【朝日新聞】「憲法9条に照らせば自衛隊は違憲」との意見

11月29日朝日新聞朝刊。長谷部恭男・早稲田大教授(憲法)と杉田敦・法政大教授(政治理論)の連続対談。今回は、9条の理念を守るためにより厳密な規定に改憲してはどうか、という最近一部で語られている議論について語っています。

前段で、自衛隊を認めている護憲派も解釈改憲ではないか、という朝日新聞の投書欄に寄せられた意見について語っています。

 杉田敦・法政大教授 朝日新聞の「声」欄に、「憲法9条を素直に読めば自衛隊の存在は違憲だ」「護憲だけれども、自衛隊は現状のままでよいというなら、立憲主義を語る資格などない」という投稿が寄せられ、賛否両論の反響があったようです。まず、自衛隊は違憲だ、自衛隊合憲論は解釈改憲だという説に対して、どうこたえますか。
 長谷部恭男・早稲田大教授 憲法に限らず、法律の条文はレストランのメニューと同じで、解釈しなくても意味がわかるというのが原則です。ただ例外的に、解釈が必要になる場合がある。ある条文と別の条文が矛盾している、あるいは普通の日本語の意味通りに考えたら良識に反する結論になってしまう時などです。
 杉田 「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とする9条2項は、解釈が必要な条文だと。
 長谷部 普通に読んだら自衛隊のような実力組織は持てないことになる。しかしそれでは日本国民の生命と財産を守れません。国民の生命と財産を守る。これはどんな国家でも最低限やるべきサービスです。だから、これまで政府は国外からの急迫不正の侵害があった時に、どうしても必要だという場合に限って、均衡のとれた範囲内で個別的自衛権を行使して対処する、そのために自衛隊を備える、憲法がそれすら認めていないのはおかしいだろうと解釈してきたわけです。
 杉田 解釈が必要なのは9条だけではありませんね。21条には「一切の表現の自由は、これを保障する」とありますが、人の名誉を毀損する表現などは保護されません。また、内閣不信任が決議された場合でなくても、首相が衆院を解散できるということについては、明確な憲法の条文はありませんが、解釈によって認められてきました。
 長谷部 その通りです。それらについて、違憲だ、解釈改憲だ、おかしいという批判は聞こえてこないのに、9条2項と自衛隊の関係についてだけ、護憲、改憲両派からことさらに批判が出るのは不思議です。
 杉田 ただ、戦後の平和主義的な価値を大事に考える人々の一部には、現行憲法の文言が抽象的だからこそ、今回、集団的自衛権が行使可能にされてしまったという忸怩たる思いがあるようです。そこで、平和主義の理念を守るために憲法9条を改正すべきだという「新9条論」も出ている。個別的自衛権は行使できるが、集団的自衛権は認められないなどと明示し、解釈の余地をなくすべきだと。
 長谷部 そのような改正が仮に実現したとしても、それがさらなる解釈の対象にならないという保証は全くありません。集団的自衛権は行使できないと書いてあっても、フルスペックでないからOKだと解釈されてしまう可能性は残る。
(略)
 (構成・高橋純子)



この投書については、弊Blogでも取り上げました。ここです。

憲法がそれすら認めていないのはおかしいだろうと解釈してきた」というのがそもそも解釈改憲であって、そういう主張をしている人たちが「憲法が集団自衛権を認めていないのはおかしいだろうと解釈」をしている安倍政権を批判するのはおかしい、というのが投書にあった意見です。

また、9条と現実の矛盾を指摘している人が、他の条文について語らないのは「不思議です」と言っていますが、私にはちっとも不思議ではありません。

第一に、安保法制で問題になっているのが9条だから、9条について疑問を提示しただけでしょう。他の条文について平等に述べなければならない理由はありません。

第二に、百歩譲って、他の条文について語らないのがいけないことだとしても、それで9条を解釈改憲して個別的自衛権を認めていることが擁護できるわけではありません。

両先生は、高校生の真摯な疑問に答えていません。

おそらく、答えられないのではないかと思います。
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【雑記】5分でできる職場のストレスチェック

厚生労働省のサイトにあった「5分でできる職場のストレスチェック」をやってみました。
どういう設問があって、どう回答したかを書きます。ところどころにコメントもいれます。

STEP1 仕事について
質問:非常にたくさんの仕事をしなければならない
回答:違う

たくさんではありません。

質問:時間内に仕事が処理しきれない
回答:ちがう

残業も休日出勤もほとんどなしでこなしています。

質問:一生懸命働かなければならない
回答:まあそうだ

給料もらっているのですから、一生懸命働くべきです。端からみるとどうだかわかりませんが、気持ちの上では一生懸命やっています。一生懸命やらないと残業するはめになる、というのもありますが・・・・・・

質問:かなり注意を集中する必要がある
回答:ややちがう

仕事は二重三重にチェックします。用心を重ねる必要はありますが、一発勝負のような集中は要りません。

質問:高度の知識や技術が必要なむずかしい仕事だ
回答:そうだ

SEをなのでそれなりの知識と技術は必要です。

質問:勤務時間中はいつも仕事のことを考えていなければならない
回答:ちがう

そんなことはありません。Blogのネタを考えていることもしばしばです。

質問:からだを大変よく使う仕事だ
回答:ちがう

デスクワークですので、からだは使いません。

質問:自分のぺースで仕事ができる
回答:そうだ

案外、我儘がききます。我儘言っているだけかもしれませんが・・・・・・

質問:自分で仕事の順番・やり方を決めることができる
回答:まあそうだ

緊急時以外は、自分で決めています。

質問:職場の仕事の方針に自分の意見を反映できる
回答:まあそうだ

意見を求められれば言いますし、それが反映されることもなくはありません。

質問:自分の技能や知識を仕事で使うことが少ない
回答:ちがう

自分の技能や知識を主体に仕事をしています。

質問:私の部署内で意見のくい違いがある
回答:そうだ

くい違いはあるのが普通じゃないですか?

質問:私の部署と他の部署とはうまが合わない
回答:そうだ


質問:私の職場の雰囲気は友好的である
回答:そうだ

基本的には友好的です。

質問:私の職場の作業環境(騒音、照明、温度、換気など)はよくない
回答:やや違う

室温だけは寒くて閉口します。暑いと訴える人もいるので我慢していますが。

質問:仕事の内容は自分にあっている
回答:そうだ

世の中にコンピュータの仕事がなかったら、引きこもりになるしかなかったと思います。

質問:働きがいのある仕事だ
回答:ややちがう

仕事内容は嫌いではありませんが、好きとは天職とかは思っていません。遊んで暮らせるなら辞めます。

STEP2 最近1ヵ月の状態について
質問:活気がわいてくる
回答:ほとんどなかった


質問:元気がいっぱいだ
回答:ほとんどなかった


質問:生き生きする
回答:ほとんどなかった


質問:怒りを感じる
回答:ほとんどなかった


質問:内心腹立たしい
回答:ほとんどなかった


質問:イライラしている
回答:ほとんどなかった


質問:ひどく疲れた
回答:ときどきあった


質問:へとへとだ
回答:ほとんどなかった


質問:だるい
回答:ときどきあった


質問:気がはりつめている
回答:ほとんどなかった


質問:不安だ
回答:ほとんどなかった


質問:落着かない
回答:ほとんどなかった


質問:ゆううつだ
回答:ほとんどなかった


質問:何をするのも面倒だ
回答:ほとんどなかった


質問:物事に集中できない
回答:ほとんどなかった


質問:気分が晴れない
回答:ほとんどなかった


質問:仕事が手につかない
回答:ほとんどなかった


質問:悲しいと感じる
回答:ほとんどなかった


質問:めまいがする
回答:ほとんどなかった


質問:体のふしぶしが痛む
回答:ほとんどなかった


質問:頭が重かったり頭痛がする
回答:ときどきあった

頭痛もちなので

質問:首筋や肩がこる
回答:ほとんどなかった


質問:腰が痛い
回答:ほとんどなかった


質問:目が疲れる
回答:しばしばあった

SEの職業病ですかね

質問:動悸や息切れがする
回答:しばしばあった

自転車を乗り回しているので

質問:胃腸の具合が悪い
回答:ほとんどなかった


質問:食欲がない
回答:ほとんどなかった


質問:便秘や下痢をする
回答:ほとんどなかった


質問:よく眠れない
回答:しばしばあった

自律神経失調症と診断されています。

STEP3 周りの方々について
質問:次の人たちとはどのくらい気軽に話ができますか? 上司
回答:全くない

職場の上司というのは友達ではありません。誰が上司になっても打ち解けるべきではないと思っています。

質問:次の人たちとはどのくらい気軽に話ができますか? 職場の同僚
回答:多少


質問:次の人たちとはどのくらい気軽に話ができますか? 配偶者、家族、友人等
回答:かなり


質問:あなたが困った時、次の人たちはどのくらい頼りになりますか? 上司
回答:全くない


質問:あなたが困った時、次の人たちはどのくらい頼りになりますか? 職場の同僚
回答:多少

場合によっては頼りにします。

質問:あなたが困った時、次の人たちはどのくらい頼りになりますか? 配偶者、家族、友人等
回答:かなり


質問:あなたの個人的な問題を相談したら、次の人たちはどのくらい聞いてくれますか?上司
回答:全くない

そもそも職場は個人的な問題を持ち出す場所じゃないと思っています。

質問:あなたの個人的な問題を相談したら、次の人たちはどのくらい聞いてくれますか?職場の同僚
回答:全くない


質問:あなたの個人的な問題を相談したら、次の人たちはどのくらい聞いてくれますか?配偶者、家族、友人等
回答:非常に


STEP4 満足度について
質問:仕事に満足だ
回答:まあ満足


質問:家庭生活に満足だ
回答:まあ満足


結果はこのようになりました。

あなたのストレス反応の状態は普通より少し高めでした。しかし、仕事上でのストレスの原因となる因子については問題はみられませんでした。

あなたの現在のストレス反応
活気が低いようです。

コメント
今回、わずかながらストレスのサインが見られました。これをきっかけとして、こころと体の健康管理に気をつけましょう。一人で悩みを抱え込まずに、周囲に悩みを相談することもよいでしょう。また、産業医や専門家に相談する事も一つの方法です。専門的な助言を受けることによって、自分では気がつかなかった解決法が見つかることもあるでしょう


