待遇改善では、歩合制に偏った給与体系の見直しが避けられない。労使で交渉すべき課題ではあるが、なかなか改まらない。国や自治体が後押しできないか。
 高齢化とともに介護タクシーへの需要は増え、観光分野でも期待は大きい。
 にもかかわらず、労働条件の厳しさから若者が敬遠し、運転手の平均年齢は全産業平均より15歳も高い57歳だ。
 ジリ貧から脱するには、構造改革が欠かせない。


なぜ、タクシー業界のことを、政治も新聞もこぞって心配しているのか不思議でなりません。タクシーが多すぎて儲からないというなら、タクシー業界が自分達で対策を考えればいいことです。政府が規制強化の音頭とりをしてやる理由はありません。

タクシー運転手の賃金が平均より低いというのは気の毒ですが、平均より賃金が低い職はほかにもあります。長い目でみれば、労働者に不利な職は、労働者が参入しなくなります。実際、「労働条件の厳しさから若者が敬遠し、運転手の平均年齢は全産業平均より15歳も高い57歳だ」という状態になっています。つまり放っておけば、タクシーは自然な形で減車します。法律で規制する必要はありません。

また、結語で、「ジリ貧から脱するには、構造改革が欠かせない」といいながら、規制強化法案が手ぬるいという社説の主張は理解しがたいものがあります。

【朝日新聞】討論会 欠席ドミノ

1月19日朝日新聞朝刊。東京欄より

23日告示の知事選で、18日に延期されていた主な立候補予定者による公開討論会(東京青年会議所など主催)が直前で中止になった。参加を要請された4人のうち、応じたのは1人だけだったからだ。4人とも立候補を表明しているのになぜ―――

青年会議所が参加を呼びかけたのは、宇都宮健児(67)、田母神俊雄(65)、舛添要一(65)、細川護煕(76)の4氏。過去の都知事選で立候補表明を遅くした「後出しジャンケン」が有利と言われてきた。青年会議所は当初、早期の立候補表明を促そうと、14日開催としたが、宇都宮氏しか参加を表明しなかったため、18日に延期していた。この日も応じたのは宇都宮氏だけだった。
不参加の理由を、ほかの陣営はどう説明しているのか。
7日に立候補会見をした田母神氏の陣営幹部は「『3人以上になるならば出る』と青年会議所には伝えていた。討論会なので主要候補がそろわないと意味がない。4人中2人が欠席となれば公平な討論にならない」と話す。
14日に正式表明した舛添氏は18日、報道陣に討論会が中止になったことを問われて答えた。「非常に残念。東京は広いので、走り回っても行けない所がある。選択肢を広げて、有権者が判断するための重要な材料になる。ただ、『どの候補が欠ける』『あの候補が欠ける』というのでは公平性という点から問題がある。
細川氏は14日、脱原発で「元首相連合」を組んだ小泉純一郎氏とともに報道陣の前に姿を見せ、立候補を表明した。18日になってようやく、延び延びになっていた会見を告示前日の22日に開くことが決まった。陣営幹部は正式な立候補表明前に討論会に出ることは難しいとしたうえで「日程も都合もつかなかった」と話した。
一方、宇都宮氏は「公開の場で討論し、都民に判断してもらう必要がある」として参加を表明。公開討論会の中止を受け、「異常な事態」と支持者の前で訴えた。18日朝まで、「脱原発」「環境に配慮した五輪」「働きやすい社会の実現」などの政策で討論の準備をしていたという。街頭演説では「今後も他候補に公開討論に出るよう呼びかけていく」と述べた。

東京青年会議所の中原修二理事は「知事選の主役は有権者。政策を述べる場が使われず、都のトップが決まっていくのは残念だ」と話した。
この討論会とは別に、日本記者クラブは22日、主な立候補予定者を招いた共同会見を予定している。18日夕現在、宇都宮、田母神、舛添の3氏から内諾を得ているが細川氏からの回答がないという。


公開討論会に出るとか出ないとかいうのは各陣営の選挙戦術にほかなりません。欠席を表明した田母神陣営も舛添陣営も細川陣営も、何も間違ったことは言っていません。もちろん、参加表明をした宇都宮陣営も悪くありません。政策を表明する機会は、青年会議所の公開討論会だけではないのです。各陣営自分の有利不利を考え選択をするのは当然のことです。

自分の主催の会に出てこないのがけしからん、みたいな感想を言うのは傲慢です。東京青年会議所の中原氏の言うように「知事選の主役は有権者」です。東京青年会議所が主役なのではありません。

そもそも、公開討論会に限らず、告示前に政策を訴えるというのは事前運動ではないのでしょうか。法律の条文には触れないようにしているのでしょうが、法律の精神を冒しているような気がします。

【放送大学】英文法A to Z


英文法A to Z (放送大学教材)英文法A to Z (放送大学教材)
(2013/03)
井口篤

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今、放送大学で「英文法A to Z」という講座を受講しています。もうすぐ終了します。

内容は初歩(三人称単数現在形の動詞にsをつける、などといったところ)から、関係詞とかto不定詞といったところまでです。要するに英語を初めて習うところから高校生レベルまでです。

さすがにこれだけ広い範囲だと、45分×15回で語りつくすことは不可能ですのでエッセンスをおそろしく速い勢いで見ていることになります。中高レベルの内容とはいえ、中高で勉強していることを前提としているようです。

