【展覧会】春画展

於:永青文庫

入場料は1500円均一。学生料金はありません。18歳未満は入場できません。

永青文庫には行ったことがなかったので、駐輪場があるかどうか心配していたのですが、特に駐輪場という断り書きはありませんが、それらしく線が引いた区域があり何台かとめてあったので、置けました。

春画専門の展覧会としては日本初だそうです。私も図版では見たことがありますが、実物の春画は初めてです。

とても混んでいました。入場制限をかけないこともありますし、会場が狭いこともあります。展示物が低い位置にあるので、鑑賞には一番前に出る必要があることも理由だと思います。

女性も普通にいましたが、他の展覧会にくらべると男性の割合が高かったように思います。みなさんエロに対する興味をむき出しにしてはいません。しかつめらしい顔つきで鑑賞しているのが面白かったです。

世界的にみて、このジャンルの絵画は日本が突出していますので、語るべき日本文化であることは間違いありません。しかし、マンガやアニメよりも語りにくい分野です。テレビの美術番組でも、この「春画展」を取り上げたものは見た覚えがありません。

なるほどと思わせる絵は確かにありました。高名な、海女と蛸の絵(by北斎)には素直に感服しました。ただし、あきらかに人物描写が狂っている絵もあります。誇張とかデフォルメとは思えません。技術的に拙いとしか思えません。ながく封印されたジャンルであるために、絵画的な価値の取捨選択が効いていないのだと思います。

お土産コーナーは別館で、これも18歳未満の入場は禁止でした。しかし、春画をあしらったバックとかクリアファイルとか、どこで使えばいいのでしょうか。18歳未満の若者が目に触れる場所では使用できないじゃないですか。

12月23日までです。
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【朝日新聞】朴大統領、慰安婦問題「年内妥結を」 書面インタビュー

10月30日朝日新聞朝刊に、朝日と毎日が共同で行った韓国大統領への書面インタビューが載っています。

なぜ、朝日と毎日なのかは分かりません。この二誌が他の新聞といっしょにやることを嫌ったのかもしれません。あるいは韓国側がこの二誌だけ特別扱いしたのかもしれません。

また、書面でのインタビューというのも珍しいように思います。朴大統領は、その場で当意即妙の回答ができないと考えたのかもしれません。いずれにせよ、この回答は朴大統領個人のものというより韓国政府が入念に考えたすえのものとみなすべきです。

 韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は29日、朝日新聞と毎日新聞の共同書面インタビューに回答し、日韓の間で懸案となっている旧日本軍の慰安婦問題を「今年中に」決着させるよう強く訴えた。日本側に対し、11月2日にソウルで行う日韓首脳会談で解決策を示すよう求めた。
 朴大統領がこうした形で日本メディアの取材に応じるのは、2013年2月の就任以来初めて。安倍晋三首相との初の二国間首脳会談を前に、慰安婦問題の停滞に不満を表明した。ただ、韓国側から具体的な提案はせず、解決策を日本に委ねる姿勢で、どういう対応なら柔軟な姿勢を示すかなども触れなかった。
 朴氏は、「誤った歴史認識」が日韓関係を停滞させたと指摘し、今回の首脳会談を「両国が正しい歴史認識を基礎に、過去の歴史を克服し、新たな未来に向けて出発する転換点にすべきだ」と訴えた。
 朴氏が重視してきた慰安婦問題について「今年中にこの問題が妥結することを心から望む」と強調。「日本政府が、被害者が受け入れ、我が国民が納得できる解決策をできるだけ早く示すことが重要だ」と述べた。首脳会談で「この機会に日本政府がそれに見合った癒やしと解決策を示すことを望む」と述べた。
 日本政府は、慰安婦問題を後から蒸し返されない形で終止符を打ちたいと希望している。この点について、朴氏は「過去によってこれ以上、お互いを傷つけ、論争が生じないことを心から望む」と述べた。
(略)
 韓国の朴槿恵大統領は今回の書面インタビューで、慰安婦問題を解決するための韓国側の案を示さなかった。歴史認識問題を日韓関係のなかでどう位置づけるのか、明確な戦略も語らなかった。
 慰安婦問題で韓国側は、問題を起こした側の日本が具体的な解決策を示すべきだとの姿勢を一貫してとってきた。朴氏もこの方針を原則としており、解決に向けた具体案を示せない一因になっている。
 ある日本政府関係者は「両国の間で、何を譲って何を得るのかという提案は聞いたことがない」と語る。
 この関係者によれば、安倍政権は「今回譲っても、また問題を蒸し返されるのではないか」と疑心暗鬼になっている。ユネスコ(国連教育科学文化機関)世界文化遺産への「明治日本の産業革命遺産」の登録を巡る対立も、韓国へのさらなる不信感につながっている。
(略)
(ソウル=牧野愛博)


あいかわらずですが、朴大統領は、日本に何を求めているのかを具体的に示しません。ここまでくると、政略で黙っているのではなく、韓国世論をまとめることができないからだとしか思えません。仮に、朴大統領が具体的要求を出して、日本が全面的に呑んだとします。その後、納得しない韓国世論が自身への攻撃に変わることを恐れているのでしょう。

したがって、“後から蒸し返さないよね?”との質問に対して、「過去によってこれ以上、お互いを傷つけ、論争が生じないことを心から望む」と、まるで他人事。当事者意識皆無です。

高い確率で、2日の首脳会談に成果無しに終わることでしょう。

【朝日新聞】リレーおぴにおん:愛媛から目指す、新潮流

10月28日朝日新聞朝刊のオピニオン欄。「リレーおぴにおん」のコーナー。投資家で実業家の大籔崇氏のお話です。

 株を始めたのは、大学で留年した23歳のとき。ニートになっても、1億円稼げれば人生逃げ切れるんじゃないかと。欲望のかたまりでした。
 パチンコでためた200万円から始め、一時35万円まで減ったものの、4年ほどで25億円まで殖やして。2008年のリーマン・ショック後にやめた時、手元に15億円が残りましログイン前の続きた。
 このとき、気づいたんです。カネがあっても悩みが消えるわけでも、幸せになれるわけでもない、と。それに、これ以上稼いでも僕には使い道がない。このまま日々を消化するだけでいいのか、という疑問もわいてきて。
 そのころ、道後温泉にある旅館経営を引き継がないか、と知人から声をかけられたんです。まちのシンボルである道後温泉本館が7年の改修工事に入り、観光客は3分の1に減るという。愛媛にとっては大ピンチです。
 大学に入ってからずっとフラフラしていた僕はどこかで、この土地に借りを返したいと思ってきました。ならば今しかない、と。
(略)
 最近、株取引を再開しました。午前9時から午後3時まで、自宅のパソコンで自分の食いぶちを稼ぎ、会社から給料はもらいません。もうけが出たら事業資金に充てたり、留守を守ってくれる社員に還元したり。幸せって独り占めすると、いつか失われますから。また、そうすることで会社の事業を見る目も濁らずにすむ。
 投資家であり、起業家でもある僕の目標は、社員がそれぞれ好きな事業を起こして、細々とでも食べていけるようにすること。年商1億の会社が100社に増えれば、地方から新しい潮流が生まれる。世の中の価値観を揺さぶるような仕事がしたいんです。それも、愛媛から。
 (聞き手と撮影・諸永裕司)


人生逃げ切り」というのは、おそらく労働をせずに死ぬまでお金の心配をせずに済むことだと思います。20代前半という年齢と、結婚や子育てまで考えると、1億ではちょっと苦しいかもしれません。しかし、25億とか15億なら余裕で逃げ切れるでしょう。しかし、大籔氏は回心をとげ、「人生逃げ切り」プランを捨てさり、地元への恩返しみたいな事業を始めます。

他人の人生をとやかく言うつもりはありませんが、座右の銘は「曳尾塗中」とうそぶきblog名にまでしている私には理解を超えています。

以下、邪推です。大籔氏のことを非難しているのではありません。

大籔氏はカネで幸せが買えないことに気づいたのではなく、刺激が必要だったのではないでしょうか。パチンコの儲けを元手にマネーゲーム(すなわち虚業)で25億だの15億だのを叩き出しているうちに、だんだん麻痺してきて、それでは満足できなくなり、今度は地元への貢献という名目で新たな刺激を求めて実業を始めたように見えます。

私だったら、15億円儲けたら、おそらく「人生逃げ切り」だと思います。不要な刺激は求めないでしょう。もっともそういう性格だと、そもそも15億も儲けられないのかもしれませんが・・・・・・


