【アニメ】ノーゲーム・ノーライフ


ノーゲーム・ノーライフ II【 イベントチケット優先販売申込券 】 [Blu-ray]ノーゲーム・ノーライフ II【 イベントチケット優先販売申込券 】 [Blu-ray]
(2014/07/30)
松岡禎丞、茅野愛衣 他

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原作は未読です。

設定は「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」を思い出させますが、こちらは完全にゲームでのみ勝敗を決める設定になっています。それぞれ狙いが違う作品なので、パクったとかパクられたとか云うことではないと思います。

同じギャグの繰り返しになってしまい、笑いの点では単調でした。ゲームは、頭脳戦とは言いがたいご都合主義的な展開でしたが、それぞれ工夫がみられたので、飽きはしませんでした。

原作がどうなっているのか分かりませんが、倒した敵を仲間にする、というのを続けていると、どんどんキャラクタが増えていって収拾がつかなくなります。アニメとしては1クールで一段落つけて正解だったと思います。

良作だとは思いませんが、作品にパワーを感じました。
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【映画】X-MEN:フューチャー&パスト


映画 X-MEN フューチャー&パスト ポスター 約90x60cm X-Men: Days of Future Past ウルヴァリン  【並行輸入品】映画 X-MEN フューチャー&パスト ポスター 約90x60cm X-Men: Days of Future Past ウルヴァリン 【並行輸入品】
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X Men

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X-MENシリーズの最新作です。

今回は、時間跳躍の話です。過去の時代のキャストは、前作の「X-MEN ファーストジェネレーション」から引き継いでいます。それも理由なのでしょうが、ミスティーク(変身能力のあるミュータント)が大きくクローズアップされています。シリーズ第一作ではただの敵の一人でしたが、人気があって“出世”したのか、もともとこういう設定だったのか、映画でしかX-MENを知らない私には分かりません。

話の筋は、過去に戦士を送りこんで悲惨な未来を変えようという、よくある展開です。ただし、ここでは誰かを殺すというのと真逆の対応が必要になります。実は、ミスティークがある科学者を殺したのが遠因で、ミュータントへの警戒心が広がり、未来が暗くなりました。ミスティークの暗殺を阻止するのが第一の目的ですが、それだけでミュータントへの偏見がなくなるわけではありません。難しい対応が必要になります。

面白いと思ったのは、ミュータントへの偏見を煽る科学者がいわゆるこびとであることです。染色体の異常であるミュータントを迫害するのが、こびとの人である、という設定には考えさせられました。

ネタばれになりますが、過去改変のミッションは成功します。そのため、我々が知っていたX-MENの歴史が書き換わってしまいました。過去のシリーズで死んだ人が死んでいないことになりました。次回作は、この後からはじまるのでしょうか?

なお、シリーズを観ていなかった人には筋を追えないと思いますので、ご注意ください。

【映画】聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY


聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY Original Soundtrack聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY Original Soundtrack
(2014/06/18)
サントラ、デスマスク(平田広明) 他

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「聖闘士星矢」の十二宮編を3DCGで映画化しました。

原作は既読。TVアニメも観ています。

90分で、十二宮編を詰め込もうというのですから、そもそも無茶です。しかも、キャラクターは初出として紹介しているわけですから、駆け足もいいところです。90分によくまとめたというべきなのかもしれませんが、そもそも無理な企画を押し進めたことを非難すべきです。

オールドファンは話が分かっているから付いていけますが内容には不満でしょうし、初見の人にはとても魅力が伝わったとは思えません。

中身の問題は、すべて尺不足のせいだといえます。「宇宙戦艦YAMATO2199」みたいな形で、十分な尺で現代的な「聖闘士星矢」を見せてもらいたかったです。魅力的なコンテンツなだけにつくづく残念です。

3DCGについても言いたいです。せっかくの高度な技術を生かしていません。画面を目まぐるしく動かしていますが、ためがないため疾走感がありません。キャラの表情をくるくる変えるのは、アメリカのアニメのもの真似のようです。サンクチュアリのデザインをCGゲームに出てくる空中都市みたいにしたのには暗然としました。要するに発想が貧困です。

声優についても言いたいです。アテナ(沙織)の声をアイドルがあてています。こういうことはあまり言いたくないのですが、上手ではありません。はっきり言えば下手です。そもそもアイドルというのは見かけが可愛いとかダンスがうまいとかいう人たちなのです。なんで声優をやらせて恥をかかせようというのか理解に苦しみます。

残念ながらよいところはありません。

【朝日新聞】特派員メモ:オタクへの目線(ソウル)

6月26日朝日新聞朝刊。「特派員メモ」のコーナーは、ソウルから東岡徹特派員の「オタクへの目線」です。日本のサブカルチャーが好きな韓国の高校生による日本語スピーチコンテストの話題です。日韓の外交問題にまで触れています。

私のblogは、アニメについて書く一方時事問題を取り上げますので、この記事は、素材としてはうってつけです。

「オタクを変な目線で観ないでください!」とのタイトルで韓国・光州市の高校2年生、ノ・ヨンソク君はスピーチした。「AKB48が好き」と切り出すと会場から笑いがおき、オタクの実像についてよどみない日本語で訴えた。
21日、ソウルで日本大使館などが開いた韓国の高校生による日本語スピーチ大会。21人がアニメやドラマ、歌などを通して好きになった日本を熱く語った。弁護士やアナウンサー、日本への留学、話題は将来にも広がる。
しかし、泥沼化しつつある日韓関係が影を落とす。
ノ君は韓国でオタクの印象が良くない理由を説いた。一つは「引きこもり」のイメージ。もう一つは「日本」に関係があるためで、日韓の「一刻も早い仲直り」を求めた。
ソウル近郊の京畿道の高校2年生、イ・ヒョンヒさんは日本が好きという理由でいじめられた体験を語った。周りには日本が好きであることを隠している人もいるという。
「人々の目線が怖くて夢と出会えないことがないようにしてください」。イさんの最後の言葉が胸に突き刺さった。日韓首脳を含む私たち大人の責任は重い。
(東岡徹)


東岡氏の「日韓首脳を含む私たち大人の責任は重い」との言にはまったく賛成できません。公平に考えて、日本が好きだという理由でいじめている奴が悪いというだけです。

仮に、韓国音楽が好きな日本の高校生が、それを理由に周囲からいじめられていたとします。その時、東岡氏は、「日韓首脳を含む私たち大人の責任は重い」とは言わないでしょう。

なんでもかんでも、“我々大人たちの責任だ”と言えば格好良く見えると思ったら大間違いです。

【アニメ】ブレイクブレイド


ブレイクブレイド TV EDITION Blu-ray Box (期間限定生産: 2015年8月26日まで)ブレイクブレイド TV EDITION Blu-ray Box (期間限定生産: 2015年8月26日まで)
(2014/08/27)
保志総一朗、斎藤千和 他

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原作は未読です。

劇場で公開されていたものを、TV用に編集したものです。

ロボットものです。ロボットの動きは、手書きでCGではないように見えました。CGの奇妙なぬるぬるっとしたところがなく、ゴツゴツとした動きが冴えていました。空を飛べず、駆け足とジャンプだけという設定も重厚な雰囲気に合っていました。

ロボットの闘いも、光線砲とかビームサーベルといった派手派手しいものはなく、殴り合いと剣、それに小銃くらいです。このためか、戦争が悲惨に描かれ、次々と戦死者が出たのも特徴です。

魔法とか古代テクノロジーといったSF的要素もありますが、これは消化できずに終わっています。こうした設定がなくても、話の展開に不都合はないように思います。

全体を通してみて、話が途中で終わってしまった感があります。主要な4人の登場人物のその後もよくわかりません。また、仲間殺しをしたサイコパスがなにやら意味ありげでしたが、結局意味不明のままでした。

