【アニメ】Free! Eternal Summer


Free! -Eternal Summer- (3) [Blu-ray]Free! -Eternal Summer- (3) [Blu-ray]
(2014/11/19)
島崎信長、鈴木達央 他

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一期に続いて視聴しました。

一期と同じく絵はすこぶる美麗です。とくに水の表現には驚かされます。

ただし、一期と同じく物語的には問題を抱えています。遥(主人公)はなにやらグチグチ悩んでいるようですが、理解できないので感情移入できません。したがって、オーストラリアで吹っ切れたというのもよく分かりません。

また、最終回のシーンは「けいおん!!」の焼き直しです(同じ京都アニメーションなのでパクリとまでは言いませんが・・・)。こうした肝心のところで他作品の焼き直しをするのは論外です。

一期と同じような調子で、無難に二期を作った、というところでしょうか。もう少し冒険心が欲しかったです。
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【朝日新聞】社説:日本と韓国―前を向き進むしかない

9月29日朝日新聞社説より

(略)
 双方ともこれまで自国の「世論」を気にして、外交の柔軟さを欠いていた。だが、国交正常化50年となる来年が迫るなか、疎遠な政治の関係をこのまま放置していいのか、という危機感が背中を押している。
 朴大統領は、これまで歴史認識問題に熱心とはいえなかった安倍政権に強い警戒心を抱いてきた。政権発足以来、対日強硬論を唱えた尹外相の存在も大きかった。
 だが、政権内の権力構造の変化にともない、最近では経済分野など外交当局以外の部署から多様な日本情報が入ってくるようになった。尹外相の発言力は弱まり、大統領も軟化を始めたようだ。
 日本も「対話のドアはオープン」(安倍首相)と言うだけで中韓の首脳をドアに近づける努力は十分ではなかった。
 日韓の外務当局間で続いている局長級協議の主議題は慰安婦問題である。歴史認識がからむ問題の解決には政治指導者の決断が欠かせない。
 だからこそ、首脳会談を始めるべきだ。トップ同士の対話は重くのしかかった懸案を改善する役割を当然担っている。
 関係改善に向けた始動は遅きに失したが、前を向いて歩みを進めるしかない。
 両首脳がともに出席する年内の国際会議は、11月の北京でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)などいくつかある。これらの機会を上手に使い、国交半世紀の節目をどう迎えるか、思い描くイメージを伝えあうべきだ。
 隣国の首脳同士が行き来しあえるという本来の関係を、早く取り戻さなければならない。


報道によれば、中国も韓国も首脳会談の開催の条件として日本側に譲歩を求めています。日本が『中韓の首脳をドアに近づける努力は十分でなかった』というのは、中韓の条件を呑め、というに等しい主張です。

首脳会談の開催の条件として譲歩を迫るというのが正常だとは思えませんし、ひとたび条件を呑んで首脳会談をしてしまえば、中韓にとっては首脳会談を拒否することが日本への有効な戦術となってしまいます。

「対話のドアはオープン」とだけ言っているのが正しいように思います。

そもそも、首脳会談をしなければならない理由というのが分かりません。社説でも、『隣国の首脳同士が行き来しあえるという本来の関係』とか『国交正常化50年』とか言うだけで具体性がさっぱりありません。首脳会談をしないだけで、国交断絶したわけではありませんので、誰も困っていないと思います。向こうが会いたくないのであれば、無理に会う必要はありません。

ここでひとつ予言をします。

将来、日韓首脳会談が開催されたとします。その時朝日新聞は、“単に会うだけでは意味がない”などと言い、韓国の尻馬に乗って日本政府への譲歩を求めることでしょう。

【アニメ】残響のテロル


残響のテロル 1(通常版) [DVD]残響のテロル 1(通常版) [DVD]
(2014/09/24)
石川界人、斉藤壮馬 他

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出だしはよかったです。都庁爆破も迫力がありましたし、主人公がテロリストというのも斬新でした。しかし、回を追うごとに悪くなっていきました。頭脳戦の雰囲気を出しながら、まったく頭脳戦になっていないのが致命的です。

ハイブ(敵手の女性)も主人公たちと存在理由を賭けたような戦いを繰り広げるのかと思ったら、なんのこともなく退場しました。これでは尺の関係で出てきたといってもいいすぎではないでしょう。二時間の映画作品だったら登場させないはずです。彼女がいなくても、刑事との戦いで十分話は進められます。

ヒロインにいたってはなぜ登場したのかさえ不思議です。作品には、若い女の子が必要という思い込みがあるのでしょうか。主人公たちが学校に転入してきたのはヒロインと出会わせるためなのでしょうがのも、作品内での必然性がありませんので、意味不明の行動としかいえません。

凡作です。

【本】天に誓って「南京大虐殺」はあったのか


天に誓って「南京大虐殺」はあったのか (公開霊言シリーズ)天に誓って「南京大虐殺」はあったのか (公開霊言シリーズ)
(2014/06/19)
大川 隆法

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著:大川隆法

はじめにお断りしておきますが、この本は読んでいません。したがって書評ではありません。9月27日朝日新聞朝刊に載ったこの本の広告への感想です。

この本は、どうやら「ザ・レイプ・オブ・南京」の著者アイリス・チャン氏(2004年に死去)を霊界から呼び出して真相を語らせるというのが内容のようです。宗教家が信者に向けて書いた本のようなので、それについては良いも悪いも言えません。論評したいのは、「本書を推薦します!」の二人の推薦人のことです。引用します。

渡部昇一(上智大学名誉教授)
霊言というものは私には分からないことですが、アイリス・チャンの本は実に悪い影響があった本なので、それを打ち壊す趣旨の、今回の本の刊行を推薦いたします。

加瀬英明(外交評論家)
私は「南京事件の真実を検証する会」会長として、南京陥落直後に入城した多くの兵士に会い、アイリス・チャンの本が偽書であることを証した。霊言の場をつくって、”嘘つきチャン”に止めを刺している。実に痛快だ。


両氏が南京事件の検証をしているのは結構なことです。歴史事実というのは常に検証にさらされるべきです。“検証まかりならん”というのは歴史に対して不誠実な態度です。

しかし、「霊言」なるものを前提としている本を推薦するというのは問題があります。こうした本を推薦することは、主張の助けになるどころか、真反対の効果をもたらすかもしれません。

両氏の良識を疑います。

【朝日新聞】成人3割がHIV感染の王国 一夫多妻の風習、温床に

9月25日朝日新聞朝刊より

 成人の約3人に1人がエイズウイルス(HIV)に感染している南部アフリカの王国スワジランド。世界で最も感染率が高いとされる小さな国を訪ねると、一夫多妻制といった固有の文化と風習が、感染予防の妨げとなっている現実が見えた。
 8月下旬、首都ムババーネ近郊。国内全土の集落から、少女や、未婚で子どものいない成人女性らが長さ約2~3メートルの「リード」と呼ばれるアシを持ち、王宮目指して行進してきた。
 その数、約8万人。裸の上半身に伝統的な飾りを身につけ、「今こそ王家に集う時」などと足を踏みならして歌う。王家への忠誠を示し、女性たちの連帯を深めるため、年に1度開かれる「リードダンス」と呼ばれる祭りだ。古来の風習を取り入れて、1940年代に始まったとされる。
 女性たちは王宮にアシを献上すると近くの競技場に移り、観客席にいる国王ムスワティ3世(46)の前で踊りを披露した。終盤には国王も競技場に下り、駆け足で女性たちを見て回る。
 女性たちがリードダンスに熱狂するのは、国王が毎年のように、この祭りを通じて新たな妃を選んできたからだ。一夫多妻制の風習が残るスワジランドで、国王の妻は14人いるといわれる。見初められれば、裕福な暮らしが約束される。
 参加者の一人、ノジコ・ンバータさん(18)は「リードダンスは母国の文化。参加できて誇りに思う」。ノシミロ・ワイトロンさん(19)は「来年こそ、妃に選ばれたい」と笑った。
 ところが、この固有の祭りは、HIV感染率を世界一にまで高めてしまった「象徴」ではないかとの声もある。
 2011年の政府統計によると、成人(18~49歳)の感染率は31%。特に30~34歳の女性では54%、35~39歳の男性では47%だ。「ここまで広まってしまった原因の一つに、この国の文化や風習があることは否めません」。現地でHIV対策に取り組む国際協力機構(JICA)の持田敬司調査員は話す。
 一夫多妻制の風習が残るスワジランドでは、男性の多くが、交際している女性の数を誇ったり性交渉の回数を自慢したりする傾向がある。その一方、避妊したりHIV検査に行ったりすることを見下す風潮があるという。
 既婚の中年男性と10代の少女が交際することも、当たり前のように行われている。男尊女卑の傾向も強く、レイプや家庭内暴力が後を絶たない。
(略)
 (ムババーネ=三浦英之)


