【朝日新聞】戦後70年談話 「安倍イズム」盛る危うさ

2月28日朝日新聞朝刊オピニオン欄。東大名誉教授・和田春樹氏の『戦後70年談話 「安倍イズム」盛る危うさ』です。

(略)
 韓国の朴槿恵大統領は、慰安婦問題の解決を求めて首脳会談を拒んでいるが、安倍首相は一歩も譲ろうとしない。首相支持のメディアがキャンペーンをはり、河野談話は「欠陥あり」という空気をつくりだした。河野談話の継承を言うなら、朴大統領の要請に応えて慰安婦問題で追加措置をとる方向に踏みだし、両国間のとげをなくしたうえで談話を出すべきではないか。
 安倍首相は、新談話で何を打ち出すのだろうか。世界を覆う戦争の現実の中で、「イスラム国」(IS)などテロリスト勢力と戦う米、仏を盟主とする有志連合の側に日本が立ち、責任を毅然と果たすという姿勢を明らかにする。私はこうした点を危惧している。
 「日本を、取り戻す」、地球儀を俯瞰する外交、集団的自衛権、憲法改正、積極的平和主義――安倍イズムを盛り込んだ談話を閣議決定し、日本の針路を決めようとするのではないか。
 問われるのは、国民がそうした道を望むのかという点だ。ISにより2人の日本人が殺されたが、彼らの家族も、ほとんどの国民も報復は望まない。日本人はイスラム教徒にもユダヤ人にも偏見を持たない。対立、憎悪を乗り越え、貧困と差別と絶望をなくすための平和的、非暴力的な努力を主導しなければならない立場にある。
 日本人は、国際紛争解決のための武力行使を禁じた平和憲法のもとで70年近く生きてきた。新談話がどう書かれるか、それは日本国民の問題である。


日本人の多くがISに直接的な報復を望んでいないというのはその通りだと思います。しかし、ISが正義だと思っているわけでもありません。9.11のアルカイダのテロ事件の場合は、彼らの言い分をなんとかこじつける論調もありましたが、それ以降の「イスラム過激派」の所業には擁護できる部分はまるでありません。

一昔前ならイスラム教徒やユダヤ教徒とキリスト教徒がそれぞれの宗教的背景で争っているという世界観で通用しましたが、今は通用しません。平和的、非暴力的な努力で対応できるような相手ではないというのが大方の日本人の認識だと思います。

国際紛争解決のための武力行使を禁じた平和憲法」は、外国勢力がある程度の理性を持っていることが前提に成り立つものです。その前提が通用しない勢力が出てきた(存在していた)という認識を、和田氏は持っていないようです。
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【朝日新聞】「命の値段」が異なる理不尽 酒井啓子

2月26日朝日新聞朝刊のオピニオン欄。千葉大の酒井啓子教授による『「命の値段」が異なる理不尽』より

(略)
 イラク戦争後、2年強の間にイラクで5人の日本人が銃弾に倒れ、1人が今回同様に人質となって、惨殺された。
 だがその報じられ方が、今と違う。今回の事件について朝日新聞が報じた記事は、発覚から殺害まで約200件あった。だが11年前の人質殺害事件の報道件数は、その半分以下だ。
 11年前に報道が少なかった理由は、簡単だ。当時自衛隊が、イラクのサマーワに駐留していた。人質事件は自衛隊員の命を危険に晒すものと考えられ、「人命尊重」は後景に下がった。一部の記事は、駐留中の隊員の安否や今後の派遣予定など、人質ではなく隊員の命に気を配る。自衛隊員と人質となった民間人の間には、歴然とした命の差があった。
(略)


同じ人質事件なのに10年前と今とで記事の本数が違うことを不思議がることが不思議です。例えば、同じ年に起きた同じような事件でも同じ件数だけ記事が書かれるわけではありません。社会的インパクトの大きさや、他に報道すべきことがあるかなどの要因で記事の件数は変わってきます。まして10年前との比較で多い少ないを論じるのは意味がありません。

自衛隊員の命の方が大事だったから報道件数が少なかったのだ、などと言うのは妄想の類です。実際、酒井先生は根拠を示さず、ただ「簡単だ」と言うだけです。根拠など無いのでしょう。

【朝日新聞】続かぬ関心、また薄れるのか

2月24日朝日新聞朝刊のオピニオン欄。シリア人ジャーナリスト・ナジーブ=エルカシュ氏の「続かぬ関心、また薄れるのか」です。

今後、日本における中東世界への関心がゼロになることを懸念しています。2005年に始まった「アラブ映画祭」が4年しか続かなかったことを例にあげています。また、日本がイスラム社会を見る目は、西洋人と同じ価値観を持っているように感じる、としています。

 日本社会に中東やアラブ世界、イスラムへの関心を呼び覚ますニュースが相次ぎました。
 愛知県内のモスク(イスラム礼拝所)が脅迫電話や嫌がらせを受けるなど、イスラムに対する否定的な反応もありました。一方で、「正しく理解しなければ」という前向きな声もたくさん聞こえてきました。
 これほど大きな事件が起きれば、注目は急激に高まって当然です。しかし、少し時間が過ぎれば、大きく膨らんでいた興味がしぼみ、また「関心ゼロ」に戻ってしまうのではないかと心配しています。
 これまでの経験を振り返ると、日本社会で時々盛り上がる「アラブブーム」は、打ち上げ花火のようにはかないものでしかありませんでした。
 私がロンドンでの留学を経て来日したのは1997年。東京大や名古屋大大学院などで映画理論を研究していたことから、国際交流基金が2005年に始めた「アラブ映画祭」にアドバイザーとして参加しました。
(略)
 しかし、わずか4年しか続きませんでした。
(略) 
 アラブ世界と徹底的に交流したいのか。困ったときや事件が起きたときだけのお付き合いで良いのか。そろそろ日本社会全体で決断してくれれば良いのに、とさえ思います。
 イラク戦争の時も、今年1月から続いたテロ事件の時にも、日本社会の反応を見ていると、中東に向けられたまなざしの中に気になる部分がありました。
 それは、パレスチナ人の思想家エドワード・サイードが問題提起した「オリエンタリズム」そのものの視点です。
 オリエンタリズムとは、西洋が中心だという考えの中で、アラブを含む東洋の伝統や文化などを「自分たちに比べて遅れている、奇妙な存在だ」とする考え方です。
 日本に居ながらにして欧米社会と同じ価値観を通じてアラブ世界を見ているというのでは、日本人の世界観が西洋に「支配」されているのではないかと感じます。
 ベリーダンスやエジプトの古代遺跡など、「エキゾチック」な側面にしか注目しない人たちを見ていても、そのような疑いをもってしまいます。
(略)
(聞き手・山西厚)


はなはだしく違和感を覚えます。

映画祭が4年で終わったのを嘆いていますが、それは単に客の入りが悪かったからだと思います。その背景には日本人に受ける作品が無かったからだと思われます。そうしたことをすべて棚に上げて、“日本人は無関心になった”というのは子供がダダをこねているのと変わりありません。

アラブ世界と徹底的に交流したいのか。困ったときや事件が起きたときだけのお付き合いで良いのか』と問われれば、すくなくとも徹底的に交流したいと思っている日本人は少ないでしょう。日本が特別冷たいのではありません。どの国もよその国と「徹底的に交流したい」などとは思わず、普通に付き合いたいだけです。アラブ世界に尊崇の念を持ち付き合いたがるのが当たり前と内心考えているのだとしたら、それは間違っているとしか言えません。

エジプトの古代遺跡やベリーダンスに興味の中心があるのが西洋文化中心のオリエンタリズムだ、という理屈も分かりかねます。外国人から見た興味が自国の価値観とずれが生じるのは普通にあることです。西洋中心主義を持ち出さなくても説明がつけられます。