絵は魅せるものがありましたが、ストーリーに難があったように思います。壮大な設定も空回りした感が拭えません。

【朝日新聞】対談:日韓の緊張、メディアの役割

6月24日朝日新聞朝刊オピニオン欄に、朝日新聞・大野博人氏と東亜日報・黄鎬澤氏の対談「日韓の緊張、メディアの役割」が載りました。

原発問題、慰安婦問題などを話していますが、ここでは、安重根記念館についての対話を取り上げます。

 ■安重根記念館 大野「なぜ今建設するのか」 黄「民族の自尊心を示す」
 大野: ところで中国・ハルビン駅にできた安重根記念館ですが、私自身は大きな違和感がありました。こういう動きは政治的な振る舞いとして正しいと思いますか。
 黄: 伊藤博文は日本の初代首相であり、紙幣にも肖像が使われた。でも韓国では伊藤は侵略の元凶であり、韓日強制併合の主役です。朴大統領は韓中首脳会談で中国の習近平国家主席に、安義士が伊藤を狙撃したハルビン駅に標示石を設置してほしいと求めたのですが、中国は記念館を作りました。
 大野: 記念館建設に違和感を覚えるのは、安が犯罪者という理由からではありません。韓国で安が義士と呼ばれることはよく知っていますし、日本では伊藤の功罪もいろいろ言われます。そうではなく、こんな東アジアの政治情勢の中で記念館を作るのが正しい判断かということです。日中韓の間に緊張のない状況であれば、開館時に日本の政治家がいたかもしれない。日本の保守政治家の中にも安をすばらしいと言った人はいましたから。しかし、政治的な事情で記念館建設を今の文脈で進めることはおかしいのではないか。朝日新聞の社説は安倍晋三首相の靖国神社参拝を批判しましたが、同じような視点も理由のひとつでした。
 黄: 安義士について多くの日本人はテロリストだとの認識を持っていませんか。しかし、伊藤博文を撃ったとき、韓国と日本は戦争中だったと考えます。日本の侵略と国権剥奪に対し、国の独立を守ろうという義兵が全国で立ち上がりました。伊藤狙撃は戦争中に敵国の司令官を殺したのと同じことです。安義士は韓国の独立闘士です。
 大野: 安に限らず、独立の英雄というのはテロリストと見られたり、解放された側から英雄と見られたりするケースは歴史上、山のようにあります。明治維新の時もそういう人がいたし、東ティモールのグスマオ氏や南アフリカのマンデラ氏だってそうでした。多様な側面を持った歴史的人物を、このタイミングで持ち出して、自分たちが支持を集めるための政治的な資源として使う振る舞いをどう考えるか。
 黄: 安義士の独立にかけた意志を政治的な資源として利用しようとしているという非難は、韓国の現実に対する知識が十分ではないため出るのだと思います。侵略された民族として、すべての韓国人が安義士の愛国的な行動に自負心を感じています。韓国侵略の先頭に立っていた人物を殺害した義士を敬い、たたえずして、どうやって民族の正統性を子々孫々に伝えられるでしょうか。
 大野: うーん。安が韓国で尊敬されていることは否定しません。でもなぜそれが今なのか、です。
 黄: それは日本的な視角です。日本には、なぜ韓国はいつも「謝れ」と言うのかという「謝罪疲れ」があるでしょう。一方、韓国には日本に対する「妄言疲れ」があります。なぜ今かというと、高い支持を得ている安倍政権が隣国に与えた苦痛や被害を認めないような発言をするため、韓中は同じ被害国として自尊心を打ち立てようとするのです。
 大野: 私たちは安倍政権から妄言が出れば批判します。そのことで自らも批判の的になる。それでも政権の振る舞いを相対化する役割を担わなければいけないと思うのです。
 黄: 朝日新聞も東亜日報も部数の多い新聞です。普遍的な大衆の心情と完全に遊離した論調を展開することはできません。ただ、私たちもあまりに日本に対して排他的な動きが出ていることには警戒の声を上げます。たとえば、歴史問題で今こそ中国と力を合わせるべきだという声がありますが、ケース・バイ・ケースだと思います。韓国と中国の間にも歴史問題があります。一時は中国東北部まで勢力を伸ばしていた高句麗という国がありますが、これを中国は自国の地方政府だったといって歴史を歪曲しようとしている。私たちは日本に対抗するために中国と手を握るのではなく、記念館のように、被害者として一致する分野についてのみ協力するわけです。


対談を終えて、として大野氏、黄氏がそれぞれ語っています。黄氏の発言を引用します。

 ■悲観していない 
 大野主幹と最も熱く議論したのは安重根義士のことだった。大野さんは、北東アジアの気流が敏感な時期に中国と韓国が手をとって記念館を作ることが果たして適切なのか、と長時間、表現を変えてただした。大野さんが問題を提起し、私が防御する形だった。
 大野さんは、記念館建設の際、批判的に論じたと述べた。結局は日本と韓国の国民の、伊藤博文と安義士への評価の違いから生じる問題であった。
 朝日新聞は安倍晋三首相の靖国神社参拝や慰安婦問題での発言にあたり、他の新聞より勇気をもって批判してきた。だが、初代首相である伊藤を狙撃した安義士については、進歩的な新聞でさえも日本人の平均的な心情を意識せずにはいられないようだった。
(略) 


黄氏の意見については同意しませんが、大野氏の意見にも賛同できません。

まず、黄氏の「安義士について多くの日本人はテロリストだとの認識を持っていませんか」について私見を述べます。

安重根はテロリストです。政治的主張のために暗殺という暴力的行為に出たのですからまぎれもなくテロリストです。「韓国と日本は戦争中だった」という説は無理があります。

ただし、テロリズムには要人だけを狙ったものから、無辜の民を巻き込むようなものやら、はじめから無辜の民を標的にしたものまであります。あの暗殺は伊藤博文だけを狙ったものです。テロリストであることは事実ですが、テロリストであるという理由で安重根を否定すべきとは思っていません。

黄氏の「日本と韓国の国民の、伊藤博文と安義士への評価の違いから生じる問題であった」というまとめは、大野氏の「記念館建設に違和感を覚えるのは、安が犯罪者という理由からではありません」という発言を無視しています。

初代首相である伊藤を狙撃した安義士については、進歩的な新聞でさえも日本人の平均的な心情」という発言は、一般の日本人が伊藤博文を敬愛しているため安重根を憎んでいる、と思ってのことでしょう。しかし平均的な日本人は歴史上の人物である伊藤博文を善悪といった切り口で評価していません。日本人は歴史と道徳を切り離しています。

歴史を道徳で論じないという日本人の感性が、黄氏には理解できないのだと思います。

一方、大野氏の「自分たちが支持を集めるための政治的な資源として使う振る舞い」という批判も疑問です。韓国が安重根を持ち上げるのは最近になってのことではありません。昔からです。政治的な下心があったといった批判は、韓国人には受け入れがたいでしょう。

事の本質は、中国による日韓離反策です。韓国からすれば中国と共闘しているつもりかもしれませんが、中国は韓国を取り込もうとしています。大野氏の分析は、この問題を日韓だけの問題と考え、中国という要素を無視しています。

【アニメ】龍ヶ嬢七々々の埋蔵金


龍ヶ嬢七々々の埋蔵金 1(完全生産限定版) [DVD]龍ヶ嬢七々々の埋蔵金 1(完全生産限定版) [DVD]
(2014/06/25)
田辺留依、小野友樹 他

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原作は未読です。

要素を詰め込みすぎています。数人の天才によって作られた街・部屋に住みつく可愛い地縛霊・秘宝(しかも超テクノロジー)の宝探し・泥棒稼業の実家との確執・男の娘のメイドを従えた少女名探偵・秘宝を探す学校のクラブ・秘宝をめぐってのバトル etc…

こうした要素が有機的に絡み合っていません。受けそうなものをとにかく詰め込んだ、という印象です。

題名からして、宝探しがメインだと思いますが、そもそもこの秘宝は七々々(地縛霊)たちが世界中から集めたものを再度舞台の島の各所に隠したもの、という釈然としない設定です。秘宝のテクノロジーの由来にいたっては話題にもなっていません。

七々々が死んだ事情というはじめに提示された謎にまるで迫ることなく終わってしまいました。主人公の父親との確執も描けていません。原作が終わっていないからかもしれませんが、中途半端に過ぎます。この段階でアニメ化する意味がわかりません。

【世論調査】朝日新聞6月23日

6月23日朝日新聞朝刊に世論調査の結果が発表されました。

 (数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。◆は全員への質問。◇は枝分かれ質問で該当する回答者の中での比率。〈 〉内の数字は全体に対する比率。丸カッコ内の数字は5月24、25日の調査結果)

◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
 支持する  43(49)
 支持しない 33(30)

◇それはどうしてですか。(選択肢から一つ選ぶ。左は「支持する」43%、右は「支持しない」33%の理由)
 首相が安倍さん  14〈6〉   6〈2〉
 自民党中心の内閣 18〈8〉  20〈7〉
 政策の面     43〈18〉 63〈21〉
 なんとなく    22〈9〉   7〈2〉

◇(「支持する」と答えた43%の人に)これからも安倍内閣への支持を続けると思いますか。それとも、安倍内閣への支持を続けるとは限らないと思いますか。
 これからも安倍内閣への支持を続ける  41〈18〉
 安倍内閣への支持を続けるとは限らない 55〈23〉

◇(「支持しない」と答えた33%の人に)これからも安倍内閣を支持しないと思いますか。それとも、安倍内閣を支持するかもしれないと思いますか。
 これからも安倍内閣を支持しない 57〈19〉
 安倍内閣を支持するかもしれない 35〈12〉

◆今、どの政党を支持していますか。
自民33(37)
民主4(5)
維新1(1)
公明2(3)
みんな1(0)
結いの党0(0)
共産3(2)
生活0(0)
社民0(1)
新党大地0(0)
新党改革0(0)
その他の政党1(1)
支持政党なし46(44)
答えない・分からない9(6)

◆安倍首相の経済政策への取り組みを評価しますか。評価しませんか。
 評価する  45
 評価しない 31

◆安倍首相の経済政策が、賃金や雇用が増えることに結びついていると思いますか。そうは思いませんか。
 賃金や雇用が増えることに結びついている 27
 そうは思わない             55

◆安倍首相の社会保障政策への取り組みを評価しますか。評価しませんか。
 評価する  23
 評価しない 50

◆安倍首相の原発・エネルギー政策への取り組みを評価しますか。評価しませんか。
 評価する  22
 評価しない 57

◆安倍首相の外交・安全保障政策への取り組みを評価しますか。評価しませんか。
 評価する  38
 評価しない 40

◆集団的自衛権についてうかがいます。集団的自衛権とは、アメリカなど日本と密接な関係にある国が攻撃された時に、日本が攻撃されていなくても、日本への攻撃とみなして一緒に戦う権利のことです。これまで政府は憲法上、集団的自衛権を使うことはできないと解釈してきました。集団的自衛権を使えるようにすることに、賛成ですか。反対ですか。
 賛成 28
 反対 56

◆安倍首相は、国会の議論や国民の賛成を経て、憲法を改正するのではなく、内閣の判断で、政府の憲法の解釈を変えて、集団的自衛権を使えるようにしようとしています。こうした安倍首相の進め方は適切だと思いますか。適切ではないと思いますか。
 適切だ    17(18)
 適切ではない 67(67)

◆安倍政権は、近いうちに憲法の解釈を変えて、集団的自衛権を使えるようにすることを決める方針です。安倍政権での集団的自衛権をめぐる議論は十分だと思いますか。十分ではないと思いますか。
 十分だ     9
 十分ではない 76

◆国連の集団安全保障についてうかがいます。国連は、平和を乱したと判断した国に対して、多国籍軍などが武力で制裁を加えることを認めています。これまで日本は憲法上、武力行使を伴う参加は認めてきませんでした。国連の集団安全保障で、日本が武力を使えるようにすることに賛成ですか。反対ですか。
 賛成 20
 反対 65

◆安倍政権は、企業が納めている法人税の税率を引き下げることを検討しています。法人税を引き下げることに賛成ですか。反対ですか。
 賛成 39
 反対 38

◆政府は、働いた時間の長さではなく、仕事の成果に応じて賃金を決めて、その代わりに残業代をなくすことができる制度の導入を検討しています。こうした制度の導入に賛成ですか。反対ですか。
 賛成 25
 反対 53

