【雑記】NHK:技研公開2014

NHK放送技術研究所(世田谷区)で行われている「技研公開2014」に行きました。

年に一度、NHKの研究開発の成果を一般に公開する催しです。今年は特に2020年の東京オリンピックを念頭に置いた展示が目に付きました。

最新の3Dテレビの研究成果には驚きました。眼鏡なしは当然として、横になって見ても立体視できるという、まさにお茶の間向きの3D技術でした。

他にも「触れるテレビ」と称した、触覚に訴える技術も体感してきました。おそらく視覚障害者向けなのだと思います。

展示された技術の中にはなんの役に立つのか想像できないものもありましたが、開発が進むにつれ思いもしない利用法が見つかるのかもしれません。

いろいろ言われることのなるNHKですが、決して侮れない組織だということを痛感しました。

6月1日までです。
スポンサーサイト

【朝日新聞】「豊島区、消滅あり得ない」 研究機関の指摘に区長反論

5月30日朝日新聞朝刊。

 東京都豊島区が消滅するなんてあり得ない――。民間研究機関「日本創成会議」(座長・増田寛也元総務相)から「消滅」の可能性があると指摘された豊島区の高野之夫区長が29日、定例会見で反論した。「(指摘を)真摯に受け止める」とも語り、女性の意見を聞きながら指摘を街づくりに生かすという。

 日本創成会議は、2040年の豊島区の若年女性(20~39歳)人口が約2万5千人と10年よりも50・8%減り、東京23区で唯一、いずれ消滅する可能性があると指摘した。国立社会保障・人口問題研究所によると、進学や就職で転入してくる若年層の割合が多いため、今後さらに少子化が進むと転入者が大きく減るのが要因という。
 この指摘に、高野区長は「なぜ豊島区が、と大変驚いた」。不動産情報会社の「住みたい街ランキング」で今年、池袋が3位になるなど、イメージが上がっていた矢先だっただけに、区民からは「せっかく評判がよくなってきたのに」などの意見が約20件寄せられたという。このため、16日に緊急対策本部を設け、試算の分析や風評被害対策などを進めた。
 高野区長は、若年女性人口が4万5667人(4月1日時点)で昨年より28人増加した▽未就学児の人口が最低だった06年より約2500人増えて1万2千人(1月1日時点)になったことを挙げ、「消滅の心配はない」と強調した。
 一方で、試算は「読めば読むほど、まじめな調査だった」(企画課)として、夏にも区内の女性の意見を聞くための会議を設け、子育て支援策に反映する。また、他の「消滅自治体」と連携して中長期的な対策を検討するという。(田中聡子)


地方の市町村だと、人口減によって「消滅」することはあり得そうです。人口が減ると、その地域で就労することが難しくなり、転落するように「消滅」してしまうかもしれません。

しかし、豊島区の場合は事情が違うように思います。別に豊島区で働かなくたって電車でよそに働きにいくことはできます。おそらく現在でもそういう人は少なからずいるはずです。

若い女性の人口が減り(つまり豊島区での出産が減り)、少子化のせいで転入者が減るというのは分かりますが、その結果として豊島区の住宅価格が下落するはずです。これが呼び水となって転入者が増加に転じるのではないでしょうか。

日本創成会議のホームページを見ましたが、報告書の全文は見つけられませんでした。どこまで計算に入れているのかわかりませんが、直感的には納得できません。

また、こうした人口減少への対策として、おうおうにして「女性の意見を聞くための会議を設け、子育て支援策に反映」といったことを打ち出すのも釈然としません。人口増加策であるなら、若年層の賃金上昇の方法を考えるとか、廉価な住宅を供給するとか、いくらでもあります。しかし、現在結婚している女性(特に働いている女性)への優遇策だけが議論になるのは胡散臭いといわざるを得ません。

政策として必要であれば働く女性を支援してもよいのですが、冷静に考え抜かれた政策ではなく、人口減の問題を予算獲得運動に利用しているように見えなくもありません。

【本】眠れなくなるほど面白いヒトラーの真実

日本文芸社
ライティング:野村昌隆、ドイツ近現代史研究会

新聞記事で知った本です。ここです。発禁みたいな扱いを受けたとのことなので興味を覚えて読んでみました。

内容は、ヒトラーのナチス政権がドイツ国民に対してなした良い面を取り上げたものです。決して、力で弾圧をしたのではなく、支持を集める政策を実行していたのだと説いています。

前文から引用します。

「20世紀は戦いの世紀」という言葉があります。
(略)
そんな歴史のなかで、現在でも悪の象徴のように語られがちなのが、アドルフ・ヒトラーと彼が築いたナチス・ドイツです。ヒトラーとナチスは、とくにユダヤ人問題で残虐なことを行ったことで知られ、戦後にヒトラーとその統治時代のドイツは、ほぼ全否定されてきました。
もちろん、そうした行為を擁護、肯定することはできません。しかし物事には良い面と悪い面があるのも事実です。とくに現代人が過去の歴史を振り返るときは、状況をフェアに見たいものです。
そうした観点から、本書は世の中で触れられる機会が少ない、ヒトラーやナチスのプラスになり得る点を紹介していきます。


私もナチスドイツについて詳しいわけではないので、本書で初めて知った事実は多いです。その意味では、目的を果たしているといえます。しかし、ポーランド侵攻に関して(P41)

ポーランドへの侵攻を決定したとき、ヒトラーはイギリスからの宣戦はないと考えていました。そしてヒトラー自身もイギリスとは戦うつもりはなく、むしろ共産主義のソ連と対抗するうえで、同盟を結べると考えていたほどでした。


との説明は間違っていると思います。ポーランド侵攻は独ソが同盟を結んでいた時期に行われ、ソ連もいっしょになってポーランドを攻めています。このタイミングでヒトラーがソ連に対抗してイギリスと同盟を考えていたというのは、あり得ないと思います。

本書には、ナチスがどういう経緯で政権を握り、第2次世界大戦でどこと戦いどう敗北したか、といった基本的な説明はありません。また、個々の政策ごとに説明をしているため、全体の流れ(時系列)がつかめません。様々な側面から事象を描くといった学問的な記述ではなく、気軽に読める雑学ネタのスタイルです。

基本は、ドイツの政権がドイツ人に喜ばれる政策をした、という主張です。良書だとも思えませんが、どこの部分で抗議を受けたのか理解できません。この内容で販売不可に追い込まれるという風潮に違和感を覚えます。

【朝日新聞】社説:欧州議会選挙―垣根なくす永遠の試み

5月28日朝日新聞社説は、欧州議会選挙で反ユーロを訴える政党が躍進したことを論じています。

 人も、モノも、カネも、文化も自由に行き交う。グローバル化は止めようのない世界の潮流であり、国境という垣根はますます意味を持たなくなる。
 その現実にどう向き合うか。国を開くことが生む国民の不安をどうときほぐすか。それは、いまのどの国の政治にも通じる避けようのない難題である。
 欧州議会の選挙で、「反統合」「反ユーロ」を訴える政党が躍進した。全751議席のうち3割近い議席を得た。
 欧州は、国境をなくす最先端の実験に取り組んでいる。だが今回の選挙結果は、欧州社会にいまも根強くのこる抵抗感を映し出している。
 統合をめざす道のりに終わりはないかもしれない。どんな壁にぶつかろうとも、自由と平等の価値をもって垣根をなくす努力を滞らせてはならない。
 欧州議会は、EUと呼ばれる欧州連合の立法機関である。加盟28カ国の有権者が直接選ぶ。
 今回の選挙でただちに統合が頓挫するわけではない。だが、気になるのは、反EU派の多くが移民の排斥を掲げ、国粋的な主張を強めていることだ。欧州各国の主要政党にも、その勢いに便乗し、主張を取り込もうとする動きがでている。
 長引く不況と失業、福祉カット。緊縮財政を各国に課すEUへの風当たりは強い。移民に対しては、雇用を奪い、福祉を食い物にしている、との批判がぶつけられている。
 国民感情が経済に影響されるのは世の常だ。むしろ事態を悪化させているのは、真の問題のありかを率直に説かず、ナショナリズムに訴える政治手法だ。
 景気、金融、環境、移民、どの問題も一国で対応できる構造ではない。だが、政治家たちは「EUが国の権限を奪ったからだ」と弁明してきた。
 再び国境の垣根を高くすれば問題は解決するかのような幻想をふりまいた責任は重い。
 EUは改めて、なぜ国の間の壁をなくすことが利益をもたらすかを説き、自らの改革にも取り組まねばならない。市民の多様な意見に目配りして納得を得る仕組みを整える必要がある。
 暮らしを左右する政策が、自分とは縁遠い政党や官僚らに決められている。そんな思いが政治への怒りやあきらめとなって投票率を下げたり、過激な主張になびいて留飲を下げたりする現象は世界各地にある。
 日本もひとごとではない。世界の現実と地続きにある日本の数々の問題を冷静に説き、そして国を開く賢い処方を多角的に論じる。そんな政治が欲しい。


私はヨーロッパの人間ではないので、EUに賛成でも反対でもありません。それでも、この朝日の社説の言い分には首を傾げます。

朝日がEU統合に賛成するのは構いませんが、なぜ賛成なのか明確な説明がありません。せいぜい「人も、モノも、カネも、文化も自由に行き交う。グローバル化は止めようのない世界の潮流であり、国境という垣根はますます意味を持たなくなる」という一文くらいです。グローバル化に反対して止めようとしている人に向かって、「止めようのない世界の潮流」などと言っても説得力皆無です。一方で反EU派の言い分は具体的です。移民が来れば、職を奪い合うライバルが増えるので雇用が奪われる、という主張は筋が通っています。

また、3割近くの議席を得たということはそれなりに支持されていることを意味します。反EU政党に投票した有権者をあたかも無知蒙昧な差別主義者であるかのごとく切り捨てるのは、民主主義の本旨にそむきます。

そもそも、移民反対が、外国人差別であり過激な排外思想だという前提から疑う必要があります。むしろ移民賛成派の中に、外国人を低賃金でこきつかいたいという差別思想の持ち主が交じっているのではないかとさえ思います。