西洋中心主義を批判している当人がイスラム文明中心主義であり、それを認めない外国に怒っているように見えました。

【朝日新聞】差別発言、キャラで免責

2月24日朝日新聞朝刊の文化欄。精神科医・斎藤環氏の寄稿「差別発言、キャラで免責」は、先の曽野綾子氏の“アパルトヘイト容認コラム”を取り上げています。
曽根氏の発言について日本のマスメディアがすぐに報じなかったのは、曽根綾子氏の場合、いかにもありそうなことだから、つまりそういうキャラだから、ということで納得してしまったからだ、としています。

(略)
 彼女(引用者注:曽根氏のこと)はその後のインタビューなどにおいても「差別ではなく区別」などと弁明しているようだが、これが差別主義者の常套句であることは論を俟たない。よって、その間違いぶりの論証はここでは控える。むしろ残念だったのは、この発言へのまともな批判が、おおむね海外発だったことだ。
 日本ではこのコラムがツイッター上で“炎上”したが、日本のマスメディアはすぐ報じなかった。まず記事にしたメディアは2月12日付の「ジャパンタイムズ」、ついで「ニューヨーク・タイムズ」「ウォールストリート・ジャーナル」などの大手紙が追随し、2月13日には南アフリカ大使が産経新聞に抗議する事態にまで発展した。
 しかし、その後の朝日新聞の取材に曽野氏は「ツイッターで興奮する人々」「安倍総理のアドヴァイザーだったことはない」「チャイナタウンはいいものだ」等のとぼけた反応を返すばかりだった。
 なぜ日本のマスメディアはすぐに反応しなかったのか。これも現政権による言論統制の成果なのか。おそらくそうではない。今回のコラムは「あの曽野綾子氏」が、いかにも「あの産経新聞」に書きそうな内容だった。つまり“平常運転”なのでニュースバリューはなかった。もし曽野氏が「格差解消のために累進課税の導入を」などと発言したら一大ニュースだ。人が犬を噛んだらニュースになる、とはそういうことだ。
 曽野綾子氏は自他共に許す保守論客だ。しかも、たいへんキャラの立った言論人だ。過去にも「性犯罪に遭った被害者にも落ち度がある」「(震災直後に)放射線の強いところには高齢者を行かせよ」などの語録が知られており、まともな言論人なら、たとえ思っていても口に出せない“ホンネ”を代弁してくれる貴重な存在である。ついでに言えば保守論壇には、曽野氏に限らず、けっこう「濃いキャラ」の論客が多い印象がある。
(略)

 
「差別ではなく区別である」と言うのが差別主義者の常套句であったとしても、つまり『差別主義者は「差別ではなく区別である」という』のが真だとしても、「差別ではなく区別である」と言うのは全て差別主義者である、とは限りません。

「この組の生徒はすべて日本史を選択している」というのが真だからといって、「日本史を選択しているのは、すべてこの組の生徒」とは言えないのと同じです。

これは論理の初歩です。新聞にわざわざ寄稿して開陳できるレベルではありません。

また、曽野氏のキャラが立っているから日本のマスメディアがすぐに報じなかった、という説も、斉藤氏がそう思った、という以上の根拠が述べられていません。

斉藤氏が自説に自信があるなら、まず朝日新聞になぜ曽野氏のコラムへの批判記事をすぐに載せなかった理由を糾し、その上で寄稿すべきか否かを判断すべきです。読者に珍説を読ませる前にやるべきことがあります。

【テレビ】クローズアップ現代:逆襲なるか日本アニメ

2月23日のNHKのクローズアップ現代。「逆襲なるか日本アニメ ~海外輸出 新戦略の行方~

■番組の内容
・海外での日本アニメの売上は苦戦している。2005年の313億円をピークにして、2013年は169億円になった。
・かつての成功に安住したのが低迷の原因。2000年代前半に「ポケモン」がブームになり黙っていても売れたが、その時に売るための戦略やノウハウを蓄積できなかった。
・その間、韓国アニメは輸出を伸ばしている。海外で売るための試写会を繰り返し、修正を加える。関係者の話:『私たちの作品をできるだけ多くの国の子供に見てもらいたいので、それぞれの国にある制約を守ることは当たり前です。壁だとは思っていません。』
・そんな中で企画の段階から海外を意識する取り組みが出始めた。「ドラゴンボール」では、流血シーンをなくす。「ルパン三世」では、イタリアでの売上を伸ばすために服の色をイタリア人好みの色(青)にしたり、イタリア人の好きなサッカーを話しに取り入れたりする。
・コアファン向けにnet配信を行うことで利益を上げるというビジネスモデルもできてきた。(画面で紹介されていたのは「シドニアの騎士」)
・日本の関係者の話:『日本のコンテンツって極めて自由な風土の中で作られている。いい意味でとんがっていたりする。そのとんがったままの形で当然トランスレート(翻訳)はするにせよ直接届けられる媒体が出てきたということに大きく可能性が出てきているし、それをすることによって我々なりの差別化ができるんじゃないか』
・さらにライバル企業同士が手を組んで海外への販路を広げようとしている。『(海外で)まとまって日本のアニメが見られてビジネスができるためにはまず日本(の企業)同士で集まることも大切なんじゃないか。特に海外から需要があり、いろいろな形でお声がかりがあるのですが、やはり自分たちの仲間同士でやるプラットフォームを持っていないと誰かに依存しているとブームとタイミングがずれたときにビジネスができなくなる。5年10年20年といい作品を作れる環境とビジネスモデルを作りたい』
・ゲストの電通コンサルテングの人の話:『ネット配信は海外との距離が縮まる。やらなきゃいならない。プロデューサーが必須。違う産業の人も入ったオールジャパンが必要』

■番組の感想
・韓国のアニメが徹底的なリサーチで海外進出をしているのは始めて知りました。しかし、工業製品や化粧品などでしたら、そういったリサーチも分かりますが、アニメ作品をそういう手法で作るのは違和感があります。ヒット作は作れるかもしれませんが、名作や問題作は作れないように思います。
・日本でも「ドラゴンボール」と「ルパン三世」でそうした現地指向をしていますが、これらは、30年以上の歴史のあるコンテンツです。現地指向もアレンジの段階だったらまだ許せますが、初めからマーケティングの方法で作ったもので感動が生み出せるとは信じたくありません。
・netを使ってそのままの形で海外に提供するというビジネスモデルの方に魅力を感じます。やはり日本のアニメ会社はまず日本のファンの方を向いて欲しいです。

【ウルトラQ】第七話:SOS富士山


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第七話の「SOS富士山」の感想です。観たことはあるはずですが、ほとんど覚えていない話でした。

第六話と同じくコメディーの風味がありますが、こちらは普通に怪獣が暴れます。

富士山の噴火・複数の岩石が集結するという「生物」なのかすら疑わしい怪獣・和製ターザン・ロケット実験で遊ぶ子供たち、といった複数の話題がありますが、統一が取れていません。

この和製ターザン(タケル)は、子供の頃に富士樹海で行方不明になった子供が成長した姿、という設定ですが、本人は人間界にいた時の記憶もしっかり持っていますし日本語も忘れていません。なぜ樹海で暮らし続けていたのかわかりません。子供のロケット遊びに至っては無意味なシーンです。子供の視聴者に媚びている感じがしました。

タケルが岩石怪獣と戦うのですが、人型と動物型の対決というあたりは「フランケンシュタイン対地底怪獣」(1965年公開、ウルトラQの一年前)を思い出します。これが、やがて人型のヒーローであるウルトラマンシリーズの元になっているのかもしれません。

記憶に残っていないだけあって、今観てもあまり面白くは感じませんでした。

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【本】江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統


江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統 (星海社新書)江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統 (星海社新書)
(2014/08/26)
原田 実