 <調査方法> 21、22の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、全国の有権者を対象に調査した(福島県の一部を除く)。世帯用と判明した番号は3458件、有効回答は1756人。回答率51%。


この世論調査が私のところに来たと想定して回答してみます。

>◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
支持します。

>◇それはどうしてですか。
「首相が安倍さん」だからです。

>◇(「支持する」と答えた43%の人に)これからも安倍内閣への支持を続けると思いますか。それとも、安倍内閣への支持を続けるとは限らないと思いますか。
支持し続けるとは限りません。現在でもぎりぎり支持です。
この質問は、新機軸のようです。継続して欲しいです。絶対支持と絶対不支持がそれぞれ2割弱で、残りが揺れ動く層だと読めました。

>◆今、どの政党を支持していますか。
支持政党はありません。
私が注目している(≠応援している)社民党は、またも0%支持に戻ってしまいました。
みんなの党が1%に浮上したことが今回の目玉でしょうか。例の都議会での野次問題で、同情が集まったのではないかと推測します。

>◆安倍首相の経済政策への取り組みを評価しますか。評価しませんか。
評価します。順調だと思います。

>◆安倍首相の経済政策が、賃金や雇用が増えることに結びついていると思いますか。そうは思いませんか。
結びついています。アルバイトの時給が上がっているのはよい兆候です。

>◆安倍首相の社会保障政策への取り組みを評価しますか。評価しませんか。
保留します。なんともいえません。

>◆安倍首相の原発・エネルギー政策への取り組みを評価しますか。評価しませんか。
保留します。なんともいえません。

>◆安倍首相の外交・安全保障政策への取り組みを評価しますか。評価しませんか。
評価します。

>◆集団的自衛権についてうかがいます。集団的自衛権とは、アメリカなど日本と密接な関係にある国が攻撃された時に、日本が攻撃されていなくても、日本への攻撃とみなして一緒に戦う権利のことです。これまで政府は憲法上、集団的自衛権を使うことはできないと解釈してきました。集団的自衛権を使えるようにすることに、賛成ですか。反対ですか。
賛成します。

>◆安倍首相は、国会の議論や国民の賛成を経て、憲法を改正するのではなく、内閣の判断で、政府の憲法の解釈を変えて、集団的自衛権を使えるようにしようとしています。こうした安倍首相の進め方は適切だと思いますか。適切ではないと思いますか。
適切ではありません。一内閣で勝手に憲法解釈をいじるのは危険です。集団的自衛権には賛成ですが、この進め方はよくない前例をになる、と危惧します。

>◆安倍政権は、近いうちに憲法の解釈を変えて、集団的自衛権を使えるようにすることを決める方針です。安倍政権での集団的自衛権をめぐる議論は十分だと思いますか。十分ではないと思いますか。
不十分です。

>◆国連の集団安全保障についてうかがいます。国連は、平和を乱したと判断した国に対して、多国籍軍などが武力で制裁を加えることを認めています。これまで日本は憲法上、武力行使を伴う参加は認めてきませんでした。国連の集団安全保障で、日本が武力を使えるようにすることに賛成ですか。反対ですか。
賛成です。もっとも実際に派兵するかどうかは個別の判断になります。

>◆安倍政権は、企業が納めている法人税の税率を引き下げることを検討しています。法人税を引き下げることに賛成ですか。反対ですか。
反対です。そもそも日本の法人税が高い、という俗説に疑いを持っています。企業は軽減税率のテクニックを駆使しますので、条文に書かれた税率で論じるべきではないと思います。

>◆政府は、働いた時間の長さではなく、仕事の成果に応じて賃金を決めて、その代わりに残業代をなくすことができる制度の導入を検討しています。こうした制度の導入に賛成ですか。反対ですか。
反対です。

今回は原発の質問がありませんね!

【映画】ポンペイ


ポンペイポンペイ
(2014/06/11)
サントラ

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監督ポール・W・S・アンダーソン
主演:キット・ハリントン

身分違いの男女の恋と横恋慕する大物、そしてそれらを包み込む大災害というモチーフは「タイタニック」を連想させます(連想どころか、パクリじゃないかと思いました)。ローマ史劇ですので、当時の風俗や剣闘士の戦いなどの要素も盛りだくさん。後半の大災害も迫力があります。

映像はいいのですが、話が薄いです。

まず、主演の男女が白人で、黒人がちょっといい奴役、というのはもはや陳腐です。営業上の理由なのかもしれませんが、いい加減にして欲しい設定です。当時のローマ帝国にそんなに大勢黒人がいたのかな、という疑問もあります。

ローマの有力者(キーファー・サザーランド)が、家柄や金銭的な理由でもなく純粋に一人の女性に執着するというのは不自然です。まして街から一刻もはやく脱出しないと命が危ない状況なのに、剣闘士と女の取り合いをしている場合ではありません。

パニック映画の場合、おうおうにして人物描写がおざなりになって映像主体になりがちです。「ポンペイ」はそれを避けようとしたのでしょうが、裏目に出ています。人間ドラマは抑え目にしてシンプルなストーリーにした方がすっきりしたと思います。

高くは評価できませんが、あの大災害シーンは大画面で見る価値はあります。ストーリーに期待しないで、映像を観にいく人にはお薦めできます。

【映画】春を背負って


【チラシ付映画パンフレット】 『春を背負って』 出演:松山ケンイチ.蒼井優.檀ふみ【チラシ付映画パンフレット】 『春を背負って』 出演:松山ケンイチ.蒼井優.檀ふみ
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出演:松山ケンイチ、蒼井優

普段だとこの手の映画は敬遠して観ないのですが、東宝の株主総会のお土産で券をもらったので、観にいきました。

都会で働くエリート金融マンの息子が、急死した父親の残した山小屋を継ぐ、という要するに脱サラの物語です。悪意のある人間が一人も出てこないというファンタジックな人間模様を、美しい山岳を背景に話は進みます。

ストーリーは、「遭難(急病を含む)→救助」の組み合わせを延々と繰り返しながら、随所に味のあるセリフが挟まれる、といったものです。父親の事故死に関係した登山者くらいは出てくるかと思っていましたが、それすら出てきませんでした。

この手の映画に不満を言えばキリがありませんが、おそらく文句を言いながら観る映画ではないのでしょう。良いところだけを観て満足する映画です。

タダ券で観たから文句は言いません。お金を払って観たとしたら、もっと辛口のことを書いたかもしれませんが・・・・・・

【時事問題】女性都議への野次

東京都議会で、女性都議に対して、セクラハまがいの野次が飛んだ問題です。

朝日新聞が以下のように報道しています。

 東京都議会で晩婚化や晩産化の対策について質問した塩村文夏(あやか)都議(35)が、「自分が早く結婚すればいい」と男性都議からヤジを飛ばされた。ウェブ上で「セクハラだ」と議論が高まり、都議会には1千件を超す批判が殺到した。最大会派の自民は、発言者を特定せず幕引きを図ろうとしている。
(略)
 塩村氏は18日の一般質問で、割り当てられた時間の半分を出産や不妊に悩む女性の問題にあてた。「不妊治療を受ける女性のサポートを都は手厚くすべきだ」。そう訴えると、左前方の自民都議らが座る一角から、「お前が早く結婚すればいいじゃないか」「産めないのか」などとヤジが相次いだ。塩村氏が声を詰まらせながら質問を続けると、「おい、動揺しちゃったじゃねえか」と別のヤジも飛んだ。
 都議会での議員の発言については、会議規則で「騒ぎその他議事の妨害となる言動をしてはならない」と定めているが、セクハラ発言については「罰則はない」(議会事務局)という。一方、傍聴人がヤジを飛ばすことは規則で禁じられ、違反すれば議長の命令で議場外に連れ出される。
(略)


実に品性下劣な野次です。あきれ果てました。一般企業で職場において類似の発言をしたら、ただでは済まされないはずです。そもそも不規則発言は禁止されているにも関わらず、「議会の華」などとうそぶいて放置してきたつけが回ったのだと思います。厳正な処分を望みます。

ただ、“けしからん、けしからん”と書くだけでは、blogに載せる意味が薄いので、他の感想も書いてみます。


今回問題が大きくなったのは、野次の被害が女性議員だったことが、やはり影響していると思います。仮に、独身の男性議員が「お前が早く結婚すればいいじゃないか」と野次られ涙ぐんだとしても、ほとんど同情されないでしょう。つまり、男女で扱われ方が違う=男女差別です。

男女差別意識は野次った議員だけにあるのではなく、多かれ少なかれ共有しているのだと思いました。


不妊治療に対する援助をすべき、という意見の述べるのに、本人の結婚や出産経験は必要ありません。寝たきり老人のいる家庭への援助を訴えるのに、家族に寝たきり老人がいなくてもいいのと同じです。

したがって、今回の野次は品性に欠けるという倫理的な問題だけでなく、論理的にも整合性がありません。

【アニメ】史上最強の弟子ケンイチ 闇の襲撃


史上最強の弟子ケンイチ 56 OVA付き特別版第7弾 (少年サンデーコミックス)史上最強の弟子ケンイチ 56 OVA付き特別版第7弾 (少年サンデーコミックス)
(2014/05/14)
松江名 俊

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OVA版で発表されたものをTV放映用に若干短縮したとのことです。

第1期にあたるTVシリーズは観ていました。原作は未読です。

前シリーズは面白かったです。「闇の襲撃」も前作に引き続き、楽しめました。

しかし、ちょうど盛り上がったところで終了したのは残念です。前シリーズが4クールだったのに対して、今シリーズが1クールという関係もあるかもしれません。また、今シリーズは、師匠筋の争いに巻き込まれた、という構造をとりながら、師匠が前面に出て闘わない(闘うといっぺんに決着がついちゃうからかな?)ためか、やや無理な展開が見られました。