悩みなどなにもありませんので、結果は意外です。周囲に相談することなんて何もないのに・・・・・・

【映画】起終点駅 ターミナル

主演:佐藤浩市、本田翼

直木賞作家・桜木紫乃原作の初映画化とのことですが、原作は未読です。桜木紫乃さんの他の作品も読んだことがありません。つまりまったく予備知識なしで(とはいっても予告編は観ています)観にいきました。

これは困りました。

もしかしたらよい映画なのかもしれませんが、私にはさっぱりでした。

冒頭に主人公の愛人が自殺をします。この自殺を契機として主人公は半ば隠遁生活を送るようになりますが、メインの出来事を通じて、その生活からおそらく終えるまでが描かれます。

肝心の自殺の理由が、原作がそうなっているのか演出なのかは分かりませんが、明確にされていません。感じろ、ということかも知れません。

その割には、不要と思われる描写が妙に多いです。綿密すぎる料理シーンは煩雑です。泉谷しげるの役はほぼ無意味です。中村獅童の役も要りません。それどころか本田翼の役がなくても話は進みそうな気さえしてきます。(役者が悪い、という意味ではありません)

こういう情緒あふれる映画が好きな人にはたまらないのかもしれませんが、私の好みには合いませんでした。観る人を選ぶ映画かもしれません。

【朝日新聞】「帝国の慰安婦」著者起訴への抗議声明

11月27日朝日新聞朝刊は、「帝国の慰安婦」を出版した朴裕河・世宗大教授が在宅起訴されたことに対して、学者・作家・ジャーナリストらが抗議声明を発表したことを伝えています。

 小森陽一・東京大教授や作家の中沢けい・法政大教授、若宮啓文・元朝日新聞主筆らが東京都内で記者会見して発表した。慰安婦問題をめぐる官房長官談話を1993年に発表した河野洋平・元衆院議長や、95年に戦後50年の首相談話を発表した村山富市・元首相も賛同人に名を連ねている。
 声明では「検察庁という公権力が特定の歴史観をもとに学問や言論の自由を封圧する挙に出た」「何を事実として認定し、いかに歴史を解釈するかは学問の自由の問題。言論には言論で対抗すべきで、公権力が踏み込むべきでない」などと起訴を批判。「日韓が慰安婦問題解決の糸口を見出そうとしているとき、起訴が両国民の感情を不必要に刺激しあい、問題の打開を阻害することも危ぶまれる」と危惧を示した。「韓国の健全な世論が動き出すこと」を期待し、「民主主義の常識と良識に恥じない裁判所の判断」を求めている。
 賛同人の上野千鶴子・東京大名誉教授は会見で「書物が法廷で裁かれることに違和感を持つ。活発に議論することが言論の自由の基本。権力が抑制してはならない」と語った。
 同じく賛同人として署名した木宮正史・東京大教授(朝鮮半島地域研究)は「韓国政府が検定制だった歴史教科書を国定に戻すことを含め、歴史解釈を国家権力が独占しようとする動きと言わざるを得ない。産経新聞記者の起訴に伴う出国禁止措置や、統合進歩党の解散決定の動きも含め『韓国は民主主義国家なのか』と国際的に批判される口実を与えることになりかねない」と懸念を示した。
(略)
(編集委員・北野隆一)


他所の国の出来事に、なんで抗議声明まで出すのか、と思います。

たしかに、出版物が気に食わないからと起訴をするのは、言論の自由を踏みにじっていると思います。しかし、他所の国には他所の国のルールがあり、他国はみだりに口を出すべきではありません。

彼らには、韓国を独立国とみなしていない雰囲気があります。かといってこの人たちが韓国をいまだに植民地扱いしているということではないのでしょう。しかし、日本と韓国が別の国という意識が希薄なように見えます。

そこに、えもいわれぬ気持ちの悪さを感じました。

【朝日新聞】投書欄「どう思いますか」:“個人情報は誰のためのものか?”

11月25日朝日新聞朝刊の投書欄。毎週掲載の、一つの投書に対する反響の投書を載せる「どう思いますか」のコーナー。今週は、宮城県の無職の女性(76)の投書が元です。

 千葉県の老人施設にいる姉の様子を知りたいと電話した。職員に「個人情報なので妹さんであるという証明がなければお答えできません」と言われた。
 こんなこともあった。電話や手紙のやり取りをする50年来の友人が独り暮らしで大病を患ったので心配していたが、最近になって電話が通じなくなった。役所の福祉関係の人が出入りしていたので役所に問い合わせるとこちらのことを根掘り葉掘り聞かれ、結局は「個人情報なのでお答えできません」と言われた。
 おかしいと思う。著名人の訃報では、プライバシーと思える死因まで伝えられる。住宅地図には、何の断りもなく名字が出ているではないか。マイナンバー制度なんて、役所ならばプライバシーが丸見えだ。個人情報というのは誰のためのものなのか。個人情報やプライバシーを理由に問い合わせに応じないというのは、やはり納得できない。施設に入っているお年寄りだって、ますます世間と疎遠になってしまう。
 (10月21日付掲載の投稿〈要旨〉)


今回は、賛否が分かれました。いきすぎた個人情報保護は困るという意見もあれば、個人情報はしっかり保護してくれないと怖いという意見もありました。

反響の投書には様々なケースが出ていますが、それぞれやりすぎだったり当然だったりとしますので、元投書の事例に絞って私の意見を述べます。

電話で“妹です”と名乗っただけでは、施設が情報を喋らないのは当然です。なにも間違っていません。

施設には入居者の家族や親類の緊急連絡先リストがあるはずです。そうでないと容態が急変した際に連絡できなくなります。

したがって、投書子は、お姉さんの家族(旦那とか息子とか)を通して施設に連絡すればよいだけだったと思います。

50年来の友人のケースも同じです。電話だけで役所に情報開示を求めるのは無理があります。

個人情報の保護レベルを下げれば、善意の人にも悪意のある人にも便利になってしまします。さみしかったり不便だったりしますが、やはり個人情報はしっかり保護されてしかるべきだと思います。

【朝日新聞】社説:「子の問題行動 画一指導の危うさ」

11月24日朝日新聞社説、「子の問題行動 画一指導の危うさ」より

(略)「学校安心ルール」という指導法を、来年度から大阪市教委が導入する。問題行動を5段階に分け、レベルごとに対応を定める。
(略)
 対象は市立の全小中学校424校で、徹底させるため、市教委は学校がルール通りに動かなければ市教委に通報するよう保護者へ呼びかけるという。
 問題行動の背景は子によって違う。学校の事情もそれぞれだ。「ルールだから」とマニュアル的に対応するのは無理があると言わざるを得ない。
 「ぶれない指導で安心、安全な学習環境を確保する」のが市教委のねらいだ。だが、そもそも問題行動にどう対処するかは学校自身が決めることだ。
 市教委は「学校の裁量もある程度認める」と説明する。ならばなぜ、保護者に監視させるような仕組みまで作るのか。
 罰則規定をしゃくし定規に当てはめるようでは、子どもとの対話も失われかねない。
(略)
 ルールを守らせるのに手がかりが欲しい。そんな声もあろう。だが、統一的な基準を作るにしても、あくまで教員間の指導の目安にとどめるべきではないか。困難であっても、子どもに直接向き合う先生がその子に合った対応を考える。それが教育だからだ。
 市教委は来年度の1学期から試行し、2学期から本格実施するという。現場の教員からは疑問の声や、撤回を求める動きもある。強く再考を求めたい。


私には、指導に基準(ルール)があるのが悪いとは思えません。むしろ、何の基準もなく、教師の裁量に任せる方が問題です。

私が経験した範囲内で言いますが、教員の中には、腹を立てて児童生徒に罰を与えている者がいました。叱っているのではなく、腹を立てているのです。

教師の指導に逸脱がないように枠をはめるのは賛成です。違反があったら保護者から直接通報させるのもよいことです。子供を“人質”にとられている学校には言いにくいことでも市教委には言えます。

社説の前提には、“教師性善説”とでも呼ぶべきものがあるようです。なぜ、そんなに教員を全面的に信頼できるのか不思議でなりません。

【朝日新聞】社説:「テロと日本 人道支援でこそ連帯を」

11月23日朝日新聞社説「テロと日本 人道支援でこそ連帯を」より

 過激派組織「イスラム国」(IS)の脅威にいかに向き合うか。世界が直面する喫緊の、そして最大の難問である。
(略)
 これまで日本は海外での武力行使に歯止めをかけてきた。その結果、中東などで根づく平和国家ブランドこそ、日本外交の貴重な資産である。
 米欧やロシアが空爆を強化しているが、中長期的にみれば、軍事だけで過激思想の温床はなくならない。憎悪の連鎖を招く副作用もある。軍事と非軍事の両輪が欠かせないのだ。
 安保法制が来春に施行されれば、自衛隊が中東などで、他国軍の後方支援に、より踏み込んで加わることが可能になる。しかし、それは日本の強みを失わせかねない。
 日本はむしろ、中東の人びとの暮らしの安定をはかる非軍事の人道支援の分野で独自の役割を果たしうる。そこに持てる力を注ぐことが重要だ。
(略)


この社説を私なりに要約すると、こういうことです。

"ISを封じ込めるには軍事と非軍事の両輪が必要である。軍事面は米欧露がやればいい。日本は非軍事をやる。なぜなら、日本の平和国家とうブランドを守りたいから。また、軍事は憎悪の連鎖を招く副作用もあるから(つまり、米欧露は報復されるかもしれないが、日本は報復されたら嫌だから)。"