一つ一つを細かく見ていく勉強も必要なのですが、この講座のように猛スピードで全体を見渡す勉強もためになりました。

2月1日に試験があるので、時間をみつけては復習に励んでいます。

それはそうと、昨日自宅に放送大学から電話がありました。試験の案内が届いたか、という確認です。期中に提出物があるのですが、この時も電話で確認されました。大勢の受講者がいる放送大学でわざわざ一人ひとりに電話をかけるとはなんとも手間のかかることだと思います。ありていに言って、そういう無駄なことは止めるべきでないでしょうか。

【朝日新聞】「ケリー長官は救世主気取り」 イスラエル国防相、酷評暴露され陳謝

1月16日朝日新聞の記事です。

 「ケリー米国務長官は救世主気取り」――。イスラエルのヤアロン国防相が会合の席で中東和平を仲介するケリー氏を酷評した内容が14日、地元紙にすっぱ抜かれ、ヤアロン氏が陳謝に追い込まれた。
 イスラエル紙イディオト・アハロノトによると、ヤアロン氏は最近の米側との会合で、「ケリー氏はパレスチナとの紛争について何も知らないくせに救世主ぶっている」と酷評。ケリー氏が合意を目指しているパレスチナ国家樹立に向けた枠組みについても「紙切れ以下の価値だ」と批判した。さらに、「ケリー氏がノーベル賞を取って我々を放ってくれるまでは救われない」と述べ、ケリー氏の和平仲介努力はノーベル平和賞目当てだと皮肉った。
 米国務省は同日、「侮辱的で、不適切だ」と異例の声明を発表。ヤアロン氏は「ケリー氏を侮辱するつもりはなかった」との声明を出し、謝罪した。
 ヤアロン氏は対パレスチナ強硬派で、次期首相候補の呼び声が高い。
 (カイロ=山尾有紀恵)


ケリー国務長官のイスラエルでの振舞いについて知っているわけではありませんので、ヤアロン氏の評が正しいのかどうかは論じません。

しかしながら、アメリカのオバマ政権が同盟国の不信を買っていることは注意すべきです。

安倍首相の靖国参拝にアメリカから失望した、との論評が出たことに、“アメリカの逆鱗に触れてしまった”といわんばかりの反応が一部にありました。しかし、安倍政権の振る舞いばかりを気にするのではなく、オバマ政権の性質にも目を向けるべきだと思います。

オバマ政権は他国とのつきあいが苦手なのかもしれません。

【朝日新聞】基準作りはあくまで立法

1月17日朝日新聞朝刊オピニオン欄。『「違憲」と言えぬ最高裁』と題して、一票の格差訴訟への裁判所の対応について三者の意見が載っていました。その中から、元防衛相の久間章生による「基準作りはあくまで立法」を取り上げます。

 先日、かつて最高裁の判事だった友人と国会の定数是正訴訟の話をした。「投票価値の平等を厳しく求め、1人別枠方式はおかしいとした判決は理屈が通らない」と言ったら、「他の基準が示されていないなか一票の格差を問われれば、平等にしなければならないと、判事は言わざるを得ない」と言う。
 なるほど。国会議員も投票価値を巡る司法の判断を非難するだけじゃいかん。一人一票だけが選挙の原理ではなく、別の基準もあることを示さなければダメだ。そう思ったわけです。
 すっかり悪者にされ、法律から条文が削除された1人別枠方式だが、本来、ちゃんとした理由があった。1990年代初め、衆議院に小選挙区を導入した時、私ら若手の議員と自民党執行部でさんざん議論し、この方式を決めたのを思い出すよ。
 基本は、地方自治がある以上、人口がいかに少なくても地域を代表する最低限の政治家が必要だということだ。「国会議員は全国の代表」という指摘もあるが、ならば全国区だけにすればいいんで、選挙区がある以上、地域代表の要素は必要だ。
(略)
(聞き手・吉田貴文)


久間氏は、1人別枠方式には『本来、ちゃんとした理由があった』と言っています。その理由らしきものは『地方自治がある以上、人口がいかに少なくても地域を代表する最低限の政治家が必要だということだ』というものです。

人口が少ない地域の住民にも選挙権はありますので、代表する最低限の政治家が必要だ、というのは理解できます。しかし、それは1人別枠方式を是とする理由にはなりません。1人別枠方式をしなくても、ある地域から選出される政治家はゼロにはなりません。

1人別枠方式が、無理に地方選出議員を増やそう(維持しよう)としたのはあきらかです。理屈にもならないことを言っているようにしか思えません。

【本】Another(アナザー)


AnotherAnother
(2009/10/30)
綾辻 行人

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著:彩辻行人

ホラー小説ですが、推理小説的な風味を持っています。

アニメ化されたものは観ています。感想はここです。

アニメは原作に準拠していました。

叙述による一人二役トリックがありますが、どういう効果を狙ったのか分かりかねます。あえて効果があったとすれば、ある登場人物が重要であることを隠すために、別人物であるかのようにしていたように見えます。本格推理小説ではないので、あまり言いたくないのですが、アンフェアだと思います。

アニメ版の感想でもきしましたように、鳴(ヒロイン)の義眼の能力には疑問を感じます。本筋の超常現象とは無関係な、科学を超えた能力が登場すると印象が散漫になりますし、よく考えれば鳴の能力は話の展開に不要です。なくても成立します。