一夫多妻の習慣や、お妃選びのダンスは、現代の日本人には奇異に見える習慣です。しかしながら、一夫多妻がエイズの原因であるというのは無理があります。

一夫多妻であっても性的パートナーがそのグループ内に限定されていれば(=閉ざされていれば)、性的接触を理由とした外部からエイズ感染はありません。

「既婚の中年男性と10代の少女が交際」やレイプの多発がエイズ拡大の直接の理由になっていると思います。

気に食わないからといって他国の文化を無理やりな理屈で誹謗すべきではありません。

【アニメ】東京喰種トーキョーグール


東京喰種トーキョーグール 【Blu-ray】 vol.2 「イベント優先販売申込券同梱」東京喰種トーキョーグール 【Blu-ray】 vol.2 「イベント優先販売申込券同梱」
(2014/10/31)
花江夏樹、雨宮 天 他

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原作は未読です。

個々のエピソードやキャラクターは魅力的です。「東京喰種トーキョーグール」という作品自体は、かなりの潜在力を持っているのだと思います。

しかしながら、今回のアニメ化は完全に失敗です。話が完全にぶった切れたところで終了してしまいました。伏線の回収はまったくなし。思わせぶりな謎の数々には決着がついていません。

これでは評価のしようがありません。

蛇足ですが、捜査官の真戸さんというキャラクターには惹き付けられました。失敗した部下をなじることなどせず、適切なアドバイスをするとともに、自分の行動で一人前の仕事を示す。まさに理想の上司です。

【朝日新聞】ロシア文化人、勇気の異論 ウクライナ紛争の陰で 

9月23日朝日新聞。東大教授、日本ロシア・東欧研究連絡協議会代表幹事である沼野充義氏の寄稿です。

 最近の緊迫したウクライナ情勢については、日本でもかなり報道されてきた。しかし、それと並行してロシア国内で進行しているもう一つの憂慮すべき問題については、まだほとんど知られていない。それは、ロシアの対ウクライナ強硬政策に反対の声をあげる心ある少数派が「非国民」呼ばわりされ、攻撃されているという事態である。

 プーチン大統領の支持率は80%以上という異様な高さで、民衆の間には好戦的な気分とウクライナに対する憎悪が広がっている。見逃してはならないのは、その背後に、政府の完全な統制下に置かれたロシアのマスコミによる強力な反ウクライナ宣伝があったということだ。ウクライナでの虐殺映像と偽ってチェチェンやシリアの写真が使われるなど、虚偽や歪曲の例は数え切れない。人心は操作されている。
 この状況の中でプーチンを批判し、反戦と友愛を唱えるのは容易なことではない。しかし、ロシアの文化界には、少数ながらそういう勇気ある作家や音楽家がいて、対抗勢力として社会の良心を代表している。中でも際立っているのが、推理作家ボリス・アクーニンと、ロシアを代表する女性作家リュドミラ・ウリツカヤである。
 アクーニンは小説がロシア国内ですべて数十万部は売れ、世界でも30カ国語以上に翻訳されている超人気作家であり、膨大な愛読者がフォローするブログやフェイスブックで、終始冷静な社会批判を展開してきた。他方、ウリツカヤは8月にドイツの「シュピーゲル」誌に寄稿したエッセーで、「私の国は攻撃的な無知と、民族主義と、帝国主義的な熱狂という病に侵されている。私は自分の国の無能な政府が恥ずかしい」と、歯に衣着せぬ批判を行った。
 それに対して、国粋主義的な勢力は彼らを標的にし、インターネット上には「国民の敵」「敵のスパイ」といったおぞましい罵倒があふれ、街角にも悪意ある戯画が大々的に掲げられるまでになった。
 さらに8月半ばには国民的なスターとして高名な歌手アンドレイ・マカレヴィッチが、東部ウクライナのスヴャトゴルスクという町のチャリティーコンサートで難民の子供たちのために歌を歌ったことが「利敵行為」と見なされ、スキャンダルになった。彼を裁判にかけて「国民栄誉賞」の称号を剥奪せよと息巻く国会議員まで現れたのである。
 私は9月初旬に国際翻訳者会議に招かれてモスクワに滞在し、「文化の外交」を担うべき世界中の翻訳者たちと交流し、このような事態に対する危惧を共有するとともに、アクーニン、ウリツカヤ、マカレヴィッチにも直接会って、彼らを取り巻く厳しい社会情勢を確かめてきた。
 アクーニンは「いまモスクワを歩いていると、見るもの、聞くもの、すべてにぞっとさせられる。人々は何も見ようとも、知ろうともしていない」と、今の心境を語った。一方、マカレヴィッチは、コンサートを次々にキャンセルされ、音楽活動がまともにはできなくなってしまった。それに対抗するかのように、彼は9月6日に「私の国は気がおかしくなってしまった」という強烈な歌詞を含む新曲を発表した。
 かつてのソ連時代と違って、政府を批判する知識人がいきなり逮捕されることはないが、それでも「考えを異にする者たち」を許容しない暴力的な言辞が社会に瀰漫しているのは恐ろしい。目に見える武力を用いた戦争と並行して、目に見えない内なる戦争が進行しているのだ。
 ロシア文学を愛する者として、私は注意深く事態の推移を見守りながら、新たな「異論派」に熱い連帯の挨拶を送る。
 悪い政治が国境線を引き直し、人々を分断し、憎悪を煽りたてるとしたら、優れた文学や芸術は境界を越え、人々を結びつけることができるからだ。


この記事を取り上げたのは、ウクライナ問題について論じたいからではありません。少数意見の言論活動と、いわゆるヘイト・スピーチについて考える材料となると思ったからです。

民主主義であれば当然ですし、民主主義社会でなくても言論内容によって弾圧される社会がよい社会だとは思いません。極少数しか賛成しないような奇天烈な意見であっても、制裁の対象になっていいわけではありません。それと同時に、意見に反論が寄せられることも甘受しなければなりません。

現在のロシアの状況を、この寄稿文から判断するに、政府に異を唱えた文化人が逮捕されたということもありません。コンサートが開けなくなったのは、客が来そうもないという純粋に経済的な判断なのか、陰湿な言論弾圧なのかはっきりしません。はっきりしませんが、言論弾圧だと考える根拠は示されていません。

つまり、政府による言論弾圧があるとは言えません。

政府による言論弾圧がなくても、一般の人々からその社会が許容しないような悪態が吐かれていれば、それも言論弾圧だといえます。ロシアの社会が「国民の敵」とか「敵のスパイ」という言葉を不適切とみなしているのかどうかはわかりません。しかし、その言葉を投げかけられている文化人側も
・「私の国は攻撃的な無知と、民族主義と、帝国主義的な熱狂という病に侵されている。私は自分の国の無能な政府が恥ずかしい」
・「いまモスクワを歩いていると、見るもの、聞くもの、すべてにぞっとさせられる。人々は何も見ようとも、知ろうともしていない」
・「私の国は気がおかしくなってしまった」

ですから、『「考えを異にする者たち」を許容しない暴力的な言辞』はお互い様のように思います。

たしかに多数意見が正しいとは限りませんが、だからといって少数意見が正しいということも言えません。また、自分によせられた批判や反論を、すべて暴力的悪態と決め付けるべきではありません。

【映画】イン・ザ・ヒーロー


【チラシ付映画パンフレット】 『イン・ザ・ヒーロー』 出演:唐沢寿明.福士蒼汰.黒谷友香【チラシ付映画パンフレット】 『イン・ザ・ヒーロー』 出演:唐沢寿明.福士蒼汰.黒谷友香
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この道25年のスーツアクター本城渉(唐沢寿明)。゛顔出し゛で映画出演することを夢見ながらも、新人・一ノ瀬リョウ(福士蒼汰)にその座を奪われるなど何度も辛酸を舐めてきた。そんな本城に一世一代のチャンス到来!ハリウッド映画のアクション大作からオファーがかかった。しかしそれは、命をも落としかねない危険なスタントだった。周囲の制止する声を振り切り、自分の夢のため、誰かのヒーローになるために、本城は撮影スタジオへ向かった…。