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「江戸しぐさ」という言葉を初めて聞いたのはいつのことだったか覚えていませんが、その一つに雨の日にすれ違う際に互いに傘を傾けて邪魔にならない仕草が江戸の伝統だったという内容でした。なるほどそういうものかと思っただけで、他の「江戸しぐさ」にどんなものがあるのかも興味がないまま生きてきましたが、先日この「江戸しぐさの正体」という本を見つけました。

読んで吃驚。

「江戸しぐさ」として流布されているもののすべてが、江戸の生活習慣からはありえないものであることが疑問の余地もなく明らかにされています。

また「江戸しぐさ」を広めた人間が、明治新政府が江戸っ子を大量虐殺したため「江戸しぐさ」の伝統が途絶えた、などと馬鹿げた主張をしていることも知りました。出来の悪い陰謀論です。それよりも恐ろしいのは、この「江戸しぐさ」が教育現場に浸透しつつあることです。

教育関係者は是非一読すべきだと思います。

【朝日新聞】鳩山元首相が沖縄県庁訪問 

2月21日朝日新聞朝刊。「鳩山元首相が沖縄県庁訪問 辺野古移設反対の知事を激励」という記事を読みました。

 首相時代に米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題をめぐって迷走した鳩山由紀夫氏が20日、沖縄県庁で同県の翁長(おなが)雄志知事と会談した。県外移設を断念して政権の座を降りた鳩山氏だが、この日は「辺野古阻止」を掲げる翁長氏を激励した。
 首相退陣後、鳩山氏が沖縄県知事と会うのは初めてといい、県庁の知事室入り口で「懐かしいな」。非公開の会談後、鳩山氏は取材に「首相時代にできなかったこと(県外移設)を、沖縄の民意を大事にしてやりたい」と話した。鳩山氏によると、会談で翁長氏は、辺野古移設阻止に向けて「不退転の気持ちだ」と応じたという。
 鳩山氏については、基地問題をめぐって本土と沖縄の溝を深めたという指摘がある半面、沖縄では「普天間問題に光を当てた」と再評価する声もある。
 一方、翁長氏は知事就任後、安倍晋三首相と会えずにいる。辺野古移設を受け入れた前知事と比べて政権の「冷遇」ぶりが際立つが、菅義偉官房長官は20日の衆院予算委員会で「(全国の)知事に全員会うということでもない」と説明した。(山岸一生)


この鳩山元総理という人のことが全く理解できません。自分が首相時代にできなかったことが、なんで今できると思っているのでしょうか。鉄面皮どころではありません。ここまでくると、人格に異様なものを感じます。

翁長沖縄県知事にしても、鳩山氏と会うことにどういう意義を見出しているのか不可解です。

まじめに県外移設を模索しているのではなく、マスコミに取り上げてもらうことが目的なのかと疑ってしまいます。

【朝日新聞】「学習支援」動く自治体

2月19日朝日新聞朝刊の生活面。『困窮家庭の子ども対象、無料指導』という記事が掲載されました。

 親から子への「貧困の連鎖」を防ぐため、自治体が経済的に困っている家庭の子どもに勉強を教える事業をしています。費用は国が出してきましたが、4月に生活困窮者の自立を支援する新しい法律が施行され、自治体も負担が求められます。子どもの貧困率が過去最悪になる中、学習支援が広がるかどうか注目されます。

 1月下旬の午後6時前、日が暮れた中、制服姿の女子中学生が息を切らせて駆け込んでくる。公共施設の会議室で、生活保護世帯の中高生に勉強を教えるさいたま市の学習支援教室が始まった。
 この日は子どもたち6人をNPO法人「さいたまユースサポートネット」のスタッフとボランティアの大学生が一対一で教えた。垂直二等分線の作図や「can」を使った英文など、学年や理解度に合わせて週2回、無料で勉強できる。
(略)


経済的困難でありながらも学習意欲のある子供への支援は当然と考えます。

しかし、この記事を読んで一言あります。

この記事で学習支援を必要としているのは中学生です。生活困窮者ということですので地元の公立中学に通っているはずです。したがって学校では無料で勉強を教えています。自治体のボランティアに頼らず中学校の教師が「垂直二等分線の作図」を教えなければいけません。

にもかかわらず、自治体による無料学習指導が必要になるのは、公立中学校の教育がまともに機能していないことを示しています。

学習進度の違う子供を無理に一緒の教室で教えようとするから、学習能力の覚束ないながらも意欲のある子供が、授業で無視される結果になっているのだと思います。その点、ボランティアの大学生は一対一で子供の理解に合わせて教えるので意欲のある子供には最適です。

自治体の学習支援も結構ですが、中学校での習熟度別クラス編成を真面目に考えるべきです。

【テレビ】戦後70年:摩擦社会を生きる「韓国」「中国」本のいま

2月17日NHK。「首都圏ネットワーク」の中のコーナー「戦後70年:摩擦社会を生きる」の二回目『「韓国」「中国」本のいま』を視聴しました。

■番組の内容
「韓国」「中国」を題材にした刺激的な題名の本が書店に多く並んでいる現状を伝えています。

この手の本を常時出版している出版社常務取締役の発言:
「中身を読んでいただければ全然問題ないと私は思っています」
「(売れる理由は)今出ているような情報は今まで全然出ていないからですよ。だから初めて知った人たちは非常に驚いてもっと知りたいという気持ちになるのではないか」


この風潮に違和感を持つ出版・書店関係者のグループの発言:
「タイトルが確かにキャッチーであるが、誰かを傷つけるなとか私の中にあるような一線をどうやって踏み越えて行ったんだろうかと」
「個人的にはやっぱり納得できないのではないかという気がする」
「日本人だって韓国人だってだめなところはいっぱいありますから、それを集めて本を出す。それで“読者のニーズに応えた”はありなのか」
「隣国関係や国内の外国人との関係にかなり影響してしまうのではないか。そういう危機感に基づいてやっています」


書店の発言:
「どちらかだけを置いてどちらかを排除するということは書店としてはしたくないし、すべきでないと思う。あくまでも議論、本同士が戦い合えばいいと思います。相反する本が並んでいる、一緒に並ぶことができる場所という意味で本屋はおもしろい。
ですから、できるだけ多様なものを見せたほうがいいと思います」


■番組の感想
・出版社の言うように「中身を読んでいただければ全然問題ない」かどうかは本によるのでしょうが、少なくとも読んだ上で論評するべきです。番組では、題名や見出しを評価していますが、中身を評価していません。

・私も「韓国」「中国」を悪く書いた本が増えたような気がしていますが、番組では、具体的に出版件数や売れ行きをデータで示していません。議論の土台となるデータが欲しかったです。

・「米国」を標的にした“ヘイト本”は昔からさかんに出版されていますが、これは問題ないのでしょうか。「韓国」「中国」が標的になったときだけ問題視するというのであれば、やはり出版界にタブーがある(あった)としか思えません。

・書店の発言はバランスがとれていて、私には一番納得できました。

【世論調査】朝日新聞社1月17、18日

朝日新聞朝刊で、世論調査の結果が発表されました。

 (数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。◆は全員への質問。◇は枝分かれ質問で該当する回答者の中での比率。〈 〉内の数字は全体に対する比率。丸カッコ内の数字は1月17、18日の調査結果)

◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
 支持する  50(42)
 支持しない 31(37)

◇それはどうしてですか。(選択肢から一つ選ぶ=択一。左は「支持する」50%、右は「支持しない」31%の理由)
 首相が安倍さん  11 〈5〉 11 〈3〉
 自民党中心の内閣 24〈12〉 23 〈7〉
 政策の面     43〈21〉 54〈16〉
 なんとなく    18 〈9〉 10 〈3〉

◇(「支持する」と答えた50%の人に)これからも安倍内閣への支持を続けると思いますか。安倍内閣への支持を続けるとは限らないと思いますか。
 これからも安倍内閣への支持を続ける  45〈23〉
 安倍内閣への支持を続けるとは限らない 52〈26〉