アニメ版には衝撃を受けましたが、原作を読んで冷静にストーリーを見直すとアラが見えてきました。

アニメはキャラクターデザインが素晴らしかったから好印象だったのかもしれません。

【朝日新聞】都知事選、脱原発が争点に

1月15日朝日新聞朝刊の記事は、細川元総理が脱原発を訴えて都知事選への立候補表明をしたことを伝えています。見出しは「都知事選、脱原発が争点に」でした。主要候補者の原発へのスタンスを図解したものも載せています。

違和感があります。

細川氏が脱原発を訴えるのはかまいません。争点にしたい、という気持ちもわかります。しかし争点になるかどうかは、候補者やマスコミが決めることではありません。選挙民が決めることです。多数の選挙民が、ある政策の賛否を理由に投票をする場合に、その政策が争点となります。

ANNの世論調査で、『「原子力発電の在り方」が争点の一つになっても良いとした人が7割』という結果がありますたが、「争点の一つになっても良い」ということと、原発への意見で投票行動を決める、とうことは大きな開きがあります。

マスコミが今の段階で争点を一つに特定するのは、フライングだと思います。

【映画】鑑定士と顔のない依頼人


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今年、最初に映画館で観た映画です。

事前の映画評で、やたら「どんでん返し」だの、「必ず騙される」だのと煽っていましたが、騙されませんでした。変な煽りをせずに、不可思議な恋物語だと思って観にいったのなら騙されたかもしれませんが・・・

ミステリーとして及第点はつけられません。具体的に書くとネタばれになるので書きませんが、すべて偶然に頼ったトリックです。もっとシンプルな手段があったはずなのに不必要に大掛かりな仕掛けをしています。要するに作劇上の都合なのでしょう。

美しい美術品がたくさん出てくるので豪華感だけはありました。

1000円で再視聴できる制度がありますが、果たして何人がその権利を行使するのでしょうか。

【時事問題】東京都知事選挙

私の自宅の最寄り駅の前の通りでは日曜と祝日は歩行者天国をやっています。今日、そこに行ってみると、今度の都知事選挙に出る日本弁護士連合会の前会長の宇都宮けんじ氏を応援する人たちがビラくばりをしていました。

驚いたのは結構な大人数だったことです。30人近くいました。共産党と社民党が推薦していますので、その支持者が集まっていたのかもしれませんが、普段の両政党の支持率から考えると破格の動員数だと思います。

反面、ビラ配りの人たちに若者がいないことも気になりました。一番若そうな人でもおそらく50代ではないかと思います。世論調査で支持政党の割合が発表されますが、年齢とのクロス集計の結果も出して欲しいです。若者に支持されていないとすると、先細りは確実ですので。

宇都宮氏の政策への論評は行いません。個々の政策への賛否はありますが、意見は意見として拝読させていただきます。一点だけ気になったのは、

安倍首相が壊した中国・韓国との関係改善に向け、北京・ソウル両市との平和都市会議を開催


中韓との関係がおかしくなったのは昔からとも言えますが、友好と反感を揺れ動いていました。最近、友好から反感へと反転したのは、野田前総理の時代です。したがって、日本に責任があると仮定しても、「安倍首相が壊した」というのは事実に反します。これは政策への賛否とは違います。事実関係の間違いですので指摘せざるを得ません。

なお、労働問題や環境などの政策は、よいことを言っているように思いました。知事選挙なのですから外交問題よりもこういうことを訴えて欲しいです。

【展覧会】シャヴァンヌ展

於:Bunkamuraザ・ミュージアム

19世紀フランスを代表する壁画家として知られるピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ(1824-1898)は、フランスの主要建造物の記念碑的な壁画装飾を次々と手がけ、また壁画以外の絵画においても才能を発揮し、数々の名作を残しました。
イタリアのフレスコ画を思わせる落ち着いた色調で描かれたそれらの作品は、古来、桃源郷と謳われて来たアルカディアを彷彿とさせ、格調高い静謐な雰囲気を湛えています。また、その含意に満ちた奥深い世界は、象徴主義の先駆的作例と言われています。
古典的様式を維持しながら築き上げられたシャヴァンヌの斬新な芸術は、新しい世代の画家にも大きな影響を与えただけでなく、日本近代洋画の展開にも深く寄与しました。本展はこの巨匠を日本で初めて本格的に紹介する貴重な機会といえましょう。

公式ホームページより

黒田清輝が訪ねたことや、大原美術館に作品が所蔵されていることもあって日本では結構知られていた画家のようです。今ではあまり話題になることもなく、この展覧会が日本で初めての本格的な紹介となっています。

本来の活躍の場が壁画ということもあり、この展覧会では習作が多くありました。そのせいなのか人物のポーズもなにか不自然な感じがしました。正直に言えば、私には面白さがわからない画家でした。