どう考えても、自分勝手な意見です。

仮に、“米欧露も軍事行動はやめるべき。当然、日本もやってはいけない”という意見であれば、賛否はともかく身勝手だとは言いません。

しかし、軍事の必要性は認めながら、嫌われるのは(あるいは報復されるのは)嫌だから他の国がやれ、というのでは身勝手が過ぎます。

【時事問題】FBへのフランス国旗に賛否

フェイスブックのプロフィール写真にフランス国旗を重ねることへの賛否を問う論争が起きています。

朝日新聞の記事『(ニュースQ3)哀悼か仏政府支持か? FBのトリコロールに賛否』から引用します。

 FBの最高経営責任者マーク・ザッカーバーグ氏はテロ発生から約4時間後の14日朝、自身の写真に青、白、赤の仏国旗を重ねると、131万件の「いいね!」がついた。「パリ市民の安全と平和を願う写真を設定しよう」とのメッセージが現れ、世界に広まった。
 東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会も15日昼、FBの招致エンブレムを三色に染め、「いいね!」が3万件を超えた。著名人ではレディー・ガガさんや、「X JAPAN」のYOSHIKIさんらが同調した。
 「三色」が広まる一方で、ネット上では「レバノンでもテロが起きたのに、なぜフランス国旗だけなのか」「空爆や誤爆で亡くなる中東の人々をなぜ同様に悼まないのか」など批判が相次いだ。
 ブロガーのふじいりょうさん(39)も、同じような疑問を感じた。国旗を重ねることは、米国やロシアとともにシリアを空爆する仏政府を支持することの表明にならないか――。15日昼にヤフーニュースに「トリコロールにする前に考えたいこと」との記事を投稿すると、FBでの共有が10万件を超えた。
(略)
 国立情報学研究所の小林哲郎准教授(社会心理学)は「集会に行くなどの行動と比べ、ネットの普及でクリックするだけで政治に参加した気分になれるようになった。政治的なインパクトを持つ可能性は低いのでは」と指摘。ただ、「テロもイラクやシリアよりパリで起きた方が報道量が多くなり、人々の共感が先進国に向けられやすいことは知っておくべきだ」と話す。
 (佐藤恵子、歌野清一郎)


両者の言い分にそれぞれ納得してしまいます。テロの犠牲者を悼むのは尊い行いです。一方、パリのテロに騒いで、中東でのテロや内戦に無関心が薄いのは釈然としません。

自国と他国の事件であったら、自国に多くの関心が向くのは自然なことです。しかし、他国(フランス)と他国(中東諸国)に差があるのは確かに変です。

訪問した経験の有無や文化的な影響の大小など理由は考えられますが、その背景に、我々はフランスの方が中東諸国より「近い」と、感じていることがあるのではないでしょうか。

今回のテロリストを擁護するつもりは全くありません。しかし、先進国の市民のこのような意識が、テロを生み出す背景の一つになっているのかもしれません。

【時事問題】スポーツは健康にいいの?

ロシアが陸上競技で国ぐるみのドーピングを疑われています。運動能力を向上させるドーピングは、公正でなくなるために違反行為とされています。懸命に練習してきたのに、薬を飲んで能力向上させたライバルに負けるのは理不尽、という理屈は分かります。

それでは、ドーピングを解禁したらどうなるでしょうか?

薬を使いたい競技者は自由に使えるようにすれば、不公平ではありません。

しかし、ドーピング解禁案は採用されないでしょう。なぜなら不公平という前に、人体に良くないという認識があるからです。

競技人生中は能力向上したとしても、その後の健康に悪影響がある恐れがあるが故にドーピングは禁止されているのだと思います。

さて、11月22日朝日新聞朝刊に、『10代選手の無月経、危機感を 疲労骨折し競技断念の恐れ』という記事が載りました。記事によると、女子スポーツ選手の間で、摂取カロリーを消費カロリーが上回ることで無月経になり、さらに女性ホルモンの減少が疲労骨折、卵巣機能の低下が心配される例が増えているとのことです。

記事には女性スポーツ選手のことしか書いてありませんが、男性だって無理なトレーニングを続けていたら体に変調があってもおかしくないはずです。

短期的には運動能力が向上しても将来的に体に悪影響のある薬を禁止しておいて、過剰なトレーニングを黙認するというのは矛盾しているように思います。

牧歌的な“アマチュアスポーツの祭典”の時代は、スポーツは健康に良いと、みなが思っていたかもしれません。しかし、今や、(過剰な)スポーツは不健康、とみなすべきです。

【映画】メイズ・ランナー2 砂漠の迷宮

第一作の「メイズ・ランナー」は観ています。感想はここです。

前作はそこそこの出来でしたが、本作はひどいものでした。

新たなゲームに放り込まれるのかと思いきや、ひたすら敵から逃げるだけでした。

敵が具体的にどう悪いのかという描写がありません。人体実験めいたことをしていますが、“病気”のせいで世界の秩序が壊れた後の世界で治療薬(or予防薬)を作ろうとしてのことです。多少の行きすぎはやむを得ないと観客は思ってしまいます。実際、実験に使われた若者たちがどうなるのかははっきりしていません。なにか不穏な空気を感じて逃げ出しただけです。

逃げる先も、ほんとうに正義かどうか分かりません。単に主人公たちを捕まえていた集団と敵対している、という情報だけにすがっての逃亡です。

これでは命がけに逃げる意義を感じさせません。前作の目的が、迷宮からの脱出という観客に共感できるものであったのと比べて劣化しています。

ゾンビが徘徊する世界が砂漠化するというのも分かりません。映画「バイオハザート」シリーズのパクリかもしれませんが、普通に考えて人間の数が減れば(文明が崩壊すれば)動植物の天国になるはずです。核戦争後の未来であれば、環境が激変して砂漠化するというのも頷けますが、ゾンビで砂漠化は理屈に合っていません。

迷宮は実は複数存在していたとのことで、主人公グループとは別のグループも出てきました。しかし数年単位でしか攻略できないはずの迷宮を、わずか数日の差で別グループが突破してきたというのも偶然が過ぎます。

一番いけないのは、“病気”の治療薬(or予防薬)のために免疫のある若者を、迷宮に放り込む理由がないところです。迷宮を突破した若者だけを被験者にするなんて理屈に合いません。完結編でこの理由が示されなければ、シリーズは失敗だと思います。

今作は酷い出来でしたが、次で完結のはずなので、持ち直すことを期待して次作も観るかもしれません

【朝日新聞】中国人の傲慢な無知

11月19日朝日新聞朝刊オピニオン欄。先の中台首脳会談をうけての「耕論」のコーナー。北京連合大学台湾研究院政党政治研究所長・李振広氏の『「一つの中国」明確にした』より

首脳会談を中台のみならず近隣諸国にも有益であると評価しています。

終わりの部分を引用します。

(略)
 大陸は台湾統一を見すえていますが、タイムテーブルは台湾、特に民進党の出方しだいでしょう。個人的な見解ですが、台湾が海峡の平和を望むなら我々は辛抱強くその時を待てる。逆の動きをするなら、統一へのプロセスを急ぐことになるかもしれない。
 政治体制の違いは、統一の妨げにはなりません。「一国二制度」で、台湾の民主は保障されるのですから。大陸の制度にも欠点はあるかもしれないが、少なくとも人々を富ませ、国を強くするという意味で優れていることは実証済みです。一方で、台湾は経済では非常に苦しんでいる。制度の優越性は絶対ではないのです。
 ただ、昨年の統一地方選で国民党が惨敗した理由について、我々は明確な結論に達していません。大陸は台湾に多くを与え、経済を支えてきたのになぜ反発されるのか、理解に苦しむ部分がある。さらなる検討が必要です。(聞き手・林望)


統一へのプロセスを急ぐ」というのは、平たく言えば軍事侵攻するということでしょう。これはいつもの中国の発言なので、驚くには値しないかもしれません。

しかし、経済を支えてきたのになぜ台湾人に反発されているのかと、「理解に苦しむ」のは驚きです。一市民の発言ではありません。それなりの肩書きをもった先生が、なぜ台湾に警戒されているのか本当に分かっていないらしいです。

おそらく、中国国内の少数民族がなぜ中央に反発しているのかも、中国当局は理解できていないのだと思われます。

米国も他国民の心情に無頓着な部分は垣間見えますが、中国の場合は比較にならないくらいの傲慢な無知を感じます。

【NHK】『“家族”と認めてほしい 同性カップル承認の波紋』

NHK、クローズアップ現代。11月18日放送

東京都渋谷区で同性カップルを認定する「パートナーシップ証明書」が発行されるようになった。ただし、この証明書では、相続権であるとか税金の配偶者控除などは保障されない。

この証明書発効に関して、区内から反対意見が複数寄せられた。その主なものは、
-家族制度が崩壊する。
-少子化を助長する。
-婚姻を定めた憲法に「違反」している。

同性カップルでパートナーと死に別れた男性の体験が語られた。
・パートナーは同性愛であることを家族に打ち明けていなかったので、男性と家族が会ったのは、パートナーの死の数日前だった。
・臨終の際に立ち会うことを拒否された。死ぬことが分かっていたのに病室を後にせざるを得なかった。
・葬式には、「友人」という肩書きでなら参列していい、と言われた。しかし嘘はつきたくなかったので葬式に出(られ)なかった。
・遺産相続はできなかった。

東京都世田谷区でも、住民の声を受け、渋谷区と同様の制度をはじめた。

世田谷区議上川あや氏の話。

これ(この制度)は承認することだけで何の権利もないっていう方は多いと思う。
確かにその通り。
でも正面から肯定することさえしなかった行政が同性を愛するということを肯定して、そこにいる人達の存在を無にしない、認める。
そこからいろんなことが実際に始まるはずと私は思っている。