◇(「支持しない」と答えた31%の人に)これからも安倍内閣を支持しないと思いますか。安倍内閣を支持するかもしれないと思いますか。
 これからも安倍内閣を支持しない 60〈18〉
 安倍内閣を支持するかもしれない 34〈10〉

◆今、どの政党を支持していますか。政党名でお答えください。
自民40(33)
民主7(9)
維新2(3)
公明4(4)
共産4(4)
社民1(1)
生活0(0)
次世代0(0)
太陽0(0)
元気0(0)
改革0(0)
その他の政党0(1)
支持政党なし35(38)
答えない・分からない7(7)

◆中東の過激派組織「イスラム国」による日本人の人質事件についてうかがいます。今回の事件に対する日本政府の対応を評価しますか。評価しませんか。
 評価する 50
 評価しない 29

◆「イスラム国」による、日本人を標的にしたテロ事件が、今後も起きる不安をどの程度感じますか。(択一)
 大いに感じる  32
 ある程度感じる 54
 あまり感じない 11
 まったく感じない 2

◆安倍首相は、人質事件の後も、「イスラム国」対策として、難民支援や食糧援助を続ける方針を示しました。この方針に賛成ですか。反対ですか。
 賛成 72
 反対 14

◆原子力発電を利用することに、賛成ですか。反対ですか。
 賛成 37
 反対 44

◆国民の間で福島第一原発事故の被災者への関心が薄れ、風化しつつあると思いますか。そうは思いませんか。
 関心が薄れ、風化しつつある 73
 そうは思わない       23

◆お店で買おうとした食べ物の産地が福島県だったら、買うのを控えると思いますか。そうは思いませんか。
 買うのを控える 23
 そうは思わない 72

◆東京都渋谷区は、男性同士、女性同士のカップルに証明書を発行し、渋谷区の住民や企業などに、男女の夫婦と同じように扱うよう求める方針です。この方針を評価しますか。評価しませんか。
 評価する  52
 評価しない 27

◆男性同士、女性同士の結婚を、法律で認めるべきだと思いますか。認めるべきではないと思いますか。
 認めるべきだ    41
 認めるべきではない 37

◆今年は戦後70年です。政府は、戦後50年と60年に、植民地支配や侵略で、アジアなどの人々に大きな苦しみを与えたとして「痛切な反省」や「心からのおわび」という言葉を入れた談話を発表しました。これらの談話を評価しますか。評価しませんか。
 評価する 62
 評価しない 20

◆政府は、今年、戦後70年の談話を発表する予定です。この談話にも、戦後50年と60年の談話に入っていた「植民地支配と侵略」「痛切な反省」「心からのおわび」という言葉を入れるべきだと思いますか。その必要はないと思いますか。
 入れるべきだ  52
 その必要はない 31

 <調査方法> 14、15の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、全国の有権者を対象に調査した(福島県の一部を除く)。世帯用と判明した番号は3932件、有効回答は1840人。回答率47%。


この世論調査が私のところに来たと想定して回答してみます。

>◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
支持します。

>◇それはどうしてですか。
首相が安倍さんだからです。

>◇(「支持する」と答えた50%の人に)これからも安倍内閣への支持を続けると思いますか。安倍内閣への支持を続けるとは限らないと思いますか。
支持を続けるとは限りません。

>◆今、どの政党を支持していますか。政党名でお答えください。
支持政党はありません。
自民の支持が急上昇したのが目を惹きます。テロ事件の影響だと思います。
民主党が前回(1月17日・18日調べ)より支持を下げました。代表選は18日でしたので、これが岡田新代表の評価だと思います。

>◆中東の過激派組織「イスラム国」による日本人の人質事件についてうかがいます。今回の事件に対する日本政府の対応を評価しますか。評価しませんか。
結果は思わしくはありませんでしたが、対応に間違いはなかったと思います。

>◆「イスラム国」による、日本人を標的にしたテロ事件が、今後も起きる不安をどの程度感じますか。
ある程度は感じます。日本国内で事件が起きるとは今のところ感じていませんが、海外では何が起きるかわかりません。

>◆安倍首相は、人質事件の後も、「イスラム国」対策として、難民支援や食糧援助を続ける方針を示しました。この方針に賛成ですか。反対ですか。
賛成です。必要なことです。

>◆原子力発電を利用することに、賛成ですか。反対ですか。
長期的には原発はやめるべきだと思いますが、短期的(新技術が確立するまで)は原発利用はやむを得ないと考えます。

>◆国民の間で福島第一原発事故の被災者への関心が薄れ、風化しつつあると思いますか。そうは思いませんか。
どんな事件・事故でも時が経てば「感心が薄れ、風化」します。訊いても意味のない質問だと思います。

>◆お店で買おうとした食べ物の産地が福島県だったら、買うのを控えると思いますか。そうは思いませんか。
気にしません。控えません。

>◆東京都渋谷区は、男性同士、女性同士のカップルに証明書を発行し、渋谷区の住民や企業などに、男女の夫婦と同じように扱うよう求める方針です。この方針を評価しますか。評価しませんか。
証明書を出すことは結構ですが、例えば病院で手術の同意書にサインできるかと言えば無理でしょう。病院側としては、問題があった場合に法的に責任がとれないからです。家族として面会を認めるという効果はあるかもしれません。
証明書の効果は分かりませんが、何もないよりいいのかもしれません。
評価します。

>◆男性同士、女性同士の結婚を、法律で認めるべきだと思いますか。認めるべきではないと思いますか。
相続ならともかく、同性婚の夫婦に養子を認めるかというと、ちょっと躊躇します。男女間の結婚とは、違った制度を作るのであれば、賛成できるかもしれません。

>◆今年は戦後70年です。政府は、戦後50年と60年に、植民地支配や侵略で、アジアなどの人々に大きな苦しみを与えたとして「痛切な反省」や「心からのおわび」という言葉を入れた談話を発表しました。これらの談話を評価しますか。評価しませんか。
特に、どうとも思いません。

>◆政府は、今年、戦後70年の談話を発表する予定です。この談話にも、戦後50年と60年の談話に入っていた「植民地支配と侵略」「痛切な反省」「心からのおわび」という言葉を入れるべきだと思いますか。その必要はないと思いますか。
必要ありません。
そもそも10年置きに談話を発表する意味がわかりません。この調子だと80年談話も90年談話もあるのでしょうか。もちろん100年談話もありそうですが。
あの戦争にこだわり過ぎていると思います。

【本】未来予測を嗤え!


未来予測を嗤え! (oneテーマ21)未来予測を嗤え! (oneテーマ21)
(2014/12/09)
神永 正博、小飼 弾 他

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神永正博氏は東北学院大学教授。数学者
小飼弾氏は投資家、プログラマー、ブロガー

広範な話題を議論しています。それぞれ専門分野の知識を披露しながらも、決して驕ったところがないのは好印象です。

感心したのは、第五講の「ビッグデータの本当の意味」。この分野は私の仕事ともからむので非常に興味を持って読みました。ビッグデータについてこれほど分かりやすい解説は初めて読みました。

どの章も刺激に満ちた論考が展開されています。

お薦めできる一冊です。

【ウルトラQ】第六話:育てよ!カメ

第六話の「育てよ!カメ」の感想です。

いままでとは雰囲気を大きく変えてコメディです。いつもの石坂浩二のおどろおどろしいナレーションもありません。

この話はほとんど印象に残っていませんでした。カメの甲羅がパカッと開いて速度計が出てくるところだけは覚えていましたが、後は忘れていました。怪獣目当ての子供が観ても面白くない話だったからだと思います。

