FC2ブログ

【朝日新聞】改善された比較記事

12月30日朝日新聞朝刊。日産のゴーン前会長逮捕にからんで、日本の捜査手法が他国とくらべて強引ではないかとの批判が内外から出ています。

朝日新聞でもそういう批判を紹介していましたが、前にこのblogで取り上げたように比較の仕方にあらが目立ちました。

参)【朝日新聞】比較になっていない比較記事

今回の記事は、かなり洗練されています。記事は図表になっていたので引き写しました。








起訴までの拘留期間取り調べの弁護士立ち合い取り調べの録音・録画他人の犯罪を明かす司法取引
日本最長23日×
韓国最長30日×
米国(多くの州や連邦)1~2日
英国原則1日
フランス原則4日。予審は最長4年8カ月×
ドイツ警察の取り調べは原則48時間以内〇(2020年施行)

他国との比較だと、昨今いつも出てくる中国が抜けているのは残念です。拘留期間は無限、とか書いてあったら笑えますよね(←ヘイトスピーチです)

日本の最長が23日というのは分かりますが、日本の問題は同じような罪で順々に逮捕して拘留期間を延ばすことにあります。他国ではこうしたことをしているのかしていないのか気になります。

フランスの原則4日、というのは分かりましたが。「予審は最長4年8カ月」って何のことですか? 説明がなかったので読み飛ばす読者も多いかもしれませんが、ちょっとドキっとします。

ドイツの「警察の取り調べは原則48時間以内」というのも気になります。ドイツ人らしい言い回しなのかもしれませんが、深読みすると警察でないところ(例えば検察)の取り調べが長期間あったりするのかもしれません。

この表を虚心坦懐に見て、日本も取り調べでの弁護士立ち合いを認めるべきではないかと思いました。
スポンサーサイト



【アニメ】軒轅剣 蒼き曜

最近増えた中華アニメの一つで、元は台湾のゲームのようです。

強大な国家(おそらく秦がモデル)とそれに抵抗する反抗軍との争いというのがおおまかな世界観です。紙はなく竹簡を使う程度の文明ですが、機関獣(機械獣のもじり?)という巨大ロボットが開発されています。

台湾製ですが、舞台として意識しているのは大陸みたいです。「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」も台湾製でありながら、舞台は大陸っぽかったです。ちょっと面白い感覚です。

割と面白かったです。

欠点から言うと、一つには、不思議な要素がごった煮になっていることです。機関という謎のテクノロジーあり、方術使いがおり、竹簡から飛び出す少女型ロボット(変形もする)がありと、荒野には巨大生物がうごめきます。ちょっと詰め込み過ぎています。詰め込んでもそれぞれ関連性が感じられればいいのですが、ただ並べただけという感が否めません。

方術使いも、人口の何割が方術を使えるのかはっきりしません。皇帝も反乱軍の兵士も、皇帝の妃も、召使い(奴隷?)の女の子も、方術を使っています。そのくせ村が襲われた時に方術で対抗する村人はいません。世界における方術の位置づけがはっきりしないのはよろしくありません。

「軒轅剣」というのは主役格の一人である女の子が拾った古代の剣のことです。題名にもなっているくらいだからこの剣を中心に物語が回転するのかと思いきや、さほどでもありません。最終回で足を挟まれて動けなくなった妹を救うのに活躍したくらいです。

「宇宙戦艦ヤマト」の波動砲をパクったようなシーンはいただけません。あれではオマージュという言い訳は通じないでしょう。

良かった点は、まずキャラクターがきちんとしているところです。いわゆるハーレム状態(主人公が、幼馴染の姉妹と少女皇帝に惚れられる)なのですが、おふざけではなく、この関係性が彼らの運命に深く結びついています。

幼馴染の妹の方が両腕を失いますが、腕を失ったという不便さがよく描けています。最終回でさらに過酷な状態になりますし、主人公も体の機能の一部をなくします。単純なハッピーエンドとはいかない余韻を残しました。

悪くはない作品だと思います。

【朝日新聞】体育を正規教科から外しては?

12月28日朝日新聞朝刊スポーツ欄。「自由自在」のコーナー。「子の運動習慣、一つの得意種目で」より

 運動が全体的に他の子より苦手でも、何か一つ得意な種目があれば、前向きに取り組める――。そんな傾向がスポーツ庁の調査で明らかになった。
 同庁が小学5年、中学2年の児童・生徒を対象に毎年行っている全国体力調査。50メートル走、持久走、ボール投げなど8種目の体力合計点が下位30%に入っていても、記録が1種目でも全国平均を上回っていれば、「体育の授業が楽しい」と感じる子が小5男子で58・6%いた。全国平均を1種目も上回っていない子に比べ、9・7ポイント高かった。
(略) 
 運動が苦手でもスポーツ選手をめざせ、と言いたいわけではない。同庁の目標は「健康な生活スタイルを確立するために、子どもの頃から運動習慣を」というもの。今回の調査では、「1週間のうち体育以外の運動時間がゼロ」という子の割合が、最も高い中2女子で13・9%に上った。この数字を減らすことを同庁はめざす。
 そのきっかけをいかに作るか。家族や先生など身近にいる大人の細かな目配りで、子どもの運動不足を解消できるかもしれない。(山口史朗)


一つでも得意な運動があれば体育の時間は楽しい、というのは理解できます。

体育の時間が苦痛な子供は、運動能力が客観的に劣るというのが理由ではなく、他の生徒と比べられる、つまり相対的に劣る、というのが理由のような気がします。

何か一つでも得意なことがあれば劣等感は払拭され楽しくなるという理屈です。

しかしどうしても、全体的に他人より運動能力が劣る子はいますので、この政策では不十分です。

体育だけでなく、音楽や美術などの芸術系にも言えるのですが、いっそのこと正規教科から外して評価点をつけるのをやめてしまってはどうでしょうか?

算数や国語の成績が悪いと親はびっくりして勉強を見てやったりしますが、体育の成績が悪いからといって子供をスポーツクラブに通わせる親はあんまりいないんじゃないでしょうか。

成績をつけても無駄ですし、悪い成績だとやる気をそぐだけです。

参)【朝日新聞】「スポーツ嫌いの子 だめですか」

【テレビ】Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀2

台湾の人形劇です。2016年に放映された「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」の続編。

人気があって続編というのはよくありますが、続編の方がさらに面白いというのはざらにありません。これはその稀有な例です。

キャラクターも魅力的ですし、脚本も素晴らしいです。最終回で伏線がきれいに回収されたのには感動しました。

最近、中華圏からアニメが多数きています。それなりのクオリティーのものもあるのですが、絶賛できるほどのものにはまだお目にかかっていません。その中で、この「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」は絶賛に値する作品でした。

3期が予告されていました。楽しみです。

参)【テレビ】Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀

【時事問題】韓国艦船の射撃用レーダー照射

石川県の能登半島沖で20日、海上自衛隊のP1哨戒機が韓国海軍の駆逐艦から射撃用の火器管制レーダーを照射されるという事件が起こりました。

日本側の抗議に対して韓国は当初、遭難した北朝鮮漁船の捜索のためにレーダーを使用したと釈明していましたが、日本から反論を受けるや、レーダー照射自体行っていないと前言を翻しました。

言っていることがコロコロ変わるところから見て韓国側に非があるのだと思います。しかし、素直に謝罪するとも思えず、日本もどこまで追求するのか分かりませんので、落としどころは見えません。このまま揉め続ければ、韓国に対する不信感は日本の市民の間にいよいよ増大することでしょう。

初めから”間違えて照射してしまった”と素直に認めておけばここまでもつれることはなかったのにと思います。いったい韓国で何が起きているのでしょうか?