評判がいい映画ですが、私には面白さがわかりませんでした。次の展開が手に取るように予想できます。また、観客を泣かせよう泣かせようというのが透けて見え、かえって白けました。

ハリウッド映画の監督が主人公に求めたのは、ワイヤーやマットを使わないアクションです。しかし、主人公はスーツアクターとしてワイヤーやマットを使っていました。つまり、監督は主人公の仕事を否定しています。普通に考えれば、ここで思想のぶつかり合いがあるはずです。しかし、そうした思想のせめぎあいはまったくなく、大作映画には出たいけどアクションは危険といったレベルの葛藤しか描かないのには脱力します。

そもそも、「人生を賭けた仕事」を描くのに、ストレートに肉体的な危険があるという状況設定にするのは、知恵も工夫もありません。

どうして評判がいいのか、分かりませんでした。

【本】沸騰!図書館


沸騰! 図書館 100万人が訪れた驚きのハコモノ (ワンテーマ21)沸騰! 図書館 100万人が訪れた驚きのハコモノ (ワンテーマ21)
(2014/05/08)
樋渡 啓祐

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著:樋渡啓祐

TSUTAYAに公立図書館の運営をまかせ佐賀県武雄市の樋渡市長の奮戦記です。

私は図書館をよく利用しますが、本書を読んでも樋渡市長の改革を支持する気持ちにはなれませんでした。

改革で賛成できそうなのは、開館時間の延長(10時~18時を9時~21時にした)くらいです。コーヒー屋を入れるとか、本屋を併設するとか、音楽を流すとかはピンときません。開館時間にしてたしかにも18時に閉まるのは早すぎるとは思いますが、なにも21時まで開けておくことはないと思います。

しかしながら、改革反対派の図書館業界の大物・慶応大学教授の糸賀雅児氏の発言には驚きました。

「この中で私が注目したいのは、対前年比、来館者数は3.2倍、でも図書貸出数は1.6倍で丁度半分なんですね。来館者数と図書貸出数でみても、来館者数が353%、それに対して178%ですから丁度半分ぐらい。つまりこれは、お客さんはたくさん集まっているけれども、図書館としては本当にこれで成功したといえるかどうか」(P197)


この理屈は、樋渡市長の改革批判の理論支柱になっているそうですが、ただの屁理屈です。

「図書貸出数÷来館者数」は、利用者の傾向をつかむための数字としては意味がありますが、図書館が成功しているか否かをはかる数字ではありません。

図書館の運営としては来館者数が増えることはよいことであり、図書貸出数が増えることもよいことです。大きくなると良い数字を大きくなるのと良い数字で割ってしまうと、その結果は大きくなるのが良いのか、小さくなるのが良いのか分かりません。

例えば、人口あたりの貸出冊数とか、貸出冊数を図書館予算で割った数であれば、成功失敗をはかる指標として使えます。

屁理屈に振り回されている樋渡市長にはちょっと同情してしまいました。

同情はしますが、個人的にはこうしたテンションの高い人間は敬遠したくなります。また、本書の随所に示されていますが、ことあるごとに「僕が」「僕が」とのたまう人間も好きにはなれません。

本書の内容ですが、樋渡市長の苦労話と自慢話が主で、図書館がどう変わったのかという具体的な情報に乏しく客観性がありません。読んでためになるような本ではありません。

【展覧会】絵画の時間 24のエピソード

於:ブリヂストン美術館

絵画作品に見え隠れする「時間」に注目、というのがテーマです。

もっとも絵画というのはどれも一瞬の時を切り取って画布に表現しているものなのですから、あえて「時間」に注目と言うのは、こじつけだと思います。単に「ブリヂストン美術館の所蔵作展」というよりは、人目を惹く題名なのは認めますが・・・

展覧会の題名はともかく、ブリヂストン美術館は立派な所蔵品をたくさん持っているなあ、というのが一巡りしての偽らざる感想です。

9月23日までです。

【朝日新聞】朴大統領、うわさ話に閣議で怒り セウォル号巡り

9月18日朝日新聞朝刊の記事より

 韓国の朴槿恵大統領は16日の閣議で、野党議員が大統領のうわさ話に言及したことを念頭に、「国民を代表する大統領に対するぼうとく的な発言も度を越している」などと怒りをあらわにした。
 野党議員は国会内の会議で、旅客船セウォル号が沈没した4月16日に朴氏の所在が確認できなくなり、男性と会っていたとのうわさに関して、「大統領が恋愛したという話はうそだと思う」などと述べた。うわさの内容には否定的な見方を示しつつも「恋愛」という表現を使ったため、与党が反発していた。
 朴氏は閣議で「これは国民に対するぼうとくでもあり、国家の地位の低下や外交関係にも悪影響を及ぼしかねない」とも語った。
 うわさをめぐっては産経新聞のソウル支局長がウェブサイト上に記事を掲載し、韓国の市民団体が朴氏への名誉毀損だとして告発。検察が支局長を事情聴取する事態になっている。
 (ソウル=貝瀬秋彦)


朴大統領が「恋愛」していたかどうかは知りませんが、所在が確認できなかったというのは問題です。誤解を恐れずに言えば、たんなる旅客船沈没だったからまだ良かったのであって、北朝鮮との紛争が勃発した際に大統領が所在不明だったら、韓国という国が沈没するかもしれません。

また、「恋愛」の事実に否定的な見解を述べたにもかかわらず「恋愛」という言葉に反応して怒り狂うのは、不可思議です。この野党議員の発言で韓国の地位が低下したり、外交に悪影響を及ぼしたりすることは考えられません。

痛いところ(=所在不明だったこと)を隠すために、「恋愛」発言に怒っている振りをして話題をそらす意図があるのかもしれません。

しかし、朴大統領は悪い意味で「潔癖」だと考えた方がすっきりします。未婚の女性に時々みられるタイプですが(などと書くと、それこそ怒られるかもしれませんが)、男女間のことを想像されただけで激昂した可能性の方が高いように思います。

慰安婦問題で執拗に日本にからんでくるのも、こうした「潔癖」さが理由の一つになっているのかもしれません。

【朝日新聞】「結婚したらどう、と平場では言う」 都議連会長、発言を陳謝

朝日新聞の記事より

 女性蔑視のヤジ問題で揺れた東京都議会が再び混乱している。再発防止のための会合が16日に開かれたが、会長に選ばれた自民党の野島善司都議(65)が「結婚したらどうだとは僕だって言う。平場では」と発言。他会派の反発を招き、野島都議は17日、「会長の立場で不適切だった」と陳謝した。
 都議会では6月、塩村文夏都議(36)の質問中に、自民党都議が「早く結婚した方がいいんじゃないか」とヤジを飛ばした。再発防止に向けて16日、超党派でつくる男女共同参画社会推進議員連盟が開かれたが、野島都議は会合後、報道陣に「公の場で発言者個人に言ったのが問題。まだ結婚しないの、と平場では言いますよ。平場とはプライベート」と述べた。
 議連は17日、急きょ臨時役員会を開催。野島都議は、会長の立場で取材を受けながら個人的な信条で発言したとして「大変申し訳ない」と語った。会長は続け、議連でセクハラ研修などを開くという。
 一方、塩村都議ら野党会派の都議4人は17日、ヤジ問題を考える市民との集会に参加。集会後、塩村都議は「公私に関係なく発言自体が女性差別。会長には問題をしっかり理解した人が就任すべきだ」と批判した。


都議会の“女性蔑視ヤジ”問題については、このblogでも取り上げ、ヤジった議員を批判しました。ここです。

しかしながら、この都議連会長の発言には問題を感じません。

自分の娘や姪などに「早く結婚した方がいい」くらいのことを言うのはありがちなことです。友人の娘に言うこともあるでしょう。言われた娘さんたちがどう思うかは別として、年長者の発言としてはおかしなことだとは思いません。プライベートな場面であるなら問題はないと思います。