会場内で30分ほどの紹介映像が流れていました。事前知識がほとんどない画家だったので、これは勉強になりました。

会場は、かなり空いていました。「ザ・ミュージアム」でこんなに空いていたのは初めての経験です。

3月9日までです。

【朝日新聞】天声人語:1月9日

1月9日朝日新聞の天声人語です。

高校の日本史を必修にする検討を文科省がするという。そう聞いて14年前の1月を思い出した。時の小渕首相に「21世紀日本の構想」についての提言が出された。英語を第2公用語にすると打ち出して話題になったから、ご記憶の方もいるだろう▼義務教育を週3日に圧縮するという提案もあった。いわゆる読み書きそろばんは徹底的にたたき込む。その習得は国民の義務である。それ以外は各自の自由な選択に任せる、という内容だ▼実現性はともかく、教育のあり方を根源から考え直す姿勢が刺激的だった。国民を守るためにも国家が強いなければならない教育と、あくまでサービスとして個人を支援する教育。この二つを明確に分けよ。週3日論の背後にある考え方である▼提言の教育分野の座長は劇作家で文明批評家の山崎正和さんだ。直前に発表した文章では、より踏み込んだ主張を述べている。いわく〈国家は初中等学校における歴史教育を廃止すべきだ〉▼史実の評価や歴史認識は、国家間だけでなく専門家の間にも対立がある。そして、そうした異なる見解の数々は国民の間を自由に流通している。その一つを国家が選んで学校で教えることは、学問的には不誠実だし財政的には無駄だ、と。異論もあるだろうが、一つの線引きの仕方ではある▼日本史の必修化は「日本人としてのアイデンティティーを育てるため」と大臣はいう。日本人は一色ないし、日本史の理解も一様でないことを、くれぐれもお忘れなきよう。


日本史必修化の対象は高校教育であり、14年前の山崎正和氏の文章は「初中等学校における歴史教育」の廃止です。つまり、山崎正和氏の考えと今回の日本史必修化はかならずしも相反するものではないようにみえます。

それはともかくとして、日本史(歴史)の理解は一様ではない、という意見には賛成です。一様ではないから教育すべきでない、というのは極端ですが、歴史の評価が人により時代により国により千差万別だというのは正しい意見だと思います。

これを読んで、なんだか落ち着かない気分になったのは、「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない。国と国との関係でどちらから見るかで違う」という安倍首相の発言を問題視し続けているのが朝日新聞だからです(朝日新聞だけではありませんが)。

安倍首相の発言は、歴史の理解は一様でないという前提としたもので、天声人語子の意見と同じです。

天声人語子は、自分に都合のいいように意見を使い分けているように思います。

【朝日新聞】過去2014未来:抱き合えよ、出会えよ男女

1月9日朝日新聞朝刊オピニオン欄。「過去2014未来:人が人と生きること」という特集の中で、フランス文学者の鹿島茂氏の「抱き合えよ、出会えよ男女」より。

(略)
昔は、特に大きな会社だと独身を貫くのは大変でしたから。結婚が社会的な信用につながり、独身者には海外赴任させない圧力まであった。短大卒の女性を採用していたのも、お嫁さん候補だったからです。会社が結婚を奨励する機能を果たしていたのです。
 いま人生の終盤にさしかかり、これでよかったのかと焦り始めた人もいるわけです。でも実害はありませんから、放っておけばいいんです。現代を「男と女」という視点からみるとき、危機的なのはむしろ若い世代です。異性と付き合った経験も恋人もいない若者が増えている。これは深刻です。確実に少子化が進み、人口がさらに減るわけですから。
 フランスの家族人類学者トッドが世界の家族を分析し、日本や韓国、ドイツは直系家族(権威主義家族)型、イングランドや仏北部は核家族型と分類しています。直系家族型は親が子に権威的で、子の1人と同居する。核家族型は成人した子は親元を離れ独立する。
 これを僕は、男女関係に広げて考えたんです。直系家族型の日本は、親に任せておけば結婚相手を決めてくれた。しかし核家族型は親が関知せず、自助努力で相手を見つける必要があった。だから自分で相手を見つけるための様々な仕組みや文化が生まれ、恋愛に向いた社会になったのだと。
 その最先端がイングランドでした。19世紀初めに、結婚前の男女が一緒にピクニックに行く姿を見て驚いた、と政治学者トクビルが書き留めています。
 やがて、この核家族型の価値観が米国に渡った。そしてハリウッド映画が隆盛期を迎えた1920年代以降、この恋愛結婚イデオロギーが銀幕を通じて世界中に拡散していったのです。ハリウッドが果たした役割はとても大きい。
 日本も戦後、米国に占領されてこの価値観を受け入れました。恋愛結婚至上主義の到来です。問題の根源はここにあります。直系家族型でありながら、形だけは核家族型を導入したことです。
 家族構造こそが社会の価値観を決める、というのがトッドの主張です。社会は一朝一夕には変わらない。かつて恋愛装置でもあった会社もその機能を失いました。装置が不十分なまま、日本は恋愛の自由競争社会に突入したのです。相手が見つからない人が増えたのは当然の結果です。日本や韓国、ドイツなど、少子化しているのは直系家族型の国々です。
 反対に核家族型の国々、たとえばフランスでは社会は何でも男女カップルが前提です。レストランでも独りでは入りにくい。日本には独りで入れる飲食店が山のようにありますが。男女の距離感も違います。触れあったりハグしたりは当たり前。これを日本でやったらセクハラになりますよ。しかも日本のように大事な思春期に男子校、女子校に通学していたら、異性と自然に会話する力も育たない。異性の気を引くことができるのはフレンドリーであること、つまり会話する能力だというのに。
 まずは、男女共学を義務化することだと思います。舞踏会のような出会いの場も必要です。サルサでも盆踊りでもいい。とにかく出会った男女が抱き合って楽しむ場を制度化する。昔の社内運動会で社員がカップルでゴールイン!なんてやっていたのも、ある意味この制度化だったわけですよ。
 いわゆる婚活には致命的な欠陥があります。目的が露骨すぎる。参加しようかなという段階で、すでに心理的なハードルが生まれます。舞踏会だったら「踊るのが楽しいから」って参加できる。人間には口実が必要なんです。
 最小努力で最大利益を得ようと行動するのが人間でもある。放っておいたら、恋愛なんて面倒臭いことはやめて漫画やゲームに没頭するオタクが増えていくでしょう。それが本人にとって幸せなら、誰も何も言えないわけではありますが。
 (聞き手・萩一晶)