ここからは私の想像(妄想?)です。

まずレーダー照射が誰の指示だったかですが、おそらく現場の判断でしょう。大統領府とか軍の上層部が計画したのであれば、何のためかとう疑問は措きますが、一貫した言い訳を用意するはずです。現場から上がってくる言い訳をそのまま発表しているという雰囲気があります。

正常な組織であれば、下から二転三転する言い訳が来たら、徹底調査をして責任者を問い詰めるはずです。今回韓国ではそれができていません。

これは韓国の軍の統制(政府の軍に対する統制か、軍組織なにの統制かは不明ですが)がおかしくなっていることを意味します。

文大統領は北朝鮮に融和的すぎますので、違和感を抱く軍人も多いでしょう。一線を越えたと判断すればクーデターもありうる状況です。

韓国軍は、日本のことなど眼中になく、むしろ韓国大統領府の出方を瀬踏みしているのかもしれません。

【アニメ】狐狸之声

最近増えた中華アニメです。原作は中国の漫画で、日本でアニメ化したようです。

題材はアイドルです。

主人公は声はいいのだけど見かけに問題(顔に火傷痕)があるので、顔のよいアイドルの歌声を担当します。

ゴーストシンガーというらしいです。北京オリンピックの開会式でもありましたよね。

なんでこんなことをするかというと、純粋に歌が好きということもありますが、病気の母親の入院費を稼ぐという目的です。

ベタですが、まあ微笑ましいとも言えます。

この主人公のスマホに秘密を知る謎の人物から脅迫メッセージが届くようなります。

ここら辺は、米ドラマ「プリティリトルライアーズ」みたいです。

ゴーストシンガーとして正体を知られないようにしなければいけないし、歌手として成功したい気持ちもある主人公につぎつぎ困難が襲い掛かるというのが基本の話です。

日本のアイドルアニメよりも凝ったつくりだとは思います。それなりに盛り上がるところはありました。15分という短い時間なのもテンポがよかったです。30分なら持たなかったかもしれません。

一番の問題は、顔に火傷があるという設定なのに、絵でそれが分からないところです。おしゃれのつもりで目の周りを赤く塗っているようにしか見えません。ルックスに問題があって表舞台に出られない(と思いこんでる)というのが大事なところのはずなのに、このキャラクターデザインではそれが感じられません。

あと、脅迫者の正体が最後に明かされましたが、伏線なしの謎解きになっていて拍子抜けでした。

【朝日新聞】日本人はじっとしたままなのか?

12月23日朝日新聞朝刊。「日曜に想う」の欄。編集委員・大野博人氏の「出国率13%、じっとしたままの日本人 小田実のススメ」より

「インバウンド」は関心の高い話題になっているけれど、「アウトバウンド」はほとんど忘れられている。
 訪日客「インバウンド」の増え方は尋常ではない。10年前に年間800万人あまりだったのが今年は3千万人を突破した。政府は2020年には4千万人受け入れを目指している。宿泊施設不足や「おもてなし」のやり方から大小のトラブル対応まで課題も急増中だ。
 では、海外に旅立つ日本人「アウトバウンド」はどうなっているのか?
 観光庁などのデータを見ると、20年ほど前から1700万人あたりで増えたり減ったり。だが、数字にあまり変化がないからといってニュースじゃないとは言い切れない。
 人口に対して国外に旅行に出る人の割合を表す出国率という指標で、日本は13・5%(16年)。
 ほかの国や地域はどうか。シンガポール、マレーシア、英国などは100%を超えている。繰り返し国外に出る人が多いことを示す。日本と同様、島である台湾が61・9%、北朝鮮と国境を接しているため島国状態の韓国も44・0%だ。カナダやロシアも日本より高い。
 国連世界観光機関によると、世界中で国境を越えて旅する人はどんどん増えていて、00年の6億8千万人から17年には13億2600万人に。
 地球上を人々が活発に動き回る時代にじっとしたままの日本人。統計の数字からはそんな姿が浮かび上がる。
(略)


要旨は、若者は積極的に外国に出かけて見聞を広めるべし、ということです。この意見には賛成です。時間的余裕がある学生時代に外国を肌で感じるのは後の人生に大きな益になると思います。私も学生時代に海外を一人旅していましたが、その経験は自分の背骨のようなものになった気がしています。

それはともかく、この記事のデータの扱いは雑です。

出国率の比較はシンガポール、マレーシア、英国、台湾、韓国、カナダ、ロシアだけです。ほかの国がどうなっているのかわからないので、これでは日本の13.5%が本当に低いのかどうかなんとも言えません。

出国数はまだ比較できています。日本の出国数は20年前から1700万人を行ったり来たりで変わりありませんが、世界では00年の6億8千万人から17年には13億2600万人とおおよそ2倍に増えています。

20年前との比較はたしかに意味がありそうです。しかし出国率の過去実績がありません。英国やカナダやロシアも20年で倍増したのでしょうか?

単純に考えて、日本人のライフスタイルは変化しておらず新興国の人たちが海外旅行に積極的にでかけるようになった、というのが真相ではないでしょうか。

それに、シンガポールのように国土が狭く、気軽に外国に行ける国と比較するのは無理があります。

また、純粋に出国数や出国率の比較で異文化体験をしているかどうかはわかりません。例えば台湾人が中国本土に出かけても異文化体験とはならないでしょう。カナダ人がアメリカに行くのも似たような国への旅行です。外国旅行がすべて異文化体験になる日本人とは違います。

【アニメ】バキ

原作の問題だと思いますが、ストーリーが破綻しています。

世界から最恐の死刑囚五人が脱獄し、”敗北を知るために”東京に集まり、正統派の格闘家がこれを迎え撃つ、というなかなかにわくわくする出だしでした。しかし、途中で飽きたのか知りませんが、最後の方はテキトーにキャラクターを処分してしましました。

一番気になったのはロシア人死刑囚の扱いです。東京ドームの地下闘技場に拉致されて試合を挑まれ敗北します。もともと死刑囚たちは”はじめ!”の掛け声で始まる試合形式を軽蔑していたはずです。したがって死刑囚がまともに試合をするのは物語の根幹にかかわります。観客を盾に使うとか、試合主催者の片足を掴んで振り回し棍棒替わりにするとかいうのが、これまでの流れとしては自然です。それはともかくピンチで始まって、そのままいいところなく敗北する、というのは雑すぎます。

初めは面白かったのに残念です。

【朝日新聞】そこまでして韓国・中国の味方をしたいのか

12月22日朝日新聞朝刊。東京面。「展望持てず差別に傾斜か」より

(略)
国家主義的思想に基づき、政府機関や要人へのテロを辞さない旧来の「右翼」と、ネットを中心に排外主義的な言論で広がってきた「右派系」を公安当局は区別してきた。「以前は交流がなかった」(公安関係者)が、両者の一部が接近するようになっている。
(略)
一部右翼のこうした言動は、右翼の世代交代が進んでいないことや社会の右傾化で影響力を失っていることなどが背景にあるとみる。「運動に展望が持てず、安易な中国・韓国批判に流れている」
(略)
国家や権力に異議を唱えることはあっても、特定の民族を差別する言動は右翼の道にもとる。取材した右翼関係者はそう警鐘を鳴らしているように感じた。
(小早川遥平)


もともと右翼団体というのが何を目的としているのか分かりにくいところがありました。社会主義国家が日本の仮想敵国だった時代ならまだわかります。しかしソ連は解体し、中国は仮想敵国ですが社会主義とは言えなくなっています。この状況で右翼団体が唱える思想というものがなんなのか不可解ではあります。

また彼らの風体・挙動などから判断するに、まともな人間が近づくべき人たちとは思えません。

さて、ちかごろ右翼の一部が右派系(いわゆるネット右翼?)に接近しているとのことです。

その理由として
1)世代交代が進んでいない
2)社会の右傾化で影響力を失っている
の二点が挙げられています。

しかしよく考えるとこの理由はおかしなものです。

世代交代が進んでいない(=同じ人間が右翼をやっている)なら、従来と同じ路線を踏襲するのが普通です。世代交代しちゃったから昔の方針は転換しますというならわかりますが、世代交代しないから方針転換というのは理屈に合いません。

また、社会の右傾化が進んだのであれば、むしろ影響力が増えるはずです。これも変な理屈です。

この記事がおかしいのは、従来の活動をしている右翼活動家を称賛してまで、韓国・中国を批判するネット右翼をくさしているところです。朝日新聞はそこまでして韓国・中国の味方をしたいのでしょうか。