野島氏は、会長として取材中に個人的な信条で発言したとして陳謝しています。しかし、野島氏は、「平場では」と明確に断っていますので、立場をごっちゃにしたということはありません。むしろ、6月のヤジの何が問題点なのかを語っているわけですから、不適切だとは思えません。面倒だからとりあえず謝っとけ、ということでしょうか。

塩村氏は、「公私に関係なく発言自体が女性差別」としています。つまりプライベートであっても、「早く結婚しろ」という発言はいけないという意見です。論理的な整合性はありますが、プライベートでの結婚をすすめる発言までも“女性差別”だというのはかなり極端な意見だと思います。

【時事問題】朝日新聞、お詫びのチラシ

9月18日、宅配されてくる朝日新聞の折り込みの中に朝日新聞社から読者にむけてのお詫びのチラシが入っていました。

ご愛読者のみなさまへ深くおわび申し上げます
謹啓
初秋の候、朝日新聞の読者のみなさまにおかれましてはご清栄のこととお喜び申し上げます。いつも朝日新聞をお読みいただいて、ありがとうございます。このたびは弊社の「慰安婦問題特集」「池上彰さんのコラム『新聞ななめ読み』」「福島第一原発事故に関する吉田調書の記事」をめぐる問題で、大変なご心配をおかけするとともに、紙面に対するみなさまの信頼を損ねる結果となり、ご迷惑をおかけいたしました。あらためて深くおわびいたします。申し訳ございませんでした。
(略)
朝日新聞社は、今回の一連の事態を大きな教訓として胸に刻みます。さまざまなご意見やご批判に謙虚に耳を傾け、初心に帰って、みなさまの信頼を回復できるように、社員一丸となって精進してまいります。どうか、弊紙と弊社の今後の取り組みを厳しく見守っていただけますよう、切にお願い申し上げます。
これからますます秋が深まります。どうかご自愛のうえお過ごし下さいますようお祈り申し上げます。
謹白
朝日新聞社


朝日新聞はすでに似たような謝罪文を紙面に載せています。なぜ、わざわざ紙面とは別にお詫びを出したのかわかりません。

はじめに考えたのは、紙面に書くと読者以外からあれこれ言われそうなことを書くので、チラシにしておけば、WEBでも図書館でも読まれず縮小版にも入れなくていい、と考えたという可能性です。しかし、チラシの文面には、特に突っ込んだことは書かれていませんでした。

次に、考えたのは、販売店の突き上げです。いくつかの雑誌などで触れられていますが、販売部数の減少が危機的な水準にあるのかもしれません。販売店からさらなる対応を求められ、今回のチラシにつながったという可能性です。

いずれにせよ、朝日を読むようになってこうしたお詫びは記憶にあるかぎり初めてです。いままでにない混乱状態にあるのかもしれません。

【朝日新聞】接続するだけで不正送金も ネットバンク、新型ウイルス

9月17日朝日新聞朝刊は、ネットバンクで不正送金をする新型ウイルスの出現を伝えています。

 インターネットバンキングで自分の口座にログインすると、場合によっては、自動的に他の口座に不正送金される新型ウイルスが今年5月以降、国内の2万台以上のパソコンで検出されたことが、わかった。実際に一部の銀行では預金の不正送金が確認され、IT業界は注意を呼びかけている。
 情報セキュリティー大手のトレンドマイクロ(東京)が、同社のウイルス対策ソフトを利用するパソコンで検出した結果をまとめた。国内では5月に初めて新型ウイルスを確認、8月末までに計2万641台のパソコンから検出された。
 ネットバンキングは、ネットで送金などの取引ができる銀行のサービス。従来の主なウイルスは、銀行の偽サイトを表示し、利用者が入力したIDやパスワードを盗み取るだけだった。そのため、大手行などはログインのたびにパスワードを変える「ワンタイムパスワード」を導入していた。
 だが、新型ウイルスは、利用者が正規のサイトに入り、IDやパスワードを打ち込んで自分の口座に接続している間に、他の口座への不正送金の手続きを進める。追加のパスワードが必要な場合は、偽のサイトを表示させるなどして盗み取る。ワンタイムパスワードを入れると、ログインだけで送金される例もある。このためワンタイムパスワードにするだけでは不正送金を防げない恐れがある。
 トレンドマイクロは(1)最新のウイルス対策ソフトを使用(2)ネット閲覧などに使うソフトを最新版に更新する――と対策を呼びかけている。(藤田知也、青山直篤)


対策が示されていますが、納得できません。

確かに現在発見されているウイルスは、ネット閲覧ソフトを最新にすることで感染が防げるでしょう。最新のウイルス対策ソフトを入れれば感染していても駆除できるでしょう。

しかし、それは存在が確認されているウイルスに限ります。ログインしたら不正送金をするという機能の別のウイルスが出現したら、ネット閲覧ソフトやウイルス対策ソフトがそれに追いつくまでは無防備です。

はっきり言えば、ネットバンクを利用するということ自体が危険なのだと思います。銀行に影響が大きすぎると考えて遠慮がちな記事にしているなら、腰が引けているといわざるを得ません。

【アニメ】ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース


ジョジョの奇妙な冒険スターダストクルセイダース Vol.5 (オリジナルデザインTシャツ付)(初回生産限定版) [Blu-ray]ジョジョの奇妙な冒険スターダストクルセイダース Vol.5 (オリジナルデザインTシャツ付)(初回生産限定版) [Blu-ray]
(2014/11/26)
小野大輔、石塚運昇 他

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原作は既読です。

原作の第三部にあたります。今回はその前半部分でした。

前作(第一部と第二部のアニメ化)は、展開が速すぎるきらいがありましたが、この第三部ではじっくりと映像化している感じです。

原作が優れているというのもありますが、今回のアニメ化も非常によい出来ばえでした。絵もテンポも言うことありません。

後半の放映まで間が空くのは残念ですが、おおいに期待します。

【赤旗】社説:ギャンブル依存症 カジノ解禁は亡国への道だ

赤旗の社説「ギャンブル依存症 カジノ解禁は亡国への道だ」より

 日本の成人の4・8%(男性8・8%、女性1・8%)、推計536万人にギャンブル依存症の疑いがあるという厚生労働省研究班の調査が衝撃を広げています。
 世界でも最悪のギャンブル依存の広がりが実証されたことで、安倍晋三政権が秋の臨時国会でねらうカジノ賭博場の解禁・合法化の危険性が鮮明になっています。
 ギャンブル依存症(病的賭博)は、ギャンブルへの衝動が抑制できず、経済的、社会的、精神的問題が生じているにもかかわらず、やめることができない病気です。世界保健機関(WHO)は精神疾患と定義しており、世界的にその対策と治療・回復のための社会基盤づくりが課題になっています。
 研究班は同じ方法で行われた比較可能な諸外国の調査結果もあわせて公表しました。豪州は男性2・4%、女性1・7%、米国1・58%、フランス1・24%、韓国0・8%となっており、日本の高さが際立っています。
(略) 
 カジノ推進派は「カジノは、パチンコや公営賭博とは違う高規格施設で、優良顧客だけを集めるから依存症患者は増えない」といいます。日本のカジノは厳格な規制下に置くから、依存症やさまざまな社会的問題を起こすことはないというのです。
 しかし、現在国会に提出されているカジノ法案に、そのための具体的な方策は何も書かれていません。そんな規制や対策などできるはずがないからです。
 日本は刑法で賭博を禁止している国です。「社会の実情に合わない」(岩屋毅・カジノ議連幹事長)などと、まともな説明も無しにカジノ合法化をすすめ、それを「成長戦略の目玉」(安倍首相)に位置づけるなど許されません。多くの国民の不幸の上に、特定の勢力の法外なもうけを図る亡国のカジノ政治。これにストップをかける世論と運動を広げるときです。


カジノ解禁反対の理由にギャンブル依存症患者が多いことを挙げる議論はよく見聞きします。赤旗の社説もその線に沿っています。

これは、一見もっともそうな意見ですが、よく考えるとアラがあります。

日本でギャンブル依存症患者が多いのは、厚生労働大臣がいうように、パチンコ・パチスロが日本で突出して多いからです。厚生労働省の頁に発言が載っていました。

この状況でカジノを解禁しても、いままでパチンコに依存しなかった人があらたにカジノで依存症になるとは考えにくいです。

そもそも、ギャンブル依存症患者が多いことを心配するならば、現在蔓延しているギャンブルの規制をこそ主張すべきです。刑法で賭博が禁止されていることを力説するのであるなら、カジノ解禁反対を言うのも結構ですが、パチンコ・パチスロを槍玉にあげるのが筋というものです。