鹿島氏によれば、昔(文脈からみて、戦後の核家族型価値観受け入れ後と思われます)の大きな会社は短大卒の女性を採用することで恋愛装置が機能していたが、現在では、「かつて恋愛装置でもあった会社もその機能を失いました」とあります。

なぜ会社がその機能を失ったのか理由が書いていません。今も昔も大会社は女性を採用していますので、変わったのだとすれば、「独身を貫くのは大変」という雰囲気がなくなったからでしょう。

つまり、昔の会社が持っていたのは出会いの場を提供するという「核家族型社会」の恋愛装置ではなく、「直系家族型社会」の結婚圧力だとみるのが自然です。

また、現代の日本は昔と比べ、男女の出会いに不自由があるとは思えません。すくなくとも19世紀のイングランド程度(独身男女がピクニックにいってもとがめられない程度)以上の恋愛装置があります。

むしろ、「フランスでは社会は何でも男女カップルが前提です。レストランでも独りでは入りにくい」という指摘が気になります。日本に恋愛装置がないのではなく、フランスに恋愛圧力があるのが真相ではないでしょうか。

男女共学を義務化するだの、舞踏会を開くだのといった恋愛装置の構築はおそらく無駄です。男子校・女子校に通った人と共学に通った人の結婚率に明白な差異があれば、この意見は撤回しますが、おそらくそのような差異はないでしょう。

婚姻率を上げるには、社会が恋愛(結婚)圧力を高めることしか解決策はありません。しかし、それは私的な生活への過剰な干渉とみなされ、セクハラと受け取られるかもしれません。

鹿島氏自身が認めるように、「それが本人にとって幸せなら、誰も何も言えない」というのが現実です。

【アニメ】2014冬調査(2013/10-12月期、終了アニメ、35+6作品)

アニメ調査室(仮)さんで行っているアンケートに投稿しました。

評価基準は
S : とても良い(第3回より追加)
A : 良い
B : まあ良い
C : 普通
D : やや悪い
E : 悪い
F : 見切り、視聴はしたが中止(または見逃しが多い)
x : 視聴なし、(または視聴中のため評価保留)
z : 視聴不可(わかる範囲で良いです)

次のように評価しました。

01,メガネブ!,F
02,COPPELION,C
03,殺し屋さん,x
04,みにヴぁん,x
05,ぎんぎつね,x
06,境界の彼方,A
07,WHITE ALBUM2,F
08,ガリレイドンナ,D
09,のんのんびより,S
10,京騒戯画 (TV版),x
11,DIABOLIK LOVERS,x
12,踊り子クリノッペ,x
13,てーきゅう 第3期,x
14,てさぐれ! 部活もの,x
15,ダンボール戦機WARS,x
16,義風堂々!!兼続と慶次,x
17,機巧少女は傷つかない,x
18,BLAZBLUE ALTER MEMORY,x
19,夜桜四重奏 ハナノウタ,x
20,声優戦隊ボイストーム7,x
21,ワルキューレ ロマンツェ,C
22,にゅるにゅる!!KAKUSENくん,x
23,リトルバスターズ! Refrain,x
24,アウトブレイク・カンパニー,x
25,忍者ハットリくん (インド版),x
26,世界でいちばん強くなりたい!,F
27,物語シリーズセカンドシーズン,A
28,IS インフィニット・ストラトス 2,x
29,フリージング ヴァイブレーション,C
30,ミス・モノクローム The Animation,x
31,蒼き鋼のアルペジオ アルス・ノヴァ,A
32,革命機ヴァルヴレイヴ 2ndシーズン,D
33,Super Seisyun Brothers 超青春姉弟s,x
34,勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。,x
35,俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している,x
36,ソードアート・オンライン Extra Edition,B
37,ひだまりスケッチ 沙英・ヒロ卒業編,x
38,きょうかいのかなた アイドル裁判!,x
39,はいたい七葉 (2期、AT-X放送分),x
40,蟲師 特別篇,x
41,爆TECH!爆丸ガチ,x

個々の感想はリンク先をご覧ください。


「ソードアート・オンライン Extra Edition」は個別の記事にしませんでしたので、ここに感想を書きます。
総集編とはいえ、新しい絵がふんだんにはいった豪華版でした。第二シーズンの宣伝とつなぎをかねていたようです。
完成度も高く独立した作品としても楽しめました。
第二シーズンが楽しみです。

■見切り作品について
「メガネブ!」 
一話の途中で切りました。あまりにもつまらない...