【世論調査】朝日新聞社世論調査 5月26日

5月26日朝日新聞朝刊で世論調査の結果が発表されました。

(数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。◆は全員への質問。◇は枝分かれ質問で該当する回答者の中での比率。〈 〉内の数字は全体に対する比率。丸カッコ内の数字は4月19、20日の調査結果)

◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
 支持する  49(48)
 支持しない 30(29)

◇それはどうしてですか。(選択肢から一つ選ぶ=択一。左は「支持する」49%、右は「支持しない」30%の理由)
 首相が安倍さん   9〈4〉   7〈2〉
 自民党中心の内閣 21〈10〉 21〈6〉
 政策の面     46〈22〉 62〈19〉
 なんとなく    22〈11〉  9〈3〉

◆いま、どの政党を支持していますか。
自民37(32)
民主5(6)
維新1(1)
公明3(3)
みんな0(0)
結いの党0(0)
共産2(2)
生活0(0)
社民1(0)
新党大地0(0)
新党改革0(0)
その他の政党1(0)
支持政党なし44(48)
答えない・分からない6(8)

◆集団的自衛権についてうかがいます。集団的自衛権とは、アメリカのような同盟国が攻撃された時に、日本が攻撃されていなくても、日本への攻撃とみなして、一緒に戦う権利のことです。これまで政府は憲法上、集団的自衛権を使うことはできないと解釈してきました。憲法の解釈を変えて、集団的自衛権を使えるようにすることに、賛成ですか。反対ですか。
 賛成 29(27)
 反対 55(56)

◆安倍首相は、国会の議論や国民の賛成を経て、憲法を改正するのではなく、内閣の判断で、政府の憲法の解釈を変えて、集団的自衛権を使えるようにしようとしています。こうした安倍首相の進め方は適切だと思いますか。適切ではないと思いますか。
 適切だ 18
 適切ではない 67

◆もし日本が集団的自衛権を使えるようになったら、抑止力が高まり、周辺の国と紛争が起こりにくくなる、という意見があります。一方、周辺の国と緊張が高まり、紛争が起こりやすくなる、という指摘もあります。集団的自衛権を使えるようになったら、紛争が起こりにくくなると思いますか。紛争が起こりやすくなると思いますか。
 紛争が起こりにくくなる 23
 紛争が起こりやすくなる 50

◆もし日本が集団的自衛権を使えるようになったら、アメリカなど同盟国の戦争に日本が巻き込まれる可能性が高まると思いますか。そうは思いませんか。
 巻き込まれる可能性が高まる 75
 そうは思わない       15

◆外交についてうかがいます。安倍首相は中国や韓国との関係改善に、積極的に取り組んでいると思いますか。そうは思いませんか。
 積極的に取り組んでいる 28
 そうは思わない     55

◆自民党に対抗できる政党は必要だと思いますか。必要ないと思いますか。
 必要だ 79
 必要ない 12

◆自民党に対抗できる政党として、どの政党に期待しますか。

民主17
維新5
公明4
みんな1
結いの党0
共産3
生活0
社民0
新党大地0
新党改革0
その他の政党1
特にない52
答えない・分からない17

◆いま停止している原子力発電所の運転を再開することに賛成ですか。反対ですか。
 賛成 28
 反対 59

◆サッカーでは世界最大の大会であるワールドカップが来月、ブラジルで開催されます。このワールドカップに関心がありますか。関心はありませんか。
 関心がある 62
 関心はない 35

◆前回の南アフリカ大会では、日本チームは1次リーグを突破して、ベスト16まで進みました。今回のブラジル大会では、日本チームはどこまで勝ち進むと思いますか。(択一)
 前回と同じベスト16まで  33
 前回より上のベスト8以上  40
 前回より下の1次リーグ敗退 15

◆日本チームは、ヨーロッパや南米の強豪国のチームの実力に近づいていると思いますか。そうは思いませんか。
 強豪国のチームの実力に近づいている 67
 そうは思わない           20

◆日本選手の中で、ワールドカップで活躍してほしい選手は誰ですか。1人だけ名前を挙げてください。(自由回答。1%に満たない名前は省略)
本田圭佑20
香川真司12
長友佑都9
大久保嘉人7
遠藤保仁3
岡崎慎司3
長谷部誠2
青山敏弘1
内田篤人1
大迫勇也1
柿谷曜一朗1
川島永嗣1

 ◆調査方法 24、25の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、全国の有権者を対象に調査した(福島県の一部を除く)。世帯用と判明した番号は3728件、有効回答は1657人。回答率44%。


この調査が私のところに来たと想定して回答してみます。

◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。

支持します。

◇それはどうしてですか。

「首相が安倍さん」だからです。

◆いま、どの政党を支持していますか。

支持政党はありません。
私が注目している社民が1%に復活しました。なんといっても老舗ですので、このまま消滅はしそうにありません。

◆集団的自衛権についてうかがいます。集団的自衛権とは、アメリカのような同盟国が攻撃された時に、日本が攻撃されていなくても、日本への攻撃とみなして、一緒に戦う権利のことです。これまで政府は憲法上、集団的自衛権を使うことはできないと解釈してきました。憲法の解釈を変えて、集団的自衛権を使えるようにすることに、賛成ですか。反対ですか。

◆安倍首相は、国会の議論や国民の賛成を経て、憲法を改正するのではなく、内閣の判断で、政府の憲法の解釈を変えて、集団的自衛権を使えるようにしようとしています。こうした安倍首相の進め方は適切だと思いますか。適切ではないと思いますか。

集団的自衛権を行使できるようにすることには賛成です。しかし積み重ねてきた憲法解釈を一内閣の判断で変更することには危惧をおぼえます。
上記の二問は、両方とも憲法解釈変更による集団的自衛権への賛否を問いています。世論を明確に調査するのであれば、集団的自衛権そのものへの賛否を問い、さらに賛成と答えた人たちに解釈変更でいいのか改憲をするべきなのかを問いかけるべきです。

◆もし日本が集団的自衛権を使えるようになったら、抑止力が高まり、周辺の国と紛争が起こりにくくなる、という意見があります。一方、周辺の国と緊張が高まり、紛争が起こりやすくなる、という指摘もあります。集団的自衛権を使えるようになったら、紛争が起こりにくくなると思いますか。紛争が起こりやすくなると思いますか。

起こりにくくなると思います。集団的自衛権はこちらから戦争を仕掛けるという意味ではありませんし、日本が集団的自衛権を行使できるようになったという理由で戦争を仕掛けてくる国もないでしょう。常識的に考えて紛争は起こりにくくなります。

◆もし日本が集団的自衛権を使えるようになったら、アメリカなど同盟国の戦争に日本が巻き込まれる可能性が高まると思いますか。そうは思いませんか。

巻き込まれる可能性は高まると思います。
反対派がこのことを心配しているのは理解できます。しかし、集団的自衛権はアメリカが戦争を始めたら自動的に日本が参戦するというものではありません。正義があると思えない戦争だったら参戦しないと発言する責任が日本政府にあります。憲法を隠れ蓑にすることはできなくなりますが、それは自立した国家としては当然のことだと思います。

◆外交についてうかがいます。安倍首相は中国や韓国との関係改善に、積極的に取り組んでいると思いますか。そうは思いませんか。

取り組んでいるとは思いません。
この設問の前に「安倍首相は中国と韓国との関係改善に、積極的に取り組む必要があると思いますか。そうは思いませんか。」という設問を入れてクロス集計をすべきです。単独では意味の薄い設問にしかなりません。
私の意見は、関係改善には反対していません。しかし、今は冷却期間を置いて気長にあたるべきだと思いますので、積極的にみえない安倍首相の姿勢をよしとします。

◆自民党に対抗できる政党は必要だと思いますか。必要ないと思いますか。

必要です。

◆自民党に対抗できる政党として、どの政党に期待しますか。

現実的には民主党しかないと思います。
自民党と連立を組んでいる公明党を挙げるのは、意味がわかりません。公明党の熱心な支持者は、なんでもかんでも公明党がいいのでしょうか。
民主党が支持率より多くの期待を集めているのは理解できます。野党第一党の強みですね。
支持率は1%あるのに期待が0%の社民党が哀れでなりません。支持しているけど(=応援はしているけど)、期待はしない(=どうせ駄目だろう)、ということでしょうか。なんだか出来の悪い子供を持った親の心境みたいです。

◆いま停止している原子力発電所の運転を再開することに賛成ですか。反対ですか。

賛成です。

◆サッカーでは世界最大の大会であるワールドカップが来月、ブラジルで開催されます。このワールドカップに関心がありますか。関心はありませんか。

関心ありません。

◆前回の南アフリカ大会では、日本チームは1次リーグを突破して、ベスト16まで進みました。今回のブラジル大会では、日本チームはどこまで勝ち進むと思いますか。(択一)

なんとも思いません。
予測だか願望だかはっきりしない設問になんの意味があるのかも分かりません。

◆日本チームは、ヨーロッパや南米の強豪国のチームの実力に近づいていると思いますか。そうは思いませんか。

知りません。

◆日本選手の中で、ワールドカップで活躍してほしい選手は誰ですか。1人だけ名前を挙げてください。

選手の名前を知りません。

【映画】マンデラ 自由への長い道


ポスター A4 パターンA マンデラ 自由への長い道 光沢プリントポスター A4 パターンA マンデラ 自由への長い道 光沢プリント
()
写真フォトスタンド APOLLO

商品詳細を見る

主演:イドリス・エルバ

ネルソン・マンデラの生涯を描いた映画です。実在の人物を映画の題材にする場合は、えてして事実関係を歪曲したりフィクションを付け加えたりということがありますが、この映画の場合は自伝をもとにしているので、その心配はありません。

決して感動を押し付けることなく、必要以上に美化することなく、淡々と描いています。それだけに、マンデラの非暴力を訴える演説が映画のクライマックスは切々とした感動を生みます。