同性カップルが現在直面している具体的な不利益として次のものがあげられた。
-不動産契約を断られた
-診察での同席拒否
-生命保険の受取人になれない
-遺産を引き継げない

パートナーシップ証明書で、不動産契約や診察の同席などが認められるよう期待されている。生命保険については認める事業者がでてきている。

■感想
渋谷区と世田谷区の対応には賛成です。ほかの自治体もみならうべきです。

渋谷区に寄せられた反対理由に反論します。

まず、家族制度の崩壊というのは大げさです。もともと同性カップルはそこに存在していたのですから、それを行政が認めたことで今の家族制度がひっくり返るわけではありません。

これは憲法違反との指摘とも関係しているでしょう。確かに、憲法は“婚姻は、両性の合意”とあるので同性婚まで認めていないように(実際は想定していなかっただけかと)思います。しかし、今回の制度は病室への立ち入りや部屋の賃貸などでの不利益を解消するためのものです。もしかしたら起案者は同性婚をにらんでいるのかもしれませんが、この段階で反対する理由は見当たりません。同性婚が発議された際に議論をすればよいことです。

安保法制をみて徴兵制の心配をしている構図と同じだと思います。心配が妄想レベルです。

少子化に逆行しているというのもうなずけません。子供を持ちたくても持てない人を支えるのが少子化対策です。結婚したくない、子供は欲しくない、といっている人に生き方を強要するべきではありません。

上川議員の発言には同意できます。いままでまったく意識されていなかった同性カップルについて、存在を認めたというのは大きいと思います。

上川議員の発言を聞くと、際限のない権利拡大要求を連想して拒絶的になる人もいるかと思います。しかし、それは具体論をみて、認めるべきものは認めていけばいいだけのことです。

葬式に出られたなった件ですが、「友人」として出席することを、嘘をつくことになる、と拒否したのは、やや納得できません。それは嘘ではなく方便ではないでしょうか。家族の対応に不満があったのは想像できます。しかし、希望をすべて呑ませるか、すべて拒否されるか、という二者択一ではなく、妥協することを考えて欲しかったです。不自然なまでの潔癖さを感じます。

保険金の受取りは犯罪に悪用されるおそれがありますので、慎重な制度設計が必要だと考えます。

遺産相続については、相続税に詳しいわけではありませんが、遺書を残すことで相続させられるのではなかったかと思います。遺言ではカバーできない不都合があるのでしょうか?

【朝日新聞】「保守・右派誌の広告は語る」

11月17日朝日新聞朝刊。『保守・右派誌の広告は語る 「嫌韓嫌中」「愛国」…新聞広告の論調、20年分析』より

 新聞に掲載される保守・右派論壇誌の広告では「嫌韓嫌中」や「愛国」を強く打ち出す見出しが目に付く。そうした広告の変遷をたどり分析した『憎悪の広告』(合同出版)が刊行された。新聞広告は数百万単位の人の目に触れ、より影響力が大きいと考えたからだという。
 分析したのは、『神国日本のトンデモ決戦生活』(ちくま文庫)などの著書がある編集者で作家の早川タダノリさんと、歴史修正主義と保守の関係の研究などで知られる哲学者の能川元一さん。1994年から昨年までを対象にした。中国や韓国への論調の激しさを見て「いつから始まったのか」と不思議に思ったのがきっかけだったという。
 全国紙に掲載された『SAPIO』(小学館)、『諸君!』(文芸春秋、2009年に休刊)、『正論』(産経新聞社)の広告を網羅的に調べた結果、「中韓、愛国など扱うメインテーマに大きな変化はないが、表現が少しずつ激しくなっていることに気づいた」と早川さんは言う。
(略)
 新聞にこうした広告が掲載される影響はあるのか。各誌の発行部数はおおむね数万部から十数万部だが、新聞広告は数百万単位の人の目に触れる。「雑誌を読まなくても、広告を見ている人は多い。新聞に載っていれば『ためらわずに使っていい言葉』と思われ、サラリーマンが居酒屋談議をする時のボキャブラリーになる。広告の影響力は大きい」と能川さんは言う。
 メディア史が専門の佐藤卓己・京都大学教授は、だが、こうした広告には価値があるという。「清水幾太郎は、違和感がある本をわざわざ探し出して読む作業を続けられる人間をインテリと呼んだ。知的な読書とは、自分の考えと異なる他者の存在を知り、自分を動揺させるような経験をすること。読者が自分や新聞の論調とは全く異なる指向の広告を新聞で目にするとすれば、それ自体十分に意味がある」と話す。(守真弓)


新聞に載った雑誌広告の記事見出しを分析するという試みです。記事の中身ではなく見出しを評価するという着眼点が素晴らしいです。

私も新聞広告の雑誌の見出しは一通り目を通しています。多くの新聞読者が同じことをしているのではないかと思います。実際に記事を読む人はその中の一部ですので、見出しの影響は大きいかもしれません。

しかしながら、それを中国と韓国の二国への言葉だけを取り上げるというのに政治臭があります。米国やロシアへも否定的な記事見出しはあったはずです。居酒屋談義のボキャブラリーへの影響を心配するのであれば、対象が外国だけとは限りません。政治家・芸能人・企業人・スポーツ選手などへの悪態も取り上げる必要があったはずです。

中韓への「ヘイトスピーチ」だけを問題にするあたりに違和感があります。

また、佐藤卓己教授は広告の記事を読むだけで「自分の考えと異なる他者の存在を知り、自分を動揺させるような経験」ができるかのように言っていますが、やはり見出しだけでは駄目で、きちんと中身を読まなければ「自分を動揺させるような経験」にはならないんじゃないか、と思います。

【朝日新聞】インタビュー:田園回帰1%戦略

11月17日朝日新聞朝刊のオピニオン欄。島根県中山間地域研究センター・研究統括監、島根県立大学連携大学院教授の藤山浩氏へのインタビュー。

 どうすれば急激な人口減少に歯止めをかけ、地方は消滅を避けられるのか。地方創生の大きなテーマだが、なかなか処方箋は見つからない。ところが、「地方再生の決定版」と最近、評判になっている本があるという。その名も「田園回帰1%戦略」。どんな策なのか。島根県で長年、過疎と向き合ってきた著者にきいた。
 ――今年6月に出された本が自治体やまちづくり関係者の間で評判になっています。「里山資本主義」の著書もある日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介さんも書評の中で「地域再生の分野の書籍の、決定版の中の決定版だ」と絶賛しています。「1%戦略」とは何ですか。
 「毎年、人口の1%にあたる定住者を増やす。例えば人口5千人の村なら、毎年50人の移住者を受け入れることで人口減に歯止めがかかり始め、30年後の時点では総人口と14歳以下の子どもの数は、いずれも少なくとも現在の9割以上を保つことができ、高齢化率も現在より低くなります。だから毎年1%分の人口を取り戻しませんかという戦略です」
(略)
 ――移住者の所得はどう生み出すのですか。
 「毎年、地域人口の1%が新たに定住するためには、地域全体の所得を1%増やせばいいことになります。その分、地域で回る金を増やす必要がありますが、これまで自治体はあまりに『外貨獲得』に重きを置いてきました。御三家が、大工場誘致、観光客誘致、特産品開発です。これを否定はしませんが、こればかりを狙って三振を繰り返してきたのが多くの地方の歴史ではないでしょうか」
 ――では、どうすれば。
 「例えば島根県のある地方都市圏では、住民の総年間所得額1556億円にほぼ匹敵する1420億円のモノやサービスが域外から調達されています。少々、観光や特産品で外貨を稼いだとしても、稼いだ先から域外にお金が流出している。だったら域外から購入していた金額の1%分のモノやサービスを域内で調達すればいいのです」
 ――地域で回るお金が増えるという意味では、総所得の1%分の外貨を稼ぐのと同じ効果があるということですか。
 「そうです。これなら三振はありませんし、どんな地域でもチャレンジできます。5年前に訪ねたイタリアの山村では驚くほど多様な生業が息づいていました。パスタ職人、ワイナリー、建具屋さん、薪屋さん。衣食住やエネルギー一式が地元でそろい、地域の経済を回している。そこまで行かなくても、毎年ほんの一部を地元に取り戻せばいいのです」
(略)


毎年1%の移住者があると地域の人口が維持されるという戦略だそうです。逆に流出者もでるので、どういう計算で1%なのか、詳細は不明です。

やはり気になるのは、移住者は何をして稼ぐのか、です。藤山氏の答えは、「域外」からの購入の1%を「域内」に回せばいい、というものです。

具体的に何をして稼ぐのか回答していませんが、挙げられているイタリアの山村の例からいってなにかの職人になれ、と言っているようです。

一年だけなら「域外」の購入を「域内」に振替えることもできなくはないでしょうが、移住者は毎年来る計画ですので、振替えする額は毎年増やす必要があるはずです。

うまくいけば結構なことですが、なんだか現実味に欠ける気がします。

【NHK】NHKスペシャル「シリーズ認知症革命 第一回」

NHK 11月14日

これまで治療も予防も不可能とされてきた認知症に、予防方法にあらたな発見がされています。

認知症になる前の段階をMCIと呼び、これは年齢相応以上の物忘れをする状態です。MCIの診断は難しいのですが、一つの指針として、特に足腰が悪いわけでもないのに、歩く速度が遅い(青信号を渡りきれないくらいの速度)と、MCIの可能性があります。

また、次の項目の3つ以上に当てはまる場合は、専門医に相談すべきです。
-外出するのが面倒
-外出時に服装に気をつかわなくなった
-同じことを何回も話すことが増えたと言われる
-小銭の計算が面倒。お札で払うようになった
-手の込んだ料理を作らなくなった
-味付けが変わったといわれる
-車をこするようになった