全体としては、前シリーズの賑やかな空気に触れられて楽しい時間を過ごせました。

良作です。

【朝日新聞】これでいいのか「嫌中憎韓」 ブームの出版界に疑問の声

6月16日朝日新聞朝刊。「これでいいのか「嫌中憎韓」 ブームの出版界に疑問の声」より。

 中国や韓国を批判する「嫌中憎韓」本の売れ行きが好調な出版界。憎悪をあおるような言説を疑問視しブームに対抗しようという動きが内部から出始めた。
 「中国や韓国を批判する週刊誌の広告の言葉遣いはひどい。電鉄会社に規制を求めるべきだ」
 「週刊誌を出す出版社を敵に回しては、作家も書店も巻き込めなくなる」
 東京都内の出版社の一室で4月下旬、大手から中小まで様々な出版社の社員約20人が議論を交わしていた。他国や他民族への憎悪をあおる言説に出版界の中から歯止めをかけられないか。そんな考えからフェイスブックなどを通じて集まった「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会」のメンバーだ。
 会社に秘密で参加している人も多く、今後どのような活動ができるのかはまだ未知数だが、事務局の岩下結さんは「今の状況をおかしいと思っている人が多いことを示したかった。のろしをあげることに意味がある。今後も会合を開き、出版界全体で考える流れを作っていきたい」という。
 外交関係の緊張を背景に、中国や韓国を批判する本は昨年秋ごろから売れ始めた。今年上半期、新書・ノンフィクション部門の週刊ベストセラーリスト(トーハン)には「韓国人による恥韓論」「犯韓論」など両国をテーマにした本が7冊、トップ10入りした。中でも「呆韓論」は10週連続で1位。濃淡はあるが、いずれも様々な角度から両国を批判する内容で、売り場の目立つ場所で特集している書店も多い。
 こうしたブームに疑問を呈したのが、河出書房新社だ。先月、全国の書店に呼びかけて選書フェア「今、この国を考える」を始めた。「『嫌』でもなく、『呆』でもなく」をキャッチフレーズに、「今読むべき本」として作家いとうせいこうさんら著名人19人が選んだ18冊を紹介。作家平野啓一郎さんは韓国の政治思想史研究者による「帝国日本の閾(いき)」を、ジャーナリスト安田浩一さんは「ヘイト・スピーチとは何か」を選んだ。同社の担当者は「ブームの裏で、生活保護バッシングや女性の貧困、雇用問題など切に問われるべき社会問題が置き去りにされている」と話す。
 ジュンク堂や紀伊国屋書店など全国の約150店がフェア開催に応じた。丸善・名古屋栄店の鈴木朋彦副店長は「書店は多様な本があるところ。韓国、中国に批判的な本に偏るのはおかしいと思っていたところにフェアの案内が来た」。
 中小出版社の業界団体「版元ドットコム」も、「反ヘイト・アンチレイシズム」と題したフェアをネット上で始めた。加盟社によびかけ、11社が賛同。26冊が紹介されている。
 その1冊、関東大震災での朝鮮人虐殺をテーマにした「九月、東京の路上で」は初版2200部が、発売2カ月で既に3刷に。出版元「ころから」の木瀬貴吉代表は「初版を10年かけて売るつもりの本だった。『反ヘイト』であることがこう注目されると思わなかった」。加盟する出版社の高島利行取締役は「書店が売れる本を置くのは自由。それは同時に、嫌中憎韓に反対する本も話題になる可能性がある」と期待する。
(略) 
(守真弓)


「嫌中憎韓に、反対するのは別にかまいませんが、選本には疑問を感じます。

彼らが問題としているブームは「中国や韓国を批判する」ものであったり「他国や他民族への憎悪をあおる言説」であったりします。これらに対抗するために推薦した本は「帝国日本の閾(いき)」(戦前の日本がテーマのようです)とか「ヘイト・スピーチとは何か」(日本のヘイト・スピーチを批判した本。既読です)とか「九月、東京の路上で」(関東大震災時の朝鮮人虐殺の話)などです。

本来であれば、ごく自然に考えれば、「嫌中憎韓」へのカウンターは、中国や韓国がいかに素晴らしい社会・文化であるかを解説した本であるはずです。しかし、彼らの推薦本はいわゆる「反日」でした。

いくら日本の悪口を並べてみても、そして正鵠を射た批判であったとしても、中韓批判への反論にはなりません。日本の悪いところはあくまで日本の悪いところであって、中韓の良いところになるわけではありません。

どうしてこういう本が選択されたのか、以下は私の邪推です。

彼らの頭にこびりついているのは、国家に序列があるという意識なのでしょう。だから、日本を落とせば相対的に中韓が上がるという発想ではないでしょうか。奇妙な発想ですが、そう考えると辻褄があいます。

【朝日新聞】社説:若者の意識―「どうせ」のその先へ

6月17日朝日新聞の社説「若者の意識―「どうせ」のその先へ」より

 「『自虐史観』を植えつけられて、若者が自国に誇りを持てなくなっている」
 「行き過ぎた個人主義がはびこり規範意識が低下している」
 こう熱心に主張される向きには、まずは安心して頂きたい。
 閣議決定された今年の「子ども・若者白書」は、日本、韓国、米国、英国、ドイツ、フランス、スウェーデンの計7カ国で、13~29歳の男女約千人ずつを対象に昨年実施したインターネット調査の結果を掲載した。
 「自国人であることに誇りを持っている」と答えた人の割合は、日本が70%。米国、スウェーデン、英国に次いで高く、「自国のために役立つと思うようなことをしたい」は55%でトップだった。一方「他人に迷惑をかけなければ、何をしようと個人の自由だ」は42%。他国平均は約8割なので極端に低い。
(略)


「子ども・若者白書」はここにありました。

「『自虐史観』を植えつけられて、若者が自国に誇りを持てなくなっている」という俗説が間違っている、という社説の指摘は正しいようです。実際に白書から数字を抜き出してみます。

「自国人であることに誇りを持っている」
日本:70.4%
韓国:59.9%
アメリカ:76.2%
イギリス:72.7%
ドイツ:66.2%
フランス:69.0%
スウェーデン:75.0%

統計ですので5%程度の誤差を見込んでいるはずです。したがって日本より高いのはアメリカだけで、日本より低いといえるのは韓国だけです。日本は決して低くありません。

「自国のために役立つと思うようなことをしたい」は、
日本:54.5%
韓国:43.2%
アメリカ:42.4%
イギリス:40.6 %
ドイツ:49.7%
フランス:44.8%
スウェーデン:53.7%

となっています。誤差を勘案しても確かに日本の数字は高いです。むしろ、自国民であることを誇りに思いながら、自国に役に立つことをしたいと思わない国(アメリかとイギリス)が不思議です。

「他人に迷惑をかけなければ,何をしようと個人の自由だ」は、国別の数字がありませんでした。「諸外国平均」とグラフで比較しているだけです。朝日の社説によれば、諸外国は8割ですので、日本の41.7%は確かに低いです。

私には、他人に迷惑をかけていないのにしてはいけないこと、というのが何を想定しているのか分かりません。迷惑をかけないかぎり個人の自由だ、と思っています。特に私が規範意識の乏しい人間だとは思いません。何らかの意識のズレがあるのでしょうか。

【本】金儲けが下手な日本人のためのカジノ論


金儲けの下手な日本人のためのカジノ論 (ワンテーマ21)金儲けの下手な日本人のためのカジノ論 (ワンテーマ21)
(2014/05/08)
堀 紘一

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著:堀鉱一

著者は元ボストン・コンサルティング社長。カジノの体験談と、日本でカジノを解禁した場合の注意点が述べられています。

まず驚いたのは、堀氏が48年間カジノに出入りし、しかも数千万円レベルの賭けを行う「ハイローラー」として遊んでいたことです。なお、堀氏はトータルで損をしているそうですが、自制心があるせいか、財産をすべて失うようなことにはなっていません。

日本でのカジノ解禁に対して堀氏は賛否を明言していません。しかし、作るとしたらああしたらいい、こうしたらいいと述べていますので、賛成派に分類して間違いないでしょう。

賛成の理由は、経済効果です。税収の増加と、雇用の増加です。

彼等(カジノ事業者)が儲かるかどうか、それは英語でいえば「ナン・オブ・アワ・ビジネス」。つまり相手の問題であってこっちの問題ではない。(P220)


と述べています。

しかし、カジノ事業者が儲からないと(=カジノに人が集まらないと)、税収も上がりませんし、就労者も先がありません。「ナン・オブ・アワ・ビジネス」というのは正論だとしても、やはりカジノが人で賑わうのが成功の前提になるはずです。

では、日本のカジノに誰が来るのか、ということですが、堀氏は

私としてはむしろ、日本人客が八〇%前後を占めるのではないかとも予想しているくらいだ。
中国人が一〇%くらいで、韓国人と台湾人がそれぞれ五%くらい、残り数%がほかのアジア諸国の人たちや欧米人になるのではないだろうか。」(P128)


と言っています。また、

カジノには予想される以上に高齢者が集まるはずだ。
高齢者はお金と時間があるのに、お金を使わない傾向が強い。高齢者がカジノに出かけるようになれば、貯蓄率の高さを切り崩していける。いかに高齢者にお金を使わせるかということは、日本経済にとっては一番の課題になっていた部分だ。
こうした連鎖によってGDPが伸びていくのは、国家経済としては好ましい。」(P130)


つまり、日本の高齢者がカジノで金を落とすことを見込んでいます。

ここで疑問が出ます。第一に、日本の高齢者がそんなに簡単にカジノで金を落とすのか、という疑問です。大多数のお金を溜め込んだ高齢者は競馬もしなければパチンコ店にも行きません。彼等は賭け事そのものが嫌いみたいです。だから貯蓄率が高いのです。堀氏は自身がカジノ好きであるため、カジノが解禁されたら万人が喜んで出かけると思い込んでいるではないでしょうか。

もちろん一部の老人はカジノに通うでしょう。しかし、その内の何割かは、破産寸前になる恐れがあります。経済効果どころかマイナスの影響さえ懸念されます。誰もが堀氏のような自制心をもって遊んでいるわけではありません。