長時間の映画でしたが、だれることなく観られました。良作です。

【映画】オランダの光


オランダの光 [DVD]オランダの光 [DVD]
(2005/07/08)
ジャームズ・タレル

商品詳細を見る

2003年、オランダ

損保ジャパン東郷青児美術館「オランダ・ハーグ派展」の特別企画で、映画「オランダの光」の上映会に参加しました。無料です。「オランダ・ハーグ派展」の半券もいりません。誰でも自由に入れます。

場所は、美術館のあるビル(損保ジャパン本社ビル)の2Fです。映画専用の施設ではなく、講演会を開くような部屋での上映です。完全に暗くならないし、音響はあまりよくないし、と劣悪な環境でした。

映画の内容は、絵画論だとばかり思っていましたが、題名どおり「オランダの光」についてのドキュメンタリーです。芸術関係についても触れていますが、絵画だけが興味の対象ではないようです。

学者やら芸術家やらが「オランダの光」について語る合間に、美しい風景の映像が挟み込まれます。なんだか環境ビデオを見せられているようで、睡魔に襲われました。現地で「オランダの光」を直接見れば納得のいく話なのかもしれませんが、映像を通してですので説得力が大幅ダウンです。

タダで観たので文句は言えないですが、絵画論を期待していただけに肩透かしでした。


【朝日新聞】社説:裁判員制度5年 社会で経験蓄え育てよう

5月23日、朝日新聞の社説。

 すでに約5万人が担い、6千人以上に判決を言い渡した。
 くじで選ばれた市民6人が、裁判官3人と刑事事件を裁く裁判員制度が始まって5年たつ。
(略)
 さらに実のあるものにするための課題は少なくない。
 まず見直すべきは、裁判員裁判の対象の狭さだろう。
 殺人、強盗致死など重大事件に限られ、公判になる事件の2%にとどまる。大方は被告が罪を認めた事件で、裁判員が悩むのはもっぱら刑の重さだった。
 刑事裁判は有罪率が100%近く、検察が主張する有罪を確認する場だと指摘されてきた。それをふまえれば、有罪か無罪かの判断にこそ市民の目を生かすべきではないか。
 厚生労働省の村木厚子さんが巻き込まれた郵便不正事件、警察が捏造した鹿児島県議選事件、痴漢の誤認などをみても、冤罪のリスクは重大事件だけでなく身近な事件にもある。
 被告が起訴内容を争っている事件には裁判員が関与できるよう、対象を広げるときだ。
 死刑の選択に市民が直接向き合うようになったのも、裁判員制度がもたらした変化である。
 ことし3月末までに裁判員裁判で28件の死刑の求刑があり、21件で死刑、6件で無期懲役刑、1件で無罪の判決が出た。
 死刑判決のうち3件は、控訴審で無期に減刑された。
 誤判のおそれは常にある。死刑は執行したら取り返しがつかない。その決定の手続きには一点の疑いもあるべきではない。
 しかし、いまの評決ルールは多数決だ。多数意見に1人以上の裁判官が入る必要があるものの、5対4でも死刑は決められる。慎重な上にも慎重なルールとは言いがたい。
 死刑を続ける先進国は、日本以外には米国の一部の州があるだけだが、米国でも近年、死刑の選択はほかの手続きより厳格なものに改めてきた。
 日本弁護士連合会は、死刑評決は全員一致にすべきだと唱える。議論が尽くされたといえない点であり、再検討を要する。
(略)
 最高裁が毎年行う世論調査で「裁判に参加したい・してもよい」と答えた人は09年度の19%から昨年度は14%まで落ちた。
 候補になったが辞退する率は、09年の53%から昨年の63%へと増えている。
 制度が定着とは逆行しているように見えるのはなぜか。
 「裁判員の経験を社会で共有できていないことが妨げとなっている」。この制度と社会のかかわりをみてきた飯考行・専修大学准教授はそう語る。
 打開策の一つは、生涯課される守秘義務の見直しだ。裁判員法は評議の大まかな流れや判決に対する意見を述べることを禁じており、経験を話題にすることさえ、ためらわせがちだ。
(略)


裁判員制度を導入した目的は、「国民の皆さんの視点,感覚が,裁判の内容に反映されること」と「裁判が身近になり,国民の皆さんの司法に対する理解と信頼が深まること」、「そして,国民の皆さんが,自分を取り巻く社会について考えることにつながり,より良い社会への第一歩となること」です。(法務省のホームページより)

したがって裁判員制度を検証するのであれば、これらの目的が達成されているかということと、この制度によって弊害が発生していないかが論点になります。その意味でこの社説には疑問があります。

社説は冤罪防止のために裁判員制度による裁判の対象拡張を求めていますが、冤罪防止は裁判員制度の目的ではありません。それに、市民裁判員による裁判にすると何故冤罪が防げるのか理由が示されていません。普通に考えて素人が判断したら冤罪が増える恐れがあります。冤罪を防ぐことは誰もが賛成することですが、裁判員制度にそれを求めるのはピントはずれです。

また、死刑判決をできるだけ少なくする目的で裁判員制度の改正を求めていますが、これは筋が違います。死刑廃止を訴えるのであれば、死刑の替わりの刑罰をこれこれにすべき、という提案をして進めるべきです。裁判員の心理的負担を高めるという姑息な手段によってなすべきことではありません。

守秘義務が厳しすぎるというのは、裁判員制度の本来の目的の一つ(「裁判が身近になり,国民の皆さんの司法に対する理解と信頼が深まること」)に抵触するので見直しが必要だ、という指摘には的確だと思います。誰にも話せないなら裁判は身近にはなりませんし、司法の理解は深まりません。

また、社説で言及がありませんが、裁判員制度によってそれまでの裁判と比べ量刑に統計的に有意な違いが出ているのかも知りたいところです。仮に裁判員制度で量刑に違いがないのであれば、何らかの理由で市民感覚が裁判に反映していないのか、そもそも市民はプロの裁判官と同じ感覚だったということになります。違いがあるのなら、どういう罪で重くなったのか、あるいは軽くなったのかというのが次の関心事となります。

【本】カジノ解禁が日本を亡ぼす


カジノ解禁が日本を亡ぼす(祥伝社新書255)カジノ解禁が日本を亡ぼす(祥伝社新書255)
(2011/11/01)
若宮 健

商品詳細を見る

著:若宮健

この著者の本は、「なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか」を読んでいます。感想はここです。

本書の主旨は書名からも明確です。カジノに反対しています。反対の理由は、ギャンブル依存症患者が増加することです。また日本は競馬・競輪をはじめパチンコのためにすでにギャンブル大国となっているとの指摘もあります。税収を上げたいからカジノ解禁をするなら、パチンコに課税すべしというのが著者の意見です。

「なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか」に散見された論理性のなさが本書にもあらわれています。

カジノの弊害を取材するために、韓国・マカオに訪れています。特に、韓国の自国民向けのカジノ(江原ランド)には熱心にレポートをしています。これだけ読むとカジノ反対というのは分かりますが、カジノは世界中にあります。他の国のカジノでも自国民にギャンブル依存者が増えているかどうか言及はありません。現に、ラスベガス在住の日本人の報告などを見れば、それなりに楽しんでいる様子がうかがわれます。つまりカジノそのものに問題があるのではなく、運用システムの違いかなにかのせいで善男善女を破滅させたり、ひとときの娯楽提供になったりするのでは、と想像できます。

カジノは亡国への道という本書の論理は飛躍を感じます。

また、著者はギャンブルの規模を示すのに売上を使っています。マカオが1兆9000億円、ラスベガスが4600億円、日本のパチンコ業界が19兆3800億円、という具合です。

もちろんギャンブルも産業ですから売上で規模を語るのは間違いとはいえません。しかし、ギャンブルでは客は儲けたお金を再度つぎ込みむという特性があります。庶民が額に汗して稼いだ虎の子をどれだけ巻き上げたか、という論点で語るのであれば売上は正しい指標ではありません。利益に注目すべきだと思います。

なお、私はカジノについての賛否はまだ決めかねています。解禁されても自発的に遊びにいくことはないと思いますが、誘われたら話のタネにいくかもしれないという程度です。


【時事問題】東宝株主総会

本日(5月22日)、有楽町マリオンで行われた、東宝(#9602)の株主総会に行きました。

■質疑応答
Q:映画館での広告が長い。もっと短くできないか?
A:規定でCM6分、予告10分を超えないようにしている。内容は充実させるよう努力する。
Q:東宝不動産の子会社化で「負ののれん」はどのくらい?
A:発生していません。
Q:映画館で車椅子の場所は前の方だけしかない。後ろに移動しようとして係の人に頼んだら手伝ってくれなかった。まわりのお客が手伝ってくれた。
A:申し訳ありません。指導が行き届いていなかったようです。
Q:若手アニメターの労働環境は苛酷だ。人材がゲーム業界に流出していると聞く。問題のある下請けに発注するのをやめて、チェックする体制をつくれ
A:問題があることは認識している。しかし直接下請けを管理するのではなく、東宝としては元受を管理することで対応したい。
Q:「弱虫ペダル」のミュージカルの席がとれない。
A:おかげさまで全席完売です。アニメコンテンツについては幅広い活用を模索します。
Q:具体的な数値目標・達成すべき期日が示されていない。報告書もグラフを併用してわかりやすく努めるべき。
A:この業界はリスクが大きく、変動が激しい。数値目標を掲げるのは無理。そんななかで精一杯営業利益をだすように努力しています。
Q:映画館の予告でかかっている映画と違うジャンルのものがあってよくない。
A:アンケートを見ると予告を観て、来館する人が一番多いので予告は重要。適切な予告を流せるように善処する。
Q:上映前の、映画泥棒のCMは無駄では。ずっと同じものを流している。
A:あのCMは効果があった。業界団体で取り組んでいるので東宝だけで勝手に止められない。
Q:ロビーのパンフレット置き場に、現在上映中のパンフレットを置いてほしい。
A:少数だがおいてある。すぐになくなってしまうのかもしれない。無い場合はスタッフに言って欲しい。貴重な意見として承りました。