MCIでも適切の予防をすれば、認知症にならない、あるいは回復させることも可能

予防方法は、一回一時間の早歩きを、週3回行う。

あるいは、「30分の有酸素運動を週3回」+「軽い筋トレ」+「野菜や魚を積極的にとる」+「10分の記憶トレーニングを週3回」+「血圧管理」(フィンランドでの研究)

■感想
寝たきりになるのも困りますが、認知症になるのも困ります。ぽっくり死ねるのが理想ですが、さりとて早死にしたいわけではありません。

とにかく、寝たきりにもならず、認知症にもならないように気をつかうしかありません。

MCIの判断項目も研究途上のせいかこなれていません。料理関係の検査は料理をしていない人は引っかかりようもありません。運転しなければ、車でこすることもありません。外出するのが面倒だったり、服装に気を使わなかったりというのは、もともとの性格にも依存します。

予防方法のメニューが色々出ているのは、複数の研究機関の成果をそれぞれ発表しているためです。共通しているのは積極的に体を動かすことのようです。これは寝たきりの予防にもなるので、一石二鳥だと思いました。

※シリーズ第2回は、認知症の人にも実は豊かな感情が残っていて、周囲が上手に接することの大切さを伝えていました。

【朝日新聞】「鎖国ではテロはなくならない」

11月15日朝日新聞朝刊。パリの同時多発テロをうけて、梅原季哉ヨーロッパ総局長の「鎖国ではテロはなくならない」です。

(略)
 欧州はいま、内戦下のシリアなどを逃れて安住の地を求める人々が国境を越え押し寄せる、難民危機に直面している。今回のテロ直後にオランド仏大統領が国境管理強化の措置を発表したことで、難民危機のことを想起し、「外敵」を入れない考えを読み取る向きもあるかもしれない。
 だが(略)テロが国境を越えた脅威となるのは、その思想や手法が容易にソーシャルメディアなどを通じて拡散するからで、国境を閉じる「鎖国」はテロを封じ込めるには有効ではない。この事件を機に、欧州に吹きすさぶ排外主義の風潮が強まるようなことになれば、それこそ欧州社会への憎悪を扇動したい者たちの思うつぼだ。
 都市生活そのものを脅かすテロを目の当たりにして、欧州の人々が肌身で感じる不安は広がるだろう。
 だが、欧州統合の礎石になってきた「人の移動の自由」という原則を、テロの脅威に対抗する名目でかなぐり捨てたり、法の支配が及ばない形で、「戦時」並みに市民の自由や権利を極度に制限したりすることは、はたして効果的だろうか。
 オランド氏は、テロは過激派組織「イスラム国」(IS)の犯行との見方を示し、「我々は戦争に直面している」と強調した。しかし、冷静に考えれば、ISの広告塔となり、日本人惨殺などにも関わった英国籍の男とみられる人物を米軍が無人機で殺害したという「戦果」の矢先に、再度のテロが起きているのだ。戦争の論理をかざすだけでは、市民の安全を確保できる保証はない。


排外主義の風潮が吹き荒れるのがテロリストの思うつぼ、というのは納得しかねます。

犯行声明をみても、テロリストはシリア空爆の報復でテロを起こしています。したがって、テロリストはフランスがシリアから手を引くことを望んでいます。ISとの戦いから手を引いたらテロリストの思う壺だ、という意見なら分かります。しかし、テロリストがフランスの排外主義の伸長を狙っていた、というのはひどく考えにくいです。

戦争の論理をかざすだけでは市民の安全を確保できない、というのは分かります。しかし、なにをしても、テロなり犯罪を100%防ぐことは不可能です。どういう方法ならそのパーセンテージを減らせるか、という議論が大事です。テロを根絶できない対策なら意味がない、ということはありません。減らせればいいのです。今後移民の流入には慎重になる(鎖国?)というのは、決して間違った判断だとは思いません。

また、ISからすればフランスよりアメリカの方が憎いはずです。にも関わらずニューヨークやロサンゼルスでなく、パリが襲われたというのは、フランスの治安維持能力がアメリカよりも脆弱だからだと思います。

【時事問題】パリ同時多発テロ

パリの複数個所で起きた同時多発テロで分かっているだけで120人もの犠牲者がでました。

パリの新聞社が襲撃されたのは今年の1月です。この新聞社の場合はイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を載せるなど、良し悪しは別として、襲撃の理由は明白でした。しかし今回の事件は漠然と一般市民を狙ったもののようです。こんなぼやっとした動機で人殺しができる人間が、少なからずいたことに慄然とします。

それにしても、1月にテロ事件があったパリで再度このような事件を許したということは、フランスの警察の治安維持能力よりも、テログループの実行力が上回っていたとみなさざるを得ません。警察はそれなりに頑張っていたのかもしれませんが、結果で判断すれば、そう言うしかありません。将来起きるかもしれないテロも防ぎきれないでしょう。

今後、欧米では、イスラムに対する警戒感が増していき、シリア難民受け入れに影響を与えるような気がします。

【朝日新聞】中国といえば三国志ですか?

11月13日朝日新聞朝刊のオピニオン欄。「社説余滴」のコーナー。国際社説担当村上太輝夫氏の「中台の背後に透ける三国志」は、先の中台首脳会談を論じています。

 中国共産党政権の習近平(シーチンピン)国家主席と台湾・国民党政権の馬英九(マーインチウ)総統が握手を交わした11月7日は、ロシア革命記念日だった。
(略)
 以上、全くの私見だが、習氏はありうべき次の首脳会談に備えて馬氏に露払いをさせた、というのが結論だ。
 「分かれて久しければ必ず合一し、合一して久しければ必ず分かれる」。三国志演義の冒頭に記す歴史法則が頭をよぎる。
 (むらかみたきお 国際社説担当)


省略した部分は、村上氏の分析で、大陸側がしたたかな外交戦略をもっていて今回の中台首脳会談はその一貫である、というものです。

そういう見方もできるのかな、というくらいの感想で、なるほどと首肯するわけでも、反論があるわけでもありません。

興味をひかれたのは、最後に三国志演義を持ってきたことです。

冷静に考えれば、現代の中台問題と三国志は関係ありません。地理的関係も両者は異なります。それでも、中国といえば三国志を連想してしまうところに笑えました。

私の職場に中国人女性がいます。日本の大学に通って、そのまま日本で就職しました。その人の大学時代のある体験談を聞いたことがあります。

その中国人の同級生の男(日本人)に三国志の大ファンがいて、一生懸命三国志の話を振ってきました。ところがその中国人はまったく三国志に関心がないため、頓珍漢な受け答えを続けてしまったところ、最後には同級生に怒られたそうです。中国人なのに、三国志に無関心なところが許せなかったのでしょうか

村上氏の社説余滴をよんで、そのエピソードを思い出しました。

【朝日新聞】投書欄「どう思いますか」:“電車で妊婦への冷たさを知る”

11月11日朝日新聞朝刊の投書欄。毎週掲載の、一つの投書に対する反響の投書を載せる「どう思いますか」のコーナー。今週は、東京都の主婦(59)の投書が元です。

 娘が妊娠しました。電車通勤のためマタニティーマークをつけるように言いましたが、つけようとしません。マークをつけていると嫌がらせを受ける恐れがあり、かえって危険だというのです。
 ある平日の夕方、娘と2人で地下鉄に乗りました。その日はマークをつけさせました。
 混雑していて娘は気分が悪くなり、ドアに寄りかかっていました。私は優先席の方に行くように言いましたが「どうせ譲ってくれないよ」と言って動きません。次の駅で、赤ちゃんを抱っこした若いママが乗ってきて優先席の前に立ちました。誰も譲りません。信じられない気持ちでした。
 安心してつけられないマークって何? 優先席って何? 娘の青い顔を見ながら暗い気持ちで帰宅しました。
 (10月6日付掲載の投稿〈要旨〉)


今週のテーマは、意見が割れて白熱することはありません。譲らない方が悪い、の一言につきます。

私は、会社への通勤は輪行(電車に自転車を持ち込むこと)で、荷物が大きいので、長椅子の端が空いていない限り座ることはありません。私用で電車を使う時は、目の前に老人や妊婦がいれば譲るようにはしています。

東京都の医師(55)の次の意見には深く共感します。

通勤電車でのこと。私の前に立った女性が妊婦らしいと気づいた。席を譲らなければと腰を浮かせたが、だが、待てよ。もし妊娠していなければ決まりが悪い。果たして赤ちゃんがいるのだろうかと目をこらすが、あいにくと目からはX線も超音波も出ない。
 子細に観察すると、女性のバッグにマタニティーマークが隠れているのを発見した。無事に席を譲ることが出来た。


これは、真面目に共感します。妊婦と思って席を譲って間違っていたら大変です。老人やけが人だったら、遠慮されても気にしなければいいだけですが、うっかり太めの女性を妊婦扱いしたら失礼ですし、謝ることすらはばかられます。マタニティーマークは重要です。マタニティーマークをつけていないと怖くて席を譲れません。

元投書にも反響にも、マタニティーマークがあっても席を譲ってもらえなかったという経験が数多く寄せられています。内閣府の調査では、男性の6割がマタニティーマークの存在を知らないそうです。

言われてみれば、私もどこでマタニティーマークを知ったのかとんと覚えがありません。

【世論調査】朝日新聞〈11月7・8日〉

11月11日朝日新聞朝刊に世論調査の結果が発表されました。

(数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。◆は全員への質問。◇は枝分かれ質問で該当する回答者の中での比率。〈 〉内の数字は全体に対する比率。丸カッコ内の数字は、10月17、18日の調査結果)

◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
 支持する40(41)
 支持しない41(40)

◇それはどうしてですか。(選択肢から一つ選ぶ。左は「支持する」40%、右は「支持しない」41%の理由)
 首相が安倍さん12〈5〉 7〈3〉
 自民党中心の内閣21〈8〉 22〈9〉
 政策の面43〈17〉 61〈25〉
 なんとなく21〈9〉 7〈3〉