【朝日新聞】インタビュー:デモと民主主義 

9月13日朝日新聞朝刊オピニオン欄。大学講師で政権批判デモ主宰の高橋若木氏のインタビューです。

民主主義にとってデモは無意味ではないし、国会周辺でのデモ規制は問題であるという高橋氏の意見には賛成します。しかし、このインタビューを読んでも、高橋氏といっしょにデモに参加したいとはまるで思えませんでした。

 「3・11後の脱原発デモや、ヘイトスピーチに対抗するカウンター活動、特定秘密保護法反対デモなどの現場で知り合った面々によるゆるやかなつながりです。
(略)
 「私たちは、何か特定の『善』を社会に広めたくてデモをしているわけではありません。何を善と思うかは人それぞれです。だからこそ、特定の善を他者に押しつけたり、押しつけられたりしてはならない。支配しないし、支配されない。そのようなフェアな関係を守るための枠組みを定めているのが憲法です」


まず、ここで引っかかりました。デモとは自分の信じる特定の『善』を広めるためにやるものだと思います。『3・11後の脱原発デモ』『ヘイトスピーチに対抗するカウンター活動』、『特定秘密保護法反対デモ』は高橋氏が信じる『善』ではないのですか?

(略)
 ――しかし、名指しのコールは「デモは怖い」というイメージを増幅させているのではないですか。
 「抗議型の社会運動は、『指をさす』ことから始まります。『戦争をやめよう』とやわらかく呼びかけても、『軍国主義の始まりだ』と訴えても、抗議の対象が漠然としているので『世間』には伝わりません。すでにくすぶっている具体的な怒りや違和感があるのですから、それを社会に表出させることが必要です。そのためには、民主的な政治プロセスへの侮蔑を隠さない政治家は『敵』として指をさし、『辞めろ』と言う。民主主義は正しい『指さし』によって、求心力を回復します」
 「怒りを可視化させることで、人々の無関心を揺さぶり、民主主義がつねに起動している社会にしたい。不公正なことをする政治家に対しては、怒っている人が多くいることを知らしめ、社会に対しては、怒った時は堂々と表明していいことを、目に見える形で示していきます」


ここのやりとりには非常に歯切れの悪いものを感じます。単に「名指しのコール」だけなら怖いはずがありません。高橋氏のデモは一般人には「怖い」のではないかという疑いが消せません。実際、新聞にデモ風景の写真が載っていますが、私にはゴロツキの集団にしか見えません。本当にゴロツキなのかどうかは知りませんが、そう見えます。

(略)
 ――現場で取材していると、「ケンポーをーまもーれー」みたいなやや間延びした年長世代のシュプレヒコールが、若者に引きずられてラップ調に変わっていきました。若い世代はなぜ動き出したのでしょうか。
 「意外かもしれませんが、たぶん保守的だからでしょう。私たちより若い世代は、高度経済成長も、多幸感にあふれたバブル期の日本社会も知りません。経済的な繁栄を再びと思ってないし、日本は没落したからはい上がるために抜本改革が必要だという年長世代の焦りもピンとこない。大事にしているのは、いまの日本社会にある自由であり平和であり多様性です。それを守りたい。そして何より素直です。かつての学生運動を知らないので、肩ひじを張らず、嫌なものは嫌だと普通の言葉ですんなり言える強みがあります」


この若者論は、根拠もデータもありませんのでまるで信用できません。世代論というのは総じて勝手な決めつけが横行していますが、これもその一つなのでしょう。

 ――その一方で、若い世代の「右傾化」も指摘されます。
 「インターネットが普及し、人はインスタントな情報に刹那的に反応するようになりました。良い悪いではなく、社会のインフラの変化です。集団的自衛権では、ふつうの中高生や大学生が、ツイッターで『戦争いやだ』『安部ふざけんな』とつぶやいていました。『安倍』の漢字がことごとく間違っているんだけど、そういう直感的な怒りを大事なものとして拾っていくことをリベラルの側は怠ってきました。そこは右派がうまかった。中韓が悪い、サヨクが悪いと言い続け、怒りや不満の感情をつかみ、拡大しました」


同じく、浅薄な世代論です。若者が右傾化しているというデータはありません。おそらく「インターネットに右翼的意見が横行している」→「インターネットは若者のもの」→「若者は右傾化している」という連想なのでしょうが、根拠になってません。

 「若い人の多くは、ハードな労働環境の下、政治や社会の問題について思考する気力も、その気力を支える社会に対する希望も奪われつつあります。問題を分析したり、社会を漠然と嘆いたりするだけの、リベラルの『お説教』に付き合っている暇はありません。私たちは広告的な発想も使って、正しい『指さし』で人々の感情をつかまえにいく。十分に巻き返せると思います」


要するに、ものを考えられない若者を右派がうまいことやって取り込んだ。これからは、高橋氏たちが無知な大衆を指導して巻き返すという構図です。ここには論理で説得して仲間を増やすという発想はありません。ついて行けません。

 ――デモの前にデザイン性の高いプラカードが何種類もネットにアップされ、ツイッターでは「おしゃれしていかなきゃ」というつぶやきがありました。運動のカッコよさを強調されているのも、戦略ですか。
 「私たちの運動がスタイリッシュに見えるのは、渋谷や新宿でデートしているようなおしゃれな若者を含め、社会の『内側』にいる人々が声を上げているからでしょう。政治に無関心な人たちの目に最初にとまるのは、主張の内容ではなく運動のスタイルだと思います。デモは、民主主義を再起動させるためのプレゼンテーションです。旧来的な左翼の運動と映るのか、同時代のクールな人たちの運動と映るのか。この違いは決定的に大きいと考えています」
(略)
 (聞き手 論説委員・高橋純子)


繰り返しますが、私には彼等のデモが「スタイリッシュ」にも「クール」にも見えません。ゴロツキの集団に見えます。権利の問題があるので写真をここに掲載できないのが残念です。興味のある方は、図書館で見ていただくか、朝日新聞社のWEBをご覧ください。WEBは無料の会員登録をすれば見ることができます。

【映画】LUCY ルーシー


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監督:リュック・ベッソン
主演: スカーレット・ヨハンソン

人間は脳の一部しか使っていない、というのはそもそもオカルト話であって、根拠はありません。フィクションだから前提が嘘でもかまわないのですが、だからといって脳を100%フル稼働させられたからといって超能力が使えるようになるのは理解できません。知力や認識が向上しました、というのであれば納得できるのですが・・・

序盤、ヒロイン(スカーレット・ヨハンソン)が韓国ギャングに拉致され小突き回されるところはギャグに見えました。人が死んでいるのにギャグに見えてしまうのは、リアリティがないからです。いくらなんでも、ホテルのロビーからの銃撃で男が死んだり、がらの悪そうな連中に女性が引きずっていかれたりしたら、警察が飛んでくるはずです。ところが韓国ギャングは“のんき”に自室に戻って女性の尋問にかかる始末です。台湾には警察がいない、という設定なのでしょうか。

新規開発した“薬”を外国に持ち込むために人の体内に薬を詰めて運ばせる、というのも変です。既存の禁止薬物ではないので輸入禁止にはならないはずです。

ヒロインは、生き延びるためか、さらに脳を覚醒させるためにか、“薬”を必要として、別の運び屋を追います。しかしこの段階でヒロインは極めて高度な“脳”力を発揮していますので、自分で精製した方が早いように思います。舞台をパリに移すための都合にしか見えません。

ラストあたりのCGは古臭く感じがします。いまどきのセンスではありません。

なにやら哲学的なテーマもあるかに感じましたが、さっぱり理解できません。

お薦めできません。

【時事問題】朝日新聞社社長の謝罪

9月11日、朝日新聞社社長は、福島第一原発事故における「吉田調書」のスクープ記事を誤報と認め謝罪しました。同時に慰安婦問題における「吉田証言」の撤回と、それに苦言を呈した池上彰氏のコラムを不掲載にしようとした件でも謝罪しました。