【アニメ】ゾンビランドサガ

いわゆるアイドルアニメなのでしょうが、ゾンビがアイドルになったという設定です。

さらにアニメによる町おこしブームへの皮肉なのかそれとも真面目になのか分かりませんが、佐賀を舞台にして”佐賀、佐賀”と推したてています。実際、企画段階から佐賀県の広報課がからんでいます。

ゾンビを題材にしていますが、基本的にはコメディであり、アイドルアニメのフォーマットに則ってた努力と成功の物語です。

しかし最後までゾンビの設定の意味がわかりませんでした。ゾンビ設定だから笑えたというのはあるのですが、ゾンビがアイドルになるという物語の背骨部分に意味づけがなかったのが致命的です。

評判はいいみたいですが、私には合いませんでした。

【時事問題】南青山ブランド

南青山に児童相談所をつくる計画に対して、周辺住民がブランドイメージが下がるといった理由で反対をしています。

これに対して、大勢の識者が住民の行動に疑問を呈しています。見た限り、住民を擁護する意見はありませんでした。

私もこれは住民の方が間違っているように思いました。

無理に擁護すれば、住民説明会という内輪の席の話を外部にさらされるとは思っていなかったということかもしれません。

ところで、住民から、”お金持ちの子の中に貧乏人の子がまじったら可哀想だろう(意訳)”という意見についてです。

私は公立の小学校に通っていたので、そこそこ裕福な家の子もいましたしそうでない子もいました。しかし子供ですので、そんなことは全く気にしていません。互いの家に遊びに行っているので、金持ちだか貧乏だかがなんとなく分かるという程度です。

しかし、だからといってそれで友達関係が変わるということはありませんでした。それより気が合うとか趣味が同じとかが重要だと思います。

子供というのはそんなものだと思うのですが・・・

【朝日新聞】ネットの言論は閉じているのか?

12月20日朝日新聞朝刊オピニオン。歴史社会学者・小熊英二氏の「論壇時評」のコーナー。「閉じこもる言論 固定ファン頼み、こぼれる声」より

(略)
 ネット上の極論の流布は日本に限らない。その多くは、ごく少数の「ファン」によるものだ。ドイツの極右政党AfD(ドイツのための選択肢)は、既存二大政党よりフェイスブック上の「ファン」が多いが、そのうち5%の声高な少数者が、ヘイトスピーチにあたる書き込みの半分以上を書いていた。近年のドイツのメディアは電子版のコメント欄を制限する傾向にあるが、その原因は、少数の者が極論を大量に書きこみ、まともな意見交換ができないためだ。
 固定ファンに頼る傾向は、保守派だけに限らない。「週刊金曜日」の編集長や発行人だった北村肇は、この雑誌は「リベラルを自認する高齢者の雑誌」に特化するしかないと述べている。北村によると、これまで読者層を広げる努力をしてきたが、実らなかったという。
 だがこの方針はまずいと思う。確かに読者層を広げるのは難しい。だが固定ファンだけに向けた言論は、必ず質が落ちる。広い読者層を意識するのとしないのとでは、言論の緊張感と充実度が違う。
(略) 
 言論をなす者は、常に外部に開かれていなければならない。その外部とは、意見の異なる人々だけでなく、声高には声を発しない人々をも含んでいる。この当然の作法を踏まえずして、言論の質も、社会の発展もありえないのだ。


仲間内だけで盛り上がるだけの言論は質が低くなるという意見には賛同します。

しかし、ネットで極論の書き込みが集中するのと雑誌が特定層に特化した売り方をするのとは、似ているようで違うと思います。

雑誌の場合、ほぼ

読者=購入者

です。人から借りたり、図書館で読んだりすることもありますが、基本は買った人が読みます。

しかしネットは事情が違います。ドイツの政党のフェイスブックでは、ヘイトスピーチの50%を5%の特定層がかいていたそうです。これはドイツの政党にかぎらず、ネットの政治的な書き込み一般にも言えそうです。

注意しなければいけないのは、ヘイトスピーチの残りの半分やヘイトスピーチ以外の書き込みは特定5%以外の人たちによるものだということです。そしてその背後には、無料ということもあり書き込みをしない読者が多数存在します。ネットの言論は、雑誌ほどには閉じていません。

反面、ネットには責任をもった編集者がいるわけではないので、極端な投稿がまかりとおり質に問題があります。

つまり、雑誌は統制をとって特定読者に特化すること(閉じていること)で質の低下が心配され、ネットは開いているけど統制がないために質が低下するおそれがあるということです。

両者の問題は別だと思います。

【朝日新聞】「日中、次の40年は」

12月18日朝日新聞朝刊オピニオン欄。「耕論」のコーナー「日中、次の40年は」より

まず元首相・福田康夫氏の「中国の良い変化にも目を」です。

 中国は成長期にあります。今まで成長してきた土台と国際基準がかけ離れていることを中国も理解しています。ただ、組織や体制の崩壊につながりかねないので、急には変われない。問題に気づいても、すぐに変わることができないのです。そのもどかしさは中国指導部や知識人の中にあると思います。
 いま中国にとって最も大事なのは、安定した政治体制を守りながら、経済の発展を阻害しない状況で徐々に前進していくことなのでしょう。中国が良い方向に少しでも変わったな、というところが見えたなら、その努力を認めるべきではないでしょうか。
 6月に「南京大虐殺記念館」(江蘇省南京市)を訪れました。展示内容が変わり、事実に基づいた記録を前面に出して、一方的な議論にならないように配慮している印象を受けました。習近平国家主席の意思が反映されているのでしょう。これは中国共産党全体の指導層の考え方と一致していると思います。
(略) 
経済大国になれば、相応の責任を果たす立場になる、と中国人に話すのですが、反論はありません。
(略)



変化というのは短期的に増えたり減ったりという周期を繰り返すものと、長期的な傾向として増える(あるいは減る)ものがあります。長期的に良い方向に変わっているなら認めるのはやぶさかではありませんが、短期的な、つまり周期的な変化には一喜一憂することはできません

福田氏は、「南京大虐殺記念館」展示を根拠に中国が親日に変わったと言っていますが、これは短期的な変化です。通説では、天安門事件で政府への信頼が落ちたのを回復するため愛国教育を徹底しはじめたのが反日の始まりです。現在は、国際社会で四面楚歌っぽくなってきたので日本にすり寄ってきていますが、いつまた反日になるか知れたものではありません。

国内の人権状況も民主化の度合いも、一貫して低いままです。

中国に認めるべき努力などなにもありません。


総論として「経済大国になれば、相応の責任を果たす立場になる、と中国人に話すのですが、反論はありません」というのは当然です。

具体的にウイグルやチベットの人権問題、南沙諸島での強引なふるまい、返すあてのない金を貸し付け担保をまきあげるやり方は大国の責任を果たしているとは言えないとなじったら、色をなして反論してくるでしょう。

総論でしゃべって、中国人は国際社会で責任を果たすつもりがあると判断するのは間違っています。

かつての国の要人が中国のスポークスマンのごとくふるまっているさまは、なにか裏があるのではという疑念を強くもちます。

つぎに、北京大学国際関係学院副教授・帰泳濤氏の『「友好」を超えて合理的に』より

(略)
 医療分野などの先端技術で優位性がある日本と、巨大市場を抱える中国は、まだまだ互いに魅力的な存在です。
 ビジネスでは感情や政治の要素が最大限取り除かれ、合理的な判断がなされます。中日は長らく「友好」に頼ってきましたが、それだけでは感情がこじれた時にもろい。世界が流動する中で互いの安定と発展のために合理的に手を結ぶ。そんな強固な関係を中国は日本に求めています。
(略) 



この日の特集で一番引っかかったのはこの発言です。

この発言は、中国にとって日本は利用価値があるから仲良くしましょう、というふうに聞こえます。

利用価値のある国には猫なで声で接近し、利用価値のなくなった国には容赦なく圧迫を加えるという、まさに中国政府の方針です。

【世論調査】朝日新聞12月18日発表

12月18日朝日新聞朝刊に世論調査の結果が発表されました。

(数字は%。小数点以下は四捨五入。◆は全員への質問。◇は枝分かれ質問で該当する回答者の中での比率。〈 〉内の数字は全体に対する比率。丸カッコ内の数字は、11月17、18日の調査結果)