【朝日新聞】男性前提?の議会、変えたい 初当選の女性地方議員アンケート

10月25日朝日新聞朝刊。初当選の女性地方議員のアンケートからの特集記事です。

 特に、小さな子どもがいる議員の負担になるのは泊まりがけの視察だ。
 熊本市議の緒方夕佳さん(40)=無所属=はこの夏、東京、石川に2泊する委員会視察に、当時1歳の娘を連れて行った。6月、議会の規則に「出産」を理由にした欠席が加えられた。同じころ、夏に2泊の視察があると知り、ベテランの男性委員長に「娘を連れて行かせてほしい」と相談。委員長は「育児のことも考えないとね」と了承してくれた。
 だが、公務の場に娘を連れて行くわけにはいかず、世話のため、知人の女子大生に同行を頼んだ。公務中は娘と女子大生には空港やホテルで過ごしてもらい、移動や自由時間に合流。新幹線では他の議員に気を使い、3人で別の車両に乗った。
 女子大生の旅費や食事代など約10万円は、緒方さんが負担した。緒方さんは当然だと思う一方で、同行者の旅費の一部でも公費負担になることを望む。「子育て中の女性も議員のなり手として期待されている、というメッセージになる」と考えるからだ。
(略)
 (三島あずさ、編集委員・東野真和)


地方議員が泊りがけで何を視察するのかという疑問もありますが、それは措くとして、子供とベビーシッターの旅費の一部を経費で(要するに税金で)賄ってほしい、という発想には驚きます。

一般の会社で、出張に子供とシッターを同行させるから旅費を出せ、などと言い出したら、常識を疑われるでしょう。

旦那や親に頼るとか、そもそも泊りがけの視察には行かない、とかいくらでも解決策はあるはずです。

”子供といっしょにいたい。議員仲間といっしょに視察に行きたい。ついては経費は出して欲しい。”というのはちょっと我儘かと思います。


【本】ガルパンの秘密

著:ガルパン取材部
廣済堂新書

「ガルパン」とは2012年に放映されたアニメ「ガールズ&パンツァー」の略称です。この世界では戦車で戦うことが女子の嗜みとなっていて、戦車道と呼ばれる芸事ができています。主人公は戦車道の家元の次女で、一時は戦車道から離れて過ごしていますが、転校先の学校の都合で再び戦車道に立ち返ります。そして、いよいよ周囲に才能を認められた姉との対決が迫ります。

この作品は、舞台の一部が大洗にしたため、いわゆる聖地巡礼(アニメファンが舞台になった土地を訪ねる)でも有名になりました。アニメによる地元おこしとしては成功例といわれています。

本書は、複数の作品関係者のインタビューで構成されています。

アニメ制作の裏側がわかるのでアニメファンには楽しいですし、アニメで地元おこしを考えている人にも参考になると思います。

なお、放映当時から気になっていた、「咲 saki」との類似点については制作サイドはなにも触れていませんでした。

「咲 saki」とは麻雀が健全な娯楽として認知された世界観で、才能がありながら一時的に麻雀から離れていた主人公が再び麻雀をはじめ、やがて圧倒的才能を持つ姉との勝負に臨む、というものです。

構造としては、「ガルパン」は「咲 saki」と偶然とは思えないほど似ています。

本書で、まるで言及しないというのは、私が思っていただけでアニメ業界の間で一般的ではなかったということなのでしょうか?

【時事問題】書店のフェア

渋谷の書店が開催していたブックフェアが、選書に偏りがあるとの批判を受けて21日に中断(中止?)されました。朝日新聞の10月24日の記事より引用します。
 

東京都渋谷区の「MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店」で開催中のブックフェア「自由と民主主義のための必読書50」が21日に一時撤去され、並べる本を見直すことになった。きっかけは、書店員がつぶやいた「闘います!」などのツイートに対するネット上の批判だった。
 フェアは9月20ログイン前の続き日ごろスタート。安全保障関連法に反対する学生団体「SEALDs(シールズ)」の「民主主義ってこれだ!」や、歴史社会学者の小熊英二さんの「社会を変えるには」、作家の高橋源一郎さんの「ぼくらの民主主義なんだぜ」などの書籍50種類前後がレジカウンター前の棚に並び、今月末まで開催予定だった。
(略) 
広報担当者は「フェアのタイトルに対して、陳列されている本が偏っているという批判を受けて、店側が自主的に棚を一時撤去した」と説明する。
 渋谷店の店長は「素晴らしいという声も、偏りを指摘する声もあった。いずれも真摯に受け止めている。批判があった以上、内容を改めて検討する必要があると考えた」と述べた。
 (藤原学思、市川美亜子)


書店は民間企業ですので、どんな本を並べようが、推そうがまったくの自由です。まして、ブックフェアはテーマを決めて選書をするのですから、「偏り」があるのは当たり前です。偏っているという批判を受けてブックフェアをやめるというのは考えられません。

“ブックフェアをやめなければ火をつけるぞ”とでも脅かされたのであれば、客や店員の安全のために中止をするというのは分からなくもありません。しかし、“偏っている”との批判だけなら無視すべきです。“偏って当たり前です”と返してもいいです。

これは政権批判のフェアであろうが、中国韓国批判のフェアであろうが同じです。思想の左右とは関係ありません。

ブックフェアの選書が偏っているのは当たり前ですし、書店はそうした批判の声に耳を貸すべきではありません。

【映画】GAMBA ガンバと仲間たち

3D版を観ました。

原作小説は未読。TVアニメシリーズも観たことがありません。タイトルだけは知っていました。

動物アニメは、動物の姿で人間の役割をしているだけで、何で動物なのか意味が分からないものがありますが、この作品は違いました。きちんと動物としての意味づけがされています。

絵も美麗で、劇場で見る価値はあります。

ストーリーは要するに、「七人の侍」です。イタチに追いつめられた島の鼠が都会に助けを求めに行きます。個性あふれる面々が求めに応じてイタチと対決し島の鼠を助ける(集団的自衛権?)という勧善懲悪の分かりやすい構造なので、小さいお子様にも十分理解できるでしょう。

鼠のリーダー(ヨイショ)はかつてイタチの親玉(ノロイ)に手ひどくやられた過去があったようですが、尺の関係なのか因縁話はありませんでした。原作にはあるのかもしれません。

全体的には優れた作品だと思いますが、客の入りが悪かったのが気になります。こういう作品は、夏休みとか春休みに公開した方がいいと思うのですが・・・・・・

【展覧会】黄金のファラオと大ピラミッド展

於:森アーツセンターギャラリー

国立カイロ博物館から100点あまりが来日しました。

展示場各所に、2、3分の解説映像が流れていて、詳しい説明が聞けます。

目玉は、「アメンエムオペト王の黄金のマスク」です。それ以外は、割と地味なものが多いと思いました。

あまり混んでいなかったので、楽に見て回れました。

2016年1月3日までです。

【朝日新聞】加害者の表現活動と倫理

10月22日朝日新聞朝刊。神戸連続児童殺傷事件の加害者の手記出版をめぐって、朝日新聞社の「報道と人権委員会」が、定例会を開きました。
出席者は、今井義典委員(元NHK副会長)、長谷部恭男委員(早稲田大学教授)、宮川光治委員(元最高裁判事)。

 ――この手記の出版について、遺族側は二次被害を被ったとして出版中止や回収を求めており、事前に遺族の了承を得るべきであった、少なくとも出版することを伝えるべきであった、との意見もある。表現の自由、遺族・被害者感情への配慮も含めて、加害者による手記の出版について、どう考えるか。
 宮川委員 犯罪者、保護観察を終えた元少年であっても、自分が考えていることを表現して社会に発信する権利は奪われない。表現空間は全ての人に平等に開かれている。仮に遺族が出版に反対していても、社会はそれを許容しなければならないと思う。
 ただ、出版倫理が別にある。出版する側は、想定できる遺族感情と、出版物の内容、その他の事情を総合的に考えて、出版社の責任において、出版する是非について、真摯に判断しなければならない。
(略)
 長谷部委員 著者に表現の自由があることは第一の出発点であり、遺族の許可がなければ出版できないという考え方はとるべきではない。ただ、遺族感情への配慮が求められるのもその通りで、その観点から批判を受けることも十分あり得る。
 公共の図書館がどのような選書を行うかは、あくまで図書館の専門職としての職員の判断と倫理に基づいて決めるべきものだろう。