「WHITE ALBUM2」
三話ほど観ました。女の子が二人とも面倒な性格なのがわかって視聴意欲がそがれました。作品が悪いといっているわけではありません。

「世界でいちばん強くなりたい!」
二話だけ観ました。お色気は嫌いではありませんが、下品なのは嫌いです。これは下品です。

【朝日新聞】ギャンブル依存症の闇(上)パチンコに消えた3000万円

1月8日朝日新聞朝刊。

カジノ解禁の声の高まりに反応してか、ギャンブル依存症の特集記事が載りました。パチンコで3000万円をつぎ込んだ男性(43)を取材しています。男性は20歳で自動車販売会社に就職後、はじめてパチンコ店にはいり数時間で7万円をもうけたことをきっかけにのめり込みました。月給をつかいきり、サラ金に手を出し、同僚から金を盗み、仕事を転々として、ついに自己破産。20年で、パチンコには3000万円をつぎこんだそうです。
後段では、ギャンブル依存症についての専門家の意見、行政の取り組みを紹介しています。

(略)
 「ギャンブルは人を依存状態に陥らせる。意志が弱いと非難するだけでは決して解決しない」。「ギャンブル依存症」の著書がある北海道立精神保健福祉センターの田辺等所長は指摘する。
 ギャンブルへの異常な欲求がわき、人間関係や暮らしに悪影響を及ぼしても自制できない。各地で治療にあたる精神科医は患者の症状をそのように特徴づける。薬物依存と同様の症状だ。
 12年に道立精神保健福祉センターの集団治療に参加した23人のうち、7人が自己退職、5人が離婚、4人が自己破産、4人が家出・失踪していた。借金を重ねて生活基盤を失う人が多く、田辺所長は「無一文になった人の再出発では、就労や治療で法的支援を手厚くしていくべきだ」と提言する。
 ギャンブル依存症者は家族を巻き込む。「本人はギャンブルで地獄を見たと言うが、家族は地獄にいた」。家族を支援する関係者はそうたとえる。
 家族を対象にした自助グループや家族会が各地にあり、ミーティングで苦しみを共有する。大阪市の家族会に参加する60代女性はパチスロにはまった30代の息子の借金や生活破綻に疲れ切った。「何度死のうと思ったかわからない。1人の患者の周辺に何人もの家族や友人が苦しんでいる」
 厚生労働省研究班の調査によると、09年の国内の推定有病率は成人男性が全体の9・6%、成人女性が1・6%。国勢調査から換算すれば、実数にして約560万人に相当する。一方、11年の受診者数は推計500人未満。発症しながら専門的な治療を受けていない膨大な依存症者の層が浮かび上がる。
 厚労省は昨年3月、医療態勢の整備や回復支援など依存症対策の方針を初めて示した。治療する医療機関が不足しており、各都道府県に1カ所以上の治療拠点機関を整備することなどが盛り込まれた。
 「国のギャンブル依存症対策は始まったばかり」(精神・障害保健課)で、新年度から治療の基準づくりに乗り出す。
 (足立耕作)


北海道立精神保健福祉センターの所長のいうように、ギャンブル依存症は「意思が弱い」と非難するだけでは解決はしないように見えます。むろん、「意思が弱い」というのは事実なのかもしれません。非難しても解決しないだろう、という点で同意します。

「(ギャンブル依存症の)推定有病率は成人男性が全体の9・6%、成人女性が1・6%。国勢調査から換算すれば、実数にして約560万人に相当する」というのはにわかに信じられません。ギャンブルをたしなむ男が十人に一人というならわかりますが、依存症が十人に一人などといわれると、依存症をどう定義したのかによると思います。遊興費の範囲内で遊んでいるなら、依存症とは言えないような気がします。

560万人というのは大げさかもしれませんが、ある程度の人間がギャンブルに依存しているのは事実のようです。この状態でカジノ解禁が正しいのかどうかよく考える必要があります。

すくなくとも税収増や観光客増など目先の経済効果だけを目的とした解禁論には賛成できません。法律的にグレーな状態のパチンコを含め整理した形でカジノ解禁を考えるなら理解できます。

なお、警察の見解ではパチンコは賭博(ギャンブル)に入っていないそうですが、こうしたギャンブル依存症という医学的見地からはパチンコは賭博(ギャンブル)扱いされています。警察の見解が詭弁だということがはっきりわかります。

【朝日新聞】命のエゴが生んだ無人兵器

1月7日朝日新聞朝刊オピニオン欄。「過去2014未来 争いだらけの地球」という特集に、漫画家の鬼頭莫宏氏の「命のエゴが生んだ無人兵器」より。なお、鬼頭莫宏氏は漫画「ぼくらの」の作者です。

 現在、戦争の最大の抑止力は「敵味方を問わず人命は尊い」という人道主義ではなく、「他国民の命に関心はないが、自国民の命を失うのは耐え難い」というエゴイズムです。ベトナム戦争以降の米国は、特にその傾向が強い。戦争反対の世論が盛り上がるのは多くの場合、自国の兵士の犠牲者が増えてからです。
 ならば、無人兵器やロボット兵器が発達し、自国民の犠牲なしに機械を使って戦争ができるようになったらどうなるのか。近未来を舞台にした「ぼくらの」という作品では、無人兵器による戦闘を禁じる「天津条約」という国際協定を描きました。「戦争を起こすには、自国民を死の危険にさらす必要がある」という制約を設けないと、戦争のハードルが下がり過ぎると考えたからです。
 「ぼくらの」の連載を始めたのは10年前ですがその後、現実世界では予想を超える早さで無人兵器が発達しました。米国から無線誘導された軍用機が、中東で「テロリスト」とされる人々を攻撃し、誤爆で多くの民間人が殺されている。米国防総省の出資で開発された4足ロボットの動画を見ると、すぐに実戦で使えそうです。「ロボットが人間を襲う」という恐怖が、現実化しつつある。国際条約で無人兵器を実際に制限できるのか、疑問です。戦争とさえ呼べない、いびつな形での殺戮が広がるのではないか。