◆いまの政治などについてうかがいます。あなたは、安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
 支持する 40(43)
 支持しない 41(34)
 その他・答えない 19(23)

◇(「支持する」と答えた人に)それはどうしてですか。(選択肢から一つ選ぶ=択一)
 首相が安倍さん 11〈4〉
 自民党中心の内閣 17〈7〉
 政策の面 16〈6〉
 他よりよさそう 53〈21〉
 その他・答えない 3〈2〉

◇(「支持しない」と答えた人に)それはどうしてですか。(択一)
 首相が安倍さん 16〈7〉
 自民党中心の内閣 24〈10〉
 政策の面 50〈20〉
 他のほうがよさそう 8〈3〉
 その他・答えない 2〈1〉

◆あなたは今、どの政党を支持していますか。政党名でお答えください。
 自民党 35(36)
 立憲民主党 8(7)
 国民民主党 1(1)
 公明党 3(3)
 共産党 3(3)
 日本維新の会 1(1)
 自由党 0(0)
 希望の党 0(0)
 社民党 0(0)
 その他の政党 1(1)
 支持する政党はない 41(41)
 答えない・分からない 7(7)

◆第2次安倍政権が発足してから、間もなく6年になります。安倍さんの自民党総裁としての任期は、2021年の秋までです。あなたは、安倍さんに総裁の任期いっぱいまで首相を続けてほしいですか。続けてほしくないですか。
 続けてほしい 50
 続けてほしくない 37
 その他・答えない 13

◆同じ首相が連続で9年つとめるのは長すぎると思いますか。そうは思いませんか。
 長すぎる 43
 そうは思わない 49
 その他・答えない 8

◆安倍首相は、2020年に新しい憲法を施行したいとの考えを改めて示しました。あなたは、この安倍首相の姿勢を評価しますか。評価しませんか。
 評価する 33
 評価しない 48
 その他・答えない 19

◆あなたは、来年夏の参議院選挙で、野党は、自民党と公明党に対抗するために、野党同士で協力して、統一候補を立てる方がよいと思いますか。そうは思いませんか。
 統一候補を立てる方がよい 50
 そうは思わない 32
 その他・答えない 18

◆政府は、人手不足に対応するため、外国人労働者の受け入れを拡大する方針です。あなたは、外国人労働者の受け入れを拡大することに賛成ですか。反対ですか。
 賛成 46
 反対 40
 その他・答えない 14

◆来年4月から外国人労働者の受け入れを拡大する法律が成立しました。あなたは、この法律が成立したことを評価しますか。評価しませんか。
 評価する 39
 評価しない 48
 その他・答えない 13

◆外国人労働者の受け入れを拡大する今回の法律について、あなたは、国会での政府の説明は十分だったと思いますか。十分ではなかったと思いますか。
 十分だった 10
 十分ではなかった 73
 その他・答えない 17

◆水道事業について、自治体が施設を所有したまま、運営権を民間企業に売却できるようにして、いわゆる「民営化」をしやすくする法律が成立しました。あなたは、こうした水道事業の民営化に賛成ですか。反対ですか。
 賛成 26
 反対 55
 その他・答えない 19

◆沖縄の基地問題についてうかがいます。アメリカ軍の普天間飛行場を、名護市辺野古に移設する工事で、政府は沖縄県が反対する中、沿岸を埋め立てる土砂の投入を始めました。あなたは、政府が土砂の投入を進めることに賛成ですか。反対ですか。
 賛成 26
 反対 60
 その他・答えない 14

◆普天間飛行場の名護市辺野古への移設について、政府と沖縄県の対話は十分だと思いますか。十分ではないと思いますか。
 十分だ 11
 十分ではない 76
 その他・答えない 13

◆2025年の国際博覧会、いわゆる「万博」が大阪市で開かれることが決まりました。あなたは、大阪万博にどの程度関心がありますか。(択一)
 大いに関心がある 13
 ある程度関心がある 38
 あまり関心はない 33
 まったく関心はない 15
 その他・答えない 1

◆来年に限って5月1日が祝日となり、ゴールデンウィークは暦の上で10連休になります。あなたにとって、この10連休はうれしいですか。うれしくないですか。
 うれしい 35
 うれしくない 45
 その他・答えない 20
     ◇
 〈調査方法〉 コンピューターで無作為に電話番号を作成し、固定電話と携帯電話に調査員が電話をかけるRDD方式で、15、16の両日に全国の有権者を対象に調査した(固定は福島県の一部を除く)。固定は有権者がいると判明した1928世帯から1003人(回答率52%)、携帯は有権者につながった1942件のうち916人(同47%)、計1919人の有効回答を得た。


この調査が私のところに来たと想定して回答してみます。

>◆いまの政治などについてうかがいます。あなたは、安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
支持します。賛成できない政策もありますが、総体としては支持しています。

>◇(「支持する」と答えた人に)それはどうしてですか。(選択肢から一つ選ぶ=択一)
首相が安倍さんだからです。

>◆あなたは今、どの政党を支持していますか。政党名でお答えください。
支持政党はありません。

>◆第2次安倍政権が発足してから、間もなく6年になります。安倍さんの自民党総裁としての任期は、2021年の秋までです。あなたは、安倍さんに総裁の任期いっぱいまで首相を続けてほしいですか。続けてほしくないですか。
続けて欲しいです。

>◆同じ首相が連続で9年つとめるのは長すぎると思いますか。そうは思いませんか。
前の質問とダブっているように感じます。正確には前の質問は「安倍首相が」で、この質問は「首相一般が」ですが、9年もやるのは長いよね、といいたくてたまらない気持ちがにじみ出ています。

質問に答えますが、9年が特に長すぎるとは思っていません。

>◆安倍首相は、2020年に新しい憲法を施行したいとの考えを改めて示しました。あなたは、この安倍首相の姿勢を評価しますか。評価しませんか。
評価します。

>◆あなたは、来年夏の参議院選挙で、野党は、自民党と公明党に対抗するために、野党同士で協力して、統一候補を立てる方がよいと思いますか。そうは思いませんか。
統一候補を立てるのはいいのですが、その場合は政策のすり合わせが必要です。参院選は政権選択の選挙じゃないから、という言い訳は聞きたくありません。

>◆政府は、人手不足に対応するため、外国人労働者の受け入れを拡大する方針です。あなたは、外国人労働者の受け入れを拡大することに賛成ですか。反対ですか。
反対です。そもそも人手不足というのがうさん臭いです。給料をあげたくない、とうだけじゃないんですか?

>◆来年4月から外国人労働者の受け入れを拡大する法律が成立しました。あなたは、この法律が成立したことを評価しますか。評価しませんか。
評価しません

>◆外国人労働者の受け入れを拡大する今回の法律について、あなたは、国会での政府の説明は十分だったと思いますか。十分ではなかったと思いますか。
十分ではなかったと思います。
ただ、こういう質問をすると大勢が「十分ではなかった」に誘導されがちということには留意が必要です。

>◆水道事業について、自治体が施設を所有したまま、運営権を民間企業に売却できるようにして、いわゆる「民営化」をしやすくする法律が成立しました。あなたは、こうした水道事業の民営化に賛成ですか。反対ですか。
よく分かりません

>◆沖縄の基地問題についてうかがいます。アメリカ軍の普天間飛行場を、名護市辺野古に移設する工事で、政府は沖縄県が反対する中、沿岸を埋め立てる土砂の投入を始めました。あなたは、政府が土砂の投入を進めることに賛成ですか。反対ですか。
反対です。

普天間の負担を減らすための辺野古移設のはずです。沖縄の人が反対しているのに、普天間の負担軽減を前面に出して強行するのは正しいとは思えません。

>◆普天間飛行場の名護市辺野古への移設について、政府と沖縄県の対話は十分だと思いますか。十分ではないと思いますか。
十分ではありません。
これも、こういう質問文にすると「十分ではない」と答えがちです。世論調査でこうのはよくないと思います