では大人になった今、観て面白かったかと問われると、否としか言えません。

浦島太郎の話をモチーフにしていますが、新しい解釈を提出したわけでもなく、竜宮城から戻ってきたら時が流れ去っているという重要な要素もありません。コメディとしても中途半端です。

子供の時分にも理解できない話でしたが、大人になっても理解できない話です。


【朝日新聞】曽野綾子氏「居住は人種別に」 産経コラム、南ア大使が抗議

2月15日朝日新聞朝刊は、産経新聞に作家・曽野綾子氏がアパルトヘイトを容認したコラムを掲載したとして、南ア駐日大使が抗議をしたことを伝えています。

もとになった曽根氏のコラムを産経新聞のサイトで探しましたが見つかりませんでした。本来は曽根氏のコラムを論評したいところですが、現物が確認できないので、朝日新聞の記事で論じます。

 産経新聞社は14日、同紙の11日付朝刊に掲載された作家、曽野綾子氏のコラムについて、南アフリカのモハウ・ペコ駐日大使らから抗議を受けたことを明らかにした。アパルトヘイト(人種隔離)政策を容認する内容だとして、インターネット上で批判を浴び、海外メディアも報じていた。
 コラムは「労働力不足と移民」と題して、介護分野での外国人労働者の受け入れの必要性を指摘。「居住区だけは、白人、アジア人、黒人というふうに分けて住む方がいい」と書き、人種差別の廃止後の南アで、生活習慣の違いから白人と黒人が分かれて住んだ例を紹介した。
 産経新聞社広報部によると、大使からの抗議文は「アパルトヘイトを許容し、美化した。行き過ぎた、恥ずべき提案」との内容だった。NPO法人「アフリカ日本協議会」(東京)も産経新聞社と曽野氏に抗議したという。
 コラムをめぐっては、掲載後からツイッターで「アパルトヘイト擁護だ」などと問題視する声が広がり、ロイター通信など海外メディアが「首相の元アドバイザーがアパルトヘイトを称賛」といった見出しで報じた。
 産経新聞は「当該記事は曽野綾子氏の常設コラムで、曽野氏ご本人の意見として掲載しました。産経新聞は、一貫してアパルトヘイトはもとより、人種差別などあらゆる差別は許されるものではないとの考えです」との小林毅・東京編集局長のコメントを出した。


素直に読んで、曽根氏は人種差別(アパルトヘイト)廃止後の南アの例をひいていますので、アパルトヘイトを擁護していません。より正確に言えば、アパルトヘイトについて直接には語っていません。

違う人種が居住を同じくするのが無理なのはアパルトヘイト廃止後の南アの例を見てあきらか、という主張のように思います。

ただし、私は曽根氏の意見に賛成しているわけではありません。移民には反対です。

労働力不足を移民で補おうとすると、労働力の需給の関係から労働者(つまり大多数の国民)が割りを食います。低賃金労働者を増やして得をするのは一部の富裕層だけです。

このような亡国の政策を推し進めるために人種別居住という無理な提案をしていると見ました。

【映画】劇場版 蒼き鋼のアルペジオ –ARS NOVA- DC


【チラシ、DVD付映画パンフレット】 『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ アルス・ノヴァ DC』 出演(声):興津和幸.渕上舞.沼倉愛美【チラシ、DVD付映画パンフレット】 『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ アルス・ノヴァ DC』 出演(声):興津和幸.渕上舞.沼倉愛美
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TV版は観ています。TV版には高評価をしていました。

今回はTV版の総集編+その後の話、です。その後の話は秋に公開する映画につながります。

総集編の部分は弱かったです。この作品の魅力はメンタルモデルが人間に触れることで変容していく様と、緻密な戦術の応酬にありました。したがってはしょっていい部分は非常に少なく、1クールを1時間ちょっとでまとめるのは無理がありました。

知っている人には味気なく、初見の人には理解できなかったと思われます。

TV版終了後の新しい話の部分は、新たなメンタルモデルだけでなく、TV版でも伏線を張っていた人物が登場し、続編への期待を高めてくれます。

今回は、TV版のおさらいという意味合いが大きかったので、秋の第二弾(完結編?)に期待します。

【朝日新聞】天声人語2月13日

2月13日朝日新聞の天声人語より。

(略)
最近、LGBTという言葉が定着しつつある。性的少数者のうち、同性愛者のレズビアンやゲイ、両性愛者のバイセクシュアル、心と体の性が一致しないトランスジェンダーの頭文字を取った呼称だ。日本では20人に1人がそうだという調査がある
性的少数者を理解し、彼らの人権を尊重しよう。そんな施策を東京都渋谷区が提案した。同性カップルを「結婚に相当する関係」と認め、証明書を発行する計画だ。多様な個性を尊重しあう社会を目ざすという
先駆的な試みだ。法律上の効果はなくても、差別や偏見をなくす意識改革としての意義は大きい。同性婚を認める国は増えている。オバマ米大統領いわく「私たちは平等で、私たちが交わす愛もまた平等でなければならない」
日本国憲法24条は、婚姻は「両性」の合意のみに基づいて成立するとする。ただ、同性婚を排除まではしていないという解釈もありうる。今後の議論のしどころだ。


私は性的少数者に対して偏見は持っていないと思っています。しかし素直に考えて、憲法24条は異性間での婚姻を想定しています。

おそらく憲法を作った人(占領軍)は、当人同士の意思で結婚は認められる、つまり親とか親類は反対できない、という考えだったのでしょう。同性間での婚姻を禁止したというより、想像の埒外だったのだと思います。

そうではあっても、現在の条項は異性間での結婚しか認めていないとか読めません。「同性婚を排除まではしていないという」などという解釈をするのは日本語能力に問題があります。

必要であるならば、改憲を議論すべきです。

【時事問題】マレーシアでの同性愛者迫害

2月11日の朝日新聞朝刊は、マレーシアで野党指導者が同性愛行為の罪で禁固5年の有罪判決をうけ、政治家生命を奪われたことを伝えています。

 同性愛行為の罪に問われたマレーシアの野党指導者アンワル・イブラヒム元副首相(67)について、同国の連邦裁判所(最高裁)は10日、上告を棄却した。禁錮5年の有罪が確定し、同氏は収監された。同氏を民主化の象徴とみなしてきた米国は懸念を表明した。
(略)
 イスラム教が国教のマレーシアは、同性愛行為を刑法で禁じる。有罪確定で、国会議員のアンワル氏は失職する。出所後5年は選挙に立候補できず、年齢的に政界復帰も厳しくなった。
(略)


国にはそれぞれの文化・習慣があり、それは尊重されるべきであるという理屈は分かります。しかし、同性愛で禁固刑というのは異様な感じがします。性的嗜好で人を差別するのが正しいとは思えません。

同性愛の禁止はイスラム教に由来するもののようです。こうしたことでイスラム教の国と非イスラム教の国の分断が起きることのではと懸念します。

一方的にマレーシアに譲歩を迫るのは心苦しいですが、ここは同性愛を違法とするのを改めるべきだと思います。

【朝日新聞】漫画家やくみつる氏の「シャルリー」転載本への反応

2月11日朝日新聞朝刊は、仏新聞社シャルリーへのテロの原因となったと考えられる風刺画を転載した本が日本で発売されたことを伝えています。

あえて出版に踏み切った出版社の真意はわかりませんが、表現の自由が他者を傷つけてしまうこともあるという簡単には答えの出せないものを孕んだ問題です。

記事の中で新聞・雑誌で時事ネタの漫画を描いているやくみつる氏のコメントが載りました。この問題をどう考えているのか興味を持って読みました。

 私は漫画で世の中を動かそうとか啓蒙しようとは思っていない。「シャレ」の一つだ。結果としてシャレにならない反応が起こるものは描かない。「シャルリー・エブド」の預言者の風刺画は漫画がやることの意義を超えており、人種差別に近い。ただ第三書館の本がイスラムに配慮し、絵に加工も施したのであれば、シャルリー紙上での掲載とは趣旨がいささか異なってくるのではないか。