◇(「支持する」と答えた40%の人に)これからも安倍内閣への支持を続けると思いますか。安倍内閣への支持を続けるとは限らないと思いますか。
 これからも安倍内閣への支持を続ける45〈18〉
 安倍内閣への支持を続けるとは限らない50〈20〉

◇(「支持しない」と答えた41%の人に)これからも安倍内閣を支持しないと思いますか。安倍内閣を支持するかもしれないと思いますか。
 これからも安倍内閣を支持しない55〈22〉
 安倍内閣を支持するかもしれない40〈16〉

◆今、どの政党を支持していますか。政党名でお答えください。
自民34(35)
民主7(8)
公明4(3)
共産3(4)
維新1(2)
おおさか維新2(―)
社民0(0)
生活0(0)
元気0(0)
次世代0(0)
改革0(0)
その他の政党1(1)
支持政党なし41(38)
答えない・分からない7(9)

◆野党は秋の臨時国会を開くよう求めていますが、安倍政権は、年内は臨時国会を開かず、年明けの通常国会で対応する方針です。安倍政権のこうした対応を、評価しますか。評価しませんか。
 評価する25
 評価しない49

◆今月、3年半ぶりに日韓首脳会談が開かれ、安倍首相と韓国の朴槿恵(パククネ)大統領が会談しました。日韓首脳会談が開かれたことを、評価しますか。評価しませんか。
 評価する75
 評価しない12

◆日韓首脳会談では、慰安婦問題の早期妥結をめざすことで一致しました。このことを評価しますか。評価しませんか。
 評価する56
 評価しない24

◆韓国との関係改善について、安倍首相に期待できると思いますか。期待できないと思いますか。
 期待できる36
 期待できない42

◆2017年4月に消費税を10%に引き上げることに、賛成ですか。反対ですか。
 賛成31
 反対60

◆消費税を引き上げるときに、食料品など生活必需品の税率を低くおさえる軽減税率を導入することに賛成ですか。反対ですか。
 賛成72
 反対18

◆沖縄の米軍基地問題についてうかがいます。普天間飛行場を名護市辺野古に移設するため、安倍政権は辺野古沿岸部で埋め立ての本体工事を始めました。安倍政権が、埋め立て工事を始めたことを評価しますか。評価しませんか。
 評価する33
 評価しない49

◆沖縄県の翁長知事は、名護市辺野古に基地をつくることに反対し、辺野古沿岸部の埋め立てを認めていません。翁長知事の、こうした姿勢を評価しますか。評価しませんか。
 評価する53
 評価しない30

◆夫婦別姓についてうかがいます。法律を改正して、夫婦が、同じ名字でも、別々の名字でも、自由に選べるようにすることに賛成ですか。反対ですか。
 賛成52
 反対34

◆夫婦別姓を選べるようになると、家族の結びつきが弱まるという意見があります。その通りだと思いますか。そうは思いませんか。
 その通りだ35
 そうは思わない57

◆仮に、いまから夫婦別姓を選べるとしたら、どちらを選びたいと思いますか。夫婦で同じ名字ですか。夫婦で別々の名字ですか。
 夫婦で同じ名字78
 夫婦で別々の名字11

     ◇

 〈調査方法〉 7、8の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、全国の有権者を対象に調査した(福島県の一部を除く)。世帯用と判明した番号は3787件、有効回答は1849人。回答率49%。


この調査が私のところに来たと仮定して回答してみます。ところどころにチャチャも入れます。

>◆安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
支持します。

>◇それはどうしてですか。
首相が安倍さんだからです。

>◇(「支持する」と答えた40%の人に)これからも安倍内閣への支持を続けると思いますか。安倍内閣への支持を続けるとは限らないと思いますか。
支持し続けるとは限りません。

>◆今、どの政党を支持していますか。政党名でお答えください。
支持政党はありません。
民主党は相変わらず低支持率ですね。応援しているわけではありませんが、野党第一党に元気がないのは日本の不幸だと思います。

>◆野党は秋の臨時国会を開くよう求めていますが、安倍政権は、年内は臨時国会を開かず、年明けの通常国会で対応する方針です。安倍政権のこうした対応を、評価しますか。評価しませんか。
評価しません。よくないです。憲法の規定がある以上、できるだけすみやかに国会を開くべきです。
安保法案については、憲法は棚上げしても、国家の安全のためですので支持できましたが、これについては賛成できません。

>◆今月、3年半ぶりに日韓首脳会談が開かれ、安倍首相と韓国の朴槿恵(パククネ)大統領が会談しました。日韓首脳会談が開かれたことを、評価しますか。評価しませんか。
日本は、“対話のドアは常にオープン”と言いつづけていたのですから、韓国が折れた以上、会談を開くのは当然です。特に、素晴らしいとも思いませんし、会談すべきでないとも思いません。どちらでもありません。

>◆日韓首脳会談では、慰安婦問題の早期妥結をめざすことで一致しました。このことを評価しますか。評価しませんか。
「早期妥結」の中身が分からないので、評価するともしないとも言えません。おそらく日本の思い描く「早期妥結」と韓国の望む「早期妥結」は別の内容だと思います。日韓はこの問題でさらに険悪になるのではないでしょうか。

>◆韓国との関係改善について、安倍首相に期待できると思いますか。期待できないと思いますか。
できません。そもそも必要だとも思っていません。

>◆2017年4月に消費税を10%に引き上げることに、賛成ですか。反対ですか。
経済のことはよくわかりませんが、個人的には反対です。引き上げをしないと日本経済がどうなってしまうのかは想像できませんが。

>◆消費税を引き上げるときに、食料品など生活必需品の税率を低くおさえる軽減税率を導入することに賛成ですか。反対ですか。
賛成です。

>◆沖縄の米軍基地問題についてうかがいます。普天間飛行場を名護市辺野古に移設するため、安倍政権は辺野古沿岸部で埋め立ての本体工事を始めました。安倍政権が、埋め立て工事を始めたことを評価しますか。評価しませんか。
やむを得ない判断だったのだと思います。沖縄の人には心苦しいのですが、評価します。

>◆沖縄県の翁長知事は、名護市辺野古に基地をつくることに反対し、辺野古沿岸部の埋め立てを認めていません。翁長知事の、こうした姿勢を評価しますか。評価しませんか。
残念だと思います。まるで上からものを言うように「評価しない」とは言いたくありません。ただ、残念です。

>◆夫婦別姓についてうかがいます。法律を改正して、夫婦が、同じ名字でも、別々の名字でも、自由に選べるようにすることに賛成ですか。反対ですか。
賛成です。

>◆夫婦別姓を選べるようになると、家族の結びつきが弱まるという意見があります。その通りだと思いますか。そうは思いませんか。
そうは思いません。習慣の問題だと思います。制度ができれば、やがてそれに慣れるでしょう。

>◆仮に、いまから夫婦別姓を選べるとしたら、どちらを選びたいと思いますか。夫婦で同じ名字ですか。夫婦で別々の名字ですか。
夫婦別姓法が成立すれば、これから結婚する人たちには選択肢の提示ですが、既婚者たちにとっては夫婦不和のもとになるかもしれませんね。片方だけが別姓にしたい(元の姓に戻したい)と言い出したら、どうなるのでしょう?

【朝日新聞】ポピュリズムの欧州

11月10日朝日新聞朝刊。「ポピュリズムの欧州」という企画が始まりました。今日は、ギリシアのチプラス首相が取り上げられています。

ポピュリズムとは何かという定義が示されていました。引用します。

 ポピュリズム(populism)とは一般的に、「エリート」と対立する集団として「大衆」を位置づけ、大衆の権利こそが尊重されるべきだとする政治思想をいう。ラテン語のポプルス(populus)=「民」が語源で、日本語では大衆主義、人民主義と訳されることもある。
 このような考えを掲げる政治家は、ポピュリストと呼ばれる。既存の政治システムへの不信感を原動力としており、保守(右派)、革新(左派)いずれの政治潮流にも存在するとされる。
 ポピュリズムはしばしば、「大衆迎合」「大衆扇動」といった意味でも使われる。だが、有権者の関心に応じて主張を変えたり、大衆の危機感をあおったりする政治手法は、ポピュリストとみなされない政治家も用いるものだ。
 欧州などで台頭しているポピュリズムの最大の特徴は、「大衆」を善良な集団とし、腐敗した悪いエリートから受ける不利益に立ち向かう集団として強調する点だ。複数の集団による、互いに絡み合う利害の調整は「汚い」と排除する。
 また、「大衆」を一枚岩ととらえるため、その中の少数派の意見は尊重されなくなる傾向が強い。


なんだかよく分からない定義です。自由選挙をしていれば政治家は程度の違いはあっても大衆に支持される必要があります。

特に、なにかに挑戦する政治家はどうしてもポピュリズム的傾向からは逃れられません。自分の支持基盤を「善良の集団」とし、倒すべきものを「悪」と認定するのも、自然です。

日本で言えば、小泉元総理も、民主党も、石原新太郎元東京都知事も、橋下大阪市長も、政敵からはポピュリスト呼ばわりされていました。公明党も日本共産党も、言われていないかもしれませんが、ポピュリストの定義に当てはまってしまいます。つまり、たいてい政治家・政治集団はポピュリストといえます。

さて、この特集では、反EUや反移民を訴える政治家がポピュリストとして取り上げられるようです。なんでこれらの政策がポピュリズムで、親EUや移民歓迎がポピュリズムでないのかという疑問はありますが、現在の欧州の政治状況のレポートとしては興味深く、楽しみな企画ではあります。