>◆2025年の国際博覧会、いわゆる「万博」が大阪市で開かれることが決まりました。あなたは、大阪万博にどの程度関心がありますか。(択一)
まったく関心がありません。

>◆来年に限って5月1日が祝日となり、ゴールデンウィークは暦の上で10連休になります。あなたにとって、この10連休はうれしいですか。うれしくないですか。
特別にうれしくはありません。

【朝日新聞】『「一杯のかけそば」から貧困たたきへ 平成の相は険しく』

12月16日朝日新聞朝刊「日曜に想う」のコーナー。福島申二編集委員の『「一杯のかけそば」から貧困たたきへ 平成の相は険しく』

 寒気のなかに吐く息も白く、平成を見送る師走である。年の瀬は涙腺のゆるむ人情話がよく似合う。平成の始まった年に話題をさらった「一杯のかけそば」をご記憶のかたもいるだろう。
 ――大みそかの夜、2人の男の子を連れた母親が、かけそば1人前を遠慮がちに注文する。事情を察したそば屋の夫婦はひそかに大盛りをつくり、1杯を分けあう母子を心で励ました。十数年たった大みそかの夜、夫婦や客が母子に思いをはせる店に、立派に成人した息子2人が母親とのれんをくぐって現れる。
 泣かせどころたっぷりの物語は、実話という触れ込みもあって人々の琴線を鳴らした。衆院予算委員会では質問に立った議員が朗読した。議場は静まりかえって、涙をぬぐう閣僚や委員もいた。
 大勢を泣かせ、感動させた要素の一つは母と子のたたずまいであろう。描かれているのは「理想の弱者像」とでもいうべき姿である。置かれた境遇で健気につつましく生きるイメージの弱者(あるいは少数者)に世間は同情的だ。
 ところが、そうした人たちが声を上げて権利や不満を訴え始めると、今度は非難がわき起こる。しばしば見聞きする事態である。「物言う弱者」は袋だたきにあう、という趣旨の論考を、自らの体験などをもとに在日コリアン3世の辛淑玉さんがかつて本紙によせていた。
 (略)


社会に対して物を言えば、賛成してくれる人もいれば、反対する人もいるでしょう。賛否以前に言っていることが事実に即しているのかどうかを検証されるのも当たり前です。

検証していることや反対意見を言うことを「袋叩き」というのは正しいとは思えません。

なお、「一杯のかけそば」の話は、作り話ではないかと疑いがかけられています。フィクションを実話だと信じて、朗読したりすすり泣きをしたりした国会議員たちは赤っ恥です。事実の検証の重要さを教えてくれます。

【本】「生まれたのは自閉症くん」「自閉症くんは1年生」

著:moro

著者は自閉症の男の子のお母さんです。四コマ漫画で、自閉症児の行動や家族、幼稚園、学校などの様子をつづっています。

自閉症についての知識はほとんどありませんでした。映画「マーキュリー・ライジング(主演:ブルース:ウィルス)」を観たことがあるくらいです。

図書館の返却済みコーナーにあったのを偶然見かけて、何の気なしに借りてみました。

引き込まれました。

自閉症児の親の苦労や子供への愛情などは普通の子育て以上ものがあるように感じました。またよく分からない自閉症というものにもある程度の理解をすることができました。

基本的に周囲の人たちは自閉症児につらくあたることなく、やさしく接しているように描かれています。そういったエピソードだけを抜き出して描いているのでしょう。中には心無いこをと言ったりしたりした人たちも多くいるような気がします。一つだけスーパーマーケットで怒鳴り散らす爺さんのエピソードがありました。おそらくこういう出来事は他にももっとあったのかもしれません。

自閉症というのは特異な症状のように思っていたのですが、読了して思うのですが、あることに執着したり、予期せぬ出来事に混乱したりというのは程度の違いはあれ一般人にも起きることです。特に、なにかに執着する能力というのは、人生において必要なものです。そう考えると自閉症の人と一般人に明確な断絶はなく、単なる程度問題なのかもしれないと思いました。

多くの人に是非読んで欲しいです。

【映画】来る

監督:中島哲也

原作は未読です。

ホラー映画ということです。実際悪霊的なものが出てきますし、グロいシーンもあるのですが、退魔のためにいろいろな宗教のまじない師が結集するあたりはエンターテイメントアクション映画です。

どちらにしても中途半端です。

ホラーにしては感情移入する人物がコロコロ変わり怖さを感じません。一見、家庭的な父親や優しそうな母親が裏の顔を持っていたというのは、面白いといえば面白いのですが、ホラー映画でやることではないように思います。ホラー要素をなくしてサスペンス映画にしたら見れたかもしれません。

アクション映画としては、現代の映画にしてはセットに金がかかってなくみすぼらしさが浮き出ます。

一番の問題は、各登場人物の行動原理がほとんど理解できないので、話に入り込めないことです。おそらく原作小説にはきちんと書かれているのだと想像できますが映画としてはダメです。

お薦めできません。

【時事問題】自民党を支持できない理由

12月14日朝日新聞の記事『未婚ひとり親支援、合意 住民税の非課税、緩和 1万7500円の給付も 自公』より

 来年度の税制改正で最後の論点となっていた婚姻歴のないひとり親への支援策について、自民、公明両党は13日、住民税が非課税になる条件を緩和するとともに、来年度に低所得のひとり親に1万7500円を給付することで合意した。
(略)
 現在、婚姻歴のあるひとり親は、所得税や住民税の負担を軽くする「寡婦(寡夫)控除」の対象なのに対し、婚姻歴のないひとり親は法律上「寡婦」とみなされず、対象外になっている。
 公明はこの点について格差の是正を強く求めていたが、今回は寡婦控除の改正は見送り、引き続き協議することになった。伝統的な家族観を重視する自民側から「未婚の出産を助長しかねない」などの反発が根強いためだ。
 両党はその代わり、寡婦控除による税優遇の格差を埋める目的で、年収365万円以下の婚姻歴のないひとり親に来年度は年額1万7500円を給付することにした。
 公明は最終盤まで税制での対応を求めていたが、13日昼の党内協議で、財政支援でもやむを得ないと妥協した。


私が自民党を支持できない理由はこういうところにあります。

結婚していたかしていなかったかで経済的な困窮度に違いがあるはずがありません。まして子供にはなんの罪もありません。差別するのは間違っています。同等の扱いをすべきです。

「未婚の出産を助長しかねない」などという理由は噴飯ものです。税負担が寡婦と同じだから未婚で出産しましょう、などと考える人がいるはずありません。

そもそも政治家の役目は、法律を作り、税金を適切に配分をすることです。道徳の教師になってもらうために選んだのではありません。

今回、足して二で割ったような結論になりましたが、これで自民党に感謝するひとり親はいないでしょう。かえって不満が高まったはずです。

国民から嫌われたゆえに政権から滑り落ちた歴史を忘れてしまったのでしょうか?