堀氏の論は、利点欠点を客観的に引き比べて判断しているのではなく、都合のいい「絵」を見ているようにしか思えません。

なお、「はじめに」の次の一節、

世界中の百か国以上、二千か所以上にカジノがある中で、これまで日本にカジノがなかったのが不自然だったのである。
カジノがないのは文明国として恥だともいえる。(P4)


というのは全く論理が通っていません。「不自然だった」まではいいとして、それが「恥」である理由がありません。こういう滅茶苦茶を言う人のいうことは眉に唾をつけて読むべきでしょう。

参)【本】カジノ解禁が日本を亡ぼす

【朝日新聞】福原義春の道しるべをさがして:世界のひきこもり

6月14日朝日新聞be on Saturday青(土曜日の朝日新聞の別冊)の「福原義春の道しるべをさがして」のコーナーは「世界のひきこもり」と題して、日本人留学生が少なくなったことを論じています。

福原義春氏は資生堂の名誉会長です。

 20年以上も前のことだが、資生堂が米ハーバードメディカルスクールなどと共同で研究所を立ち上げたのが縁で、トップだったトステソン教授に頼まれて諮問委員となった。そのころ、彼から「日本人の留学生が全然来なくなった。どうしたものか」と相談されたものだった。
 今年になって、知人で元米通商代表部幹部のグレン・S・フクシマ氏が昨年11月に日本で行った講演記録を読む機会があった。それによると、米国に留学する日本人の数は激減かつて米国留学が世界のどの国よりも多かった日本人は、今や7番目になり、2、3年以内にベトナムに追い越されるだろうと言っている。実際、文部科学省の調査では、海外留学者数は2004年をピークに減少し続けている。
(略)
 フクシマ氏によると、ハーバード大のファウスト学長が、09年までの10年間の留学生数上位10カ国の中で、日本が唯一数を減らし、中国は倍増、韓国は3倍に増えていると話していたそうだ。将来、グローバル企業や国連などの国際機関で活躍するのは、韓国系や中国系の人ではないだろうか。
 古いかもしれないが、明治の人たちは海外で勉強したいと、船底の三等船室で、あるいはボーイを志願して乗り込んだ。苦学の様子を見聞きするごとに、隔世の感を禁じ得なかったが、そうした先人が、各分野の指導者となり、世界と渡り合ったのだ。
 我々がひきこもりたくてもグローバル化は避けられない。このままでは世界の中で、日本の存在感は薄れるばかりだ。国のトップだけが熱心に外遊をしても、問題は解決しないのだ。


福原氏のこの文章は、よくない文章の見本です。何が悪いかというと数字・データがずさんなことです。

米国に留学する日本人の数は激減」だけでは分かりません。“○○年に何人だったのが××年に何人になった”という数字を示さないとわかりません。

かつて米国留学が世界のどの国よりも多かった日本人は、今や7番目」と言っても、何年前に日本人が一番だったのかが分かりません。

文部科学省の調査では、海外留学者数は2004年をピークに減少」というデータは出しましたが、米国留学やハーバード大留学のピークが2004年だったとも断言できません。

海外留学者、米国への留学者数、ハーバード大への留学者といった異なる性質のものをごっちゃに論じているのもいただけません。

この文章を読んも海外留学の実体はわかりません。したがって説得力を持ちません。

参1
「留学で人生を棒にふる日本人」(著:栄 陽子)では、レベルの高くない海外の学校に留学した日本人の悲喜劇を伝えています。感想はここです。

参2
同じく、海外留学が現象したことを嘆いた新聞記事への感想をアップしていました。ここです。ここでも記事の数字のいいかげんさを指摘していますが、福原氏よりはきちんとしていました。

【展覧会】近代の日本画展

昨日書いたはずの記事がなぜか更新されていませんでした。もう一度載せます。

※展覧会に行ったのは昨日です。

於:五島美術館

近代の日本画の展覧会です。近代ですので、明治以降ですが、昭和の作品が一番多かったように思います。有名な画家の作品が多く、みごたえがありました。

横山大観の絵は別室でまとめて展示していました。特別扱いみたいです。

小林古径の「茄子」と川端龍子の「冨貴盤」が好みに合いました。

6月22日までです。

【朝日新聞】社説:働き方と賃金―長時間労働は許されぬ

6月13日朝日新聞の社説。残業代ゼロ政策についてです。

 年収が高いからといって、健康を損なうような長時間労働をさせていいはずがない。それが大原則だ。
 働いた時間と関係なく賃金を決める制度の新設が決まった。新制度では、残業代という考え方がなくなる。政府の産業競争力会議で民間議員の経営者が提案し、厚生労働省も同意した。
 対象は、最低でも年収1千万円以上で、職務内容がはっきりしている人。労使が参加する審議会で議論し、年内にも具体的な制度を決める。
(略)
 新制度で、働く人の職務内容が明確化されるのは望ましい。ただ、「残業代をなくせば長時間労働がなくなる」という主張は根拠が薄い。企業側に仕事量を決める権限があるなら、長時間労働を余儀なくされる。
 新制度の対象は、仕事量を決める裁量があり、会社と交渉する力がある労働者に限るべきだ。休日を強制的にとらせるといった規制も欠かせない。
 いったん制度ができれば、なしくずしに対象が広がる心配も残る。年収1千万円超の勤労者は全体の4%未満とされるが、経団連会長が「全労働者の10%程度は適用を」と発言するなど、経済界には対象拡大の思惑がにじむ。簡単に変更できないよう、年収条件を法律で決めることも必要だろう。
(略)


なぜだか、私のようなシステムエンジニアはすでに残業代が出なくなっています。その経験から書きます。

残業代ゼロ政策が長時間労働をなくすため、というのは全く信じられません。むしろ、長時間労働が増えると思います。企業側からしたらタダで働かせられます。労働者側からすれば、無償で働くことで忠誠心を示すことができます。示すことで出世を狙う人だけでなく、示さないとクビが危ない人もいます。どちらに属する人も今より長時間労働になるでしょう。残業せずに帰るのは、よっぽど空気が読めない少数派だけです。

朝日新聞の主張では「年収条件を法律で決める」などの条件を満たせば残業ゼロ政策に反対ではないようです。しかし、どういう条件を課したとしても、この政策で労働者にメリットがあるとは思えません。

【朝日新聞】成長戦略を問う:外国人労働者の受け入れは

6月12日朝日新聞朝刊。「成長戦略を問う:外国人労働者の受け入れは」と題して、反対派の埼玉大名誉教授・小野五郎氏と、賛成派の日本国際交流センター執行理事・毛受敏浩氏がインタビューに答えています。

毛受氏の発言「定住も認め、地方衰退防げ」を取り上げます。なお毛受氏の著作「人口激減」は既読です。感想はここに書きました。

 人口が減り続け、2040年には年間100万人が減ると予測されている。地方は衰退し、日本人だけではやっていけない。このままでは介護も地域の農業も支えられない。
 外国人受け入れの特区を設けるなど実験的な取り組みを早急に開始すべきだ。ブルーカラーを含めて東南アジアなどから優秀な人材を求め、数年の滞在の後に審査のうえで定住の道も認めるべきだ。いい人材を得ようとするなら、日本が経済的にまだ元気なうちに移民を受け入れるための制度を作ったほうがいい。
 今の技能実習制度は、最低賃金に張り付いていることが多く、労働力を格安で使っているのが実態だ。労務管理の違反も多く、国連などから批判されている制度で、これを広げるのはおかしい。韓国では、雇用許可制を取り入れた。市場テストをやって、人手が足りないことを確認してから受け入れ人数を決めており、参考になる。外国人にも日本人と同じ賃金を払うというルールを徹底し、全体の賃金が下がらないようにすべきだ。
 日系人の受け入れなど、日本には多文化共生の経験があり、多くのNPOも地域で活動し成果を上げている。こうした経験を共有し、社会的なコストを下げる努力をすべきだ。
 米国では移民2世が起業家として成功するなど、社会の活力になっている。外国人のゼロからはい上がるエネルギーは、日本の若者にも刺激になるだろう。
 欧州で移民が問題になるのは、外国人の割合が10%をはるかに上回る国が多いからだ。日本の外国人比率は1・7%。30年までに東京23区の3・8%まで増やすのを目標にしてはどうか。欧州を引き合いに出すのは、近郊の山に登るのに、まるでエベレストに登るかのように酸素ボンベの心配をするようなものだ。


「人口激減」の感想に書いたように毛受氏の論理は粗雑で見るべきところはありません。それはこのインタビューでも同じです。

こと細かく反論するのは重複になりますが、引き返すことができる登山と人間を相手にする移民政策を同じように見ることはできない、ということだけは言っておきます。失敗だったから帰れ、とは簡単には言えません。無茶苦茶な比喩を持ち出さなければ正当化できないのでしょう。

Blogをやる前でしたら、「人口激減」のような駄本は読んでも直ぐに忘却したはずです。Blogに記事を書いたおかげで著者の名前も覚えていました。Blogをやっていてよかった、と思いました。