■お土産内容
・邦画鑑賞券2枚
「名探偵コナン 異次元の狙撃手」「テルマエ・ロマエⅡ」「悪夢ちゃんThe夢ovie」「WOOD JOB!-神去なあなあ日常-」「青天の霹靂」「万能鑑定士Q-モナ・リザの瞳-」「春を背負って」の中から2本選べます。
使える映画館は、TOHOシネマズ日劇、TOHOシネマズ有楽町、TOHOシネマズ日本橋、TOHOシネマズ西新井、TOHOシネマズ市川コルトンプラザ、TOHOシネマズ上大岡。
・ドリンク一杯
お土産は、入場時にもらえました。

【朝日新聞】思想の地層:改憲問題 国民の期待、読み誤るな

5月20日朝日新聞夕刊の文化欄、「思想の地層」のコーナー。慶応大学教授・小熊英二氏の「国民の期待、読み誤るな」で、国民が自民党に期待しているのは経済の問題であり、憲法問題にかまけていると、「自民党の、そして日本の未来は危うい」と断じています。

ここでは、小熊氏の自民党が勝利した理由の分析について取り上げます。

(略)
 この後の総選挙で、自民党は大勝した。だが自民党の党員数は、1991年のピーク時には547万人だったが、昨年末の速報値では78万人とされる減り方だ。業界団体や町内会、商店会といった支持基盤が衰えたからだ。総選挙の小選挙区得票数も、05年の3252万が09年に2730万、12年に2564万と減少傾向である。
 それでも自民党が勝てたのは、改憲案が周知されたからではない。勝てた理由は主に三つある。第一に他党が弱く、かつ分裂していたこと。第二に投票率が低く、少ない得票でも相対多数で当選できたこと。第三に公明党の協力で、各選挙区で票が上積みされていたことである。上記の三要件のどれか、例えば公明党の協力が欠ければ、次回選挙で落選する議員は少なくないだろう。
(略) 


小熊氏のあげた第一の理由は同意できます。自民党が強かったというより野党の民主党が弱かったというのは正しいと思います。

第二の理由は理解できません。投票率が低くて少ない得票で当選できるのは自民党候補に限りません。組織票の強い政党は高投票率で不利といわれていますが、郵政解散時の例をみても自民党は必ずしも高投票率で苦戦する政党ではありません。

第三の理由は私には判じかねます。私は、選挙のたびに会社の先輩(最寄り駅が同じ)に公明党への投票を頼まれます。しかし、一度も自民党候補への投票を頼まれたことはありません。公明党and創価学会は公明党候補のいない選挙区で自民党を応援する方針なのでしょうが、末端まで完全に行き渡っていないように見受けられます。公明党の協力票が実際にどれほどあるのかはなはだ疑問です。

自民党や安倍内閣への支持が積極的なものではなく、消極的な支持であるとの見解には同意します。次の衆院選挙で政権交代が起きても決して不思議ではないと思います。


【朝日新聞】いちからわかる!:外食店や建設業で人手が足りないの?

朝日新聞朝刊の「いちからわかる!」のコーナー。このコーナーはニュースで取り上げられているテーマをQA形式で掘り下げて解説するものです。簡単な漢字にもルビを振っているところから、子供が読むことも想定している模様です。
5月19日の「いちからわかる!」は「外食店や建設業で人手が足りないの?」です。

 アウルさん: いろんな職場で人手が足りなくなっているって聞いたわよ。
 A: 牛丼チェーンの「すき家」が一部の店で一時休業したり、深夜や早朝の営業をやめたりして話題になったね。製造業などモノ作りの現場でも深刻だよ。
 ア: どうしてなの?
 A: 景気が上向き、企業の経済活動が活発になった。少子高齢化で、働き手が減っていることも影響している。建設業は、不況が長引いて働く人が減ったところに、震災復興の工事や景気対策による公共事業が増え、資格や技術を持つ人材が足りなくなった。外食や小売りは人材の奪い合いになり、働く条件で人が集まりにくくなっている。
 ア: でも、働きたい人は大勢いるんじゃないの?
 A: 仕事を探す人1人に対し、何人分の仕事があるかを示す有効求人倍率は、この3月は1・07倍。数字上は、仕事を選ばなければみんなが職に就ける。ただ実際には、働きたい仕事と企業の求人のズレが大きいんだ。建築や土木、接客や介護などは人が足りなくて困っているけど、多くの人が希望する一般事務はとても少ない。さらに求人の中身は、契約社員やパートなど非正社員が中心なんだ。
 ア: 対策はしているの?
 A: パートやアルバイトの処遇を改善している。人材サービスのインテリジェンス(東京)によると、3月のアルバイトの平均時給は979円。7カ月続けて前年を上回った。非正社員を働く地域などを限って正社員にする動きもあるよ。
 ア: このまま人手不足が続くと、どうなるの。
 A: 工事や仕事を企業が請け負えず、景気回復の足かせになる心配がある。外国人労働者の活用のほか、女性や高齢者が働きやすい環境を整えないとね。パートやバイトを大量に使う企業は、より働きやすい職場にするように工夫する必要も出てくるよ。
 (佐藤秀男)


補足として有効求人倍率の変化をあらわしたグラフと、すき家・ワタミ・セブンイレブン・ユニクロ・餃子の王将のそれぞれの人手確保策が載っています。

前提として、外食であるとか建設業といった業界そのものの危機と、個々の企業のピンチは分けて考えるべきです。たとえば日本の建設会社がすべてなくなったら社会問題になります。一方、個々の企業が倒産するのは経営者や株主や社員にとっては大問題でしょうが、社会一般の問題ではありません。むしろ、社会に適合できない企業が去ることは資本主義の長所です。この記事では、業界の危機と個々の企業の危機とを分けていません。

次に、「外国人労働者の活用のほか、女性や高齢者が働きやすい環境を整えないとね」についてです。

オリンピック建設など年次が決まったことに対する外国人労働者の活用というのは、議論の余地はあります。しかし、介護などのように終わりが見えないものに対して外国人を使うと、結局永遠に外国人労働者に頼らざるを得なくなります。給料も需要と供給のバランスという大原則で決まりますので、外国人労働者の増加は、労働市場への供給の増加となり、必然的に労働者の給料引き下げにつながります。給料が下がればいよいよ日本人はその職に就かなくなります。外国人労働者の活用は、社会から退場すべき悪しき企業の延命措置であるばかりか、社会にいびつな民族格差を生み出します。

女性の活用はそれ自体結構なことです。しかし、一般に女性の活用というのは、フルタイムで働いている女性が出産育児で仕事を離れることでキャリアを失うことをどう避けるか、という問題で、保育所の増設とか職場の制度整備が中心の議題です。女性を活用しても、建設業の現場で働くことや外食の深夜勤務をすることは考えられません。ここでの議論とは別の問題です。

アルバイトの平均時給がどんどん上昇しているというたいへんに結構な報告をしながら、それを疎外する外国人労働者な活用や、まったく無関係な女性の労働環境改善を訴えるのは解しかねます。

余談ですが、「アウル(梟)」は西洋の文化では知恵のあるものとみなされます。なぜか、このコーナーの「アウルさん」は質問を投げかける方です。答える方を「アウルさん」にした方がおさまりがいいように思いますが・・・・・・。

【朝日新聞】アフリカの女性は強くなったけど

5月18日朝日新聞朝刊。政治部次長・秋山訓子氏の「アフリカの女性は強くなったけど」です。

 国際協力機構(JICA)の相川次郎さん(45)は、10年以上の経験のあるアフリカ支援の専門家だ。
 彼がタンザニアとケニアで取り組んだ農家の所得向上プロジェクトでは、ジェンダーの視点に着目したことも成果に結びついた。女性の生活向上支援、と言い換えてもいいだろう。
 1990年代から、アフリカで農業支援に携わる人たちは、女性に力をつけたほうがいいと指摘していた。田植えも、肥料やりも女性が中心に行う。でも、JICAの研修に参加するのは男性ばかりだったからだ。
 そこで相川さんは、タンザニアで2001年から06年、ケニアで06年から09年まで行ったプロジェクトで実践した。まず、研修の参加者を男女半々とした。男性と女性の役割を点検し、技術や家計の管理、市場調査を教えた……と書くと簡単なようだが、いざ実行するのは大変だった。
 「ジェンダーって何?」「技術を教えてくれればいいだけなのに」と不平を言い、妻を参加させると自分のメンツがつぶれるとごねる男性もいるので、村の長老に話を通す。研修では種まきや草取り、収穫など農作業を書き出し、男女どちらが担っているかチェック。一日の活動の時間割りも書いてもらった。
 すると。午前中は男女一緒に農作業をするのだが、お昼を過ぎると男性は友人との集まりに出かけている。カフェなどで政治談議に花を咲かせるのだという。女性は引き続き農作業をし、作業の7割を女性が担っていた。それから薪を取りに行き、市場に出かけ、料理をし……。息つく暇もない。夕食を男性がとっている間は、子どもの世話だ。
 これって、どこかの国で聞いたことのある話かも。共働きだけど子育てや家事はもっぱら妻。夫は飲み会、とか。
 話をアフリカに戻す。研修を始めて間もないころは、男性を責めているように受け取られた。研修の雰囲気が悪くなって失敗したこともあったが、試行錯誤を繰り返した。徐々に男性は女性がいかに働いていたかに気づき、協力しあうように。女性も教わったさまざまな技術を自分のものにして、自信をつけた。
 その結果、収量が増え、ケニアで研修した地域では収入が2倍に。今年からケニアの他の地域で研修を始めた。相川さんは「きめ細かく辛抱強く支援して、少しずつ変わっていった」という。
(略)


農業技術の支援に行ってジェンダーフリーの思想を広めようというのは大きなお世話のような気もしますが、午前中しか働いていないアフリカの男性にも困ったものです。

それはともかく、「JICAの研修に参加するのは男性ばかり」というのと女性ばかりが働いているというのが結びつきません。なんで働かない男が研修に出てくるのでしょうか。普通に考えれば男性がやる気をだしているよう見えます。