【朝日新聞】大学医学部の性差別

12月11日朝日新聞の記事『「女子はコミュ力高い」根拠ある?性差重視の順大に批判』より

 「女子の方がコミュニケーション能力が高く、男子を救う必要がある」。医学部入試で女子に不利な扱いをしたことについて、順天堂大がした説明に、批判が起きている。そもそも「女子の方がコミュニケーション能力は高い」という説に、根拠はあるのか。
 「18歳の時は女性が高くても、20歳で一緒なら、数年後に高くなる男子学生を救うため」「客観的データに基づいており、差異を補正するものと考えていた」。10日、順天堂大で開かれた記者会見で、新井一学長と代田浩之医学部長は女子受験生を不利に扱った理由をこう語った。
 同大の入試は主に、1次で筆記、2次で小論文や面接などが課され、その合算で合否を判定する。少なくとも2008年度から、女子の2次試験(満点は5・40~5・65点)の合格ラインを男子より0・5点高く設定していた。第三者委員会の報告書によると、医学部の多数の教職員が男女間の発達傾向の差を理由に「面接評価の補正を行う必要がある」と答えていたためだという。その旨の医学的検証を記載した資料として、米大学教授の1991年の論文を第三者委に提出した。
 実際、この論文にはそうした記載はあるのか。
 朝日新聞が論文を確認したところ、面接時のコミュニケーション能力について論じた部分は見当たらなかった。第三者委員会は「面接試験では受験者個人の資質や特性に伴う差異こそが性差よりも重視されるべきだ。性別を理由とした合格基準の相違には合理性がない」と非難。新井学長は、「当時は妥当と判断したが、今後はなくす」と謝罪した。
(略)


「女子の方がコミュニケーション能力が高い」から男子を救うために得点補正をしていたという説明です。それに対して、本当に女子のコミュニケーション能力が高いのかということで朝日新聞が調べたら根拠薄弱なものだったという落ちです。

問題の第一は、順天堂大学が論文の誤読していたということです。記事はその点を批判しています。

しかし、それより根本的な問題があります。仮に女子のコミュニケーション能力が高かったとしても、それが得点補正の理由にはならないということです。

何かの職業をするのに女子の方が能力が高かったら、それは”この職業は女子の方が向いている”というだけのことです。

コミュニケーション能力にも個人差があるでしょうし、医者に必要な能力はコミュニケーション能力だけではありません。したがって得点補正などせず試験は公平に受けさせるべきというのがまっとうな考え方のはずです。

【時事問題】痛々しい愛称

朝日新聞の記事「五輪・パラのボランティア、愛称投票へ キャスト、シャイニングブルーなど4案」より引用します。

 2020年東京五輪・パラリンピックのボランティアの愛称について、大会組織委員会は11日、最終候補の4案を公表した。
(略)
 4案は大会ボランティア、都市ボランティアの順で「フィールドキャスト、シティキャスト」「ゲームズアンカー、シティアンカー」「ゲームズフォース、シティフォース」「シャイニングブルー、シャイニングブルー・トウキョウ(ほか、チバなど自治体名)」。キャスト、アンカー、フォースはいずれも英語で、配役、船のいかり、力を意味する。シャイニングブルーはエンブレムの藍色を表現した。
 愛称は一体感を高める目的で、近年の大会で名付けられている。広告会社などから集めた149案から絞り込んだ。


日本の大会なのに英語で愛称をつける意味が分かりません。記事でも「配役」です、「船のいかり」です、「力」です、と説明しなければ分からない始末です。案を絞り込んだ人たちはかっこいいと思い込んでいるのでしょうが、痛々しいです。

山手線の新駅「高輪ゲートウェイ」と一脈相通じるものを感じました。

【雑記】野暮な突っ込みです

NHKのNEWS WEBよりノーベル賞受賞の本庶佑氏のインタビュー記事を引用します。

日本大使館の祝賀会のあとの記者会見で本庶佑さんは「きのう記念講演を終え、私がやるべきことの半分くらいは終わったと思っています。あとはメダルをいただくという大仕事がありますが、少しは気楽にできるかなと思っています」と今の心境を語りました。
そしてノーベル賞の受賞について、「ノーベル賞をもらえる確率を考えると、先進国の5か国くらいでおよそ34万人の教授がいるので、毎年10人くらいが受賞者するとして確率は3万4000分の1になる。一方、ゴルフでホールインワンするのは2万数千回に1回と言われていて、確率的にはノーベル賞をもらうほうが難しいと言える。なので、ゴルフでは当然、ホールインはすでにやっています。僕はゴルフの夢とサイエンスの夢の両方を達成しました」と好きなゴルフと比較しながらおどけていました。
(略)


ノーベル賞は毎年やっているので、生涯におけるノーベル賞獲得確率は、3万4000分の1ではありません。

特定の年に、という限定であれば確かに3万4千分の1になります。

しかしそうするとホールインワンとの比較が間違っていることになります。ホールインワンの確率といわれる数字は、プロの場合は難易度が高いコース設定だったりアマの場合は技量がさまざまだったりするので色々言われていますが、いずれも一回打った場合の確率です。「2万数千回に一回」というのも、一回打った場合の確率のはずです。

ゴルフは1日で1ラウンド(18ホール)を回るのが基本ですが、このうちホールインワンが現実的に可能なのは、3打で上がることが基本のショートホールだけでおよそ4つです。つまり一日ゴルフに行けばホールインワンのチャンスは4回です。また、ゴルファーは一年に一回しかゴルフ場に行かないというわけではないので、1年間を通して考えると、ホールインワンの確率はもっと高くなります。

つまり本庶氏は、ある年にノーベル賞を取る確率と一回打った場合にホールインワンになる確率という比較にならないものを比較しています。

ノーベル賞受賞者にまで突っ込みを入れてしましましたが、別に他意はありません。面白いと思ったことを書いてみただけです。ご笑殺ください。

【朝日新聞】比較になっていない比較記事

12月9日朝日新聞朝刊社会面。「ゴーン前会長 長い勾留に困惑」より

日産自動車前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が10日に再逮捕される見通しとなった。11月19日に逮捕されたゴーン前会長。東京拘置所での勾留は年末まで長引くことになりそうだ。国際的な名声を得てきた経営者は今、どのような境遇にあるのか
(略)


日本の外国での容疑者の扱いの違いを記事にしています。しかし取材が行き届いていないのか変な記事です。具体的にみていきます。

▼取り調べに弁護士が同席できるか
日本:不可
フランスなど欧米:可

「欧米」というくくりだとアメリカと全てのヨーロッパが可能なのでしょうか。言外に例外もありそうな含みが感じられます。ゴーン氏に関係あるレバノンやブラジルでどうなっているのかも書いてありません。

▼取り調べの言語
日本(というかゴーン氏の場合):英語
外国:-

日本語が分からない場合、日本での取り調べに英語は使えるそうですが、英語もできない場合はどこまで対応するのかよく分かりません。外国でどうなっているのかも書いてありません。

▼取り調べ以外の過ごし方
日本:差し入れられた本や翻訳された日本の新聞記事を読める
外国:-

外国ではどうなのか書いてありません。

▼勾留の部屋
日本:三畳ほどの単独室。AM7:00起床。PM9:00就寝。起床中は横になることは禁止。
外国:-

外国ではどうなのか書いてありません。

▼食事
日本:パンが月1~2回。主食は米7割、麦3割を混ぜたもの。
外国:-

外国ではどうなのか書いてありません。

▼風呂
日本:火、金の週二回
外国:-

外国ではどうなのか書いてありません。

▼空調
日本:全館空調。ただし満足できるレベルではないらしい
外国:-

外国ではどうなのか書いてありません。

▼キッチン付きの居室
日本:-
オーストリア:ヨーゼフ・シュタット拘置所にキッチン付きの居室がある

オーストリアの他の拘置所にはあるのかないのか書いていません。オーストリア以外の外国でどうなのかも書いてありません。日本の場合も書いてはいません(ないのだと思いますが)


▼母子のための居室
日本:-
オーストリア:ヨーゼフ・シュタット拘置所に3歳までの幼児と生活できるおもちゃを備えた居室がある

オーストリアの他の拘置所にはあるのかないのか書いていません。オーストリア以外の外国でどうなのかも書いてありません。日本の場合も書いていません(ないのだと思いますが)

▼電話
日本:-
イタリア:レビッビア刑務所(拘置所兼務)では、週一回、最長10分まで使用可能

イタリアの他の拘置所でどうなっているのか書いてありません。イタリア以外の外国でどうなのかも書いてありません。

▼面会室
日本:-
イタリア:レビッビア刑務所は面会室に仕切り板はない。ただし、組織犯罪に関係した場合は、ガラス越の面会で会話は記録される。

イタリアの他の拘置所でどうなっているのか書いてありません。イタリア以外の外国でどうなのかも書いてありません。



このように容疑者の扱いについて外国と比較しているようで、全く比較になっていません。

【展覧会】フィリップス・コレクション

於:三菱一号館美術館

米国ワシントンの私立美術館フィリップス・コレクションから有名画家の作品が大挙来日しました。「全員巨匠!」という煽り文句がつけられています。

実際、みんな有名画家でした。どれが目玉ということもないようです。時代的には新古典派から現代美術まで幅広くそろっていました。

アングルの「水浴の女(小)」が気に入りました。

2019年2月11日まで

【朝日新聞】つまらない芸人

12月7日朝日新聞朝刊オピニオン欄。「耕論」のコーナーは先ごろ決定した大阪の万国博の特集です。その中から、大阪国際大学准教授・谷口真由美氏の「オッサン目線、70年の郷愁」より引用します。