ちょっと残念なコメントです。

表現者が自分の仕事を「シャレ」の一言で済ませてよいとは思えません。たしかに銃器で武装した人間が殴りこむようなものを軽々しく描けないというのは分かります。しかしどこまでが描ける限界なのかを語ってほしかったです。「シャレにならない反応が起こるものは描かない」では、抗議されたら直ぐに受け入れます、と言っているようにしか聞こえません。

【本】日本劣化論


日本劣化論 (ちくま新書)日本劣化論 (ちくま新書)
(2014/07/09)
笠井 潔、白井 聡 他

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笠井潔/白井聡

笠井潔氏は、小説家・評論家です。氏の書いた推理小説は傑作揃いで、愛読しています。
白井聡氏は、文化学園大学助教。専門は政治学・社会思想です。

幅広く日本の現状を対話しています。大胆な仮説と広範で深い知識で刺激的な対話が繰り広げられます。知的レベルの高い内容だとは思います。

しかしながら根本のところで疑問を持ちました。

この本は日本の「劣化」をキーワードとして現在の日本に批判の目を向けています。しかし、どの時代と比べて「劣化」したのかが定まっていません。「近頃の若い奴らは」と息巻くおじさん達は、明らかに自分の若い頃と比較していますので、必ずしも精緻な比較ではないとは思いますが、比較対象ははっきりしています。しかしこの本では比較対象がはっきりさせずに「劣化」「劣化」と連呼しているので、その点では中年男性の愚痴以下です。

ものの見方として興味深いものも示しています。

白井:(略)戦後体制というのは、日本国民の主観世界では、言うなれば「アメリカ幕府」だったのではないかと。
笠井:アメリカ幕府?
白井:征夷大将軍にアメリカ(マッカーサー)を据えたのだと理解すると、あの有名な天皇とマッカーサーのツーショット写真は、昭和天皇がマッカーサー元帥を征夷大将軍に任命した記念写真であると見ることができます。もちろん、この時の征夷の夷というのは共産主義のことです。


ここまではそういう見方もあるのかと感心しましたが、そこから暴走が始まります。

白井:この心理は幕末の孝明天皇と比べた時、その特徴が際立ってきます。孝明天皇というのは、しばしば暗愚な人間だったと評価されてきましたよね。周囲がどんなに、攘夷はもう諦めるしかないんだと説得しても理解できない。だから岩倉具視らが、これはどうしようもないということで毒殺しえつぃまった、という有力な説がある。だけども、これだけ散々に言われた孝明天皇だって、ペリーやハリスは強くて怖いからということでペリーやハリスを征夷大将軍に指名するなんていうことはしなかった。すくなくとも、そういう恐怖に駆られた情けない振る舞いをしなかった。
ところが昭和天皇は、それをやってしまったわけですよね。これこそが、昭和天皇において一番けしからんことだったのではないかと僕は思うんです。


自分で作った仮説を無理やり発展させ、「情けない」とか「けしからん」とか評価するのは少しおかしいと思います。己の知識と思いつきに引きずられて妄想の世界に入っているようにしか見えません。
白井氏は概ね、こんな感じです。笠井氏の意見には全面的に賛成するわけではありませんが、それなりの刺激を受けました。

しかし、世の中のことは俺たちは何でも知っているんだぞ、といわんばかりの両氏の態度には、ちょっと辟易としました。

【ウルトラQ】第五話:ペギラが来た!


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第五話の「ペギラが来た!」の感想です。

オーソドックスなモンスター映画です。つまり、序盤で微かな異変がおき、徐々に異常が広がり、怪物が姿を現し大暴れをし、なんとか撃退する、というフォーマットを踏んでいます。

ペギラのもとは音から考えればペンギンなのかもしれませんが、姿かたちにペンギンらしさはありません。ナメゴンが巨大なナメクジと言っても差し支えなかったのに対して、ペギラを巨大ペンギンとは言えません。巨大ペンギンだったら、ちょっと可笑しみはありますが、怪獣としては映えなかったでしょう。

ペギラの能力(武器)は冷凍と反重力という結構すごいものを持っています。南極の怪獣だから冷凍能力は分かるのですが、反重力はどこから来たのかよくわかりません。ちょっと盛りすぎている感じもします。

ペギラ撃退に活躍するのは万城目氏ですが、これは不自然です。小さな航空会社のパイロットの万城目が、行方不明事件を探るために南極に来るはずはありません。航空会社の仕事ではありませんし、休みをとるとしても南極往復には数ヶ月かかるはずです。いくらなんでもそんなに休めないでしょう。

新聞記者の江戸川由利子が南極に来るという話にすべきでした。この話でも南極探検チームに女性医師が参加していますので、女性が南極に来てもおかしくないという感覚はあったはずです。しかし、怪獣(敵)を倒すのは男である、という固定観念は強固だったみたいです。

ストーリーの流れは伝統的で目新しさはありませんが、テレビの30分ものでありながら南極を舞台にするという豪華感があります。また、おそらくペギラはシリーズ中で一二を争う人気怪獣だと思います。

【朝日新聞】考論 長谷部×杉田:社会を揺さぶるテロ、どう向き合うか

2月8日朝日新聞朝刊。早稲田大教授・長谷部恭男氏と、法政大教授・杉田敦氏の対話です。フランスでのテロ、「イスラム国」の日本人殺害について語っています。

(略)
 長谷部 個人の判断の甘さにはこれほど厳しいのに、お上の判断の甘さに寛容なのは不思議です。そもそもイスラム過激派が跋扈するようになった大きな要因は、大量破壊兵器の保有という虚偽情報に基づき行われたイラク戦争です。自衛隊を送って米国を支持した日本にも当然、相応の責任があります。
 杉田 しかも、米英は曲がりなりにも自らの過ちを検証しましたが、日本は何もやっていません。
 長谷部 米国に追随しただけだから自分には関係ない、検証しようがないということではないですか。
 杉田 イラク戦争以降、「非軍事に徹する国」という中東における日本のイメージは変化しつつあるという指摘もあります。「積極的平和主義」の名の下に、十分な歴史理解や情報もないまま、不用意に手を突っ込んでいるのではないか。
 長谷部 中東という宗派・部族の利害が入り組んだ地域で派手な行動をとると、想定外のリスクを抱えることになりかねない。イスラエルの首相と会談し、テロ対策に連携して取り組む姿勢を示すと、思わぬところから弾が飛んでくる危険性がある。その覚悟をしろ、というのが今回、日本が得た教訓でしょう。
(略)
 杉田 フランスの事件ですが、言論・表現への暴力は絶対に許されない。これは大前提です。その上で、政治権力と同じように宗教的な権威も風刺するというフランス流のやり方はこの際、見直す必要はないでしょうか。過激派批判はいいのですが、普通のイスラム教徒までが差別的だと感じるようでは、テロに共感する人が増えるなど、逆効果を生みかねません。
 長谷部 「あの風刺は行き過ぎ」と言った時点で、テロリストの罠にはまっています。事件をきっかけにして表現の自由の限界について考えたり、「イスラムの心」を強調したりするのはやめるべきです。イスラムへの侮蔑的な言論を批判するために新聞社を襲撃したというテロリストの「口実」を真面目に受け取ると、テロリストの行動にも理があるかも、という議論に加担することになりかねない。しかも日本では「表現の自由は大事だが節度は必要」という言説が広がっている。誰の気にも障らない表現だけを認める自由なら北朝鮮にもあります。
(略)


イラク戦争時の日本の対応に問題がなかったとは言いませんが、今回の事件と結びつけるのは牽強付会というべきです。「曲がりなりにも自らの過ちを検証」した米英人もテロの標的になっていることから明らかです。