それぞれは性質の異なる問題です。「吉田調書」に関してはおそらく純粋な誤報です。「吉田証言」に関しては誤報と知りながら数十年にわたって放置してきたというのが一番の論点です。池上氏のコラムに関しては、言論を言論機関でありながら自分達への批判を排除しようとした問題です。

誤報は、あってはならないことですが、マスコミであれば多かれ少なかれあり得ることですので、反省すべきは反省し次に経験を生かしてもらえばいいと思います。

「吉田証言」を数十年にわたって放置してきたのは、朝日新聞の体質に関わることではないかと思います。どういう理由でいままで撤回ができなかったのか、第三者機関での調査が行われるとのことですので、それを注視したいと思います。

池上氏のコラムに関しては、もしかしたら同様の事例(自社に都合の悪いコラムを書き直させる、あるいは没にする)は、他のマスコミでも起きているように思っています(根拠はないので邪推と言えば邪推ですが・・・)。今回の件は、有名な池上彰氏が強硬な態度で出たから発覚したのであって、泣き寝入りさせられたライターは大勢いるのではないでしょうか。

全体として思ったのは、朝日新聞の影響力の大きさです。「吉田証言」が怪しいということは結構知られていると思っていましたが、朝日新聞の撤回によって他のマスコミが蜂の巣をつついたような騒ぎになったのは、朝日新聞が巨大だったことを証明しています。

この一連の撤回・謝罪で朝日新聞の信用は大きく損なわれました。もしかしたらこれが朝日新聞の没落の始まりなのかもしれません。長年の読者である私としては、すこし複雑な心境でもあります。

【本】日本のアニメは何がすごいのか


日本のアニメは何がすごいのか 世界が惹かれた理由(祥伝社新書)日本のアニメは何がすごいのか 世界が惹かれた理由(祥伝社新書)
(2014/03/03)
津堅信之

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著:津堅信之

著者は京都精華大学アニメーション学科准教授。

日本のアニメが海外でどのように受け入れられているかを要領よくまとめてあります。一部のファンの間では知られているが一般に受け入れられているわけではない、というのは大方の想像通りでした。もっともこれは海外のみならず日本でも同様なのですが・・・

この本を読むまで、アニメーターはみな薄給だと漠然と思い込んでいたのですが、実情は違うそうです。たしかに薄給のアニメーターもいるにはいるのですが、他方で結構稼いでいるアニメーターもいるそうです。この件に限らず、”物語”として面白い話が拡散しやすいということをあらためて感じました。

著者は海外市場へのビジネス展開を推していますが、具体的に何を売りたいのか(テレビ局に売るのか、DVDを直接ファンに売るのか、グッズを売るのかetc…)が分かりません。ビジネスの計画としては、ちょっとなっていません。

海外での日本アニメの現状を知るには役立ちます。

【朝日新聞】TOEIC日本40位 国・地域別平均 「実務に即した英語力」に弱点

9月10日朝日新聞朝刊より。

 国際的な英語能力の試験TOEICで、日本人の平均スコアは512点で48の国・地域中40位――。日本でTOEICを実施・運営する「国際ビジネスコミュニケーション協会」が2013年の各国・地域の平均スコアをまとめた。
 1位はバングラデシュの895点。インド861点、カナダ819点と続く。逆に日本より下位の国・地域はタイ、ベトナム、モンゴル、マカオ、アラブ首長国連邦、インドネシア、チリ、アルバニアの8カ国・地域だった=表。地域別では高い方からヨーロッパ、アフリカ、北米、アジア、南米の順だった。
 昨年1年間に世界で行われたTOEIC受験者のうち、アンケートに回答した約528万人のスコアを集計した。500人以上の受験者がいた48の国・地域を対象に順位をつけた。
 日本は12年の順位も45の国・地域中39位と振るわなかった。同協会では「日本人は実務に即した英語力が弱いことが課題といえる」としている。(芳垣文子)

 ■TOEICテスト国・地域別平均スコア
順位 国・地域名   スコア
 1 バングラデシュ 895
 2 インド     861
 3 カナダ     819
 4 ネパール    814
 5 スイス     792
 6 ポルトガル   786
 7 ドイツ     783
 8 スリランカ   780
 9 レバノン    753
10 パキスタン   741
40 日本      512


平均値を比較するという方法では、国別の英語力の順位を測ることはできません。なぜならTOEIC試験というのは、ランダムに選ばれた人間が受験しているわけではないからです。

ランダムに選ばれた受験生だったとしたら平均値を比較する意味はありますが、それだけを国別の順位とするのもかなり疑問です。

たとえば日本とブラジルのどちらがサッカーが強いか、という問いに答えるために実際に試合をするとします。その時、決してそれぞれの国民からランダムに選んだ選手で試合をしようとはしません。それぞれの国の最も上手な選手で試合をするはずです。

英語力も同様です。ある点数以上の人の平均点で、あるいはある点数以上の人の人数で、順位づけをするのも有力な指標になりえます。自発的に受験している受験生の平均値はなんの意味もありません。

この記事は「国際ビジネスコミュニケーション協会」の宣伝でしかありません。データをもらってまとめるだけだから記事を書くのは簡単だったかもしれませんが・・・

【朝日新聞】わたしの紙面批評:人口減少問題

 9月9日朝日新聞朝刊オピニオン欄。「わたしの紙面批評」のコーナーで、三井住友フィナンシャルグループ会長・奥正之氏の「人口減少問題 首尾一貫しない社説の論調、課題実現への具体論を期待」を取り上げます。

奥氏の指摘は、人口減に対する朝日新聞の社論が統一されていない、というものです。その指摘自体はどうでもよいのですが、次の一節が目を惹きました。

(略)
 政府の調査によれば、夫婦が理想とする子どもの数は2・42人。ところが、実際の出生率(合計特殊出生率)は約1・43人。両者のギャップは出会う機会の減少や経済的理由、仕事上の制約、保育所の不足など種々の要因から生じている可能性が高い。
(略)


合計特殊出生率は、既婚・未婚を問わず女性全体を対象としています。夫婦の理想と比べるのは意味がありません。

独身者が結婚したいのに結婚できない理由があるなら、その理由を取り除くというのは人口減少対策として意味があります。結婚している女性の子供の数が少ないのであれば、少ない原因を取り除くのは意味があります。

しかし、怪しげな数字を根拠に、“仕事上の制約をなくせ”、“保育所を作れ”というのは、人口減対策でなく、勤労している既婚女性限定の優遇策でしかありません。

【世論調査】質問と回答(6、7日実施)

9月8日朝日新聞朝刊に世論調査の結果が発表されました。

(数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。◆は全員への質問。◇は枝分かれ質問で該当する回答者の中での比率。〈 〉内の数字は全体に対する比率。丸カッコ内の数字は8月23、24日の調査結果)

◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
 支持する 47(42)
 支持しない 30(35)

◇それはどうしてですか。(選択肢から一つ選ぶ=択一。左は「支持する」47%、右は「支持しない」30%の理由)
 首相が安倍さん 18〈8〉 9〈3〉
 自民党中心の内閣 19〈9〉 20〈6〉
 政策の面 40〈19〉 62〈19〉
 なんとなく 20〈9〉 6〈2〉

◇(「支持する」と答えた47%の人に)これからも安倍内閣への支持を続けると思いますか。安倍内閣への支持を続けるとは限らないと思いますか。
 これからも安倍内閣への支持を続ける 40〈19〉
 安倍内閣への支持を続けるとは限らない 56〈26〉

◇(「支持しない」と答えた30%の人に)これからも安倍内閣を支持しないと思いますか。安倍内閣を支持するかもしれないと思いますか。
 これからも安倍内閣を支持しない 57〈17〉
 安倍内閣を支持するかもしれない 37〈11〉

◆今、どの政党を支持していますか。
自民37(34)
民主4(6)
維新1(1)
公明3(2)
次世代0(0)
みんな0(0)
結い0(0)
共産2(2)
生活0(0)
社民0(1)
大地0(0)
改革0(0)
その他の政党0(0)
支持政党なし46(45)
答えない・分からない7(9)