 「万博」と言われても、わくわくしないですね。
 1970年の大阪万博は意味があったと思います。人やモノの移動が難しい時代に、パビリオンで各国を疑似体験して世界を知ることができたから。「太陽の塔」のような訳のわからんものが残ったのも、おもしろい。でも、いまは違う。海外旅行やネットで世界中の情報を得られます。
 にもかかわらず、70年万博の衝撃を忘れられない世代が、政官財のトップになって誘致活動を進めました。その主要メンバーは男ばかり。「オールジャパン」の誘致ではなく、「オッサンジャパン」です。オッサンたちのノスタルジー(郷愁)につき合わされたくないんですよ。
(略) 


まともに論理だてて論ずる気にもなりません。

かつてすべての物事を男女の対立で読み解いていたタレント教授が社民党から比例代表で議員になったことがあります。議員として活動する準備も覚悟もなかったためか、ほどなくして社民党を去りました。当時の党首は女性だったにもかかわらず、”社民党は男社会だ!”といった悪態をついていたのには笑いました。

谷口氏にも同じ臭いがします。まともな社会批評ではなく、「オッサン」というキーワードで世相を斬る芸です。

ただしあまり面白くありません。

芸人を育てるのは客であると言います。こういうくだらない芸に拍手を送ってテレビに出したり新聞に載せたりしていると、芸人は自分は受けていると勘違いをするだけでしょう。

【時事問題】我々は監視社会に生きていたのか?

朝日新聞の記事より引用します。

東京・渋谷でハロウィーンに集まった若者らが軽トラックを横転させた事件で、警視庁は関与した疑いがある17~37歳の男15人を特定し、このうち東京、神奈川、山梨各都県の20~27歳の会社員や美容師ら男4人を、暴力行為等処罰法違反(共同器物損壊)の疑いで5日逮捕し、発表した。他の男らも同容疑で書類送検する方針。


いったいどうやって犯人を特定したのかと思えば、監視カメラの映像を分析したそうです。

犯行現場を写したカメラで犯人を特定し、移動したところを周囲の監視カメラの映像から探し、順々に辿っていって、映像に写らなくなった近所で聞き込みをしたことで犯人を特定できた、とのことです。

なるほどと思う面もありますが、信じられない気もします。渋谷の駅構内までは追いかけることはできるかもしれません。しかしそこからが難題です。どの駅で降りたかわかなないのですから、かなり大量の画像を調べるしかありません。頑張って東京や神奈川の駅のすべての監視カメラをチェックできたにせよ、山梨まで調べるのはさすがに難しいのではないでしょうか?

しかし実際捕まえたわけですから、警視庁は他の捜査手法を使っていて、それを隠しているのではないかと疑いたくなります。

本当に監視カメラだけを使ったとしても、捜査員が目でチェックするような原始的なものでなく、AI技術を駆使したとかではないかと思われてなりません。

どうやら、いつのまにやら我々の社会は監視社会になっていたみたいです。

【朝日新聞】専門家による批判はどうあるべきか

12月4日朝日新聞朝刊。「呉座勇一の歴史家雑記」の「百田氏新作 過激と言うよりは」より

発売前から予約殺到で話題になった百田尚樹氏の『日本国紀』(幻冬舎)を読んでみた。さぞかし過激な内容だろうと予想していた私は正直、拍子抜けした。日本は東洋には属さず「ユーラシア大陸と対峙する一文明圏」であるとぶちあげた西尾幹二氏の『国民の歴史』(文春文庫)に比べれば、穏健にさえ映った。
むしろ古代・中世史に関しては作家の井沢元彦氏の『逆説の日本史』(小学館)の影響を強く受けているように感じた。百田氏にせよ、井沢氏にせよ、日本史学会の守旧性を激しく批判し、新しい歴史像の提示を謳っているのだが、彼らの歴史理解は実のところ古い。
『日本国紀』も『逆説の日本史』も、平安貴族の平和ボケを指弾し、摂関政治の腐敗を嘆くが、この種の平安時代暗黒史観は明治以来の伝統である。王政復古によって成立した明治政府は天皇親政を本来あるべき政治形態と考え、摂関政治を否定的に評価した。そして近代日本が富国強兵に突き進む中、軟弱な貴族と質実剛健な武士を対比的に捉える歴史観が浸透した。
こうした理解は、武士を社会改革の担い手とみなした戦後歴史学でも踏襲された。だが、さすがに現在の学界では「暗い古代」と「明るい中世」といった単純な見方はとらない。百田氏はまず佐藤信編『古代史講義』(ちくま新書)あたりを読んでいただきたい。


百田氏の『日本国紀』は未読です。井沢元彦氏の『逆説の日本史』は読んだことがあります。

ネットでは怪しげな言説がチェックなしで流布していると批判されますが、実は出版業界も似たようなものです。編集が入るので誤字脱字はある程度チェックされますが、内容そのものへはノーチェックみたいです。

その最たるものが宇宙科学に関するもので、「アインシュタインは嘘ばかり」とか「ホーキングの理論はデタラメ!」みたいな本が出版されています。彼らの主張は、膨大な実験結果と矛盾していて専門家からみればこうした本はゴミ同然でしょう。

同じように歴史のジャンルも同様です。いかがわしい本がたくさん出版され図書館にまで入り込んでいます。

残念ながら素人にはうさん臭さは分かるものの具体的にどこがどう間違っているのかを言い当てることはできません。結局のところ著者の経歴とか肩書をみて、信頼できるかどうかをみるしかありません。

百田氏も井沢氏も作家であって歴史学者ではないので、この判断基準を使うなら、信用できないとなりますが、実はそう簡単には決められません。

個々の歴史的事実があったとかなかったとかいうのであれば一次資料にあたっている学者の言を重く見るべきですが、『逆説の日本史』や多分『日本国紀』もですが、主たる内容は歴史観です。

歴史観とは思想ですので、歴史的事実を突きつけて論破するというのは簡単にはできません。(あまりにも歴史的事実と矛盾していると論破できますが)

呉座氏の言っているのは、百田氏や井沢氏の主張が「古い」というだけで、間違っているとは論証していません。多分できないのでしょう。当たり前ですが古い歴史観だから間違っているということにはなりません。

まず佐藤信編『古代史講義』(ちくま新書)あたり読んでいただきたい」というのも、権威主義的でスマートな反論とは思えません。

専門の歴史家である呉座氏の反論には説得力を感じません。

【朝日新聞】「最低賃金割れ、67%」 

12月4日朝日新聞朝刊の記事『「最低賃金割れ、67%」 野党が分析、政府公表と差』より

 衆参法務委員会の野党委員が3日、失踪した外国人技能実習生2870人に対する昨年の法務省調査の元資料である聴取票を分析した結果、67・6%の1939人が最低賃金割れだったと発表した。法務省は複数回答の結果、失踪の理由として「最低賃金以下」を0・8%、22人としており、実習の実態が大きく異なることを示す結果となった。野党は4日の参院法務委で追及する構えだ。
 聴取票は、実習先から失踪して摘発された実習生から理由や置かれた状況などを個別に聞き取ったもの。野党議員に閲覧が許可されたが複写は禁じられ、手分けして書き写したという。
 野党の分析によると、ほかにも「過労死ライン」とされる月80時間以上の時間外労働をしていた実習生が全体の1割、292人いた。失踪の理由は、指導が厳しい(181人)、暴力(139人)、強制帰国(81人)など。セクハラ(4人)、妊娠(1人)もあった。
(略)


野党が何を問題にしているのかピンときませんでした。

法務省の調査は、失踪者から失踪利用として「最低賃金以下」と回答したものを報告しています。野党の調査は、失踪者の賃金を分析したら「最低賃金以下」だったものが67%だったというものです。