これには異論があります。

私の知る限り、現在の米国は敵国人でも民間人の人命を無視はしていません。第2次世界大戦中は原爆に代表される無差別攻撃がまかり通っていました。ベトナム戦争の段階では、国内外からの批判を浴びました。その後になると、もはや無差別爆撃ができる雰囲気はなくなっています。

無論、現在の米軍が民間人の殺傷を一切していない、と言っているわけではありません。批判されるべき点は多々あります。しかし、傾向としては、ベトナム戦争以降の米国は、人命にある程度配慮しているように思えます。

また、戦争では自軍の損害をできるかぎり小さくしようというのは、当然のことです。鉄砲、大砲、ミサイルなど飛び道具の発達をみればあきらに、安全な地点から敵を殺傷しようとしています。無人兵器を、味方の損害を小さくするためという目的でとらえるなら、これまでの兵器と質的に異なるものではありません。

無人兵器が戦争のハードルを下げるなら、これまでの兵器の発達も同じようにハードルを下げています。ことさら無人兵器を恐れるのは的外れの感があります。

そうではなく、無人兵器は制御不能に陥る可能性があることが大きな問題なのだと思います。

 問題の根にあるのは、自国民と他国民の生命を完全に分け隔てる思考法です。そもそも、集団を一体的に捉え「この会社は」「この国は」とレッテル貼りするのは、便利だが限界もある。会社も国も個人の集合だし、その意思決定も個人の意思の積み重ねの結果だからです。他国との関係を考える際も集団同士でなく、まずは自分自身と他国の一人ひとりとの関係として捉えるべきです。
 自分が自らの人生の主役であるように、見知らぬ他人もその人の人生の主役。ならば「自分の幸せのために他人の人権を侵さない」というのが最低限のルールです。それぞれがそれを守れば、個人間の争いも戦争もなかなか起きないはずです。
 古今東西の戦争は「人の幸せを踏みにじっても、今以上に自分たちが幸せになりたい」という動機で始まる。先の戦争も、植民地支配で欧米列強に出遅れた日本が「自分たちもおいしい思いをしたい」と始めた。自分たちが主役と思い込み、ハッピーエンドを追求するが、その過程で多くの他人が巻き込まれ不幸になっても「しょせんは脇役」と無関心になる。多くのハリウッド映画や日本の漫画にも共通する感覚です。
 「日本人の自分が家族に注ぐのと同じぐらいの愛情を、他の国の人々も自分の家族に注いでいる」「戦争で土地や財産を奪われたら、その人や家族はどうなるのか」というほんの少しの想像力が欠けていた。そういう人々は「戦争で自分の息子も死ぬかも」という想像力も働かないのでしょう。旧日本軍は多くの人々の人権を侵したと他国から思われている。そんな状況下で安倍晋三首相が靖国神社に参拝すれば、首相自身が人権を侵すことを間接的に肯定したと見られても仕方がない。理性的に考えれば分かるはずなのに、なぜ思考を閉ざしてしまうのか。
(略)
 (聞き手・太田啓之)



こうした平和思想に関しては、言っていることはわからなくも無いですが、現実感を失った考えにしかみえません。人類がみなそうした考えを持っているならば成立するのですが、残念ながら現実は違います。

『古今東西の戦争は「人の幸せを踏みにじっても、今以上に自分たちが幸せになりたい」という動機で始まる』というのも単純化しすぎています。このままでは自分達が不幸せになる、と考えて戦争が起きたこともあります。それも含めてエゴイズムというなら、あまりにも第三者的な立場の傲慢な意見でしかありません。

靖国神社参拝批判は、唐突であり論理が飛躍しすぎて、理解できません。インタビュアーの誘導があったのかもしれません。

※「ぼくらの」はアニメ版は観ています。小説化されたものも読みました。機会がなく原作漫画は読んでいません。

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【テレビ】朝まで生テレビ2014元旦Special!

テレビ朝日で元日(大晦日の夜から朝にかけて)に放送した「朝まで生テレビ」の感想です。

今月のテーマは「激論!中国・韓国、米国とニッポン」でした。


いつもながら、他人の話を聞かずに喋りだそうとするマナーの悪い出演者の一部にはあきれます。今回、特にひどかったのは、ジャーナリストの山際澄夫氏、民主党の辻本清美氏、東海大学の金慶珠氏の三人です。
ただし、これは司会の田原氏の責任でもあります。田原氏の望む方向で喋り始める人は静止しないため、勝手に喋る空気を作り出しています。山際澄夫氏と金慶珠氏は、田原氏の望む方向で発言しないのでとがめられ、呼吸をつかんでいる辻本清美氏は好き勝手に喋っている感じでした。


自民党の武見敬三氏より再三にわたり、“今の若者は右傾化している”という話がありました。他の出演者も否定していなかったところを見ると、共通認識となっているようです。
しかし、この若者右傾化論の根拠は薄弱です。インターネットで右派的言説が多い→インターネットは若者が多く使っている→若者が右傾化している、とう程度のものです。
それどころか、年末に朝日新聞が実施した世論調査では、若者の右傾化論は否定されています。
俗論に寄りかからない議論を望みます。


番組内で、総理の靖国神社参拝への賛否を視聴者に問いました。出演者の想像以上に賛成の割合が多かったのか、「統計的に無意味」「番組を観ている人に限定した意見」といった指摘が出演者からありました。さらに司会の田原氏から、同じ人が何度も投票しているかも、という発言さえありました。
統計的に無意味なのはまったくその通りです。視聴者の熱がわかる程度の意味しかありません。
今回のアンケートは司会の田原氏が番組中に思いついて実行したという、いかにもテレビの生放送的な手法です。しかし、その結果を田原氏が否定しなければならなくなったことに、皮肉を感じます。