この点に関しては、宮川委員、長谷部委員に同意します。どういう前歴があろうとも表現の自由は尊重されるべきです。

 ――手記は出版時32歳の加害男性が「元少年A」という名前で出したのが特色の一つ。すでに成人となっていて、加害者側の視点で書くからには、実名を出して責任を負うべきではないかとの意見もある。匿名の問題をどう考えるか。
 今井委員 この加害男性が教育を受けて、たどり着いた社会復帰を再び無にするような危険を冒すべきではない。メディア側からも、名前や所在、写真の公表はあってはならないことだと思う。加害男性を再び追いやり、社会に行き場がなくなるようにするリスクが高い。
 長谷部委員 あえて一般論を述べると、どんな人にも匿名で表現をする自由があり、この著者にも当然あるということ。かつて加害者だった人が、その後、更生して、いわば別の人格になって社会復帰をする。それを妨げてはならないというのが少年法の背景にある考え方だ。少年法だけではない。ノンフィクション「逆転」事件の最高裁判決(1994年)は、成人でかつて罪を犯した人が更生して社会復帰を果たした時、その実名を示してノンフィクション作品を刊行したのはプライバシー侵害にあたると判断した。前科のある人について実名を報道することは、十分な理由がない限りは控えるべきだろう。
 実名を明らかにすべきだとの議論が出てくるのはなぜかを考えると、かつての加害者が更生をし、社会復帰をした時、その経緯について、本人自ら執筆をして、その著作を出版するようなことを想定していないこともあったのではないか。しかし、だからといって、実名を明らかにしなくてはいけない、あるいは第三者が実名を示すことも当然、認められる、ということにはならない。
 宮川委員 社会から特定されない、そのためにペンネームがある。「元少年A」という記号を用いて、こういう書物を著すことは当然許される。自分の家族への被害をも考え、知られることを恐れて、逃亡者のように生きている者に対して、実名でなければ表現活動をしてはならないという議論は理解しがたい。
(略)


ペンネームを使い出版するのは当然の権利です。実名でなければ出版してはならない、ということはありません。罪を償い社会で頑張っている加害者の前歴を暴くようなことはひかえるべきだ、というのも同意します。ノンフェイクション「逆転」事件は、ライターが加害者名を公表したので、これに該当します。

しかしながら、この件は本人が自分の事件をネタに表現活動をしているものです。ペンネームを使うのは自由ですが、報道機関が作者をつきとめて公表したとしても、ただちに悪いとは思えません。本人の選択の結果という側面もあります。

また、週刊誌等で報じられたこの加害者男性のホームページの内容を知ると、とてもではありませんが“正常”とは思えません。再犯の可能性を疑います。もし、近所に住んでいて、小さな子供がいたら、耐え難いことでしょう。三氏の理屈も分からなくはありませんが、そうした市民的な感情に届くものではありません。

【朝日新聞】金成隆一記者の「偏向」記事

10月22日朝日新聞朝刊。『「日本、核弾頭作れる」中国、国連委で突然批判』より

 核軍縮を審議する国連総会の第1委員会で20日、核保有国の中国が「日本はプルトニウムを大量保有し、それは1350発の核弾頭の製造に十分な量だ」と日本を批判した。突然の「自説」の展開に日本は反論。議論の応酬になった。
 中国の傅聡・軍縮大使は演説の前半では「核開発競争に関与しない」と自国の姿勢をアピール。ところが後半になって、「(原子力発電所から出る)分離プルトニウムを国内で大量保管している」「一部の政治勢力に核武装論がある」と日本を名指しして批判した。
 日本の佐野利男・軍縮大使は、すべての物質は国際原子力機関(IAEA)の査察を受け、平和利用と結論づけられている点などを強調。「日本の努力は国際社会に認識されている」と冷静に反論した
 すると、中国は「ひとたび政策決定されれば、日本は核保有国になる。世界が記憶にとどめることを期待する」とまくしたてた
 同委員会ではこの日、日本が世界の指導者らに被爆地訪問などを呼び掛ける核廃絶決議案を提出していた。中国は今春の核不拡散条約(NPT)再検討会議でも、各国指導者らに広島・長崎訪問を促す日本の提案に歴史問題を持ち出して猛反発した。
 (ニューヨーク=金成隆一)


面白い記事です。

日本大使は『冷静に反論した』のに比べて、中国は『まくしたてた』と大人気ない態度であることを強調しています。

“日本大使は、・・・・・・と反論した。”“中国は、・・・・・・と懸念を示した。”なら中立的ですし事実を枉げていませんが、上の書き方では中国への不信感が隠せません。

客観的に見ても会場の様子がこの通りだったのかもしれませんし、金成隆一記者が中国に辟易としているのかもしれません。

よくデスクを通ったものだと感心しました。

【放送大学】政権批判の問題文削除

10月21日朝日新聞朝刊の記事『放送大学、政権批判の問題文削除 作問者「過剰な規制」』より。

 単位認定試験の問題に安倍政権を批判した文章が含まれたのは不適切だったとして、放送大学が学内サイトに掲載する際に該当部分を削除していた。大学側は「放送法により、政治的に公平でなければならない」と説明する。だが、総務省は「法に触れない」との立場で、作問した教授も「過剰な規制」と指摘する。
 削除されたのは、7月にあった「日本美術史」の問題。戦前・戦中に風刺画を描いて弾圧された画家らについて書かれ、内容と一致しない画家名を答えるよう求めた。
 放送大は冒頭5行を削除した。「現在の政権は、日本が再び戦争をするための体制を整えつつある。平和と自国民を守るのが目的というが、ほとんどの戦争はそういう口実で起きる」「表現の自由を抑圧し情報をコントロールすることは、国民から批判する力を奪う有効な手段だった」などと書かれた部分だ。作問した放送大客員教授の佐藤康宏・東大教授(60)は「戦前・戦中期の美術史について、学生に自分たちの身近な問題に引きつけて考えてもらうために必要」と説明した。
 放送大によると、受験した670人のうち1人から「現政権の批判ともとれる文章がありました。多くの受験者の目に触れる試験で、審議が続いている事案に対して、このような事をするのは問題」という内容のメールが大学に届いた。来生(きすぎ)新・副学長は「放送法の規制を受け、一般大学より政治的中立性を配慮しなければならない。試験問題も放送授業と一体。問題文は公平さを欠くと判断した」と削除理由を説明した。
 ログイン前の続き放送法第4条は、放送事業者に政治的に公平である▽意見が対立している問題については、できるだけ多角度から論点を明らかにすることなどを求めている。ただ、総務省放送政策課の担当者は「今回のケースは法に触れず、試験まで規制対象としたのは無理がある」と指摘。紙媒体は放送されなければ第4条の規制対象にならないという。「テストが偏っていると授業内容も疑われるのを心配したのでは」とも話した。
 佐藤教授は「学問の自由が認められず残念だ」と話した。大学からの削除要請も「思想的な誘導はなく問題に不備はない」と拒んだ。2019年度まで契約期間は残っているが、今年度末で客員教授を辞任するという。(伊藤あずさ)


私は、放送大学の学生であり、この講義「日本美術史」を去年の後期にとっていました。私の試験は今年の1月だったので、今回の試験問題には遭遇していません。私の受けた試験の感想はここです。

放送大学の学生は、受講している教科でなくても過去の試験問題を見ることができます。さっそく、問題文を確認してみました。

一部が

この部分は、公開にあたり放送大学の責任で削除しました

となっていて、どの設問で異議が出たのかが分かるようになっています。

問題文は、戦前・戦中の国家体制と芸術家の関係について書かれたものです。つまり、削除された内容は、全く無関係ではありません。ただし、その部分がなくても問題文としては成立していますので、不必要といえばその通りです。

削除された文章は、削除されたので正確にはどうなっていたかは分かりませんが、朝日新聞の記事によれば

「現在の政権は、日本が再び戦争をするための体制を整えつつある。平和と自国民を守るのが目的というが、ほとんどの戦争はそういう口実で起きる」「表現の自由を抑圧し情報をコントロールすることは、国民から批判する力を奪う有効な手段だった」

というものです。

佐藤先生の意図はともかく、『現在の政権は、日本が再び戦争をするための体制を整えつつある』というのは全くの間違いとは言えません。

現政権が対外戦争を仕掛けるとは思っていませんが、日本に危機がせまった場合に対応できる(つまり戦争できる)準備をしたのが先の安保法制です。結果的に戦争状態に陥らないための法整備ではあっても、体制を整えつつあるというのは正しい解釈です。

ほとんどの戦争が平和と自国民を守る口実で起きている、というのも間違いではありませんし、表現の自由を抑圧することが批判の力を奪う手段、というのも正しいです。

削除されたのが新聞記事にあるだけであるなら、一方的な政権批判ではありません。問題文になくても成立するとはいえ、あったからいけないとも思えません。

今回の措置は、放送大学側の過剰反応だと考えます。

それは措くとして、こうした問題が起きるのは放送大学の特殊事情だと思います。普通の大学生だったら、教授の試験問題に対してあからさまに難詰することはないでしょう。大多数が社会人で占められる放送大学の学生には、客という意識が若干あり、大学側の権威が効き難いようです。