◆安倍首相は3日に、内閣を改造しました。内閣の顔ぶれを見て、安倍首相の今回の人事を評価しますか。評価しませんか。
 評価する 31
 評価しない 35

◆安倍首相は、18人の閣僚のうち女性を5人に増やしました。このことを評価しますか。評価しませんか。
 評価する 55
 評価しない 28

◆安倍首相のライバルと見られている、前の自民党幹事長だった石破茂さんは、今回の内閣改造で内閣に入りました。石破さんが内閣に入ったことはよかったと思いますか。内閣に入るのを断ったほうがよかったと思いますか。
 内閣に入ったことはよかった 46
 内閣に入るのを断ったほうがよかった 26

◆安倍首相は、前の自民党総裁だった谷垣禎一さんを、自民党の幹事長に起用しました。この人事を評価しますか。評価しませんか。
 評価する 43
 評価しない 27

◆安倍首相に一番力を入れてほしい政策は何ですか。(択一)
 景気・雇用 35
 社会保障 25
 原発・エネルギー 13
 教育 7
 外交・安全保障 11
 憲法改正 5

◆安倍首相の経済政策で、日本経済が成長することを期待できると思いますか。期待できないと思いますか。
 期待できる 39
 期待できない 39

◆安倍首相の経済政策が、賃金や雇用が増えることに結びつくと思いますか。そうは思いませんか。
 結びつく 28
 そうは思わない 53

◆来年10月に消費税を10%に引き上げることに、賛成ですか。反対ですか。
 賛成 24
 反対 69

◆いま停止している原子力発電所の運転を再開することに、賛成ですか。反対ですか。
 賛成 25
 反対 57

◆中国や韓国との関係改善について、安倍首相に期待できると思いますか。期待できないと思いますか。
 期待できる 27
 期待できない 55

◆安倍首相の女性の活用を掲げている政策が、女性にとって働きやすい社会の実現につながると思いますか。そうは思いませんか。
 実現につながる 40(38)
 そうは思わない 42(44)


この世論調査が私のところに来たと想定して回答してみます。

◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
支持します。

◇それはどうしてですか。
首相が安倍さんだからです。

◇(「支持する」と答えた47%の人に)これからも安倍内閣への支持を続けると思いますか。安倍内閣への支持を続けるとは限らないと思いますか。
支持を続けるとは限りません。

◆今、どの政党を支持していますか。
支持政党はありません。
今回、内閣支持率同様に、自民党・公明党の支持率も上昇しました。民主党がかなり減らしたのも注目です。社民はまた0%に戻っちゃいました。

◆安倍首相は3日に、内閣を改造しました。内閣の顔ぶれを見て、安倍首相の今回の人事を評価しますか。評価しませんか。
まだ評価できません。

◆安倍首相は、18人の閣僚のうち女性を5人に増やしました。このことを評価しますか。評価しませんか。
特に評価するようなことではないと思います。

◆安倍首相のライバルと見られている、前の自民党幹事長だった石破茂さんは、今回の内閣改造で内閣に入りました。石破さんが内閣に入ったことはよかったと思いますか。内閣に入るのを断ったほうがよかったと思いますか。
石破氏の立場で考えれば、ゴタゴタを起こした上での入閣はよくなかったと思います。自民党の立場で考えれば、将来の総裁候補にケチがついたのはよいことだとは思えません。

◆安倍首相は、前の自民党総裁だった谷垣禎一さんを、自民党の幹事長に起用しました。この人事を評価しますか。評価しませんか。
谷垣さんは人柄がよさそうなので(実際は知りませんが)、よかったと思います。

◆安倍首相に一番力を入れてほしい政策は何ですか。(択一)
「景気・雇用」です。
択一で訊けば、「景気・雇用」や「社会保障」が上位にくるのがあたりまえです。複数選択式にした方がよいと思います。

◆安倍首相の経済政策で、日本経済が成長することを期待できると思いますか。期待できないと思いますか。
期待しています。

◆安倍首相の経済政策が、賃金や雇用が増えることに結びつくと思いますか。そうは思いませんか。
安倍首相の経済政策の功績なのかどうかはともかく、実感として賃金・雇用はひところよりよくなっています。

◆来年10月に消費税を10%に引き上げることに、賛成ですか。反対ですか。
危惧があります。その一方で上げないことにも不安があります。どっちとも言えません。

◆いま停止している原子力発電所の運転を再開することに、賛成ですか。反対ですか。
賛成です。

◆中国や韓国との関係改善について、安倍首相に期待できると思いますか。期待できないと思いますか。
この設問の前に、関係改善を望むかどうかを訊くべきです。今のままでいいと思っている層も結構いると思います。
安倍政権の間で中韓との関係改善がされるかどうかという予測を問うのであれば、改善しないと予想します。

◆安倍首相の女性の活用を掲げている政策が、女性にとって働きやすい社会の実現につながると思いますか。そうは思いませんか。
思いません。

【映画】GODZILLA ゴジラ


GODZILLA ゴジラ オリジナル・サウンドトラックGODZILLA ゴジラ オリジナル・サウンドトラック
(2014/07/23)
サントラ

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3D吹き替えで観ました。

2Dで観てもいいと思っていたのですが、近くの映画館では2D上映がなかったので3Dで観ました。2Dで十分だったと思います。

米国でのゴジラ映画の二本目のリメイクです。前回のリメイクよりはるかに日本のゴジラ映画っぽくなっていまし、特撮技術に関しては日本よりはるかに上回っています。しかしながら、何かが違う、という感じは払拭できません。

まず、人間のドラマが前面に出すぎです。ハリウッド映画らしく家族愛をうたい上げていますが、怪獣映画には違和感があります。

核兵器の扱いもおかしいです。日本人科学者(被爆2世)と米軍の提督の間で核兵器使用をめぐる原理的な対立があります。人々に被害を及ぼす核兵器使用に反対する科学者と、市民の被害を最小限にするため核兵器使用やむなしとする提督の対立です。しかし、これらの心配も期待はすべて外れますので、結局この原理的対立は無意味に終わります。

ほかにも気になるところは多数ありますが、ネタばれになるので詳しくは省きます。

特撮技術以外に見るべきところはありません。

【展覧会】江戸妖怪大図鑑 第三部「妖術使い」

於:太田記念美術館

第二部に続いて第三部を観にいきました。

今回は元ネタが存在する絵が多いので、元ネタを知らないと理解しにくい絵が多くありました。適宜解説がありますのである程度は分かりますが、やはり当時の人間ほどには分かっていない気がします。江戸の怪異譚についてうまい解説本があれば、と思いました。

絵的には、動きを感じさせるものからユーモアーのあるものまで、現在のアニメーションに通じるものがあると見ました。

楽しい展覧会でした。

9月25日までです。

※よく考えたら、この太田記念美術館はデング熱でいま話題の代々木公園の近くにあります。

108ピース 相馬の古内裏 (歌川国芳) T-108-460108ピース 相馬の古内裏 (歌川国芳) T-108-460
(2010/08/25)
テンヨー

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【朝日新聞】言葉の力、信じない首相

9月4日朝日新聞朝刊オピニオン欄。杏林大学教授の金田一秀穂氏の「言葉の力、信じない首相」より」

(略)
 政治家は、言葉それ自体が行為だと自覚しなくてはいけません。吉田茂や佐藤栄作はそこがわかっていた。安倍さんの祖父・岸信介は「私には声なき声が聞こえる」と言って、安保改定を強行した。善しあしは別として、言葉に重さがありました。
 でも、今の政治家は言葉が軽い。小泉純一郎さんあたりから、白か黒かのデジタル的で単純な言葉が増えました。わかりやすいことはわかりやすいけれど、薄くペンキを塗るような言葉づかいになってきている。
 安倍さんも勇ましい言葉は多い。「まさに」という言葉をよく使うんですね。スパッ、スパッと言い切っていく。深く考えてないから言い切れるんです。考えている人間は、なかなか言い切れないですよ。
 その割に失言が目立たないのは、やっぱり言葉が軽いからです。「国民の命を守る」「日本を取り戻す」とか言っておけば文句が出ない。集団的自衛権も「おじいさんやおばあさん、子どもたちが乗る米国の船をいま私たちは守ることができない」といった薄っぺらな言葉で語られる。つるつるした言葉しか使わないから、非難されにくい。
 政治だけでなく、社会全体が耳に快い言葉しか受け付けなくなってしまった。反感を買うような「強い言葉」は排除されて、誰も傷つけない言葉が受け入れられる。だから安倍さんに人気があるのかもしれません。
 昔のように政治が小難しい言葉で語られ、政治家が強い言葉で人々を熱狂させるのもどうかとは思いますけど、ふわふわした言葉ばかりになるのもすごく危なっかしい。誰も反対できない言葉だけを言っていればいいという雰囲気になると、何かあれば一気に流されてしまう。
(略) 
(聞き手・尾沢智史)