調査の内容が違うのだから矛盾はしていません。

最低賃金以下なのは我慢できても、暴力振るわれるのが嫌で逃げ出した人もいるでしょう。そういう人は、法務省の調査では失踪理由は「暴力」となりますが、最低賃金以下で働いていたというのも事実です。

そもそも野党が、法務省もですが、失踪者だけを対象として最低賃金を調べるというのがおかしいです。失踪していない技能実習生の何割かが今も最低賃金以下で働かされているかもしれません。

よりよい制度のために実態を調査しようというならいいのですが、なんでもかんでも与党批判につなげてしまうことに、今の野党の限界を感じます。

それはともかく、調査票をコピーさせないというのは無意味な意地悪です。野党も野党ですが、政府(あるいは法務省)の方にも疑問を感じます。

【朝日新聞】仏大使の死刑廃止論

12月3日朝日新聞朝刊オピニオン欄。フォーラム「死刑、どう考える」にローラン・ピック駐日フランス大使の文が載っています。

 オウム真理教の元メンバーに刑が執行された7月6日と26日、死刑に反対し、廃止を呼びかけるメッセージを発表しました。すると大使館に7千件超のコメントが寄せられました。過激なものもありましたが、なぜ死刑廃止を訴えているのか、コメントに私が返事をする形で動画を作り、ユーチューブや大使館の公式ツイッターで公開しています。
 たとえば「死刑を廃止したら犯罪やテロが増える」といった声はたくさんありました。でも、フランスが1981年に死刑を廃止した後、犯罪は減少傾向にあります。死刑を廃止した他の国の多くでも、犯罪率は上がっていません。死刑の存在が犯罪を抑止するという証拠はありません。
 地下鉄サリン事件が日本にとって、いかに脅威だったかは十分に理解しているつもりです。フランスも、テロの標的にされた経験があるからです。それに関連し、「フランスはテロリストを射殺している」という指摘もありました。しかし、緊急事態における正当防衛と、刑事裁判の末に実行犯を死刑にして執行することは異なります。正当防衛が疑わしい場合には、警察組織内の調査も行われます。
 「内政干渉だ」とも批判されましたが、そんな意図はありません。声明は私たちの意見を表明するためで、日本を批判したいわけでも、日本の国民の意識を変えたいわけでもありません。ただ、民主主義国家では、意見に違いがあっても対話をすることが大切です。
 フランスは、世界中で大切にされている人権や価値観を守るため、どこの国で死刑が執行されても、同じように声明を出しています。死刑廃止に反対するコメントを寄せた方々とは今後も対話を続けていきます。


私自身は終身刑を導入する前提での死刑廃止派です。しかし、一般の死刑廃止論者の主張には首をひねらざるをえないものが多数あります。ピック大使の説もその一つです。

■死刑に犯罪抑止力はあるか?
死刑を廃止して犯罪率が上がっていないからという理由では抑止効果ははかれません。死刑の代わりにどういう刑罰を課すようになったかというのが重要です。死刑の代わりに終身刑ということなら犯罪率は変わらないでしょうが、死刑をやめて罰金刑なら社会はタガが外れるでしょう。死刑単品で論じても意味がありません。

■緊急事態の正当防衛と死刑は違うのか?
死刑反対の理由の一つが人命尊重としている以上、制度としての死刑と現場の射殺は同じ土俵で、つまり人命尊重という基準で論議しなければなりません。したがって犯行現場での射殺と死刑は別ではありません。

仏では現場での射殺が疑わしい場合は警察の内部調査が行われる、つまり人命を奪ってもチェック機能が働いているから問題なし、という説のようです。それであるなら日本の死刑制度も裁判所で入念に審理をした上での判決です。

日本の裁判所の判断は信じられないが、仏警察の内部調査は信じられるというのは、フランス人の傲慢です。

■内政干渉なのか?
ピック氏は内政干渉の意図はないと言っていますが、内政干渉でないといえば内政干渉でなくなるというわけではありません。

「民主主義国家では、意見に違いがあっても対話をすることが大切です」とのことですが、よその国と対話をしなければならないのは、経済や環境など一国で収まらない問題であればその通りです。しかし刑罰をどうするか、といったあきらかな内政問題でも対話しなければならないものでしょうか?

■なんのための死刑廃止を呼びかけるメッセージか?
一般に発言をするということは、相手になにかをしてもらうとか何かを止めてもらうという行動を促すためにするのが普通です。

死刑廃止メッセージを出したのは、死刑に対する日本人の意識を変えて死刑制度を廃止してもらいたからだと思ったら、「日本を批判したいわけでも、日本の国民の意識を変えたいわけでもありません」ときました。

なら、なんのために死刑廃止メッセージを出したのでしょうか? 

【朝日新聞】『グローバルエリートと「魂の病」』

12月2日朝日新聞朝刊。「日曜に想う」のコーナー。編集委員・大野博人氏の『グローバルエリートと「魂の病」』

 日産のカルロス・ゴーン前会長の逮捕とはなにか。
(略)
 渦中のルノーに対して1人の株主が臨時株主総会の開催を求める声を上げた。そこで自分は役員に立候補し、社長も目指すという。持っているのは50株、最近の時価で30万円前後とささやかだ。
 声明で「私はコストカッターになる」と宣言している。ただし「新しいタイプの」という。「異様に高い社長報酬を4分の3削減する」。幹部の報酬も従業員の給料と株価に連動させると。
 この株主は、仏右翼政党、国民戦線の幹部を長く務めたブルーノ・ゴルニッシュ氏。今も欧州議会議員として各国の右翼議員らと連携して活動している。
 愛国主義者を自任する人が対決姿勢を示しているのは、外国企業に対してではなく、グローバルエリートに対して。
(略)


ルノーで、社長や幹部の報酬の減額を求める株主があらわれました。

米国民主党の大統領候補に挑んだバーニー・サンダース氏みたいなことを言っているなと思いましたが、昔は「極右」呼ばわりされていた国民戦線の幹部の発言でした。

米大統領候補を選んでいた時のことですが、バーニー・サンダース氏と大統領になったトランプ氏の主張には、一脈相通じるところがあると思っていました。両氏ともウォール街的な金持ちへの怒りを表明していました。主たる支持層がインテリの若者か地方の中間層かの違いはありますが、この部分の主張は似ています。

この構造がフランスでも再現しているようです。極右と言われた人が「プロ経営者」を非難している図は面白いと思いました。

ひるがえって日本では、「プロ経営者」自体が目立たない(唯一目立っていたゴーン氏が失脚した)せいか、こういう思想を語る政治家が出てくることはないのかもしれません。

【テレビ】クイーン・メアリー 愛と欲望の王宮

スコットランドの女王メアリー・スチュワートを主人公とした歴史ドラマです。アメリカで制作され、NHK-BSで放映されました。いわゆる欧米の大河ドラマというところです。

史実に基づくところもありますし、大胆に変更したり、史実にない重要人物がでてきたりするのも、大河ドラマっぽいところです。

シーズン1と2はフランス宮廷での陰謀劇でしたが、シーズン3からイングランドのエリザベス女王、フランスのカトリーヌ・ド・メディチとスコットランドのメアリーの3人が主人公格となりそれぞれ運命が交錯していきます。

結構面白かったのですが、打ち切りになったみたいで、最終回の最後で、突然20年後にすっ飛んでしまって無理やり終わりになりました。それまでの伏線の回収もなにもなしにです。ここらあたりは、何があっても打ち切りのないNHKの大河ドラマに軍配が上がります。
sidetitleプロフィールsidetitle

えいび

Author:えいび
日々の出来事、映画やアニメの感想です。

sidetitle最新記事sidetitle
sidetitle最新コメントsidetitle
sidetitle最新トラックバックsidetitle
sidetitle月別アーカイブsidetitle
sidetitleカテゴリsidetitle
sidetitleFC2カウンターsidetitle
sidetitle検索フォームsidetitle
sidetitleRSSリンクの表示sidetitle
sidetitleリンクsidetitle