また、ジェンダーフリーの布教の結果、収入が2倍になったという説も分かりません。農業技術支援の成果、つまり完全にテクニカルな理由で収入が上がった分もあるはずです。

秋山氏が男女格差に大きな関心があるのは構いませんが、記事に"思い"が入りすぎて、すごく理解しづらいくなっています。

【展覧会】「広重ブルー -世界を魅了した青」展

於:太田記念美術館

初代歌川広重を中心に、浮世絵で青色がどう使われてきたかを概観します。

歌川貞秀の「長崎丸山の図」(1830~48年)という絵がありました。長崎の港を描いたものですが、ここに蒸気船が描かれていました(小さいので蒸気船とは断言できません。説明書きでも蒸気船だろうと推測になっています)。私の拙い歴史の知識では、日本人が蒸気船を初めて見て驚いたのは1953年のペリー来航の時だと思っていました。この絵に描かれたのが蒸気船なら、ペリーより前に日本人は蒸気船を見ていることになります。そうなると、蒸気船というテクノロジーに驚いたのではなく、ペリーの威圧的な交渉に惑乱したというだけのことだったのでしょうか? 謎です。

本日は、1時間弱のスライド・トークがあったので、参加してきました。人気があるらしく会場は一杯でした。

5月28日までです。

放送大学の学生証で割引が効きました。

■スライド・トークのまとめ
・浮世絵の歴史は、元禄期の墨摺絵というモノクロが出発点。それが丹絵という2~3色を手で塗る方法に進化した。さらに紅摺絵というカラー印刷に進化し、最後に多色摺の錦絵で完成する。

・錦絵になっても、青をあらわすのは非常に困難だった。当初は露草や藍を使っていたが、鮮やかさに欠けることや退色しやすいという欠点があった。そこでベロ藍(プルシアンブルー)が登場する。

・ドイツで化学合成によるベロ藍という顔料が発明され、中国経由で日本に持ち込まれた。1930年に浮世絵で用いられるようになった。

・北斎の富嶽三十六景や広重の東海道五拾三次などの浮世絵の黄金時代の作品にはベロ藍がふんだんに用いられている。いわば「青の時代」である。

・役者絵でベロ藍の使用率を調べると、1929年には0%だったものが、1930年の終わりには34.0%、1931年の終わりには86.0%のとなっている。(役者絵をサンプルに選んだのは、歌舞伎の演目の記録が詳細に残っているので、描かれた時期がはっきりしているから)

・その後も広重は、風景画を縦長の画面にするなど様々な工夫と研鑽を重ねた。

・明治期になると、アニリンという顔料が輸入されるようになり浮世絵に赤がふんだんに使われるようになった。これらは赤絵と称するようになった。

【展覧会】オランダ・ハーグ派展

於:損保ジャパン東郷青児美術館

バルビゾン派の影響を受けて、ゴッホやモンドリアンに影響を与えたオランダ・ハーグ派を紹介する展覧会です。

あまり話題にのぼらない集団ですが、まとめて見るとおもむきのある絵が多くありました。その一方で、飛びぬけて記憶に残るという絵もありませんでした。おだやかな風景画が多かったからでしょうか。

あわせてバルビゾン派の絵とゴッホとモンドリアンの初期作品も展示されていました。モンドリアンの暗い色彩の風景画は後の画風とは似ても似つかない絵で面白かったです。ゴッホの初期作品は稚拙な感じがしました。「ゴッホ」の名前がなければ素通りしてしまったかもしれません。

全体としては、オランダ・ハーグ派をきちんと紹介しようという真面目な企画で好感を持ちました。

6月29日までです。

【時事問題】「美味(おい)しんぼ」について

長寿漫画「美味(おい)しんぼ」の表現が、福島の風評被害を広げているという抗議を受けている件です。行政や政治家から批判がある一方、一部の市民団体から抗議に反対との声もあがっています。この件についての意見を述べます。

まずお断りですが、問題の回の「美味(おい)しんぼ」は読んでいません。作品批評ではないので読むことは必須ではないと思っています。「美味(おい)しんぼ」自体は昔に読んだことがあります。

基本的には、「美味(おい)しんぼ」は、フィクションです。しかしこの作品は現実の料理・食材についてドラマ仕立てで啓発するという構造です。今回問題になった件は、料理とは分野が異なりますが、同じような扱いになっているようです。作者も作り事だ、という言い訳はしていません。

したがって、理非の見極めは実は簡単です。作者の主張する事実が証明できるか否かだけです。朝日新聞は社説でこの件を「議論を深める場になることを期待する」と言っていますが、的外れだと思います。科学的に証明できるかできないかの問題であって議論して決めることではありません。

報道を見る限り、専門家からこの作品の主張を肯定した人はいません。福島で鼻血が出る人が多いという統計はありませんし、鼻血が出るほどの放射能が検出されたということもありません。

もちろん、政府が都合の悪いことを隠蔽することはあり得ることですので、盲信はつつしむべきです。しかし、どの専門家も認めない以上、事実ではないと考えるのが理性的です。

「美味(おい)しんぼ」側に問題があったと思います。

ただし、作者は福島の人を貶めるつもりではなかったと信じたいです。むしろ、「隠された真実」を暴くことで警鐘を鳴らしたい気持ちが暴走したのだと思います。

余談ですが、仮に、事実と違うのは百も承知だがドラマ上の都合で脚色したのだ、という主張であったら、表現の自由との兼ね合いで、簡単に答えは出せなかったでしょう。

【朝日新聞】集団的自衛権の世論調査、各社で違い

5月14日朝日新聞朝刊。集団的自衛権に関する報道各社の世論調査の結果が大きく違ってしまったことを取り上げています。

 安倍首相が目指す憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認は政治の最大の焦点になっている。それだけに、報道各社は電話による世論調査でこの問題について質問し、民意を探ろうとしているが、調査結果には大きな違いがあるようにみえる。世論調査の回答は、質問の順番や文章などに影響されることがあり、今回は選択肢の立て方や文言が異なっていることが大きそうだ。
 4月中旬の共同通信、日本経済新聞・テレビ東京、朝日新聞の調査は、集団的自衛権について説明した上で、憲法の解釈を変えて集団的自衛権を行使できるようにすることに「賛成」か「反対」か、二択で尋ねている。結果は多少異なるものの、いずれも「反対」が「賛成」を上回るという傾向は一致している。
 一方、毎日新聞、産経新聞・FNN、読売新聞の調査では選択肢は三つ。集団的自衛権の行使を必要最小限に限るとする、いわゆる「限定容認論」を選択肢に加えたのが特徴で、「全面的に使えるようにすべきだ」「必要最小限の範囲で使えるようにすべきだ」「使えるようにする必要はない」といった三択になっている。
 結果をみると、「全面」賛成派は1割前後にとどまるが、「限定」賛成派は最多の4~6割。反対派は2~4割だった。「全面」と「限定」を合わせると、賛成派は反対派を上回る。
 二択では反対派が多数なのに、三択になると賛成派が多数になるのはなぜか。
 まず、三択で賛成の選択肢が二つ、反対の選択肢が一つと数が異なると、選択肢の多い方が回答の比率は高くなる傾向がある。
 さらに、集団的自衛権の問題は、多くの国民にとって理解が難しい面があるのは確かだ。こうした問題で選択肢が三つ以上あると、中間的な選択肢に回答が集まりがちだ。また、「必要最小限の公共事業」「必要最小限の国民負担」という言葉を思い浮かべれば分かるように、「必要最小限」という文言が加わると、反対しにくくなる。
(略)
(山下剛)


回答項目に「限定的賛成」を付け加えたかどうかで、各社の結果が変わったという分析は的を射ているように思います。

異議があるのは、「限定的賛成」を回答項目に加えたことを悪しき誘導ととらえているかのようなところです。回答者の立場にたって考えれば、「限定的賛成」を入れた方が、二者択一を迫るよりも回答しやすいはずです。世論調査を読む側としても、この方が世論を正確につかまえていると考えられます。

「必要最小限」が入っても反対の人は反対するのですから、反対しにくくなる、とは思えません。単に、全面的に賛成でないけど部分的に賛成な人が選択しているだけです。

この場合は、第三の選択肢を示さない世論調査の方にこそ無理があります。

今後、朝日新聞に限らず世論調査の結果を読む際は、無理に二者択一にしていないかどうかを気に留める必要があると感じました。

【朝日新聞】インタビュー:中国、成長の死角

5月14日朝日新聞朝刊。オピニオン欄。ハンガリーの経済学者、ハーバード大学の名誉教授コルナイ・ヤーノシュ氏のインタビィーです。中国問題について語っています。

 ――2030年までに、中国の国内総生産(GDP)は米国を上回るとみられています。
 「中国の人口は米国の4倍あり、いずれGDPで米国を抜くでしょう。確かに経済の規模にも重要性はあります。たとえばミサイルや戦車をたくさん持てるようになるという意味ですから。しかし、いまの時代、戦車の数で軍事力をはかれますか。戦車を連ねてどこへ乗りこむのですか。むしろ無人攻撃機などハイテク競争になっています。それを生み出す技術力で、中国は米国にはるかに及ばない。予測しうる何十年ものあいだ、追いつけないでしょう。そこに中国経済の問題がみえます」


中国が戦車大隊を編成しても、ハイテク兵器で抑えられる、という主張です。しかし中国の戦車がいきなり米軍と戦うわけではありません。中国と同じようにハイテク兵器を持たない周辺諸国にとっては中国のローテク兵器は脅威です。また現在のハイテク兵器でもミサイルを簡単に防ぐことはできません。