昔の政治家(ex. 吉田茂、佐藤栄作、岸信介)の言葉には重みがあったが、最近の政治家(ex.小泉純一郎、安倍晋三)の言葉は“軽い”との指摘です。

客観性がありません。

“重い言葉”とは何かといえば明確な説明はありませんが、「反感を買うような」言葉であったり、「人々を熱狂させる」言葉だそうです。例示されたのは一つだけで、岸信介の「私には声なき声が聞こえる」です。

“軽い言葉”の説明は、「白か黒かのデジタル的で単純な言葉」、「薄くペンキを塗るような言葉」「薄っぺらな言葉」「つるつるした言葉」「耳に快い言葉」といったもので、例示されたのは安倍晋三の「まさに」と「おじいさんやおばあさん、子どもたちが乗る米国の船をいま私たちは守ることができない」です。

“軽い言葉”の説明で客観性のあるのは「白か黒かのデジタル的で単純な言葉」だけで、他のものは主観的なものでしかありません。ある発言を取り上げて、それが「薄くペンキを塗るような言葉」なのか、「薄っぺらな言葉」なのか、「つるつるした言葉」なのか、「耳に快い言葉」なのかを複数人で評価すれば、結果はバラバラになるはずです。評価基準が客観的でないからです。

白か黒かのデジタル的で単純な言葉」かどうかというのはある程度の客観性はありますが、こうした言葉はむしろ、一部の人々を熱狂させたり反感を買ったりします。つまり、金田一氏の基準に照らせば“重い言葉”になるはずです。

“一昔前の政治に比べて今の政治家は・・・”、というのは最近の定番なのかもしれません。しかし、残念ながら、金田一氏の評論は、酔っ払いの政治家談議レベルのものでしかありません。

【朝日新聞】池上彰の新聞ななめ読み:慰安婦報道検証

9月4日朝日新聞朝刊オピニオン欄。「池上彰の新聞ななめ読み」のコーナーで先の朝日新聞の慰安婦報道の検証記事を取り上げています。このコラムは、一旦は朝日新聞が掲載を断ったものの、池上氏が連載打ち切りを通告するなど騒ぎが大きくなったためか方針を改めて掲載に及んだものです。

池上氏の論考は、緻密で的を射ています。読者への謝罪がないことも問題視しています。しかしながら、語り口は穏やかで決して悪口雑言ではありません。

池上氏の文章につづいて続いて、朝日新聞からのコメントも載っています。

■池上さんと読者の皆様へ
 今回のコラムは当初、朝日新聞社として掲載を見合わせましたが、その後の社内での検討や池上さんとのやり取りの結果、掲載することが適切だと判断しました。池上さんや読者の皆様にご迷惑をおかけしたことをおわびします。


このコラムでは朝日新聞に厳しいことを言っていた実績がありますので、掲載拒否という反応は理解できません。一転掲載を認めた理由も、「社内での検討」・「池上さんとのやり取りの結果」で掲載拒否を撤回したというばかりで、具体的な説明がありません。

この件で朝日新聞は、パニック状態に陥っているように思います。“慰安婦問題の本質”がどうのこうのではなく、誤報をしてしまったメディアは何をすべきか、という観点で冷静に考え直してもらいたいと思います。

【朝日新聞】韓国の朴政権―報道への圧迫許されぬ

9月3日朝日新聞社説は、産経新聞が韓国朴大統領の名誉を傷つけたとして韓国当局に取り調べを受けている件を論じています。

 韓国でいま、まるで時計の針が逆戻りしてしまったかのような出来事が起きている。
 産経新聞のソウル支局長が書いた記事をめぐり、ソウル中央地検が2回にわたり支局長を事情聴取した。
 朴槿恵大統領の名誉を傷つけたとして、市民団体が名誉毀損で告発した。それを受けた形で検察が出頭を求めた。
 韓国では80年代まで、軍人がクーデターによって権力をにぎる独裁政権が長く続いた。当時は言論弾圧が繰り返され、朝日新聞ソウル支局も閉鎖に追い込まれたことがある。
 だが、この国で民主化が宣言されたのは四半世紀以上も前のことだ。政権の意に沿わないことを書いた記者を圧迫するかのような行為は、権力の乱用と言われてもしかたがない。
 検察がもし、このまま起訴に踏み切れば、国際社会は韓国の民主主義に大きな疑問符をつけるだろう。最大限に尊ぶべき言論の自由の重みについて、朴政権は考え直すべきだ。
 問題の記事は8月3日付で産経新聞のサイトに掲載された。4月に旅客船沈没事故が起きた当日、朴氏は所在が確認できなかった間に、男性と会っていたのではないか、との「うわさ」の内容を含んでいる。
 記事は、韓国紙のコラムや証券街に流れていた情報をもとに書いたとしている。
 大統領府は強く反発し、「民事、刑事上の責任を最後まで追及する」と表明した。その後、検察当局が聴取に動いた。
 独特の儒教意識が残る国だけに、女性大統領に対する冒瀆との受け止めもあった。産経新聞の過去の記事についても、大統領への侮辱や、嫌韓感情をあおるような報道が多いとして非難する声が出ていた。
 産経新聞の東京編集局長は今回の記事について「大統領を誹謗中傷する意図はまったくない」とのコメントを出した。風聞を安易に書いた同紙の報道姿勢は、反省すべきである。
 だがそれでも、当局が記者を出頭させ、取り調べるのは穏当ではない。韓国では通常の手続きだとする声もあるが、世界の先進国の常識からみれば、公権力による威圧でしかない。
(略)


最近の朝日の論調はおかしなものが多いのですが、これは珍しく正論です。

産経新聞とはいかに論調の違いで対立関係にあろうと、こうした言論弾圧に対しては、言論機関として韓国政府を非難すべきです。

韓国世論も朝日新聞には一目を置いていると仄聞します。この社説によって、日本(あるいは産経新聞)憎し、という感情論を乗り越えることを期待します。

それにしても、韓国のことを「独特の儒教意識が残る国」、とは思い切ったことを書くものです。どういう意図で書いたのかはわかりませんが、ちょっと驚きました。

【本】悪の出世学


悪の出世学 ヒトラー・スターリン・毛沢東 (幻冬舎新書)悪の出世学 ヒトラー・スターリン・毛沢東 (幻冬舎新書)
(2014/03/28)
中川 右介

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著:中川右介

ヒトラー、スターリン、毛沢東の3人の評伝です。「出世学」としたのは、3人とも組織(ナチス、共産党、中国共産党)の設立メンバーではなく後から入党してトップに上り詰めたという共通点から名づけたものだそうです。しかし、「出世」の方法は三者三様で共通点は見当たりません。現実には出版社の営業上の都合でつけた題名なのでしょう。「悪の~~」というのもいかにも出版社がつけたっぽい書名です。

著者は音楽関係のライターで、歴史学者ではありません。しかしながら語り口は平易で情報もきめ細かく取捨選択されているようで、とても読みやすいです。思想的にも偏りがあるわけではありません。客観的に三人の業績を見ています。

勉強になりました。

【アニメ】花物語


花物語 第一巻/するがデビル(上)(完全生産限定版)(Blu-ray Disc)花物語 第一巻/するがデビル(上)(完全生産限定版)(Blu-ray Disc)
(2014/09/24)
神谷浩史、斎藤千和 他

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原作は既読です。

化物語のセカンドシリーズに当たりますが、テレビ放送ではこのエピソードだけが映像化されていませんでした。今回一晩でまとめて放送されました。

「花物語」だけが後から映像化されたのは、原作上でもかなり異質の作品であるのも理由の一つでしょうが、特にこのエピソードがほとんどが会話で占められるため映像化しづらいというのもあるかもしれません。

出来上がった「花物語」は、大胆な美術・背景・カメラワークと声優の力演によってほぼ完璧なまでの仕上がりとなりました。

文句なしの傑作です。
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Author:えいび
日々の出来事、映画やアニメの感想です。

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