また、仏新聞社の件で「風刺は行き過ぎ」というのがテロリストの罠にはまって彼らの行動に理があるかもという議論に加担するのだとすれば、イラク戦争はやり過ぎという議論も同じようにテロリストの罠にはまることになるのではないでしょうか。

部分部分ではいいことを言っているように思いますが、まじめに読むと引っかかるところが多い対論です。

【映画】エクソダス 神と王


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監督:リドリー・スコット

2D字幕で観ました。

チャールトン・ヘストン主演の「十戒」は観ています。「十戒」のリメイクかとも思いましたが、そういう案内はされていません。ともに旧約聖書の物語をもとにしているから“リメイク”とは言わないのでしょう。

「十戒」と大きく違うのは、モーゼと神の関係です。「十戒」ではモーゼは神の忠実なしもべでしたが、「エクソダス」では緊張感をはらんだ関係です。神のおこすエジプトへの災厄にモーゼはドン引きです。現代人の感覚にモーゼを合わせたのでしょうか。

また、神の存在を証明する超自然的現象も実はほとんど起きていません。疫病や蝗の発生などは自然現象と解する説が劇中で唱えられていますし、逃げるユダヤ人の前で海が割れるのも潮の満ち干きの大規模なものという描き方です。神もモーゼが脳内で作り出した“エア神様”であることがほのめかされています。

数少ない超常現象の一つはエジプト人の子供が次々と死ぬことです。大勢の子供が死んでいますし、ユダヤ人の子供はモーゼの指南によって難を逃れていますので、偶然とはいえません。明らかに異常な現象です。

もう一つの超常現象は、戦場でファラオの息子を助けた者が民衆を率いるというエジプト神官の予言が当たったことです。注意しなければならないのは、これはユダヤの神の力ではなく、エジプトの宗教の力だということです。

「十戒」がユダヤ教(あるいはキリスト教の源流)を迷うことなく賞賛していたのに対して、「エクソダス」ではかなり懐疑的で冷たい目線を向けています。

また、モーゼが自分の出生のいきさつをどうして確信を持ったのかとか、ファラオは一旦解放したユダヤ人をなぜ追いかけたのかとか、といったことがよく分かりません。旧約聖書の文化圏の人たちには説明抜きで分かってしまうところなのでしょうか。

VFXは派手ですし、「歴史もの」と言えますので、老若男女を問わず楽しめると思います。私には面白かったです。


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【朝日新聞】天声人語

2月5日朝日新聞の天声人語は、裁判員裁判の死刑判決が最高裁で覆されたことを話題にしています。

「やり尽くした感がありました。いたしかたない……」。女性はそう振り返った。2011年、裁判員として、強盗殺人事件の被告を死刑とした東京地裁判決に加わっていた
被告が控訴したと聞いてがっくりとしたが、思い直した。「何度でも違う頭で考えてもらって違う結論が出るのはよいこと。それはそれで受け止めるべきではないか」。裁判員経験者14人の声を集めた『裁判員のあたまの中』で、女性が語っている。自身もその1人の田口真義(まさよし)さんが13年に出版した
この女性が参加した判決を含む2件について、裁判員裁判の出した死刑判決が破棄されることになった。最高裁の決定がきのう報じられた。違う頭が違う結論を出したことになる。納得できないという被害者遺族の憤りの声も伝えられる
「市民感覚」を生かすのが裁判員制度の趣旨なのに、その結論を職業裁判官が覆すのなら、制度の意味がなくなる。そんな疑問もあるだろう。ただ、人の命を奪う究極の刑罰は取り返しがつかない点を考えたい
裁判所は時に間違える。死刑囚が再審で無罪になることもある。違う頭で考え直さなければ大きな過ちを犯しかねない。上級審が別の視点から極刑を避けた判断を一概に否定はできない
誰もが裁判員になりうる。死刑か否かの決断を時に迫られうる。裁判官もともに悩む。生か死か、ぎりぎりの熟考を経験する人々が増え、死刑をめぐる国民的な議論が広がり、深まる。裁判員制度の意義の一つは、そこにある。


この問題の論点は、『「市民感覚」を生かすのが裁判員制度の趣旨なのに、その結論を職業裁判官が覆すのなら、制度の意味がなくなる』というものです。

それに対する天声人語の答えは、『人の命を奪う究極の刑罰は取り返しがつかない』。つまり、覆しても構わない、としています。

天声人語の筆者は気がついていないのかもしれませんが、今回とは逆のパターンもありえます。裁判員裁判で無期懲役だったものが、上級審で死刑になるパターンです。

したがって、裁判員裁判の判決を職業裁判官が覆してもいいのかということと死刑判決は慎重でならなければならないということはまったく関係ありません。

三審制である以上、上級審が判決を覆すことがあるのは当然です。しかし、裁判員裁判の主旨からして、それは法律判断がおかしいとか事実関係の認定がおかしいという理由だけであるべきです。死刑に関しては、市民感覚ではなく裁判所が積み重ねてきた基準を優先したいというのであれば、死刑判決が予想される裁判は裁判員制度から除外しておくべきでした。

【テレビ】“分断”の危機は避けられるか~仏テロ 広がる波紋~

2月4日、NHKの「クローズアップ現代」。「“分断”の危機は避けられるか~仏テロ 広がる波紋~」を視聴しました。

■内容
仏では人口の7%、450万人がイスラム教徒になっている。
WW2後の労働力不足を補うため北アフリカを中心に移民を入れた。
移民排斥は欧州に広まっている。
反テロのデモに人が集まるのと同時に、イスラム系移民が自分達は尊重されていないと不満を吐露する集会もある。
預言者(ムハンマド)の風刺画を告発しても、司法当局は“表現の自由の範囲内”として退けてきた。
社会に溶け込もうとするイスラム系移民もいるが、仏テロ後一般イスラム教徒へのいやがらせが増えている。
独では、これまでなかった大規模な移民排斥デモが起きた。

デモ参加者の言葉
「世界で唯一問題のある集団がイスラム教徒なのです。彼らはどの国に行っても自分達の宗教を強要しています。すべてのヨーロッパの国に排斥デモを広げたいと考えています」
「イスラム教徒は近隣住民と交わろうとせず周りに溶け込もうとしません。私たちに同化しないならばドイツで暮らすことはできません」
「移民はドイツで生活保護を受けています。彼らの母国でも貧困層には経済援助があるだろうに。ここに一体何をしに来たのでしょうか」
「イスラム化は着実に進んでいます。今後この傾向は顕著になるでしょう。親である以上子供の未来のために何かをしなければならないのです。」

メルケル首相は、排斥デモに参加しないように異例の呼びかけをした。

メルケル首相の言葉
「デモの主催者についていかないでください。彼らの心の中にあるのは偏見や冷たい憎悪ですらあるのです」

排斥デモに反対するデモ参加者の言葉
「差別主義に抵抗するため一緒に抗議しましょう」
「彼らの主張は人種差別に他ならない。社会に不安を与えるだけです」
「人種差別や移民規制のない開かれた国家を作り上げなければなりません。絶対にデモは容認できません」

■感想
移民を入れたのは労働力不足という経済的理由からでした。したがって移民政策の評価は経済的なもので計るべきかもしれません。しかし移民が人間であるという理由から、単純に経済合理性だけで評価することができなくなっています。
現実的に考えて、すでに定着した移民(国籍も持っているらしい)を追い出すことは不可能でしょう。
一旦、移民を受け入れてしまったらもう後戻りはできないということを実感しました。

【朝日新聞】日韓、胸襟開いた首脳会談を

2月4日朝日新聞朝刊の東京面。東京都舛添知事の「公言録」です。

-ソウル市の朴淳市長と会談した。韓国を訪れる観光客が減っているが。
「(日韓)両国の雰囲気が非常に良くないことが一番の原因。首脳会談でトップが胸襟を開いて話し合うこと。姉妹友好都市のソウルと東京ではそういうことをやろうと。中国(との首脳会談)は実現したが、韓国は実現していない。両国政府で政治的リーダーシップを発揮し、雰囲気づくりをしてほしい。今のような日韓関係で良いとは誰も思っていない。知事としてやれることは全力を挙げる」
(略)


