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【朝日新聞】政治断簡:人と人 人と政治がつながるには

3月9日朝日新聞朝刊。論説委員・松下秀雄の「人と人 人と政治がつながるには」より

 先日の東京都知事選の訴えで心にしみたのは、家入一真さん(35)の「居場所」だ。
 ひとごとに思えなかったからだ。私のケースにあてはめれば、こんな呼びかけだ。
 《会社人間ほど、倒産したりクビになったりした時に行き詰まりますよ。ほかにも人とつながれる、居場所のある社会にしましょうよ》
 仕事が趣味だし、バツイチ独身だから好きなだけ働いている。それだけに、会社という居場所や書く仕事を失ったら。孤立して、抜け殻になるかもしれないな。
 家入さんは29歳のとき、最年少でジャスダックにIT企業を上場させた起業家だ。
 (略)
 ほかの居場所を作るため、家入さんは実験を重ねる。
 Livertyは、会社以外の仕事を作って「自由に働く」ことをめざすチーム。メンバーは退社後に集まり、「顔面広告」のようなアイデアを持ち寄って事業化を図る。
 「リバ邸」は全国に展開するシェアハウス。若者が疑似家族のように暮らす。会社や学校をやめ、孤立を避けるため入居する人も多いという。
 日本は会社と家族を基盤にした社会だった。会社は家族のぶんまで賃金を払い、家族で支えあったから、政治の出番は少なくて済んだ。
 その基盤が急速に崩れている。50歳になって一度も結婚したことがない人の割合である「生涯未婚率」は、男性では1970年まで1%台だったが、10年は20%。非正規雇用はいまや、雇われている人の38%を占める。
 孤立しやすい人と人が緩やかにつながり直し、居場所を持てるか。日本の大問題だ。
 「でも、政治は放っておくと、若い子が集まるシェアハウスにもダンスにも規制をかけていく」
 だから、知事選に出た。
 孤立する人が増えても、政治の関心は薄い。
 一因は政治の構造にある。政治家からみれば、会社や労組のような組織はつかめても、砂粒のような個人はどうつかんだらいいか、わからない。票になりにくい。
 家入さんはその構造に挑戦した。使った道具がインターネット。発信だけでなく、対話に使ったのがミソだ。
 公約は「居場所」のようなキーワードのほかは白紙で臨み、ツイッターなどで意見を募った。子育て中でも、引きこもっていてもツイッターなら書き込める。
 「保育園と老人ホームが合体した施設を」「養子縁組が普通になれば」。集めた声と作った公約の対照表をホームページで公開した。声は届いたと確認できるように。
 9万票弱で落選したが、これは出発点。いまも人と政治をつなぐ知恵を絞っている。


家入氏や松下氏が言っている「居場所」とは正確には他人との関わりのことのようです。文字通りの居場所なら家で一人でゴロゴロしていたって居場所は居場所ですので。

私自身は若干の孤独癖があるせいか、「居場所」がなくなるという恐怖は感じていません。現役中は仕方ないにせよ、退職後に無理に付き合いたくない人間と付き合う必要はない、とさえ思っています。

必要なのは「居場所」ではなく、やりたいことだと思います。やりたいことをやるのが幸せですし、その活動の中で気の合う知り合いができればなお結構です。友達を作ることが目標だというのはおかしな気がしますし、ましてそれを政治の役割だというのは違和感があります。

それはともかく、面白いと思ったのは、家入氏が人との絆をつくるのにネットの活用を考えているらしいことです。現在の世間の空気では、ネットでの人間関係を虚構のものと蔑視しています。家入氏の考えは、ネットとリアルの境を設けない、すくなくともネットの人間関係を否定しない柔軟な発想に見えました。

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