【朝日新聞】(思想の地層)法の支配と原発 残留の義務、誰にもなかった

6月9日朝日新聞夕刊。小熊英二・慶応大学教授の「法の支配と原発 残留の義務、誰にもなかった」より

(略)
 「朝日新聞」が報道した「吉田調書」が反響を呼んでいる。そこで私が注目したのは、福島第一原発所員の9割が、3月15日朝に所長の命令なく無断撤退したことだった。
 この日、福島第一原発所内では毎時400ミリシーベルトが計測された。これは5時間でも致死率5%、8時間では致死率5割に相当する線量だ。
 報道では、所員の無断撤退が問題とされた。しかし本来、民間企業の従業員に、こうした状況で残れと命令する権利は誰にもない。拒否する権利、少なくとも辞職する権利は、保障されなくてはならない。
 このとき所員の9割は無断撤退したが、約70人が残留した。欧米では彼らを「フクシマ50」と呼んだ。それは勇敢さを称えたからだけではない。そんな状況で所員を働かせる人権無視に驚いたのである。
 あるドイツ在住者は、当時の新聞投稿で、この問題への欧州人の反応をこう記している(本紙11年4月11日「声」欄=東京)。「民主主義の先進国で、これが可能なんて信じられない。ドイツ人ならみんな、残って作業するのを断るだろう」「欧州なら軍隊は出動するかもしれないけど、企業の社員が命をかけて残るなんてありえない。まず社員が拒否するだろうし、それを命じる会社は反人道的とみなされる」
 軍人は死ぬ可能性のある命令でも従う旨を契約しているから、政府が軍の核対応部隊などに残留を命令できる。だがそんな契約をしていない民間人に、残留を命じる権利は誰にもないし、またそれに従う義務もないのだ。
 この投稿者は、「日本でこのような議論があまり無かった気がする」と述べている。それはなぜか。日本では、民間企業の従業員が人権無視の契約外命令を受けても、拒否できないことが暗黙の前提とされているからだ。そして日本の原発も、その前提で運営されているのである。
 所員の9割が無断撤退した3月15日、菅直人首相は、東電に「撤退はありえない」と告げた。ただしこれに法的裏付けは何もなく、単なる「要請」である。東京消防庁が出動したのも「要請」によるものだ。
 要請に応じるのは、原則的には、あくまで自己責任による自発的行為である。それゆえ要請に対しては、拒否できる権利が保障される。さもなければ、「法の支配」が確立した「民主主義の先進国」とは言えない。
 だがそれなら、原発事故で誰が最後に残るのか。「日本人は要請に従うはずだ」とは誰も保証できないし、するべきでもない。残留する法的責任を負い、事故に対応できる技術と装備を持つ機関は、現在のところ存在しない。それなしには、冒頭の浪江町民の悲劇を繰り返さないための法制度が、整っていないことになる。
 これは明らかに、法制度上の不備である。菅元首相は、福島第一原発の状況が悪化したら、東京を含む半径250キロ圏の避難が必要になるという試算を示され、国家の政治・経済機能が崩壊する危機感を覚えたという。それを考えれば、これは「グレーゾーン事態」よりも重大な安全保障上の欠陥ともいえる。この点の法整備なしに、原発の再稼働に賛成することは、私にはできない。


ドイツ人ならみんな、残って作業するのを断るだろう」「欧州なら軍隊は出動するかもしれないけど、企業の社員が命をかけて残るなんてありえない」というのは、ドイツ人投書子の想像です。実際に原発事故が起きたときに欧州人がどうふるまうかなど本当のことがわかるはずがありません。3.11以前の日本の一市民に、原発事故が起きたときに発電所にいる電力会社の社員がどうふるまうかを予測できないのと同じです。

欧州の場合は、「軍の核対応部隊」に命令できるからいいんだ、という説明も納得しかねます。いくら訓練を積んだとしても、軍人だけで原発事故に対応できるとは信じがたいものがあります。どうしても民間の専門家が残る必要はでてくるのではないでしょうか。

法律の前提がなければ要請は拒否できる、というのは一面的です。我々は法以外にも、宗教・倫理・道徳といったものに縛られて生きています。違法でないから問題ない、などと開き直る者は社会的に非難されます。これは欧州でも同じだと思います。

あの事故から日本特殊論を展開するのは強引すぎます。

ただし、小熊氏の意見に真っ向から反対しているわけではありません。必要があれば(9割が逃げたというのが事実なら必要だと思います)、原発技術者は事故があった際に残らなければならない、と法律に明記することには反対しません。船舶事故の場合は、たとえ民間人でも乗務員には残って乗客を助ける法的義務があります。同じように、こうした法律の原発版があっても違和感はありません。

【朝日新聞】初期捜査、幹部が不手際 栃木小1殺害、逮捕に8年半

6月10日朝日新聞朝刊。今市市の女児殺害事件の捜査に問題があったことを伝えています。

 8年半の歳月を経て、容疑者を逮捕した栃木県今市市(現日光市)の小1女児殺人事件。物証が少ないながら、容疑者は当初から捜査線上にあがっていた。現場を混乱させる一因になったのが、初期捜査のミスだった。男の逮捕から10日で1週間になる。
 9日、茨城県常陸大宮市三美(みよし)の山林。栃木、茨城両県警の合同捜査本部は無職勝又拓哉容疑者(32)=殺人容疑で逮捕=を立ち会わせて現場検証をした。被害女児を遺棄したとされる場所の詳細や運んだ方法などを確認した。
 凶器も、被害女児の着衣や所持品も見つからないなか、事件が起きた当初から、捜査本部が頼りにしたのがDNA型だった。この山林で2005年12月2日に見つかった女児の遺体から検出された。
 「不審者」として捜査線上に浮かんだ人たちから提供を受けた試料とDNA型を照合。型が合わない人を捜査対象から外していった。勝又容疑者も当初、「シロ」に分類した。06年ごろに複数回実施した任意の事情聴取でも、勝又容疑者は関与を否定した。
 ところが、事件から3年後、捜査は大きく軌道修正を迫られた。09年にこのDNA型が発生当時の捜査幹部のものだったと判明したのだ。捜査の過程の不手際で、あやまって遺体と接した可能性が高いと考えられた。一度は「シロ」と判断した不審者たちへの捜査が振り出しに戻った。
 この捜査幹部は取材に対して、「退職し、話す立場にない」とだけ語った。これに対して、当時の捜査員は「DNA型を基に対象から外した人物は相当いた。痛かった」と悔しがる。
 捜査本部は同時に目撃証言から浮上した白いセダンを追いかけていた。勝又容疑者が白いセダン車、トヨタ「カリーナED」を所有していたことも把握していたが、任意捜査では車内を調べるのも困難だった。
 ある捜査幹部は「攻めの捜査をしていれば、車内から痕跡が見つかったはず」と言う。一方、当時の幹部は「容疑が薄い段階での捜索は人権侵害になりかねない」。結局、勝又容疑者は任意聴取後に車をスクラップ処分し、初動捜査では迫れなかった。
(略) 


警察関係者はこの事態を深刻に受け止める原因究明と対策に着手すべきです。

捜査官(員)のDNAが被害者の遺体に付着するというのがおこり得ることであるなら対策(すべての捜査関係者のDNAと突き合わせるなど)が必要です。ほとんどあり得ないのだとしても、今回なぜ今回起きてしまったのかを解明する必要があります。

にも関わらず、捜査幹部の一人は、『「攻めの捜査をしていれば、車内から痕跡が見つかったはず」』とピントの外れたことを言っています。「攻めの捜査」などと言うとかっこよさげに聞こえますが、要するに被疑者が法律に詳しくないのに付け込んだ違法すれすれの強引な捜査でしかありません。

警察のこの対応には暗然とさせられました。

【朝日新聞】日曜に想う:記憶遺産、負のせめぎあい

6月8日朝日新聞朝刊の「日曜に想う」のコーナー。特別編集委員・山中季広氏の「記憶遺産、負のせめぎあい」は、ユネスコの記憶遺産登録についてです。

(略)
 今回ユネスコを訪ねたのは職員の嘆きを聴くためではなかった。今週の12日に日本からの申請分が決まる世界記憶遺産を取材するのが目的だった。
 記憶遺産の審査枠は各国2件まで。日本では4件が名乗りを上げ、ユネスコから国内で2件に絞るよう求められた。「全国水平社」(奈良人権文化財団など)▽「知覧特攻隊員の遺書」(鹿児島県南九州市)▽「シベリア抑留者引き揚げ」(京都府舞鶴市)▽「東寺百合文書」(政府)
 このうち私が注目しているのは特攻遺書だ。無謀な敵艦突入を美化する申請なら賛成しかねるが、戦争の大波にのみ込まれ、海上に散ることを余儀なくされた若者たちの遺書である。国外で読み継がれるにふさわしいと思う。
 申請にあたった南九州市の桑代睦雄係長(53)によると、神風特攻隊は海外では自爆テロの先例と目されがち。申請書ではあえて「神風」の語を使わず、「大死一番」「七生轟沈」といった決死の遺筆も外した。
 提出したのは親や恋人、幼いわが子に宛てた日記や遺書計333通。読むと、極限状況でつむがれた言葉の清明さが胸に迫る。
 なのに中国や韓国は、地元知覧の細やかな配慮も知らぬまま、一方的な批判を浴びせる。「狂信的な神風部隊を称揚する気か」「ナチスの戦史を晴れ舞台に上げるような企て。落選を」
(略)
 聞いて驚いたのは、中国の申請した2件である。南京大虐殺の記録と従軍慰安婦に関する記録だという。慰安婦は韓国が検討中と聞いていたので、中国からの申請は予想外だった。
 いまの中国には、自国の「正」の遺産に光を当てることよりも、敗戦国日本の「負」の遺産を世界に知らしめることの方が優先するのだろうか。
 できれば今回は、甲骨文字とか焚書坑儒とか、何であれ日本のからまないものを申請してもらいたかった。
(略)


二点言いたいことがあります。

記憶遺産の申請のために、『「大死一番」「七生轟沈」といった決死の遺筆も外した』というのには強い違和感を覚えます。現代に生きる我々が、特攻隊の遺書を、ユネスコという国際組織に評価されるために取捨選択するのは傲慢です。すべてひっくるめて特攻隊の遺書です。選別しなければ記憶遺産への登録ができないというのであれば、申請などするべきではありません。

もう一つ。中韓(特に中国)の反応には、さすがの朝日新聞も辟易している様子がちょっと可笑しかったです。

【本】あらゆる就職情報は操作されている


あらゆる就職情報は操作されている~ブラック企業が仕掛ける就活のワナ~ (扶桑社新書)あらゆる就職情報は操作されている~ブラック企業が仕掛ける就活のワナ~ (扶桑社新書)
(2012/12/01)
恵比須 半蔵

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著:恵比寿半蔵

就職情報は就職情報会社によって作られた「広告」なので、それを鵜呑みにすると採用のミスマッチが起きるということがつづられています。特にブラック企業の就職情報は、応募者を増やすためにあの手この手で外面のいい「広告」を出すので気をつけるように説いています。