【世論調査】朝日新聞:10月20日

10月20日朝日新聞朝刊に、世論調査の結果が発表されました。

(数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。◆は全員への質問。◇は枝分かれ質問で該当する回答者の中での比率。〈 〉内の数字は全体に対する比率。丸カッコ内の数字は、9月19、20日の調査結果)

◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
 支持する  41(35)
 支持しない 40(45)

◇それはどうしてですか。(選択肢から一つ選ぶ=択一。左は「支持する」41%、右は「支持しない」40%の理由)
 首相が安倍さん  12〈5〉   8〈3〉
 自民党中心の内閣 19〈8〉  17〈7〉
 政策の面     45〈18〉 66〈26〉
 なんとなく    20〈8〉   7〈3〉

◇(「支持する」と答えた41%の人に)これからも安倍内閣への支持を続けると思いますか。安倍内閣への支持を続けるとは限らないと思いますか。
 これからも安倍内閣への支持を続ける  42〈17〉
 安倍内閣への支持を続けるとは限らない 55〈22〉

◇(「支持しない」と答えた40%の人に)これからも安倍内閣を支持しないと思いますか。安倍内閣を支持するかもしれないと思いますか。
 これからも安倍内閣を支持しない 65〈26〉
 安倍内閣を支持するかもしれない 29〈12〉

◆今、どの政党を支持していますか。政党名でお答えください。
自民35(33)
民主8(10)
維新2(2)
公明3(3)
共産4(4)
社民0(1)
生活0(0)
元気0(0)
次世代0(0)
改革0(0)
その他の政党1(1)
支持政党なし38(37)
答えない・分からない9(9)

◆安倍首相は7日に、内閣を改造しました。改造内閣では、財務大臣や官房長官など主な閣僚を留任させました。安倍首相の今回の人事を評価しますか。評価しませんか。
 評価する  32
 評価しない 40

◆安倍首相は、改造内閣で「1億総活躍社会」の実現をかかげ、担当大臣を任命しました。この取り組みに期待しますか。期待しませんか。
 期待する  32
 期待しない 53

◆安倍首相の経済政策で、日本経済が成長することを期待できると思いますか。期待できないと思いますか。
 期待できる  34
 期待できない 47

◆国会についてうかがいます。国会がその役割を果たしていると思いますか。果たしていないと思いますか。
 果たしている  25
 果たしていない 56

◆安全保障関連法についてうかがいます。集団的自衛権を使えるようにしたり、自衛隊の海外活動を広げたりする安全保障関連法に、賛成ですか。反対ですか。
 賛成 36(30)
 反対 49(51)

◆来年の夏に参議院選挙があります。参院選で投票先を決めるとき、安全保障関連法のことを判断材料として、重視しますか。重視しませんか。
 重視する  56
 重視しない 32

◆来年の参院選で、野党は、自民党と公明党に対抗するために、選挙で協力するべきだと思いますか。そうは思いませんか。
 選挙で協力するべきだ 48
 そうは思わない    34

◆日本やアメリカなど12カ国の間で、貿易など経済の自由化を進めるTPP、環太平洋経済連携協定について、うかがいます。日本がTPPに参加することに、賛成ですか。反対ですか。
 賛成 58
 反対 21

◆TPPに参加することは、日本の経済にとって、どんな影響があると思いますか。(択一)
 とてもよい影響  6
 ややよい影響  54
 やや悪い影響  24
 とても悪い影響  5

◆TPPへの参加で、日本の農業がどの程度、打撃を受けると思いますか。(択一)
 大いに打撃を受ける   19
 ある程度打撃を受ける  58
 あまり打撃を受けない  16
 まったく打撃を受けない  1

◆沖縄県の米軍基地についてうかがいます。沖縄県の翁長知事は名護市辺野古に基地をつくることに反対し、辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消しました。翁長知事が承認を取り消したことを評価しますか。評価しませんか。
 評価する  50
 評価しない 34

 <調査方法> 17、18の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、全国の有権者を対象に調査した(福島県の一部を除く)。世帯用と判明した番号は3781件、有効回答は1776人。回答率47%。


この調査が私のところにきたと仮定して回答してみます。

>◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
支持します。
今回支持率が急上昇しました。理由はTPPぐらいしか心当たりがありません。

>◇それはどうしてですか。
首相が安倍さん、だからです。

>◇これからも安倍内閣への支持を続けると思いますか。安倍内閣への支持を続けるとは限らないと思いますか。
支持し続けるとは限りません。

>◆今、どの政党を支持していますか。政党名でお答えください。
支持政党はありません。
民主党が減らしたのが目をひきます。

>◆安倍首相は7日に、内閣を改造しました。改造内閣では、財務大臣や官房長官など主な閣僚を留任させました。安倍首相の今回の人事を評価しますか。評価しませんか。
大臣をコロコロ変えることには反対です。
この設問文だと、主要閣僚を留任させたことの評価を訊いているようにもとれます。答えにくい設問です。

>◆安倍首相は、改造内閣で「1億総活躍社会」の実現をかかげ、担当大臣を任命しました。この取り組みに期待しますか。期待しませんか。
漠然としすぎる目標だと思っています。わざわざ担当大臣を置く理由が理解できません。

>◆安倍首相の経済政策で、日本経済が成長することを期待できると思いますか。期待できないと思いますか。
安倍首相になって(自民政権になって)から、なんとなく調子がよいように思っています。期待しています。

>◆国会についてうかがいます。国会がその役割を果たしていると思いますか。果たしていないと思いますか。
情緒的すぎる設問文です。回答できません。

>◆安全保障関連法についてうかがいます。集団的自衛権を使えるようにしたり、自衛隊の海外活動を広げたりする安全保障関連法に、賛成ですか。反対ですか。
賛成です。

>◆来年の夏に参議院選挙があります。参院選で投票先を決めるとき、安全保障関連法のことを判断材料として、重視しますか。重視しませんか。
重視します。

>◆来年の参院選で、野党は、自民党と公明党に対抗するために、選挙で協力するべきだと思いますか。そうは思いませんか。
どちらでも良いですが、政権をともに作る気もなく選挙協力だけするのは邪道ですし、政権をともに作る気があるなら基本政策の一致が必要です。

>◆日本やアメリカなど12カ国の間で、貿易など経済の自由化を進めるTPP、環太平洋経済連携協定について、うかがいます。日本がTPPに参加することに、賛成ですか。反対ですか。
よく分かりません。回答は保留します。

>◆TPPに参加することは、日本の経済にとって、どんな影響があると思いますか。
これもよく分かりません。

>◆TPPへの参加で、日本の農業がどの程度、打撃を受けると思いますか。
個別の農産物は打撃を受けるかもしれませんが、農業そのものが立ち行かなくなるほどではないと思います。

>◆沖縄県の米軍基地についてうかがいます。沖縄県の翁長知事は名護市辺野古に基地をつくることに反対し、辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消しました。翁長知事が承認を取り消したことを評価しますか。評価しませんか。
評価しません。
反対する気持ちは分からなくもありませんが、前知事が承認したものをひっくり返そうというのは乱暴すぎます。

【朝日新聞】社説:韓国の教科書 時を逆戻りさせるのか

10月19日朝日新聞社説。「韓国の教科書 時を逆戻りさせるのか」より。

韓国が歴史の教科書を国定にすることを問題視しています。

 韓国教育省は、2017年から中学と高校の歴史の授業に国定教科書を使うことを決めた、と発表した。
 現行の検定制の歴史教科書の中には事実関係の誤りや、北朝鮮に融和的な記述もあるとしており、国定教科書にすることでそうした問題を解消し、「国民統合をはかる」と説明する。
 しかし、民主化して30年近くたつ韓国は、多様な価値観が存在する先進国である。いまごろなぜ、歴史教科書のみを国定化せねばならないのか、理解に苦しむ。
(略)
 韓国の民主化は、多くの流血の末に市民が勝ち取った。多様な意見が共存してこその民主国家である。
 時計の針を逆戻りさせるかのような時代遅れの措置は、国民統合どころか、社会に不信感を広げるだけだ。


他所の国の教科書が国定だろうが、検定だろうが、口を挟むのは大きなお世話というものです。どう見ても朝日新聞は、韓国のこととなると、冷静な態度を取れないでいます。

それは措くとしても、検定で複数の教科書を選べるのは一定以上の人口と複数の出版社があるから可能なことです。人口が少なければ、教科書が一種類でも不思議でありません。国定教科書を使うことが民主化に反することであるはずがありません。

そもそも国の中に複数の教科書があっても、一人の生徒にとっては使う教科書は一つです。教育委員会が決めようが、国が国定のもの一冊と決めようが、一人の生徒にとっては変わりありません。