観光客の減少の一番の理由を政治外交の雰囲気が悪いことだと断じていますが、納得しかねます。

一般国民が、海外旅行で何処に行くかを選択するのにその国との首脳会談の有無を問題にするとは思えません。

韓国への旅行が一時的に多かったのは韓国の芸能が人気だったからで、現在はブームが落ち着いた(ありていに言えば人気が落ちた)のが減った原因だと思います。歌謡関係には全くの無知なのでなんとも言えませんが、韓国映画の上映は以前より減っているのは分かります。

また、日本政府観光局(JNTO)の資料によれば、韓国からの訪日客は増えています。政治対立が観光客を減らすという説が正しいのであれば、韓国からの訪日客も減らなければなりません。増えた理由は、原発事故の恐怖が薄れたことと、為替の影響が考えられます。

首脳会談をしても訪韓日本人客が増加にはつながらないでしょう。

今のような日韓関係で良いとは誰も思っていない」ことはありません。日本は現在の関係でちっとも困っていません。韓国(の政権)もいまさら日本に融和的に出ると支持率に悪影響が出るでしょう。韓国の観光業者は改善を望んでいるかもしれませんが、上記で説明したように、関係改善が観光客増加に結びつくと思っているのは錯覚です。

【朝日新聞】「イスラム国」人質事件に関する中国の反応

2月2日朝日新聞朝刊に「イスラム国」人質事件に関する海外の識者の意見が載っていました。その中で、中国国際問題研究院副院長(中東研究)郭憲綱氏の「人質拘束の危険、中国人も同じ」を取り上げます。

 何の罪もない日本人の人質が殺害されたとみられることで、「イスラム国」が最も残忍なテロ組織だということを世界中に知らしめた。「イスラム国」は日本政府が要求に応じなかったことを不満に思っている。「イスラム国」の狙いは各国に反テロ政策を断念させることにあり、今後も日本人を人質にとるなど日本に圧力をかけていく可能性がある。
 中国人も海外にどんどん出て行っており、テロ組織に人質として拘束される危険性がますます高まっている。中国も同じ脅威に向き合っている。人類が最も危険で残忍なテロに直面するいま、日本は中国、国際社会と団結して協力を強化していかなければいけない。日本と中国の間には歴史認識問題などの対立があるが、これらの問題を早く克服して反テロの分野で協力していくことが重要だ。
 (日本人が拘束中に)安倍晋三首相が中東を訪問したのには彼なりの理由があったのだろう。中東は資源エネルギーの面で日本にとって重要な地域であり、テロ組織が人質を殺害したからといって、今後中東を訪問しないということはできないし、そうするのは正しくない。ただ、事件の教訓をくみ取ることも必要だ。
 (聞き手・北京=倉重奈苗)


中国人もテロに巻き込まれる危険があるという認識は正しいと思います。相手は理不尽極まりない集団ですので、さらえる機会があれば国籍を問わず捕まえて何かに利用しようとするかもしれません。人質が取られた場合、自国民奪還のために手をつくす必要があります。しかし中国一国で対応できるものではありませんから、国際社会との協力が欠かせません。

今回の事件は不幸な結末に終わりましたが、日本は関係各国との緊密な協力関係を披露しました。郭氏も付いていると思いますが、万一中国人が人質になっても中国は国際社会との親密な協力は、日本ほどには得られないでしょう。

それを「日本は中国、国際社会と団結して協力を強化していかなければいけない」などと「日本」を主語にして語るのは見苦しい限りです。さんざん日本の悪口を言って回っているくせに、困ったら日本にすり寄る気満々という感じです。

【ウルトラQ】第四話:マンモスフラワー


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第四話の「マンモスフラワー」の感想です。

今回は、怪獣ではなく怪植物の回です。

花が咲くというイベントもあります。動物がベースになっている普通の怪獣だとこういうイベントは基本的にはありません。昆虫(蛾)をベースにしたモスラが幼虫から繭、成虫と変化したのが思いだされるくらいです。

植物なので移動はしません。普通に考えて、近づかなければ(近づくと根に巻かれて血を吸われます)放っておいても大事なさそうです。これに関して二人の科学者の議論が行われます。研究のために退治するのを待って欲しいという意見と、一刻も早く斃すべきだという意見のぶつかりあいです。結局、巨大な花が咲くという光景に驚いた研究第一主義の科学者が折れて即刻やっつけることが決まります。移動しない怪植物の回だからこその議論だったのでしょう。

特筆すべきは、怪植物の根が皇居のお堀でのたくっていたことです。私は怪獣映画に詳しいわけではありませんが、知っている限りでは怪獣が皇居に現れたのはこれだけです。都会の真ん中で誰もが知っている堀や門があるのに怪獣が登場しないのは、自主規制なのかややこしいクレームを回避するためなのかなのでしょう。ウルトラQ第四話は怪獣の皇居登場という珍しい(もしかしたら唯一の)出来事だと思います。

【雑記】手嶋龍一講演会

東京都の世田谷区の「世田谷区明るい選挙推進協議会」と「世田谷選挙管理委員会」が主催する「手嶋龍一講演会」を聞いてきました。

手嶋龍一氏のプロフィール
外交ジャーナリスト、作家
NHKワシントン支局長として9.11テロを11日間にわたって中継。2005年にNHKから独立して発表した「ウルトラ・ダラー」、姉妹編「スギハラ・ダラー」はともにベストセラーに。また、2013年12月、動乱の東アジアをめぐる佐藤優氏との対論「知の武装~救国のインテリジェンス~」(新潮新書)を上梓。21世紀、日本の針路を考える必読書との評価を呼んでいる。
慶応義塾大学大学院教授として後進の指導にも積極的に取り組む。


今まで気がつきませんでしたが、世田谷区では毎年著名人を呼んで講演会をやっていたそうです。今年は区の掲示板にテレビで見知った顔を見つけたので、講演会に気がつきました。日曜で無料ということもあるのでしょうが、結構な人数が来ていました。

演目は「二十一世紀の解読法を考える~動乱の東アジアと日本の針路~」と案内されていました。しかし、今朝「イスラム国」の人質事件で人質の殺害映像が流れるというニュースがあったためか、前半はイスラム国関連の話から入りました。さらに石油価格の下落、日中関係など話題は多岐にわたりましたが、一貫して「インテリジェンス」の重要性を説いていました。

「選挙」とは直接関係ない話ですが、講演会というのはそういうものなのでしょうか。

「インテリジェンス」が必要な例として、今回の人質事件をあげていました。安倍首相が、日本人二人が拘束されているのに、1月17日にカイロで『「イスラム国」と戦う周辺国を支援するために2億ドルを拠出する』と言ったら、20日に人質をとったとの映像が公開されたことをとりあげ、日本にインテリジェンスがあれば事前に首相にレクチャーできたはず、と語っています(※安倍発言のせいでテロリストが脅迫をはじめたという認識ではなく、口実を与えたという意味です)。もっともらしく聞こえなくもありませんが、“後からだったら何とでも言えるよ”と思ってしまいました。

一時間半ほどの長時間でしたが、ユーモアーを交えた話しっぷりで飽きさせませんでした。また、淡々と事実のみを解説していくかと思いきや、唐突に不正義に対して怒りをみせるなどの緩急もあり、面白かったです。

講演後、アンケートを提出したら引きかえに綿棒をくれました。“お耳汚しでした”とでもいうしゃれなのでしょうか?
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Author:えいび
日々の出来事、映画やアニメの感想です。

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