就職のテクニックを書いてあるわけではありません。変な採用広告に騙されないための本です。

就職を控えた学生は、特に、第六章の『「採用広告」からブラック企業を見抜くテクニック』は、一通り読んでおいた方がいいかもしれません。もっともブラック企業側もこうしたテクニックを学んでブラック企業に見えない広告に変えてくると思います。敵も味方も日進月歩であることは念頭においておくべきでしょう。

すでに社会に出た人間にも、現在の就職戦線の状況を概観することができました。

【映画】万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-


【チラシ付映画パンフレット】 『万能鑑定士Q モナ・リザの瞳』 出演:綾瀬はるか.松坂桃李.村上弘明【チラシ付映画パンフレット】 『万能鑑定士Q モナ・リザの瞳』 出演:綾瀬はるか.松坂桃李.村上弘明
()
東宝

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主演:綾瀬はるか

原作は未読です。

ミステリーなので、ネタバレになることは書きません。

差しさわりのない範囲で言えば、パリで有能な鑑定士の選抜試験までしておきながら、合格したメンバーに鑑定技術の講習をするのがわかりません。クライマックスで、主人公が警察を引き連れて回るのも不自然です。主人公の有能さは観客には分かっていますが、警察にとっては単なる美術品の鑑定人に過ぎませんので、捜査の指揮を任せていいはずがありません。都内複数個所のビルを同時に捜索できないと、警察が悩むシーンがありますが、画面に出ていないだけで、警察官は東京都内には大勢います。すべてのビルを捜索することは可能ですし、そうすべきです。

ほかにもたくさん不自然な点があります。もしかしたら原作では辻褄が合っているのに、映画で省いたのかもしれません。

また、主人公はほんわか系のお姉さんなのですが、「万能」とか「Q」とか大仰な名乗りとそぐわない感じがします。原作本の絵はクールビューティー系なので、映画用に(主演女優に合わせて)性格を変更したのかもしれません。

残念ながら満足できない出来でした。

【朝日新聞】忌避と重宝の時期、交互に

6月5日朝日新聞朝刊オピニオン欄。「耕論」のコーナーは『「出羽の守」の功罪』です。3人の識者が意見を述べています。

『出羽の守』とは、『「……では」と外国の事例、見聞して得た知識などをよく引き合いに出して語る人。揶揄して使うケースが多い』のことです。

元外交官の佐藤優氏の「忌避と重宝の時期、交互に」を取り上げます

 日本では、「出羽の守」が忌避される時期と、重宝される時期が交互にやってきます。前者は、国風文化がもてはやされる時代。後者は、外部の知識や情報が必要な変革の時代です。今は明らかに前者ですね。
 米国ではああだ、フランスではこうだと、「では」を多用する出羽の守は、書物などを通じて外部の知識を仕入れ、論理を組み立てます。
 それが気に入らず、論理を無視して、論理的思考そのものを放棄する。こうした反知性主義ともいえる傾向がこの20年、特にここ5年、急速に強まっている。新自由主義の進展とパラレルだと、ぼくは思うんです。
 人々が個人に分断され、競争させられ、勝者が総取りをするのが新自由主義の本質。そこでは一番以外はみな、不幸です。
 当然、社会は不満、不平だらけになる。会社だってそうでしょう。飲み屋で聞き耳をたてていると、サラリーマンらしき男たちの会話はたいてい二つに収斂します。「オレの能力が正当に評価されていない」と「今度こそオレたちで起業しよう」。
 彼らが求めるのは理屈より癒やし。そこで出てくるのがポエム。ロマンと感動の世界です。
 彼らはこう考えます。競争や会社の昇進制度では優位に立てないが、真理や感動を心でつかむことでは、自分たちのほうが上。外国語ができ、論理も巧みだが、お前は事柄の本質をつかんでいない――。出羽の守は一刀両断にされます。
 今の時代はポエム言語を使えるかどうか。政治家でも文化人でもタレントでも、詩的な感性に響く言葉を発しないと排斥される。「永遠の0(ゼロ)」が受けるのも、ポエムだからです。
 でも、こうした状況は社会にひずみをもたらす弊害がある。歴史認識や首相の靖国参拝に国民が熱くなるのは、その一例です。「日本は悪くない」「英霊は祭るべきだ」と自らの信条を大声で唱えてスカッとする。日本にとってプラスかどうか論理的に考えない。問題です。
(略)
(聞き手・吉田貴文)


『出羽の守』という言葉は悪口に使われますが、佐藤氏は肯定的にとらえています。佐藤氏の定義は『書物などを通じて外部の知識を仕入れ、論理を組み立てます』というものです。つまり、海外重視派vs国内重視派という対立構造を見ています。

本来、『出羽の守』が揶揄されるのは、海外の知識を無批判に国内に適用しようとするからであって、海外の知識そのものを否定しているわけではないと思います。おそらく、佐藤氏は、朝日新聞の出したお題を、自分なりにわざと曲解して論を組み立てているのだと思います。

それはそれで結構ですが、佐藤氏の主張には首肯しかねます。

『出羽の守』に反対するものすなわち国内重視派を、『論理を無視して、論理的思考そのものを放棄する』と断定するのは行き過ぎです。海外の知識を学んでも論理がおかしな人は大勢いますし、海外の知識に懐疑的な人でも論理の通った人はいます。海外重視派=論理重視、国内重視派=論理無視、という決め付けは根拠がなく、それこそ論理的ではありません。

「永遠の0(ゼロ)」は小説・映画ですので感性に訴えているのは当然です。海外の小説・映画も感性に訴えたものが流行します。要するに創作分野では、海外の知識を重視する『出羽の守』も感性重視なのです。

靖国参拝に賛成する人すべてが『信条を大声で唱えてスカッと』しているだけというのも根拠がありません。賛成派の多数が、靖国参拝は日本にとってプラスになる理由をあげています。“これこれの理由で実は日本にとってプラスにならないのだ”と反論するのであれば論理的ですが、“お前は論理的でない”と、ひたすら言い張るのは、そっちの方が論理的でありません。

佐藤氏に限りませんが、“論理”“論理”といいながら、ちっとも論理的でない人がいるのは不思議です。以下は私の仮説です。

小学生ぐらいだと、喧嘩相手にさかんに“馬鹿”と言います。実際に馬鹿かどうかは関係ありません。“嫌い”の同意語のような使い方です。普通は大人になると、そういうもの言いはしなくなりますが、極一部が、小学生の“馬鹿”と同じ意味で“論理的でない”という言葉を使っているような気がします。つまり相手の論理に矛盾や飛躍を指摘しているのではなく、自分とは意見が違う、と言っているだけです。

【朝日新聞】終わりと始まり:死地への派遣 国家に権限はあるのか

6月3日朝日新聞夕刊。「終わりと始まり」のコーナーは、作家・池澤夏樹氏の「死地への派遣 国家に権限はあるのか」より

 集団的自衛権を巡る政府のふるまいはどう見ても論理的一貫性を欠くようなのだが、やはりこのまま無理を通すつもりなのだろうか? 道理は引っ込むしかないのか?
 道理のいくつかを述べる。
 彼らが回避しようとしている日本国憲法第九条には「国の交戦権はこれを認めない」という文言がある。そういう規定のない交戦自由のアメリカの軍隊と交戦権を持たない日本の自衛隊が同じ立場で肩を並べて戦えるものだろうか? その場合、憲法は停止状態ということになる。これは国家乗っ取り、すなわちクーデタと同じではないか。
 一九六〇年三月三十一日の参議院予算委員会で時の首相岸信介は「よその国へ行ってその国を防衛することは日本の憲法ではできない」と明言した。「日本は他衛権は持っていない」と。安倍首相は祖父の言葉をどう考えていらっしゃるのだろう?
 ある種の職業は危険を伴う。その職に就く人は危険を承知している。
 例えば、全国で十六万人ほどいる消防士は毎年数名が殉職している。率にして〇・〇〇五%ほど。我々の社会はこれを受け入れている。
 自衛隊員はどうだろう?
 五月二十三日に横須賀で潜水訓練中の海上自衛隊員が死亡した。民間の潜水士だって時には事故に遭うのだから、自衛隊の場合も「ある種の職業は危険を伴う」の範囲に入るのかもしれない。
 一九五〇年に自衛隊の前身である警察予備隊ができてから二〇一三年までの自衛隊員の殉職者数は合計で千八百四十名。年平均で二十九名弱。全自衛隊員の数は二十五万強だから、消防士よりはだいぶ危険率が高いのだが、それでも我々はこの危険率を受け入れている。
 東日本大震災での自衛隊員の殉職は二名と伝えられる。あの時期の自衛隊の活躍は目を見張るものがあったし、現地の人々は心から感謝した。
 (略)
 国家には選ばれた一部の国民を死地に派遣する権限があるのだろうか? 非常に危険率が高いとわかっているところへ送り込むことができるのだろうか? それが自衛のためだと言うならば、国の生存権と個人の生存権の関係についてはもっと議論が要る。
 今の自衛隊員は憲法第九条があることを前提にこの特殊な職に就いたはずである。自衛のための出動はあるが(東日本大震災はその典型)、他国での戦闘はないと信じて応募した。
 だとしたら彼らには次の安定した職を保証された上での転職の権利がある。そんなつもりではなかったと言う権利がある。戦場には殺される危険と同時に殺さなければならない危険もある。その心の傷はとても深い。あなたは見ず知らずの人間を殺せるか?
(略)


池澤氏のいう「道理」の一つ目は、憲法九条があるのにアメリカ軍と肩を並べて戦うというのは、憲法を停止したに等しい、というものです。

しかし、自民党の提案は、自衛隊ができる範囲を拡大しようとしていますが、アメリカ軍と全く同じことをしようというものではありません。つまり、”集団的自衛権”=“アメリカ軍と肩を並べて戦う” ではありません。