【展覧会】風景画の誕生

於:Bunkamuraザ・ミュージアム

ウィーン美術史美術館所蔵作品の中から、西洋で風景画が発展がわかるような作品を集めています。

窓の中に書かれた風景にはじまり、聖書・神話の舞台としての風景、さらには人物を小さく描いて風景を際立たせるパノラマ画などが見られます。

目玉は、月暦画とよばれる月ごとの農村風景を描いた一連の作品です。

落ち着いた主題の作品が多く、ゆったりとした気分で鑑賞できました。

12月7日までです。

【NHK】特報首都圏:「過剰反応社会 どこまで配慮しますか」

11月6日、NHK、19:30~20:00

近年、一般から苦情が押し寄せることが多発しています。この「過剰反応社会」についてコラムニストの小田島隆さん、心理学者の榎本博明さんとともに考えます。

紹介された事例は
・ジャポニカ学習帖が「昆虫が苦手」との意見をいれて昆虫の写真をやめた件
・ブランド米のイメージガール募集広告に「色白でスタイルの良い方を募集」と描いたら苦情が殺到した件
・生まれた猿に英王女と同じシャーロットと名付けた件
・ビールのコマーシャルで「ゴクゴク」という音が依存症患者に配慮が足りないとの指摘を受けて自主規制になった件
・書店のフェアが、政権批判との指摘を受けで取りやめになった件
・学校現場での、いわゆるモンスターピアレンツの件

榎本「衝動がむき出しの社会になった。クレーマーは万能感を持っている」
小田島「苦情のチェンネルが増えて、ハードルが下がったのが要因」
榎本「組織としてはクレームに過剰な対応はしない。一般人は物事を多面的に見て決めつけを排するように努めるべき」
小田島「勇気と団結が必要。クレームに対しては担当者一人に任せない(団結すべき)。当事者には謝っても、世間には謝るな」

■感想
番組では、一般の声を「過剰反応」と名付けて否定的にみていました。確かに、クレームには行き過ぎたものもあるかもしれません。しかし、一つ一つの問題は原因が別ですので、ひとくくりに「過剰反応」と言ってしまっていいのか、という気もします。

ジャポニカ学習帖については、文房具会社の取りやめという対応は間違いとは言い切れません。会社はノートをたくさん売って、株主に配当をし、社員に給料を払う責任があります。売れなくなる要素があるとすれば、対応するのは当然です。小学生の虫好き文化を育むのが会社の目的ではありません。むしろ、昆虫写真をやめたことを批判している方が「過剰反応」のように思います。

猿のシャーロットについては、英国がどういう反応をするか多くの日本人には理解できるわけもないので、必ずしも「過剰反応」とは言い切れなかったかと思います。この件については、ここに書きました。

ビールの「ゴクゴク」を批判するのは行きすぎだと思います。依存症への配慮をしていたら、最後はビール会社は廃業すべきということになってしまいます。

書店のフェアに文句をいうのは「過剰反応」です。この件については、ここに書きました。

モンスターピアレンツの件は、個々の事柄を見ないと判断できません。変な親もいるのでしょうが、先生が常に正しいわけでもありません。

【朝日新聞】韓国は地政学上重要なの?

11月6日朝日新聞朝刊のオピニオン欄。外交評論家の岡本行夫氏が先の日韓首脳会談を受けて、慰安婦問題の解決について語っています。

 地政学上、協力が不可欠な重要な隣国と長いあいだ首脳会談ができず、その間に両国民が相手をどんどん嫌いになっていくという状況は危機的でした。3年半ぶりに、ともかく日韓の首脳が一対一の会談をし、日韓関係は何とか最低ラインで踏みとどまれたと思います。
 会談のポイントは、慰安婦問題を日韓関係の悪化から切り離すことでした。その意味で、両首脳が「早期妥結をめざして交渉を加速させる」と合意したことは評価できる。懸案を冷静に話せず、すべてが対立的になる悪循環から脱する糸口を作れたからです。
 私は、問題をより難しくしたのは「加害者と被害者という歴史的立場は千年の歴史が流れても変わりようがない」との演説に象徴される、朴槿恵大統領の硬い態度だったと思う。本来、国のトップは自分の感情は胸にしまい、もっと大切な外交的利益や国益に国民感情を誘導すべきなのに、朴大統領の態度はその逆でした。
 ただ、日本の一部の政治家の間にある「慰安婦制度は当時としては仕方なかった」「ほかの国もやっていた」という議論は、人権感覚の研ぎ澄まされた国際世論には通用しません。専ら征服した土地の女性を性奴隷にしたというような誤った認識は変えていくべきですが、謝った後は、日本は「心から同情する」と言い続けるほかないのです。
(略)
 (聞き手・武田肇)


地政学上、協力が不可欠な重要な隣国と長いあいだ首脳会談ができず」とありますが、地政学のどこをどう応用して考えると、日本にとって韓国との協力が不可欠なのか、説明がありません。これは単に、“隣の国だから仲良くしましょう”というやつをインテリっぽく言ってみただけのように見えます。

人権感覚の研ぎ澄まされた国際世論には通用しません」というのも謎です。国際世論の人権感覚が本当に研ぎ澄まされているなら、「ほかの国もやっていた」という告発を放置しないはずです。

識者のこういう意見を読むにつれ、日韓の溝は埋まらないな、といよいよ思います。

【朝日新聞】管理職の自殺リスクは高いのか?

11月5日朝日新聞朝刊。「管理職の男性、自殺リスクが高い? 5千人を分析」より

 男性では経営者らの管理職がほかの職業に比べ、自殺するリスクが高い可能性があるとする論文を、国立国際医療研究センターの和田耕治医師(公衆衛生学)らが精神医学の国際誌に発表した。欧米では管理職の人はリスクが低いと指摘されており、日本では異なる傾向がみられたという。
 人口動態統計と国勢調査のデータをもとに、2010年に自殺した25~59歳の日本人男性約5千人について分析した。国勢調査で分類された11種類の職業別に自殺者の割合をみると、商品販売などに従事する販売業が10万人当たりで14・7人と低かった。
 統計学的な調整を加えて自殺リスクを計算し、販売業を基準に比較すると、経営者や会社役員などの管理職は3・9倍で、最も高かった。次いで接客などのサービス業が3・6倍、農林漁業は3・5倍だった。無職の人は除いた。女性は調べていない。
 和田さんは「管理職の自殺リスクが高い理由は明確にはわからないが、景気低迷による事業の失敗や、強いストレスなどが関係している可能性がある。リスクが高かった職業については、相談体制を充実させるなど対策をとっていく必要がある」と話す。(武田耕太)


職業別に自殺リスクを調査するというのは内閣府も発表していますが、こちらの調査はさらに細かく職業を分けて調べています。おそらく仕事と自殺の関係を分析しようという意図だと思います。
内閣府の発表

ただ、自殺の原因で最多なのは健康問題です。職業と関係ありそうなのは経済・生活問題と勤務問題です。自殺原因を調査で考慮しているのか気になります。
内閣府の発表

また、自殺率のもっとも多い無職者を除くべきではありません。想像ですが職を失ったショックで自殺した人は相当数いると思います。

また、女性を調べない、というのは腑に落ちません。内閣府の発表をみると、自殺者の男女比はだいたい2対1です。たしかに女性自殺者は男にくらべて少ないですが、無視できるほど少なくはありません。
内閣府の発表

日本の管理職の自殺リスクが欧米よりも高いのは、おそらく“名ばかり管理職”が理由です。25歳の店長が本社に追いつめられて自殺したとして、それを管理職というくくりに入れるのは実態をあらわしません。たとえば40歳以上に限定して比較すべきです。

【朝日新聞】投書欄「どう思いますか」:“護憲派へ、自衛隊は違憲でしょ?”

11月4日朝日新聞朝刊の投書欄。毎週掲載の、一つの投書に対する反響の投書を載せる「どう思いますか」のコーナー。今週は、東京都の高校生(18)の投書が元です。

 ■護憲派へ、自衛隊は違憲でしょ?
 安全保障関連法の議論は空虚だ。右も左もめちゃくちゃ。一段上から傍観する態度は嫌いだが、今回ばかりはそういう態度を取らざるを得ない。明らかに憲法違反なのに、合憲と言い張る政権の横暴は散々批判されている。だから、立憲主義を盾に安保法ログイン前の続きに反対する人たちへ批判を書きたい。
 憲法9条を素直に読めば自衛隊の存在は違憲だ。それなのに、護憲派から違憲だという批判が聞かれない。立憲主義を貫き通すならば、整合性が取れる立場は9条改憲論者か自衛隊解散論者だけだ。
 僕の立場は前者である。違憲立法などせず、自衛隊を軍隊として位置づける憲法改正をすべきだと思っている。対して、安保法に反対するデモ参加者は大半が護憲派だ。護憲だけれども、自衛隊は現状のままでよいという人が大多数ではないか。そうなら、立憲主義を語る資格などない。
 「改憲派だけれども安保法には反対」と考えている僕は、来年の参院選で誰に投票すればいいのだろうか。
 (10月4日付掲載の投稿〈要旨〉)


実にもっともな意見です。
これに対して兵庫県の会社員男性(49)は、『改憲の議論すらご法度な護憲派の方々に、ぜひ柔軟に考えて頂きたい』と、賛成しています。

岩手県の農業の男性(67)は、『国際法上、個別的自衛権の行使は各国の権利として認められている。自衛隊が専守防衛に徹する限り、合憲と解釈』としています。要するに、従来の政府解釈です。しかし、元投書の、それも解釈改憲じゃない? という疑問への回答になっていません。また、集団的自衛権も各国が権利として保有していることも意図的にか無視しています。

千葉県の主婦(57)は、さらに酷い回答です。『改憲は国民投票で決めるもので、一内閣の解釈改憲は許されません』と、元投書の疑問をまるっきり無視して、野党の言い分そのままの主張です。