多様な意見が社会で共存するのに必要なことは、教科書でも政府の歴史認識であっても、それに異を唱えるものを無闇に排除しないことです。教科書が複数あることよりもそれがはるかに重要だと思います。

【本】江戸の人気浮世絵師 俗とアートを究めた15人

著:内藤正人
幻冬舎新書

江戸期の浮世絵師15人を、それぞれ章を設けて解説しています。250ページほどの新書なので、だいたい一人20ページ足らずです。一人ひとりのボリュームは少ないのですが、浮世絵の歴史を概観して読むことができますし、あまり語られてこなかった絵師にも筆を費やしているので、勉強になります。

お薦めできる一冊です。

【朝日新聞】日韓首脳会談、促した米 安倍首相と朴大統領、初の開催へ 慰安婦問題、扱い焦点

10月17日朝日新聞朝刊。「日韓首脳会談、促した米 安倍首相と朴大統領、初の開催へ 慰安婦問題、扱い焦点」より

 安倍晋三首相と韓国の朴槿恵大統領による初の二国間首脳会談が行われることが固まった。両首脳がそれぞれ、ソウルで11月1日に開かれる予定の日中韓首脳会談に合わせて実施する考えを表明。米国が日韓の関係改善を促しており、会談では懸案になっている旧日本軍の慰安婦問題をどう扱うかが焦点になる。
(略)
 朴氏が日韓首脳会談の開催を明言したのは13年2月の大統領就任後、初めて。米国側の要請に加え、日中韓首脳会談を主催するのに安倍氏と会談しないのはかえってデメリットが大きいと判断したとみられる。ただ、講演で慰安婦問題について「進展があれば意味のある首脳会談になるだろう」と語り、安倍氏に前向きな対応を求めた。これに対し、日本政府関係者は「日本の立場は変わらない」としており、進展は難しい情勢だ。
 (東岡徹、奥寺淳=ワシントン、冨名腰隆)


私は、安倍政権と朴政権の間は、日韓首脳会談は開かれないと思っていました。

朴大統領は慰安婦問題の「解決」がなければ会談に応じないという態度ですし、安倍首相が慰安婦問題で「解決」策を出すとは思えません。両者とも、個人としても妥協したくないところでしょうし、妥協すればそれぞれ国内世論の突き上げを食らうでしょう。

なにより、韓国は日本に妥協しても、つまり慰安婦問題を取り下げて首脳会談をしたからといって為替レートが韓国に都合よく動いて経済が好転することなど考えられません。おそらく訪韓観光客も増えないでしょう。

これらのことを考え合わせて、安倍政権と朴政権の間は、日韓首脳会談は開かれないと考えていました。

しかし、どうしたことが、韓国は慰安婦問題を、棚上げっぽくしてきました。これがどういう考えなのかはまだ分かりませんが、対話のドアは常にオープン、と言ってきた日本政府は会談を拒否することはないでしょう。

ところで、この朝日新聞の記事ですが、政府関係者から「日本の立場は変わらない」という回答を得ているのにも関わらず、見出しで『慰安婦問題、扱い焦点』とするのは解せません。韓国がいままで条件としてきたものを取り下げのであり、日本は妥協しないと言っているのですから、焦点になりようがないと思います。

「(慰安婦問題の)進展は難しい情勢だ」というのも、変です。朝日新聞は韓国側に立って記事を書いているようです。もっと言えば、韓国の世論を煽っているようにも見えます。

【時事問題】新聞への消費税軽減税率適用

10月15日朝日新聞23面に、「新聞週間によせて 新聞は心の必需品」という記事(広告?)が載りました。

 日本新聞協会は、15日から始まった「新聞週間」に合わせ、作家の林真理子さん、東大名誉教授の姜尚中さんに新聞の公共性と消費税の軽減税率適用について聞いた。


林氏も姜氏も新聞の消費税軽減に賛意を示しています。

識者に喋らせるという形式をとっていますが、日本新聞協会も朝日新聞も新聞の消費税軽減に賛成しているのは明白です。

新聞社や新聞協会が、学者や作家を使ってまでして、新聞の消費税の低減を主張させるのは美しいとは思えません。はしたないという感じさえします。

そうは言っても、私も両氏が言うように新聞を読むことで世の中の動きを知ることは大切だと考えています。テレビや週刊誌やネットがあれば済むとは思いません。

新聞だけでなく、書籍一般、さらには教育に関係するものを含めての軽減を主張するのであれば、賛成できます。

【朝日新聞】投書欄「どう思いますか」:“18歳から飲酒・喫煙?”

10月14日朝日新聞朝刊の投書欄。毎週掲載の「どう思いますか」のコーナー。今週は、投書が元でありません。18歳からの飲酒・禁煙に関する自民党の提言の紹介記事が元になっています。引用します。

 来夏の参院選から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられることに合わせ、「大人」と「少年」の線引きが検討されている。自民党の「成年年齢に関する特命委員会」(今津寛委員長)は民法の成人年齢を18歳に引き下げ、飲酒や喫煙も18歳から認める提言案をまとめた。
 だが、飲酒や喫煙を18歳から認めることについてログイン前の続き党内から「医学的な影響を検討すべきだ」などの反対論が続出。連立を組む公明党にも慎重論が強い。事前に意見を求められなかったという日本医師会は「医療の専門家団体として容認しがたい」として撤回を申し入れた。反対意見が噴出した背景には、十分な議論が行われなかったこともある。
 提言は当初案を撤回し「引き続き社会的なコンセンサスが得られるよう、国民にも広く意見を聞きつつ、医学的見地や社会的影響について慎重な検討を加える」との表現にとどめ、両論併記する形で安倍晋三首相に提出された。今津委員長によると、提言を受け取った首相は飲酒、喫煙について「慎重に考えてやってほしい」と話し、年齢引き下げに消極的な意向を示したという。


今まで20歳未満に飲酒・喫煙が禁止されていたのは、医学的な理由です。なぜ20歳なのか、18歳や22歳ではいけないのか、おそらく明確な理由はないのでしょう。

ただし、変更するなら、やはり医学的理由で行われるべきです。選挙権年齢と医学は無関係です。主権者として振る舞えるかどうかということと、医学的に飲酒・喫煙の害が小さいということは無関係です。

故に、選挙年齢引き下げを理由とした飲酒・喫煙の解禁には反対です。

一般からの意見は、賛成2、反対2と真っ二つです。識者(コラムニスト・石原壮一郎氏)は賛成しています。賛成意見は、おおむね同じことを言っているようなので、これだけ引用します。

 大学に入ればコンパなどでお酒を飲む機会があり、20歳未満で飲酒している人はいる。たばこも同じ。現状と法律が合っていない。法律で飲酒、喫煙は20歳からとしているのはすごく建前っぽく感じていました。
 自分の責任で物事を決めるのが大人。酒やたばこの問題もそうでしょう。選挙権を与えたことは、18歳以上を大人とみなすと決めたことです。そう決めた以上、未熟なところがあっても、彼らの判断に任すことが、大人たちの役割です。危なっかしい存在だからと半端に干渉したがるのは、社会が大人になりきれていない表れです。
 「新たな大人」をどっしり受け入れられれば、日本が大人の国となるきっかけにもなると思います。


20歳未満で飲酒・喫煙している人がいるのは事実です。

しかし、建前と現実が違うのはこれに限ったことではありません。無批判に法律を現実にあわせるのが正しいとは思いません。

大人だから自分のことは自分で決めるべき、というのはその通りだと思います。

しかし、これは医学的判断です。自分で判断していいこと、あるいは判断できることだとは思いません。

石原氏は大前提として、“現在の日本は大人の国でない”と考えているようですが、根拠を示さないフワフワした思想のように思います。

首肯できかねる意見です。

【朝日新聞】小熊英二氏:「デモから選挙へ 自己規制を取り払おう」

10月13日朝日新聞夕刊。歴史社会学者小熊英二氏の「デモから選挙へ 自己規制を取り払おう」より

(略)
新しく地域でネットワークを持つ人々が台頭すれば、議員や政党が無視できない存在になるだろう。
 辻元(引用者注;民主党の辻元清美議員)は前述のインタビューで、こう述べている。「リベラルの側は、集会には行くんだけれども、じゃ、自分の住んでいる町で本当に草の根でつながっているか、商店街のおっちゃん、おばちゃんと話をしたことがあるかといったら、ないんですね」。これでは集会に何万集まっても、選挙区では少数だ。それを変えるには、地域で繋がりを広げて「まず一〇人、核をつくる」。そして「これが本当に沁み渡るように広がっていけば、憲法改正の国民投票は怖くないんです」という。
 原発や安保法制などの集会参加者には、自分は地域や職場で孤立している、政治の話題など話せない、と述べる人がいる。不思議なのは、同じ人が世論調査などをもとに、自分たちは多数派だと主張したりすることだ。「多数派」なのに「孤立」しているというのはおかしい。奇妙な自己規制をやめて話してみれば、地域でも学校でも、話題を共有できる人はいるはずだ。
 私自身は、近隣の人と挨拶や世間話をよくする。そして、自宅の「向こう三軒両隣」に、国会前の集会に行った人が2人いるとわかった。何万も参加者がいるのだから当然だろう。
 もちろん近隣には、志向が違う人もいる。そうした人とも、率直に話せばよい。無理に「中立」を装う必要はない。自己規制で会話もできない社会より、意見が違っても気軽に話せる社会の方がずっとよい。健全な社会、健全な政治は、そんな自己規制を取り払うことから始まる。