池澤氏が、自民党の提案を憲法に抵触する、と考えるのはかまいません。しかし、自民党が言っていないことを捏造して反論するのは「道理」でもなんでもありません。

まして、「安倍首相は祖父の言葉をどう考えていらっしゃるのだろう?」などという問いかけは卑劣です。安倍首相と岸元首相に血縁関係があるという理由で、特別な整合性を求める理由はありません。同じ自民党の総理大臣として整合性を問う、というのであれば無意味な問いかけではありませんが、ことさらに“血”をあげつらうのは品性に問題を感じます。

第二の「道理」として、他国での戦争はないと思って応募してきた自衛隊員に海外で戦うことを命令できるか、というものです。命令するのであれば、自衛隊員には、「次の安定した職を保証された上での転職の権利がある」と言っています。

そんな権利はありません。例えば民間企業が多角経営に乗り出して、入社時になかった業務に社員を就かせるというのは不思議でもなんでもありません。その業務がどうしても嫌ならば辞表を出せばすむことですが、会社は「次の安定した職を保証」なんかしません。池澤氏の主張は、社会常識に照らして、無茶です。

“論理的一貫性”だの“道理”だのと言っているわりには、池澤氏の主張は情緒的・感情的なものでしかありません。

【朝日新聞】経済気象台:企業経営と労働法制

6月3日朝日新聞朝刊。金融情報面の「経済気象台」のコーナー。残業代ゼロ政策に賛成の意見が載っていました。

企業にあっては同じ人が、ある仕事を任されたり、部下を持つ立場についたりすると、それまでとは見違えるようになったというようなことがよくある。
そういう現場感覚からすると、業績・職責手当の大小よりも、残業時間の有無の多少によって給与額の大半が決まることになってしまう今の労働法制には大きな違和感を覚える。経営としては、果たす役割や業績に応じて給料を払う明快な仕組みにしたい。新しい商品をお客様に提案できたとか、難しい課題を解決したとか、仕事を大幅に効率化したなどの具体的な業績だけではない。部下の育成とか、職場内の意思疎通の改善とか、取引先の信頼を深める仕事ぶりとか、いろいろな観点から経営は人を見ている。
企業は当事者意識の高い人間を「買いたい」のである。難しい仕事から逃げない人、総力を挙げて仕事を成し遂げようとする人、会社をよくしようとして頑張る人、そういう人を育てたい。その経営の思いは、残業時間に従って給与が決まってしまう仕組みとは、およそ相いれない。
もちろん時間給がふさわしい定型的な仕事もある。それゆえ企業ごとに、人材育成の目指すところや、各職位・立場に対する期待などを明確にした上で、労働組合や従業員会などと議論をし、給与レベルも含めて労使納得の新しい給与体系を作り上げたい。
労働の対価は労働時間に見合うべきだとする今の労働法制は、時代遅れと言える。一方で、役所は大きな変革を好まない。今の仕事、価値観を守ることにこだわるだろう。だが基本からその考えは見直されなければならない。企業にとって人こそが将来を作る最も大切な基盤なのだから
(啄木鳥)


まるで説得力がありません。

啄木鳥氏がここで想定しているオフィスワークでは、社員は、特に管理職でない一般の社員は、自分で仕事を完全に管理できません。他の部署や社外と関係を持ちながら作業をしていますので、よその都合で、早朝や夜間に対応しなければならないことはままあります。能力がないから超過勤務をしているというのはほとんどあり得ないことです。

労働時間に応じて給与が増えるというのは、合理的であり、もっとも不満が出ない方法だと思います。

そもそも「業績・職責手当の大小よりも、残業時間の有無の多少によって給与額の大半が決まる」というのは残業をさせすぎているのが原因です。啄木鳥氏は、法制度の改正を目指すより、自社の仕事のやり方を見直すべきだと思います。


【朝日新聞】父を捜して:オランダ日系2世の戦後69年(中)

朝日新聞の特集「父を捜して」は、オランダ日系2世を取材しています。6月2日の朝刊はその二回目です。

 オランダ南部のブレダ市。日系2世のロン・マイヤーさん(68)の父は「イサム・クニバ」という。母トゥルースさん(85)の、忘れられない初恋の人だ。
 トゥルースさんは、オランダの植民地だったインドネシアで生まれた。オランダ系白人とインドネシア系住民の血を引く。1942年に日本軍に占領された後、16歳のとき、故郷スラウェシ島のマカッサルで「クニバ」と出会った。
 10歳年上。海軍の白い服装だった。軍が女性や労働者を集めにきたときは、かくまってくれた。生活に必要なものを家に持ってきては、泊まるようになった。妊娠を告げると、喜んだ。だが、まもなく敗戦。「一緒に日本へ」と誘われたが、母が許さなかった。
 「5年待ってくれ」。そう言って彼は去った。
 トゥルースさんは当時を振り返り、目を赤くした。ロンさんを産んだ後、オランダ人と結婚。日本軍の捕虜として働かされた長崎で被爆し、インドネシアに戻ってきた男性だった。一家は50年にオランダへ。新たに6子をもうけたトゥルースさんは、ロンさんに「クニバ」のことを秘した。
 ロンさんは46歳の時、原因不明の体調不良に苦しんだ。心理的な問題があるのでは、と医師に指摘された。継父につらくあたられた過去に思い当たった。
 実子ではないのでは?
 両親に問うと、実父は日本人だと明かされた。「捕虜や民間抑留者を残酷に扱った日本人の子なのか……」。ショックだった。
 98年、ロンさんは外務省の招きで、継父らと初めて日本を訪れた。市民との交流会で、継父は悲惨な捕虜時代のことや被爆の体験を語った。ひとりの日本人男性が「私の父の世代が、あなたにしたことを許してもらえますか」と頭を下げた。「忘れないが、許します」。継父は言った。つらくあたられたわけが、理解できた。自分が日本人の子だったからだ。だが、「自分も継父と同じように、許そう」と思った。3年後、継父は亡くなった。
(略)
(編集委員・大久保真紀)


捕虜を虐待するというのは、国際法以前に文明国として許されないことです。虐待されたというのであれば、日本には責任があります。しかし、自分がしたことでもないのに、あたかも日本全体の代表になったかのような気分で「私の父の世代が、あなたにしたことを許してもらえますか」などと謝罪する日本人市民の気がしれません。そういう行いは、逆に不誠実に感じます。

そのことは置くとしても、日本の不当な行為を直接関与していない一市民が謝罪したとなると、このオランダ人は、インドネシアの人に謝らないとおさまりが良くありません。

オランダ人も悪いことをしたのだから日本人も謝らなくていい、ということを言いたいのではありません。単に日本人であるというだけの人の謝罪に対して、自国のことを(もしかしたら当人も関与していることを)棚に上げて、「忘れないが、許します」などとのたまうのには笑ってしまいます。

【朝日新聞】宮城 水産加工や建設、人手不足深刻 復興の妨げに

5月31日朝日新聞朝刊

 宮城労働局が30日に発表した4月の県内の有効求人倍率は、3月より0・01ポイント低い1・24倍(季節調整値)だった。4カ月続けて前月を下回ったものの、仕事の数が求職者より多く、2年1カ月連続で1倍を超えた。特に被災地では人手不足が常態化し、復興の妨げになっている。
(略)
 被災地でも、特に人手不足が深刻なのが、水産加工業と建設業だ。
 震災による津波で加工場が被災した阿部長商店(気仙沼市)は、8月にサンマやカツオのレトルト商品などをつくる新工場を新たに稼働させる。だが、従業員が思うように集まらない。4月に入って十数人を確保したが、担当者は「フル稼働を考えるとまだまだ足りない」と話す。
 40社ほどが加盟する気仙沼水産加工業協同組合によると、市内の水産加工業者の多くは同じ問題を抱えているという。加工場や冷蔵施設が復旧しつつあるが、肝心の働き手がおらず、十分な生産体制がとれない。
 (略)
 帝国データバンク仙台支店が東北6県の628社を調べたところ、14年度の賃金改善を「ある」と見込む企業は45・4%にのぼった。06年に調査を始めてから最高で、「労働力の定着・確保」を理由にあげた企業が62・5%と最多だった。(木村聡史)


有効求人倍率が1倍を超えたという基本的には明るいニュースです。しかし難癖はどこにでもつけられるもので、これは被災地の復興支援の妨げになっている、との報道です。被災地で人手不足が常態化しているとのことです。

確かに、企業にとって人手不足で十分な操業ができないのは深刻な事態ですが、労働者にとっては選択肢が広がったという喜ばしい事態です。被災地の復興の妨げになったとしても、被災地の労働者にとって良いことであれば良いことだと評価すべきです。

朝日新聞がこうした角度からの記事を書くのは、何が何でも安倍政権を褒めたくないという意識のあらわれのように思えます。

【映画】MONSTERZ モンスターズ


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(2014/04/18)
渡辺 雄介

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主演:藤原竜也、山田孝之

予告以外の事前情報なしで観にいきました。

目視した人間を操る能力を持つ“男”(藤原竜也)と唯一その能力が通用しない田中終一(山田孝之)の戦いを描きます。異能の力の持ち主の戦いということでは、「デスノート」や「コードギアス」を思い出させます。しかしこの両作と異なり、主人公は社会に対する強烈な意思を持っていません。“男”は自分の能力が通じない存在を知り抹殺しようとしているだけです。もう一つの大きな違いは、頭脳戦でないことです。

戦いは数度にわたるため、互いの能力は承知のはずです。“男”と第三者(特に群集)のいるところにうかつに出て行ったら危険なことは分かりきっているのに田中は毎回のこのこ顔を出します。田中が怪我の回復力が尋常でないことを知りながら、“男”は第三者を操って力押しに終始します。警察もほとんどの場合、真正面からぶつかっていっては操られる始末です。頭脳戦を期待するとがっかりします。

能力の描き方もあまりうまくありません。“男”の能力には反作用があるのは描いていますが、田中の能力の反作用がわかりません。反作用はないという設定なのかもしれませんが、それだとちょっとおさまりが悪い気がします。

アイデア自体はいいのですが、脚本にあらがあり、薄っぺらいというのが率直な感想です。

ただし、出演している役者さんが好きなら観にいってもいいかもしれません。役者さんは熱演です。

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えいび

Author:えいび
日々の出来事、映画やアニメの感想です。

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