福岡県の大学名誉教授(68)の意見は引用します。

「誰に投票すればいいのだろうか」と悩む必要はありません。立憲主義を守るということと、日本の将来を考えて改憲するかどうかを決めることは、別の問題だと考えた方がよいでしょう。
 まず、立憲主義を守るという点を考えてみましょう。違憲と考えられる法案を、国民の声をよそに数の力で成立させた安倍政権と与党は、国民に刃を向けたと言ってもよいと思います。だから、来年の参院選は誰に投票すべきで、誰に投票すべきでないか判断できます。
 次は改憲の問題です。自衛隊を軍隊にして武力で国を守るのか。専守防衛に徹して自衛隊を維持しながら外交力で国を守るのか。自衛隊をなくして平和外交だけで国を守るのか。国民が時間をかけて議論し、国民の意思で憲法9条を維持するか改正するか判断すべきだと思います。主権者は国民ですから。


頭が痛くなります。

元投書は、安倍政権だけでなく、護憲を主張している野党も、自衛隊を認めている以上は立憲主義に反している。一部、自衛隊解散論をいう野党はあるが、これは自身の主張と真反対。故に、投票先がない、との主張です。

まるで人の話を聞いていません。

識者の意見は、木村草太・首都大学東京准教授(憲法学)です。これも引用します。
 

確かに憲法9条だけを読めば、自衛隊の存在は違憲と映るでしょう。ただ、憲法13条は、国民の生命や自由、幸福追求の権利を尊重するように定めています。国民の平和な生活を守るために、国の安全を確保する責任が政府にあると読めます。
 つまり、必要最小限度の個別的自衛権の行使は例外的に認められ、そのための組織である自衛隊の存在は合憲であると解釈できるのです。
 9条は究極的には、非武装を目指していると思います。ただ絶対非武装ではなく、非武装を選択できる国際社会の実現を求めているのです。
 せっかく憲法に興味を持ったのですから、日本国憲法全体を読んでほしい。そして、条文の文言を読むだけでなく、条文が実現しようとする理念を読み解いてほしいと思います。


9条は自衛隊を認めていないという意見は、けっして憲法学者の間で異端視されていないはずです。元投書の高校生が勉強不足であるかのような決め付けは失礼です。

憲法全体を読んでほしい、というなら、前文の次の箇所を読みます。

(日本国民は)平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。


つまり、外国は平和を愛するがゆえに攻撃などしかけてこないから、それを信頼しています、ということです。これと9条を合わせて考えれば、個別的自衛権を放棄していると考えられます。13条は、治安とか衛生とかの内政の話ではないでしょうか。

普通に考えれば、これが日本国憲法の理念です。

無理な理屈での自衛隊(個別的自衛権)合憲を主張は、元投稿の高校生の心に届かないでしょう。

【朝日新聞】性同一性障害者のトイレ使用問題

11月2日朝日新聞夕刊『「女性トイレ禁止は差別」提訴へ 性同一性障害の公務員』より

 心は女性である性同一性障害の職員は、戸籍上の性別が男性である限り、女性トイレを使ってはならない――。経済産業省がこんな原則を示し、使いたければ異動ごとに職場で同障害を公表するよう求めていた。この職員は近く「人格権の侵害で、同障害を理由にした差別だ」として、東京地裁に行政訴訟と国家賠償訴訟を起こす。
 弁護団によると、性的少数者が職場での処遇の改善を求める訴訟は初めて。
 この職員は40代で、戸籍上は男性だが心は女性。入省後の1998年ごろ同障害の診断を受け、2009年に女性としての処遇を申し出た。診断から11年かかったのは、ホルモン治療や女性の容姿に近づけるための手術を重ね、「女性として社会適応できる」と思えるまで待ったからだ。11年には名前も女性的なものに変更。今では初対面の人にも女性として認識され、職場の女子会に呼ばれる。
 経産省は、女性の服装や休憩室の使用は認めたものの、女性トイレの使用は原則として許可しなかった。この職員が情報公開請求して開示された資料によると、女性トイレの使用を認めない理由について、経産省は①労働安全衛生法の省令で男女別のトイレ設置が定められている②女性職員の了解が不可欠だが、2人から「抵抗感がある」との声があがった――などと説明。戸籍上の性別を女性に変えない限り、障害者トイレを使ってもらい、女性トイレを望む場合は異動ごとに同障害を公表して同僚の理解を得るよう求める原則を確認した、としている。
(略)
(二階堂友紀)


私は、性同一性障害について十分に理解しているとは思っていません。気持ちと体の性が一致しないというのは想像を超えています。想像できませんが、基本的には同じ人間として可能な限りの便をはかるべきであり、たずらに好奇の視線を向けるのはよくないと考えています。

その上で、この件を考えてみます。

問題の本質は、女性職員の2人から抵抗感があるとの声です。決して役所の上層部が分からず屋であるとかいう問題ではありません。性同一性障害の人の気持ちも大事ですが、他の職員の気持ちも大事です。

“いやだ”と言っている女性に、役所のお偉いさんが、“我慢しろ”と言うのもおかしなものです。

障害者トイレの利用という妥協案は、私には至極真っ当だと思います。何故、それを蹴って訴訟なのか、ちょっといぶかしく思いました。

【朝日新聞】高校生の校内での政治活動

11月1日朝日新聞社説「高校生と政治 べからず集は逆効果だ」より

 選挙権の年齢が18歳以上になるのを受け、文部科学省が高校生の政治活動を一部認める通知を出した。
 政治活動は、憲法が保障する表現の自由に根ざした権利だ。学校は、生徒が政治を語り、行動する自由を尊重することを原則にすべきである。
 旧文部省は1969年の通知で高校生の政治活動を「国家・社会としては行わないよう要請している」として規制した。高校生が当時、安保闘争やベトナム反戦運動で学校の封鎖などをした背景があった。
 それに対し、今回の通知は、高校生が「国家・社会の形成に主体的に参画していくことがより一層期待される」とした。
 およそ半世紀ぶりの転換だ。
 すでに高校生は最近も安保法制に関する集会に加わったり、デモをしたりしている。見直すのが遅すぎたともいえよう。
 ただ、新しい通知には禁止や規制があまりに多い。
 校内の活動は原則として禁じた。認めたのは放課後や休日の校外での活動だけだ。学業に支障がある場合は、禁止も含めた指導を求めている。
 授業以外の生徒会、部活動などでの政治活動も禁止とした。
 生徒会が「平和宣言」を出したり、新聞部が原発政策の記事を書いたりすると、校長から待ったがかかる可能性もある。
 そもそも政治活動の定義が難しい。「特定の政党や政治的団体への支持や反対を目的として行われる行為」というが、集会や勉強会なども、とらえ方次第で禁止の対象になるだろう。
 これでは政治社会について考えたり論じたりすることを促すのではなく、むしろ逆効果になりかねない。規制で縛る「べからず集」なら出す意味がない。旧通知の廃止だけでよいのではないか。
 問われるのは、学校がどう指導するかだ。
 学校は教育基本法で、政治的中立が求められている。だからといって、生徒の動きに厳しく口を出し制限すれば、教育の場から政治が遠ざけられてきたこれまでの状況は変わらない。
 今の高校では政治を語る文化が消えている。学校は社会から閉ざされた空間ではない。教員は生徒と向き合い、相談に乗り、活動を後押ししてほしい。
 地域や保護者も学校を萎縮させず、生徒の成長のために協力してもらいたい。
 選挙権年齢の引き下げは、政治の判断ができる「大人」として、18歳を社会に迎え入れるのが狙いのはずだ。規制ばかりでは高校生が市民に育たない。


高校生の政治活動を校内でも認めよ、という主張です。

しかし、自分達の組織の細胞を各処につくることをもっぱらとしている政治団体は実在します。こうした政治団体の高校内への侵入は、普通の感覚では許せません。

私が高校生の経験です。文化祭の任意参加団体(クラスやクラブ以外での複数の生徒がグループを作れば参加できました)の中に、宗教団体が紛れ込んでいました。申請段階ではあたりさわりのないことを書いていたので見逃されていましたが、本番の展示物(新興宗教のようで、地獄がどうのこうのという能書きや、変な絵がベタベタ張られていました)を見て、文化祭実行委員会一同口あんぐり、でした。翌年から、宗教がらみの参加は認めないというルールが追加されました。

生徒の何人かが”自主的”に行ったのでしょが、大人が糸をひいていたのは確実です。

これは宗教団体の話ですが、政治団体であっても同じことです。

学校は勉学の場ですので、外でやるのは自由ですが、校内での政治活動が規制されるのは当然です。

そもそも『規制ばかりでは高校生が市民に育たない』というのが真実であれば、1969年以降に高校生だった人間に市民がいない、ということになってしまいます。そんなわけがありません。

【時事問題】ハロウィーン

去年くらいからか日本でもハロウィーンが盛り上がっています。

もともとはケルトの祭りらしいですが、これまでの一般の日本人にとってはアメリカの映画やドラマで子供が扮装して近所からお菓子をもらってまわるイベントがハロウィーンでした。しかし、昨今の日本で行われているハロウィーンは、大人が扮装して繁華街を練り歩くというもののようです。

クリスマスやバレンタインデーでも、あるいは七夕や端午の節句でも、日本で受容した際に原型をとどめなくなるのは、ハロウィーンに限らず一般的なようです。いい悪いではなく、そういうものだと思います。

さて、この日本版ハロウィーンですが、今後日本に定着するでしょうか?

私は懐疑的です。理由は日本版ハロウィーンへの参加は敷居が高すぎるからです。わざわざコスプレをするというのはよっぽど好きでないとできることではありません。クリスマスやバレンタインデーのように気軽にお祭りに参加できません。マスコミ報道では大勢の若者が参加したように伝えていますが、参加していない若者の方が多いはずです。簡単ではないからです。

マスコミの報道が過熱しているのでこれから数年は盛り上がるかもしれませんが、その後徐々に廃れていくような気がします。
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Author:えいび
日々の出来事、映画やアニメの感想です。

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