自民党や公明党は、地域や業界に密着した活動家が草の根レベルでいるが、安保法制の反対デモに参加したような人は、自己規制からか周囲で政治活動をしていない。健全な社会や政治のために、そうした自己規制を取り払おう。という提言です。

草の根レベルの活動家がいるのは自公だけでなく、共産党もです。しかし、数の違いはあきらかですので、こうした活動家が少ないことが、安保法制を廃案に持っていけなかった原因というのは正しいかもしれません。

しかし、小熊氏や辻元清美議員が見落としていることがあります。草の根レベルの活動をするために、自民党も公明党も共産党もそれ相応の努力をしているという事実です。“君らはなんで、商店街のおっちゃん、おばちゃんに働きかけをしないんだ”などと、ふんぞり返っているようでは献身的な活動家は育たないと思います。

余談ですが、小熊氏の「向こう三軒両隣」には安保反対デモの参加者は2人いたそうです。小熊氏を入れると3人です。「向こう三軒両隣」ですので6軒の家です。それぞれ4人家族と仮定すれば、24人中3人が参加しています。

先のデモは主催者発表で12万人が参加しています。東京都民だけが参加したとしても1000万人中12万人ですので、100人のうち1人くらいの参加率です。

ここから考えるに小熊氏の隣近所の参加率は極めて高いといわざるを得ません。「何万も参加者がいるのだから当然だろう」というのは間違いです。

小熊氏は、算数が苦手なのでしょうか?

【アニメ】2015秋調査(2015/7-9月期、終了アニメ、63+2作品) 第38回

アニメ調査室(仮)さんで行っているアンケートに投稿しました。

評価基準は
S : とても良い(第3回より追加)
A : 良い
B : まあ良い
C : 普通
D : やや悪い
E : 悪い
F : 見切り、視聴はしたが中止(または見逃しが多い)
x : 視聴なし、(または視聴中のため評価保留)
z : 視聴不可(わかる範囲で良いです)

次のように評価しました。それぞれの評価はリンク先にあります。

01,枕男子,x
02,俺物語!!,x
03,(欠番) xで回答,x
04,ワカコ酒,x
05,実は私は,x
06,電波教師,x
07,くつだる。,x
08,だんちがい,x
09,六花の勇者,A
10,食戟のソーマ,x

11,ミリオンドール,x
12,オーバーロード,x
13,がっこうぐらし!,A
14,トライブクルクル,x
15,ハッピージョージ,x
16,レゴニンジャゴー,x
17,アルスラーン戦記,C
18,おくさまが生徒会長!,x
19,怪獣酒場カンパーイ!,x
20,長門有希ちゃんの消失,C

21,城下町のダンデライオン,x
22,モンスター娘のいる日常,x
23,戦姫絶唱シンフォギアGX,x
24,のんのんびより りぴーと,S
25,ケイオスドラゴン赤竜戦役,x
26,監獄学園 プリズンスクール,x
27,ベイビーステップ 第2シリーズ,x
28,ふなっしーのふなふなふな日和,x
29,うーさーのその日暮らし 夢幻編,x
30,聖闘士星矢 黄金魂 soul of gold,x

31,美少女戦士セーラームーン Crystal,x
32,ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン,x
33,キュートランスフォーマー さらなる人気者への道,x
34,アルティメット・スパイダーマン ウェブ・ウォーリアーズ,x
35,アイドルマスターシンデレラガールズ 2nd SEASON,x
36,Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 2wei Herz!,x
37,下ネタという概念が存在しない退屈な世界,F
38,GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり,C
39,(欠番) x で回答してください,x
40,ミス・モノクローム The Animation2,x

41,ガッチャマンクラウズ インサイト,x
42,カードファイト!! ヴァンガードG,x
43,ヘタリア The World Twinkle,x
44,乱歩奇譚 Game of Laplace,B
45,空戦魔導士候補生の教官,x
46,洲崎西 THE ANIMATION,x
47,干物妹! うまるちゃん,x
48,ビキニ・ウォリアーズ,x
49,GON リターンズだよ!,x
50,Classroom☆Crisis,F

51,デュラララ!!×2転,x
52,純情ロマンチカ3,x
53,てーきゅう 5期,x
54,わかば*ガール,x
55,わしも wasimo,x
56,赤髪の白雪姫,x
57,青春×機関銃,F
58,境界のRINNE,x
59,それが声優!,B
60,WORKING!!!,x

61,Charlotte,x
62,GANGSTA.,x
63,血界戦線 全12話,x
64,ゆるゆり なちゅやちゅみ!+,x
65,ナノ・インベーダーズ,x

t1,(参考調査) VENUS PROJECT CLIMAX,x
t2,(参考調査) GOD EATER,C


■見切り作品について
□下ネタという概念が存在しない退屈な世界:1回だけ観ました。ノリについていけません。小学生くらいなら喜んで観ていたかもしれませんが・・・
□青春×機関銃:3回くらい観ました。ああいう面倒くさい人間関係というのは観ているだけでもゲンナリします。
□Classroom☆Crisis:3回くらい観ました。コスト削減だの、業務停止だの、という話をアニメでまで見たくないです。作品の質自体は高いのかもしれません。

【展覧会】歌麿 英泉 北斎 礫川浮世絵美術館名品展

於:太田記念美術館

文京区小石川にあった礫川(こいしかわ)浮世絵美術館の作品の特別展示です。

礫川浮世絵美術館は、元医師の松井秀男氏によって平成10年に設立され、平成26年に閉館しました。松井氏は、医師を辞めた後に浮世絵の蒐集と研究に余生を捧げました。礫川浮世絵美術館は松井氏のコレクションから成るものです。

松井氏の研究で特筆すべきは、作品に光をあてるだけの非破壊検査で、青色の部分がベロ藍か本藍かを調べたことです。それにより北斎の富嶽三十六景では、地の部分はベロ藍だが、輪郭線は本藍を使っていたという事実が明らかになりました。

どうも松井氏が手をつけるまでは、こうしたアプローチは誰もしていなかったそうです。異分野からの参入の成功例だと思います。また、金銭的余裕があったことも要因ですが、本業引退後の生活としては大成功例だと思います

コレクションは広範に亘っていますが、特に渓斎英泉がお気に入りだったらしく、英泉らしい名品が揃っていました。

前期は10月25日まで
後期は10月30日から11月23日までです。

【映画】劇場版 蒼き鋼のアルペジオ-ARS NOVA- CADENZA

TVシリーズは観ています。感想はここです。
劇場版の前作も観ています。感想はここです。

満足度の高い仕上がりです。

映像は圧巻の一言。静と動の緩急がいいので、ただでさえ素晴らしい戦闘シーンが迫力をより増しています。細かい部分の描写(例えば眼鏡)も繊細で美麗です。

ストーリーも綺麗にまとまりました。あまり気にしていなかったのですが、イオナが生まれた理由も説明がつきました。

ただし、霧がどうして生まれたのかとか、メンタルモデルが次々と変容した理由とかは、触れられずじまいでした。あと、尺が足りないことも気になります。あのストーリーだとやはりTVの1クールくらいは必要です。急ぎすぎました。

不満がないわけではありませんが、素晴らしいアニメシリーズになったと思います。

【朝日新聞】(耕論)安倍談話の歴史観:『日露戦争「悲劇の始まり」』

10月10日朝日新聞朝刊のオピニオン欄。8月に出された安倍談話について3人の識者がそれぞれ語っています。ここで取り上げるのは、韓国・国民大学教授の李元徳氏の『日露戦争「悲劇の始まり」』。