 ――どういうことですか。
 「米国は、自由に自分の考えや相手と異なる意見を言える。多くの人が知恵を出しあえる。私のように外国の研究者でも、公平に受け入れる大学があります。そしてイノベーション(革新)を進めるため、リスクをとって投資をし、成功すれば見返りを得られるオープンで競争的な金融市場がある。それはルールに従って動く信用で成立しています。中国にいま、それがあるでしょうか。もちろん中国は昔、皇帝のもとでいろんな発明をしましたが」
 ――羅針盤や紙……。
 「そう。自由な社会だけがイノベーションの条件ではない、という反論もあるでしょう。中国が共産党の一党支配から選挙を通じた民主政治に変われば、イノベーションがすぐにでも起きるとも言いません。しかし、自由こそがイノベーションにつながるひらめきと、それを育てる環境に密接に結びついているのは確かです。権力からの抑圧を恐れている社会は、革新的な精神を殺します」
(略)


ソビエトは自由な社会ではありませんでしたが、科学技術は発達していました。宇宙開発では米国と競争し、兵器開発でも決してひけをとっていませんでした。「自由の社会だけがイノベーションの条件ではない」というのは実に真っ当な反論です。根拠を示さずに「自由こそがイノベーションにつながるひらめきと、それを育てる環境に密接に結びついているのは確かです。権力からの抑圧を恐れている社会は、革新的な精神を殺します」と言っても、説得力を感じません。

ヤーノシュ氏が自由で民主的な社会を求める気持ちには共感します。しかし、自由で民主的な国家が抑圧的な国家をうちまかすことができる、というのは願望が入りすぎた予測だと思います。

【朝日新聞】社説余滴:難しい相手だからこそ

5月13日朝日新聞朝刊のオピニオン欄。社説余滴のコーナー。国際社説担当の 沢村亙氏の「難しい相手だからこそ」。中国との関係についての意見です。

(略)
 都市化や公害への取り組みも福祉政策も、日本の知恵や経験がいかせる分野だろう。冷え込んだ日中関係を意識して大声でいいにくくとも、「日本に学んでみたい」と考える中国人はまだまだいる。
 ひるがえって今の日本に目を転じれば、中国の「反日」をしのぐ勢いで「嫌中」が広がっている。「嫌い」というよりも「面倒な国と関わりたくない」という空気か。
 中国で学ぶ欧米やアジアの若者が年々増えるのに、日本人留学生は減っている。北京の中国人民大学では2007年に200人以上いた日本人学生が現在は50人ほど。日本語を勉強する中国人学生が会話の練習相手を見つけるのに苦労するほどである。
 公害が心配で中国行きをためらう人もいよう。だが周囲から「なぜ中国なんかに」と言われて来た若者が少なくない。日本で中国語を履修する学生も減っている。難しい隣国だからこそ深く知る人材が求められるのに、心配だ。
 日本語が読めるようになった中国の学生は、日本のニュースサイトに並ぶ中国人への悪意に満ちたコメントにショックを受ける。中国にも日本人を中傷するサイトはある。向き合わずに反感だけを増幅しあう構図はむなしい。
 中国政府も共産党も、ネットを通じて国民の本音を探ろうと懸命だ。膨らみゆく中国の中間層に「日本ファン」の種をまいておくことも、立派な安全保障ではあるまいか。


私は、中国政府には警戒が必要だと考えますが、友好関係を模索することを否定するつもりはありません。仲良くできるなら仲良くするに越したことはないと思っています。沢村氏の『膨らみゆく中国の中間層に「日本ファン」の種をまいておくことも、立派な安全保障ではあるまいか』との言には賛成です。

その上で、沢村氏の文章に感想を述べます。

都市化や公害への取り組みも福祉政策も、日本の知恵や経験がいかせる分野だろう。冷え込んだ日中関係を意識して大声でいいにくくとも、「日本に学んでみたい」と考える中国人はまだまだいる。

ぶっちゃけ、中国にとって日本が有用だからまだまだ日本と仲良くしたい、と言っているように聞こえます。日本が有用な国でなくなったら、本格的に牙を剥くのでしょうか。こういう関係は決して友好関係ではありません。

ひるがえって今の日本に目を転じれば、中国の「反日」をしのぐ勢いで「嫌中」が広がっている。「嫌い」というよりも「面倒な国と関わりたくない」という空気か。

4月8日朝日新聞で発表した世論調査の結果では、日本が嫌いな中国人は74%に対して、中国が嫌いな日本人は51%です。「反日」より「嫌中」が広がっているというのは沢村氏の思い込みでしょう。他のデータがあるなら別ですが、唐突に断言しても信用できません。

参)【世論調査】憲法・日中韓3カ国世論調査

中国で学ぶ欧米やアジアの若者が年々増えるのに、日本人留学生は減っている。北京の中国人民大学では2007年に200人以上いた日本人学生が現在は50人ほど。日本語を勉強する中国人学生が会話の練習相手を見つけるのに苦労するほどである。

日本人留学生が200人以上から50人に減った、というのは分かりました。欧米やアジアからの留学生が増えているそうですが人数が分かりません。数字を出さなければ、日本人留学生は人数としてはまだまだ多いのでは、と疑わざるを得ません。

また、中国人民大学への日本人留学生が50人で少ないという基準が分かりません。もとの200人がバブルだったのかもしれません。50人が少ないと考えている理由が分かりません。

公害が心配で中国行きをためらう人もいよう。だが周囲から「なぜ中国なんかに」と言われて来た若者が少なくない。日本で中国語を履修する学生も減っている。難しい隣国だからこそ深く知る人材が求められるのに、心配だ。
 
公害も心配ですし、かつて荒れ狂った反日デモも心配です。中国留学や中国語が将来役立つのかも心配でしょう。「難しい隣国だからこそ深く知る人材が求められる」というのは一般論としては正論だと思いますが、若者にそれを強制することはできません。

日本語が読めるようになった中国の学生は、日本のニュースサイトに並ぶ中国人への悪意に満ちたコメントにショックを受ける。中国にも日本人を中傷するサイトはある。向き合わずに反感だけを増幅しあう構図はむなしい。

反感だけを増幅しあう構図がむなしい」というのも正論ですが、一般人が好きにコメントするのをとめることはできません。マスコミに友好関係を壊す報道をするなと強制できないように、一般人のコメントも制限できません。

沢村氏の言うことも分からなくはないですが、現実に訴える力をなくし、ただただ嘆いているだけに聞こえます。

【本】絵舟 狩野探幽の暗号


絵舟―狩野探幽の暗号絵舟―狩野探幽の暗号
(1998/11)
川村 たかし

商品詳細を見る

著者:川村たかし

ネットで「狩野探幽」を検索したら、この本がヒットしました。内容も知らずに読むことにしました。

「ダ・ヴィンチの暗号」みたいなノリかと思ったら全然違いました。編集部が勝手につけた副題なのかもしれません。いわゆるケレン味はありません。地味です。

主な舞台は、鯨漁で有名な和歌山県の太地です。時代は探幽の活躍期なので江戸時代の初期です。鯨漁の舟に絵を描くことを依頼された絵師が主人公です。狩野派をはじめとした画壇の様子や、江戸の大火、隠れキリシタンなど内容は盛りだくさんですが、一番筆を割いているのは、太地での鯨漁の様子です。

部分部分では薀蓄が披露されていて面白いのですが、小説全体としてのまとまりに欠けます。また、探幽を中心とした絵師の話に興味があって読むと肩透かしをくらいます。それでも、鯨漁に(特に江戸時代の漁法に)興味があるなら読む価値はあると思います。

私の先祖は太地の出なので、ある程度の関心を持って読むことができました。万人にはお奨めできません。

【展覧会】「ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館」展

於:Bunkamura

ミラノの貴族ジャン・ジャコモ・ペッツォーリが先祖伝来の美術品と自身の収集品を、死後に邸宅を美術館に改装したのが、「ポルディ・ペッツォーリ美術館」です。絵画作品だけでなく、工芸品や鎧兜などのコレクションも含まれています。

今回は日本初公開のものばかりの来日だそうです。

ボッティチェリの晩年の作品である「死せるキリストへの哀悼」に目が釘付けになりました。「ビーナス誕生」や「春」とは作風が大きくかわり、穏やかさのかけらもない異様な迫力がありました。

5月25日までです。

【展覧会】春の優品展 歌・物語の世界

於:五島美術館

源氏物語絵巻(国宝)が目玉です。

「歌・物語の世界」と銘打っただけあって、学校の古文の時間に出てきた文学作品にちなんだ作品ばかりです。書が多いので地味な感じがしますが、重要文化財が結構並んでいるので、あなどれません。

空いているのでゆっくり鑑賞できました。

附属の庭の散歩をして気がついたのですが、庭園が附属しているということでは根津美術館と構造が似ています。もっともこちらの庭園は急勾配が多く、お年寄りにはきつそうですが。