【アニメ】物語シリーズ セカンドシーズン


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原作は最新作まですべて読んでいます。アニメ化された先行作品はすべて観ています。

原作がしっかりしているだけあって面白かったです。魅力が十分に伝わってきます。

セカンドシーズンの諸作は一話で完全に完結していません。原作でも引っ張っている謎はいまだ解明されていませんので、アニメでも完結した感がないのは当然です。普通はこういうのは失点なのですが、私自身が原作も追いかけているせいか、欠点には思えません。

強いて、難を挙げれば会話を一部省略したことぐらいでしょうか。

なお、このシリーズのDVDは登場キャラによるオーディオコメンタリーというかなり力の入ったおまけがあります。これも楽しみにしています。

【アニメ】蒼き鋼のアルペジオ アルス・ノヴァ


TVアニメーション『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』第1巻 [Blu-ray]TVアニメーション『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』第1巻 [Blu-ray]
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興津和幸、渕上舞 他

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原作は未見です。

フルCGという冒険が成功しました。キャラクタの動きに不自然さは感じません。艦の描写も重量感に欠けることない動きでした。

戦闘もよく考えられた作戦の読み合いです。根性だの気合だので主人公が勝つ凡百の作品とは違っています。

ただし、骨格となるストーリーに疑問があります。最終的に謎が何も明らかにされなかったことも失点です。これではメンタルモデルの娘たちと、戯れるだけの話になってしまいました。

戦局を一気に覆せる「振動弾頭」を開発できた日本が量産化だけをアメリカ頼り、というも理解に苦しみます。しかも、虎の子の「振動弾頭」を千早群像(主人公)に託して、無事かどうかもわからないアメリカに届けさせるというのは無理があります。可能なかぎり有効利用をはかるのが当然です。

つまり、戦術はよく描かれていますが、戦略が描かれていませんでした。

色々文句は言ったものの、結構楽しんで観ていました。続編があれば観ます。

【朝日新聞】英、福祉受給を制限 出稼ぎ急増に危機感

1月3日朝日新聞朝刊。英国では、ルーマニアやブルガリアからの移民急増を警戒し、福祉の受給制限などの対抗処置に乗り出したことを報じています。

記事は、英国側の見方だけでなく、ルーマニアやブルガリアの反論や、反移民感情から右翼政党が躍進する可能性への指摘など、多方面から取材が行われています。

日本でも移民を歓迎する論調もなくはないので、欧州の状況は他人事ではないと思います。

ルーマニア側の反論を引用します。

(略)
ルーマニアのコルラツェアン外相は「英国で12年に給付金が申請された子ども4万人のうち、ルーマニア人は324人だけ」と数字を挙げ、「福祉タダ乗り」論に反論した。
(略) 
 (ソフィア=喜田尚)


反論になっていません。

給付金申請の実数を比較しても意味がありません。問題にすべきなのは率です。英国に居住するルーマニア人の全人口に対して給付金を申請している率が英国民より同じとか低いとかいうならば反論になります。もちろん、働きに来ている外国人(ルーマニア人)ともともと居住している英国人の給付金申請が同じ率でもおかしい、という議論はあり得ます。

コルラツェアン外相の発言のどこにも(記事のどこにも)、英国内にルーマニア人が何人いるのか書いていません。喜田尚氏も訊いていないようです。実際に英国にルーマニア人がどれほどいるのかに興味があるわけではありません。ルーマニア外相の反論には説得力がないことを指摘しているのみです。また、そのことに思いをいたさない朝日新聞もどうかしていると思います。

【時事問題】猪瀬東京都知事の5000万円問題

昨年の出来事であり、すでに猪瀬氏は辞職と決まったことでもありますので、いまさらここで猪瀬氏の問題を追及することはしません。検察がどういう判断をするかはわかりませんが、当面は静観します。

あえてここで5000万円問題を取り上げるのは、いくつかの週刊誌で、猪瀬氏が都議会で5000万円を模した箱をカバンに入れられなかったことを、小馬鹿にしている記事を読んだからです。

ここで、次のような数学(算数)の問題を仮定します。

長方体が50個あるとします。この50個を組み合わせて一つの長方体をつくります。組み合わせは何通りありますか?

何通りになるか分からなくても、一通りでないことは小学生でも理解できるはずです。

いうまでもなく、50個の長方体の一つ一つが100万円の束を意味します。つまり、都議が持ち込んだ箱の形と、猪瀬氏が入れたと主張する5000万円の塊の形が同じ“縦横高さ”でない可能性があります。

可能性があります、どころか、都議会の実演では入らなかったのですから、形状が違ったのでは、と考えるべきです。その可能性を潰さないかぎり、カバンに入れられない件についての猪瀬氏を責めたり笑ったりするのは間違っています。

反論できなかった猪瀬氏は冷静さを欠いていましたが、これに思い至らないマスコミや識者は、批判という目的のために、まともに思考を働かせていないと思います。

こういうことを書いたからといって、別に猪瀬氏を擁護しているわけではありません。一連の猪瀬氏の行動には私も不信感を持っています。しかし、批判であればなんでもOKというわけにはいきません。
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Author:えいび
日々の出来事、映画やアニメの感想です。

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