 安倍談話には「日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました」とあります。これは韓国の立場から見て、最も違和感を覚える部分です。
 日露戦争は朝鮮半島と満州の支配をめぐって争われ、日本がロシアを破った。日本は1905年に第2次日韓協約で韓国の外交権を握り、保護国にします。そして10年には韓国を併合し、植民地にしてしまう。日露戦争は、朝鮮半島からみれば勇気づけられたどころか、悲劇の始まりだったわけです。
(略)
安倍談話では1931年の満州事変から、進むべき針路を誤ったとなっています。村山談話以降の日本政府の歴史認識を否定し、後戻りしたかのようです。一方で安倍談話は「歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎない」としている。相矛盾する考え方で、どちらが安倍首相の本当の歴史認識なのか。
 朴槿恵大統領は「揺るぎない」という部分に注目して一定の評価をしましたが、それは日韓関係をこれ以上、悪くしないための戦略的な判断だったと思います。実際にはより、不信感は強くなったのではないでしょうか。
 私は安倍首相が韓国嫌いだとは思っていないし、韓国の重要性も理解していると思いますが、今回の談話には韓国に対する怒りも感じる。慰安婦問題などで極端に悪化した日韓関係の現状の反映かもしれません。「ポスト安倍」になれば、村山談話の歴史認識に戻れるのか。それが、大きな関心事です。


日露戦争の評価が同じアジアでも欧米植民地の人々と、朝鮮半島の人々では感じ方が違うのは分かります。

気になったのは、『私は安倍首相が韓国嫌いだとは思っていないし、韓国の重要性も理解していると思います』です。

普通に考えて、あれだけ嫌がらせをしてきたのですから、安倍首相は韓国が嫌いだと思います。何で、李氏が、安倍首相は韓国嫌いではない、と考えているのか不思議でなりません。

韓国の重要性も理解している』というのも分かりません。私には日本にとって韓国がなぜ重要なのか理解できませんし、李氏も韓国が重要である具体的な根拠は挙げていません。

朝鮮半島の歴史観と反する日露戦争の評価を入れ、中国には配慮したものの韓国は黙殺したように見える(「韓国に対する怒りも感じる」)談話の内容から考えて、安倍首相は、韓国が嫌いで、重要だと思っていない、というのが私の仮説です。

日本に影響力のある米国は、日中関係は喧嘩になるのは困るかもしれませんが、仲良くなりすぎるのも困るはずです。しかし、日韓が仲良くなることで韓国が中国陣営に入ることを食い止めたいはずです。そうした米国の意図を十分承知していながらも、安倍談話は韓国を黙殺したということが、この仮説を裏付けています。

【時事問題】ツタヤ図書館

愛知県小牧市の住民投票で、図書館の運営をレンタル大手「ツタヤ」のカルチャア・コンビニエンス・クラブと連携する計画が一時停止に追い込まれました。

今回の件を朝日新聞が報じているので引用します。

 反対3万2352票、賛成2万4981票。小牧市で計画されている新図書館建設を巡る4日の住民投票の結果、レンタル大手「ツタヤ」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と連携する計画は、一時停止に追い込まれた。
(略)
 小牧市民はなぜ「ツタヤ図書館」に反対したのか。住民に聞くと「税金の無駄づかいでは」(会社員の西田秀樹さん)、「ツタヤのサービスはツタヤで利用すればいい」(パート従業員の島村厚子さん)。高額な建設費に対する批判が目立ったが、「民間企業が本を選ぶと利益優先になる」という懸念も多く出た。
 武雄市図書館では、CCCと出資関係があった古本業者から中古本を購入していたことが発覚。市民から「在庫本の押しつけ」「貴重な郷土資料などが蔵書からなくなる」といった批判や不安が出た。今月1日に神奈川県海老名市が開設した「ツタヤ図書館」では、市が購入本を全て点検したが、海外の風俗店を案内する不適切な本が開設後に見つかった。
 ログイン前の続き住民投票を求める署名活動の中心となった市民グループ「小牧の図書館を考える会」の渡辺育代共同代表は「民間に運営を任せると、住民にとって必要かを考えずに業者の都合で選書されてしまったり、収容冊数の確保を優先し必要性がない本を購入したりすることにならないか」と心配する。
 小牧市教委の新図書館建設推進室によると、指定管理者の業者は市が定める選書基準に沿って本を購入。業者が基準通りに選んでいるかを定期的にチェックし、現地査察や利用者アンケートもするという。本の購入費の管理を市が直接担うか業者に任せるかは未定だ。
 CCCの高橋聡・図書館カンパニー長は9月30日の会見で「武雄市のときは、ど素人で、時間も予算もない特殊な状況だった」と話し、選書が「利益優先」でないことを強調した。
(略)


コーヒー屋の併設や音楽をかけるぐらいでしたら真っ向から反対するほどのこともないと思っていましたが、選書までまかせるとなると話は別です。市が定める選書基準に沿って購入させ、定期的にチェックするとしていますが、そもそも選書は行政の手で行うべきです。

仮に、私の自治体が「ツタヤ図書館」になりそうなら、反対せざるをえません。

ツタヤによる図書館運営については、「沸騰!図書館」という本を読んだことがあります。感想はここです。

【朝日新聞】投書欄「どう思いますか」:“女子力”

10月7日朝日新聞朝刊の投書欄。毎週掲載の、一つの投書に対する反響の投書を載せる「どう思いますか」のコーナー。今週は、東京都の女子中学生(13)の投書が元です。

 「女子力」って何でしょうか? よく分かりません。上品で、優しくて、困った時に便利な小道具を持っていて、オシャレを気に掛けている……そんな人が「女子力が高い」と言われるようです。「女の子らしさ」を大切にすればいいのでしょうか。
 しかし私は、ばんそうこうを常備していなかったり、どこにも行かない日は髪に寝癖がついたままだったりします。オシャレでもないので「女子力は低い」と言われると思います。
 だから、私の女子力を上げたいと思いました。でも、上辺ではなく内面を高めたいと考えました。まず読書をして、いろいろな考えや知識を得たいです。それが内面を豊かにして、女子力アップにつながればいいと思います。周りの人が困っていたら声をかけたり、手伝ってあげたりするような、さりげない優しさも持ちたいです。
 みんながそうなれば、もっとすてきな毎日が送れていいのではないかと思うのですが、これって女子力にはなりませんか?
 (8月29日付掲載の投稿〈要旨〉)


中学生の投書に反論するのは大人げないように思われるかもしれませんが、これから書くことは、議論というものに対する私の意見を述べるためです。投書子に対する誹謗の意図は全くありません。

まず“女子力”が定義されました。「上品で、優しくて、困った時に便利な小道具を持っていて、オシャレを気に掛けている」人です。はじめに『「女子力」って何でしょうか? よく分かりません。』と書いてはいますが、これは公的な定義は分からない、ということだと思います。投書子自身が議論の前提として定義を提出することは正しいことです。

次に、投書子はオシャレではないので“女子力が低い”と判定しています。つまり、“女子力”の定義に対して、自身がそれに適合していないことを示しています。

現在“女子力”が低い投書子は“女子力”向上を図ります。ただし、オシャレをするのではなく、読書で内面を磨くという方法をとります。

その上で「これって女子力にはなりませんか?」と問いかけています。

回答します。これは“女子力”にはなりません。自身が作った定義に反しているからです。オシャレをしないで読書をするという人生の方針に賛成か反対かではありません。定義に合っていないのだから女子力と言えない、というだけです。

仮に、“女子力なんかいらない。私は読書で内面を磨くのだ”と宣言したのであれば、論理に不都合はありません。

また、絆創膏の携帯や髪の寝癖を直すことと、読書で内面を磨くことは決して二律背反ではありません。読書家の女の子が“女子力”を有していても不思議ではないと思います。

さて、この投書への反応ですが、私が書いたような反論や疑問は一切ありません。すべてが元投書に賛成して内面を磨くことに賛意を示しています。私のような突っ込みをする人間が少数派であることを再認識した次第です。

【朝日新聞】「不在中国、どう巻き込む TPP合意」

10月6日朝日新聞朝刊。TPP合意を受けて、東京経済部長・小陳勇一氏がコラムを載せています。「不在中国、どう巻き込む TPP合意」です。

 TPPの大筋合意で、新しい巨大経済圏が生まれる。貿易や投資がさらに活発になり、アジア太平洋地域が世界の成長エンジンとしての勢いを増せば、日本経済への恩恵も大きい。
 土壇場までもつれた交渉を底流で動かした要因の一つが中国だ。
 議長国の米国には、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立に動く中国へログイン前の続きの対抗意識があった。中国が参加していないTPPを成功させれば、通商ルール作りだけでなく、外交・安全保障面でも環太平洋での影響力を保てる。
 一方、7月の閣僚会合で米国と対立した新興国を合意へ傾かせたのは、夏以降に目立ってきた中国経済の不振だ。中国頼りの危うさがTPPの重要性を大きくした。
 いわば中国の不在が、今回の交渉を後押ししたとも言える。それでは今後も、中国を不在のままにしておくのか。消費地としても製造基地としても、中国はあまりに大きな存在だ。中国を巻き込んだ新たな通商体制作りが、日米の次の課題となる。
 中国を加盟国に迎えてTPPを拡大することは、その手段になるだろう。将来の拡大を目指すためには、TPPそのものが国民に支持されていなければならない。
 協定が発効すれば、輸入食品を日本の消費者は今より安く買えるだろう。日本製の自動車にかかる関税は引き下げられ、輸出が増えるかもしれない。
 しかし国民には疑問の声も多い。輸入が増える食品の安全性に問題はないのか。農業が大きな打撃を受けるのではないか。日本の消費者や企業の利益より、米国の利益が優先されるのではないか。そんな批判や不安は消えない。
 TPPでは参加国に守秘義務が課され、交渉の詳しい内容は明らかにされていない。TPPはどんなメリットとデメリットをもたらすのか。大筋合意に達した今、政府は具体的に情報を開示し、国民の理解を得なければならない。