【朝日新聞】韓国人の9割「日韓助け合うべき」 「嫌韓」解くカギに

5月9日朝日新聞朝刊に、韓国での対日感情の世論調査のまとめ記事が載りました。Web版ではより詳しく報じています。

 歴史認識問題などをめぐって日韓関係が悪化するなか、日本では「嫌韓」が、韓国では「反日」が高まっているように見える。だが、韓国では歴史認識問題や領土問題を除いては、日本に対する認識、イメージは決して悪くないことが、「コリアリサーチ」が実施した世論調査結果から浮き彫りになった。
 この調査を提起した東アジア文化交流協会の厳鎬烈(オム・ホヨル)顧問(68)は、日韓の国民が、政治外交的な対立と経済・文化・民間の交流を分けて考え、さらなる協力を模索するべきだと訴える。
 世論調査は、長年にわたり日本語学院や日本語教材出版の事業に携わってきた厳さんが、経営判断をするにあたり、コリアリサーチに依頼した。
 だが、動機はそれだけではない。
 3月に日本を訪れた際に書店に「嫌韓」の本が並び、有力週刊誌までが「嫌韓特集」をしている状況を目の当たりにした。また、嫌韓を主張する日本人たちは「韓国が反日国家だから、自分たちも嫌韓でなければならない」と確信しているというような印象を受けた。こうした状況を変えていくためには、今の韓国人が日本に対してどんな認識を持っているのかを知る必要があると考えたという。
 3月15日に実施した世論調査では、「韓日両国が互いに助け合い、協力し合う関係に発展していくべきだと思うか」という質問で、88・3%が「そう思う」と答え、「そう思わない」は11・2%だった。「日本が韓国にとって重要な国だと思うか」では、「重要」が76・2%に対し、「重要でない」が23・1%。「韓日の政治外交的な対立と、経済・文化・民間交流は分けて考えるべきだと思うか」との問いには、78%が「そう思う」と答え、「そう思わない」は21・1%だった。「日韓首脳会談が行われるのが適切か」では、「適切」が66・4%、「適切でない」31・8%だった。
 一方、「日本に期待すること」については、80・8%が「歴史問題と領土問題解決のための納得の行く努力」を挙げた。このうち、日本が納得の行く努力をするなら「日本に好意を持つようになる」と答えた人は81・4%に上った。
 厳さんは、調査結果からみる韓国国民の認識について、「歴史認識や領土問題を除けば、日本への認識は悪い状況ではなかった。領土問題や歴史問題は日本側の誠実な努力を通じて改善されなければならないが、そのために韓日の交流が全面的に停滞してしまっては、韓国にとってもプラスにならないと考えている」と分析する。
 一方で厳さんは、日本社会の中の「嫌韓」はかなり深刻だと感じている。その原因が「韓国人が反日だから」と思い込んでいることにあるとすれば、「今回の調査結果を示して、韓国人がみんな反日的だという誤解を解きたい。この結果を見れば、嫌韓の人たちの気持ちも変わるのではないか」と語る。
(略)
 日本社会の嫌韓がさらに進めば、いずれ、韓国人たちも「嫌日」になり、日韓関係は負のスパイラルを描いていく懸念がある。厳さんは「互いに嫌韓、嫌日になってどんな利益があるのか。来年は国交正常化50周年でもある。そこに向けて国民同士がどう協力し合い、乗りきっていけるか。それができなければ、両国民が努力を重ねて築いてきた親善が崩れてしまう」と訴える。(ソウル=貝瀬秋彦)


領土や歴史問題を除いて日本の印象は悪くないという結論には異議があります。

質問は、「韓日両国が互いに助け合い、協力し合う関係に発展していくべきだと思うか」・「日本が韓国にとって重要な国だと思うか」・「韓日の政治外交的な対立と、経済・文化・民間交流は分けて考えるべきだと思うか」・「日韓首脳会談が行われるのが適切か」の四問で、肯定的な結果が出ています。しかしこれは、日本が韓国にとって必要だったり有用だったり、ということであって、日本が好きという解釈はできません。

明確に韓国人の対日観を示した調査があります。4月8日の朝日新聞で発表された世論調査です。

参)【世論調査】憲法・日中韓3カ国世論調査

「日本が好きですか。嫌いですか。特にどちらでもないですか。」という質問に、好きが4%、嫌いが67%です。原因がなんにせよ、韓国人のおよそ7割が日本を嫌っているというのが事実です。韓国が反日的というのは間違いありません。

こうあって欲しいという「真実」を声高に叫ぶのではなく、客観的な事実を認めることを出発点にすべきです。

【朝日新聞】過去の克服、ドイツの場合

5月8日朝日新聞朝刊オピニオン欄。ドイツの「記憶・責任・未来」財団理事長・マルティン・ザルム氏のインタビュー。「記憶・責任・未来」財団は、第2次世界大戦中のドイツにおける強制労働被害者への補償をした組織です。

ドイツは、長らく強制労働への補償をしていませんでしたが、国際的な声におされ、西暦2000年に財団を設立し国と企業が資金を出し合って、1人あたり2500ユーロ(約35万円)~7500ユーロ(約110万円)の補償を行いました。

ザルム氏の発言は、財団の活動内容を答えたものです。必ずしも自分達が100%正しいと主張しているわけでもなく、公正だと思います。気になったのは、インタビュアーのまとめである「取材を終えて」です。

 ユーロ危機のさなか、ドイツが要求する緊縮財政策に抗議する欧州各地のデモに、決まってメルケル独首相をヒトラーに似せたプラカードが登場した。不満や緊張がたまると、今の問題とは直接関係がない「過去」が持ち出されるのは何も東アジアに限った話ではない。
 でも今のドイツは過去のドイツとは違うという証しを立て続けていれば何も恐れる必要はないはずだ。「法的に決着済み」「補償金は払った」で終わらせない理由がここにある。ドイツは「過去の克服」をソフトパワーにも位置づける。外圧とナショナリズムのはざまで今なお右往左往する日本から見れば、やっぱりうらやましい。(論説委員・沢村亙)


でも今のドイツは過去のドイツとは違うという証しを立て続けていれば何も恐れる必要はないはずだ」というのは、要するに、ドイツは生まれ変わったと言い張り続け、強制労働の問題のように無視してきた問題が収拾つかなくなったら対応を考えるというものです。この態度を「うらやましい」という沢村論説委員の感覚がよくわかりません。

ドイツにはドイツの事情があるのでしょうが、日本のように法的に決着させるやり方の方がはるかに正しいと考えます。

なお、インタビューにもあるように、「記憶・責任・未来」財団は補償するにあたり、「補償するかわりに、被害者は裁判を起こさないという合意を」得ています。仮に、補償金を受け取った被害者が再度補償を要求したとすれば、さすがにドイツは相手にしないでしょう。

インタビューの中で、ザルム氏は自分達のやり方を説明しているだけであって決して日本より優れた方法をとった、などと主張していません。そもそも日本の戦後処理がドイツより劣るなどと言っているのは、中韓と日本の一部だけではないでしょうか。おそらくはプロパガンダです。このインタビュー記事も、ザルム氏は乗ってきませんでしたが、そうしたプロバガンダの一環に見えます。

【朝日新聞】社説:袴田事件が問うもの―死刑のない社会を考える

5月6日朝日新聞社説は死刑制度についてとりあげています。明言していませんが、社説は死刑制度に反対しています。
私も誤判の危険があるので死刑には反対です。しかし、一般に流布する死刑反対論には納得できないものを持っています。
以下、社説を引用する形で私見を述べます。

 人の命を、刑罰として国家が奪う。
 それがいかに重いことか、世に問いかけたのが、死刑囚袴田巌さんに対する静岡地裁の再審開始決定だ。
 もし刑が執行されていたら、取り返しがつかなかった。
(略)


袴田氏が無実かどうか知りませんが、一般論として、その通りだと思います。無期や有期刑だったら取り返しがつくのか、という反論もあり得るでしょうが、死とは大きく異なります。誤判を避ける努力をしつつ、万が一に備え死刑は避けるべきと考えます。

 政府の世論調査では、死刑の存続を8割以上が支持する。
 しかし、この究極の刑のあり方について、国民的な議論を十分重ねてきたとは言い難い。
 人の命を奪う許しがたい犯罪には厳正な刑罰で臨まねばならない。だが、その選択肢はいまの死刑しかないのだろうか。
 死刑がある社会を生きる一人ひとりが問い直すべき問題であろう。
(略)


ここでよくわからなくなります。「国民的な議論」の定義がありません。何をどうすれば十分なのか具体的に示さなければ分かりません。
余談ですが、朝日新聞によれば、憲法や税や国防などは、国民的な議論が十分だったと考えているのでしょうか?

 死刑の執行を一時停止し、議論の深まりを待つ方法も広くとられてきた。


この意見は全く賛成できません。死刑の執行を停止しなくても議論は可能です。むしろ、こうした高いハードルを設けることが、死刑廃止派が増えない理由だと思います。これからの裁判で死刑判決を無くすことと、すでに死刑判決がくだった死刑囚への処遇は別に考えるべきです。

 政府の世論調査では、死刑存続を支持する人の半数以上が、廃止すると凶悪犯罪が増えることを理由に挙げた。しかし、死刑に特別な抑止力があるかどうかは、立証されていない。


抑止力があるかないかは、死刑のかわりにどういう罰を設けるかにもよります。
仮釈放なしの終身刑なら死刑と大差ないでしょう。しかし、上限を懲役20年などとしたら抑止効果はなくなり、特に組織暴力組織の構成員の凶悪化が進むと予想します。

 凶悪犯罪には命をもって償うべきだという理由を挙げる人も多かった。
 だが今でも、社会の処罰感情が強い犯罪のすべてに死刑が適用されているわけではない。刑を「報い」としてだけでとらえるべきでない難しさがある。


何を言っているのかよく分かりません。刑罰に「報い」という側面はあるのは死刑だけではありません。罪には報いが必要です。凶悪犯罪には死刑かどうかは別としてそれなりの報いが必要なのは当然です。

 犯罪で家族や愛する人を奪われた遺族らの厳罰を求める気持ちは当然のものだ。その痛みは計り知れない。
 一方で、あえて加害者に生きて償うことを要望する遺族もいる。被害者のさまざまな思いを加害者の刑に反映させるには、限界がある。必要なのは、被害者と遺族を社会がいかに手厚く支えていくかではないか。
(略)


被害者と遺族を支えるのに異存はありません。しかし、それと死刑廃止は無関係です。

 4月末現在、確定死刑囚は132人いる。
 法務省は7年前まで、死刑執行の対象者の名前や場所などを公にしてこなかった。国会議員や報道機関に刑場を公開したこともあるが、一時的なもので終わった。
 死刑執行がきわめて重い公権力の行使でありながら、政府は情報公開を極度に制限してきた。これが死刑をめぐる議論を妨げてきたことは否めない。


死刑になった人間の名前や場所の情報が死刑の論議に必要な理由がわかりません。裁判は公開されているので、事件について秘密にしていたわけではありません。死刑にしたことを公開するか否かだけでした。それにしたところで7年前から公開しています。刑場の公開が議論に必要だとは全く思いません。

 絞首刑という方法がふさわしいかも論点だろう。残虐な刑罰を禁じる憲法に反しないとする最高裁判決から約60年がたつ。死刑存続派の識者からも見直しを求める意見が出ている。