中国をTPPに参加させなければならない理由として挙げているのは、「消費地としても製造基地としても、中国はあまりに大きな存在」というものです。

小陳氏も認識しているように、TPP合意の背景はAIIBへの対抗意識と、中国経済に依存していることの不安が背景にあります。したがって、大きな存在だからという理由で中国を参加させることは考えにくいです。むしろ大きな存在だから排除するのではないかと思います。

小陳氏が、あるいは朝日新聞が、中国が好きだから言っているだけじゃないですか?


安保法制あたりから流行している、説明が足りない、という批判をここでも繰り返しています。

一般市民が言うのであれば分かります。しかしマスコミが簡単に言うべき台詞ではありません。

政府の説明が足りないと考えている部分は、具体的に挙げて政府に問いただすのがマスコミのつとめです。それでも回答しない場合に、初めて説明が足りないという批判が成り立ちます。

マスコミは、政府の説明が足りない、という批判を安易に行うべきではありません。

【アニメ】がっこうぐらし!

原作は未読です。

事前情報は、ネットで番組紹介を簡単に確認しただけです。普通はキー・ビジュアルとか、ストーリーに惹かれて視聴を決めるのですが、正直にいってこの作品にはピンとくるものはなく、よくある日常ものという印象でした。日常ものにも名品がありますので、とりあえず一回だけは見て、切るかどうかはそこで決めよう、という程度の意欲でした。

初回のAパートはすごく退屈でした。主人公はただうるさいだけですし、学校で生活する部活というのも謎すぎます。主人公以外の主要キャラは授業を受けている様子はありませんし、犬が校舎内を走り回っているしと、デタラメすぎます。ギャグも寒々しく、凡作、愚作としか思えません。途中で切ろうと思ったのですが、折角だから初回は最後まで見ようと頑張りました。

ショックを受けました。

初回の内容とはいえ、詳しく書くのはネタばれになりますのでこれ以上は書きませんが、衝撃を受けました。

映画でも“衝撃のラスト”とか“あなたは必ず騙される”とかいうキャッチコピーがあり、そういうあおり文句を読んで観にいったおかげで全然びっくりしなかった、という経験が何回かあります。だからといってこうしたキャッチコピーがなければ退屈そうな映画としか思えないので観にいかないかもしれません。映画会社からすれば、吃驚させたいのだけど、黙っていたら観に来てくれない、というジレンマです。

この作品では、黙っている、という選択をしたようです。私は、幸福なことに、まんまと罠に引っかかってしまいました。

ラストは尻切れトンボですが、この種の話は基本的に結末がないのが常ですので失点ではありません。

他人に薦めたいけど、薦め方が難しい作品です。

【朝日新聞】荻原博子氏のマイナンバー批判のいかがわしさ

10月5日朝日新聞朝刊で、マイナンバー制度の特集をしていました。その中に、経済ジャーナリストの荻原博子氏の話が載っていました。 

マイナンバーのメリットは役所に出す書類が少し省ける程度で、一般の人からみるとなくても困らない、と映る。制度の仕組みが分かりにくく、従業員の番号を集めなければならない中小企業の負担も重い。消費者がいちばん恐れるセキュリティー面の課題も説明が十分とは言えない。政府にとっては徴税強化の「打ち出の小づち」かも知れないが、ムダな支出をなくす努力を怠ったままでは理解は得にくい。一般の人の視点から、なぜ必要といえるのか、政府は説明を尽くすべきだ。


安保法制の議論で“政府は説明が足りない”というお決まりの批判がありましたが、荻原氏はマイナンバー制度の批判にこの言葉を使っています。

しかし、私にはマイナンバーの目的はあきらかです。所得の申告漏れを防ぐものです。実は萩原氏もこの目的を理解しているふしがあります。『政府にとっては徴税強化の「打ち出の小づち」かも知れないが』と正しく理解しているではありませんか。

マイナンバーで徴税を強化するのです。ただし、正直に申告している人から余分に徴税はできませんから、正直に申告していない人から徴税強化できる制度です。

荻原氏のいう「一般の人」の定義が分かりませんが、税金をごまかしていない人、を指すのであれば、メリットはあきらかです。みんなが公平の納税することにつながります。「役所に出す書類が少し省ける程度」ではありません。

本当に税逃れを追跡できるのかだとか、セキュリティーの懸念だとかを論じるのであるならもっともだと思います。しかし、実は分かっているくせに、説明が足りないと政府批判するのは専門家(経済ジャーナリスト)にあるまじき態度です。

【アニメ】それが声優

あきらかにアニメファン向けの企画です。

アニメファンはこの内容に興味を持ちますが、非アニメファンには興味がないでしょう。もっともアニメファン以外は観ないからそれでいいのかもしれません。

実在の声優を「いい人」で登場させるなど、どこまで真実なのかは知りませんが、マイルドに作っています。

挫折した元声優の友人も登場しましたが、明るく前向きに次の人生を生きている様子で、業界の過酷さは素材にしてはいません。主人公たちは失敗することはありますが、最終的には敗者にはなっていません。

リアルに描いても鬱々するだけですので、これでよかったのだと思います。

好感のもてる作品でした。

それはともかく、歌はぎりぎり許容できるとしても、ダンスはあきらかに声優の仕事じゃないですよね。誰も疑問に思わないというところに驚きました。

【本】印象派はこうして世界を征服した

白水社発行

著者はオークション会社でディレクターを勤めていたフィリップ・フック氏。

書名に惹きつけられました。思わず手に取りたくなる題名です。原題は「How the Impressionist Painting Conquered the World」ですので、直訳です。

中身も題名どおりです。はじめはいかがわしく思われてきた印象派がいかにして世に受け入れられてきたかを論じています。

通常の美術本と異なり、美術論ではありません。一般人の印象派への価値の変遷が主題です。

フランス、アメリカ、ドイツについては章立てして、それぞれの国で印象派がどのように受け入れられてきたかを詳しく語られています。

章にはなっていませんが、日本についての記述もあります。印象派誕生に日本美術が影響したことからくる日本人の印象派への愛情から、バブル期の印象派絵画の高騰に日本人が関わったことなど、日本人読者には興味のある内容です。

個人的に面白かったのは、次の一節です。

私の経験からいえば、一枚の絵に対して純資産の1パーセント以上を費やす人は滅多にいない。10万ドルの絵を買うとすれば、その人は少なくとも1000万ドルの資産がある。もし1000万ドルの絵を買うとしたら、その人の個人資産は10億ドルを超えているということだ。この割合を超えるのは非常に熱狂的なコレクターである(P50)


オークション関係者の言葉だけに、真実味があります。私は絵を買ったことはありませんので想像ですが、確かに純資産の1パーセント以上の絵を買うというのは考えられません。

たいへん面白い本でした。

【アニメ】アルスラーン戦記

原作小説は既読です。直接のもととなった漫画版は読んでいません。

原作小説どおりに進行している部分は納得の出来ですが、小説と離れた部分は疑問符がいっぱいです。特に、アルスラーンと敵の城主が供もつれずに1対1でいる場面には脱力しました。敵同士という設定を忘れているわけではあるまいに。

アカデミー賞をとった「戦場にかける橋」にも同じような場面(捕虜収容所の所長が捕虜とふたりだけでぶらつく)がありました。この場面があるがゆえに私は「戦場にかける橋」を名画だとは思っていません。

あと、問題なのは話が途中で終わってしまったことです。2クールあったのですから、テンポよく進めれば第1部は全部映像化できたと思います。ここで終わるといかにも中途半端です。さんざん匂わせたアルスラーンの出生の秘密にも迫れていません

せっかくの優れた原作を生かしきれずに終わってしまいました。
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Author:えいび
日々の出来事、映画やアニメの感想です。

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