これは死刑廃止とは無関係です。死刑存続を前提とした議論です。

 超党派の国会議員でつくる死刑廃止議連は、仮釈放のない無期刑(重無期刑)の新設を検討していた。いずれ社会に戻れるかもしれない無期刑と死刑の落差はかねて指摘されてきた。


これは賛成です。終身刑を作らないのであれば、死刑廃止には賛成できません。

 死刑の代替刑として、重無期刑をどのように考えるか。政府は市民に意見を問うことを避けてきたが、正面から向き合うべき問題ではないか。


政府の責任ではありません。どこかに責任があるというのであれば、死刑廃止論者側にあります。現状を変えようとする側から動くのは当然です。

【映画】プリズナーズ


プリズナーズ (竹書房文庫)プリズナーズ (竹書房文庫)
(2014/04/24)
アーロン・グジコウスキ

商品詳細を見る

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
主演:ヒュー・ジャックマン

家族と過ごす感謝祭の日、平穏な田舎町で幼い少女が失踪(しっそう)する。手掛かりは微々たるもので、警察(ジェイク・ギレンホール)らの捜査は難航。父親(ヒュー・ジャックマン)は、証拠不十分で釈放された容疑者(ポール・ダノ)の証言に犯人であると確信し、自らがわが子を救出するためにある策を考えつくが……


自信をもって薦められます。

2時間を越える長時間の映画ですが、すこしの緩みもありません。終始スクリーンにくぎづけになりました。

子供が誘拐された父親はとんでもない行動にでますが、果たして彼の直感が正しいのか観客には判断がつきません。もしかしたら取り返しのつかない勘違いでは、という疑念も生まれるなか、事件の真相は二転三転していきます。ある人物が事件に関係していることがわかりますが、心底驚きました。

ネタばれになるので詳しいことは書けないのがもどかしいです。

一級のサスペンス映画です。

【朝日新聞】憲法を考える(下)急ぐ政権へ「声届けたい」

5月5日朝日新聞朝刊。特集「憲法を考える」。憲法に関係する市民運動をいくつか取り上げています。論評抜きですが、これらの運動に対して好意的な筆致です。その中の一つ、ファッション誌の憲法特集について。

 お母さんこそ、改憲の前に知憲(ちけん)! 改憲が実現したら、戦地に行くのは誰?――。子育て世代の女性向けファッション誌「VERY」(光文社)は3月号で「憲法」を特集した。
 特集は誌上対談がメーン。モデルが「最近にわかに改憲について耳にする」と問いかけ、タレントや社会学者らと語り合った。対談直前の昨年12月6日に成立した特定秘密保護法にも「反対の声を上げ続けることが大事」との声が出た。
 発売1カ月前の1月初旬、編集部に電話があった。内閣広報室の職員からだった。「特定秘密法を取り上げるなら、よかったらうちも取材しませんか」。副編集長の原里奈(42)は「取材は終わっていますから、ごめんなさい」と答えた後、けげんに思った。
 「なぜ知っているの」
 あとで分かったことだが、参加者のひとりが「意外にも女性ファッション誌が特定秘密保護法などを討論、ぜひ!」とツイッターでつぶやいていた。内閣広報室の職員はこのつぶやきを見つけ、取材を打診する電話をしたという。
 内閣広報室は朝日新聞に対し「日頃つきあいのない媒体なので担当部局など取材先を紹介できると伝えた。政策を正しく知ってもらうためだ」と説明する。だが、対談した参加者らは「言論へのソフトな介入では」「チェックされている」と感じている。


ひそかに政府に監視されているのではなどと疑ってみたけど、関係者の一人がネットで広告していた、というオチです。

普通なら、こういうのは笑い話にするか、恥ずかしいと思うかです。あくまで「言論へのソフトな介入」だの「チェックされている」だの言うのは、心に偏りがあると言わざるを得ません。

朝日新聞が、どういう主旨でこのエピソードを載せたのかも不思議です。普通に読めば、内閣広報室は真面目に仕事をしているとしか思えません。

【展覧会】燕子花図と藤花図

於:根津美術館

春なので、尾形光琳の「燕子花図屏風」(国宝)が公開されます。今年は、円山応挙の「藤花図屏風」(重文)が並んで展示されます。

鈴木其一の「夏秋渓流図屏風」もよかったです。

広い展示室に十分なスペースをとっての展示ですので、ゆっくり鑑賞できます。居るだけで贅沢な気分になる美術館です。

今回は、併設している庭もじっくり散策してきました。ちょうど、カキツバタが満開でした。本当は「ちょうど」ではなく、カキツバタの満開にあわせて「燕子花図屏風」を公開しているのだと思いますが。

放送大学の学生証をみせて学生料金で入場できました。

5月18日までです。

1000ピース 燕子花図屏風 1000-1151000ピース 燕子花図屏風 1000-115
(2009/03/29)
エンスカイ

商品詳細を見る

【朝日新聞】人手不足、企業が悲鳴 営業短縮や店舗の閉鎖

5月2日の朝日新聞朝刊で、人手不足が広がっていることを伝えています。人員が確保できないため、牛丼の「すき家」や居酒屋のワタミが店舗を閉鎖に陥っています。飲食関係だけでなく、建設業や製造業にも影響があらわれているそうです。

 人口減少と少子高齢化が進むなか、この先も働き手が大きく増えることは考えにくい。景気回復も重なり、今後、人手不足が慢性化する可能性が出てきた。
 ただ、現在の求人の中心は、契約社員やパートといった短期雇用の非正社員が占める。仕事を探す人が求める職と企業の需要にもズレがあるのが実情だ。
 求職者1人に何人分の仕事があるかを示す有効求人倍率を職種別でみると、求職者の4分の1が希望する「一般事務」は0・28倍で、100人の希望者に28人分の仕事しかないことを示す。一方、飲食店で働く「接客・給仕」は2・64倍、「建築・土木・測量技術者」は3・97倍と、求職者と企業との間でのミスマッチが著しい。日本総研の山田久氏は「『人手不足』が続けば企業の生産性は上がらず、経済成長も難しい。女性や高齢者でも働きやすい仕組みをつくると同時に、働き手のスキルを高める政策も必要だ」と指摘する。


基本的には、経済が良くなっている証拠だと見ます。労働人口が減少したわけではありませんので、企業が雇用を求めた結果にすぎません。

企業が人を集められないでいるのは、その企業にとっては深刻な問題なのでしょうが、日本全体にとっては問題になりません。時給を引き上げられない企業は市場から退場すればいいだけです。特に「ブラック企業」呼ばわりされてきた企業にとっては、この人手不足は大問題でしょうが、労働者にとっては朗報です。

引用部分の指摘のように、不完全な部分はありますが、長期的には良い方向に向かっていると思います。

それにしても、どんな場合でも悲観的な内容にする新聞記事には困ったものです。

【朝日新聞】「東海」表記 韓国系の権利獲得の面も

5月1日朝日新聞朝刊オピニオン欄。東洋英和女学院大学准教授・春木育美氏の『「東海」表記 韓国系の権利獲得の面も』です。

 米国で韓国系市民が、旧日本軍慰安婦の少女像や碑を建設したり、公立学校教科書の日本海の表記について韓国が主張している「東海」とするよう求めたりする運動を広げている。こうした一連の動きを反日活動として切り捨てるのは早計だ。米国への移民の歴史が比較的浅い韓国系の人たちの権利獲得のための動きであり、本国に存在感を誇示する側面もある。
 バージニア州議会下院が2月6日、教科書の「東海併記」を定める法案を可決すると、私が滞在していた首都ワシントンの韓国系コミュニティーは、祝賀ムードに包まれた。韓国本国からは「誇らしい愛国者だ」という称賛がSNSを通じて殺到、韓国政府は「同胞たちの努力を高く評価する」とコメントした。
 慰安婦像建立や「東海」問題は、日本の植民地支配に関わる歴史問題とされ、世代や学歴、職業、滞在資格、成功者か否かに関わらず、韓国系市民が一致団結しやすい。米国での政治力を高める活動を進めている彼らにとって、低コストで高い効果が得られるテーマなのだ。
(略)
 様々な移民が集まった米国社会で暮らすからこそ、民族意識の保持には敏感だ。本国の経済発展で、自らが韓国系であることを肯定的に捉えるようになった。さらに日韓関係がこじれるほど、反作用として民族意識が高まる。
 米国は州や郡ごとに法律や規制が大きく異なり、地方議員とのつながりは極めて重要だ。「東海」問題では、議員へのメールや電話攻勢、陳情を繰り返した。自営業者の多い韓国系市民にとって、州や郡の法律や規制は死活的であり、今回、行政や立法機関に自らの「政治的な声」を反映させ、目的を達成するノウハウを得たことは大きな収穫だった。
 韓国本国への政治戦略も働く。彼らは、移民2世に韓国での兵役義務が課されないようにするための法律改正、就労ビザの拡大などを要求している。米国での韓国系市民の政治力が高まれば、韓国政府も彼らへの配慮を怠れなくなる。彼らの運動の背後には、いくつもの目的が絡み合っているのだ。


こうした一連の動きを反日活動として切り捨てるのは早計だ』などと書いてあるので、動機や背景に反日感情以外のものが隠されているのか、と思って読み進めました。結局春木氏の説明からは、反日以外の何も出てきません。韓国系移民も、反日を前提として、利害で動いているという説明です。

彼らの細かな事情など大多数の日本人には関係ありません。反日活動、という理解で十分だと思います。

春木育美氏についてこのblogでとりあげたことがあります。リンクを張っておきます。
【朝日新聞】韓国の外国人政策 国益中心、同化強いる
sidetitleプロフィールsidetitle

Author:えいび
日々の出来事、映画やアニメの感想です。

sidetitle最新記事sidetitle
sidetitle最新コメントsidetitle
sidetitle最新トラックバックsidetitle
sidetitle月別アーカイブsidetitle
sidetitleカテゴリsidetitle
sidetitleFC2カウンターsidetitle
sidetitle検索フォームsidetitle
sidetitleRSSリンクの表示sidetitle
sidetitleリンクsidetitle