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【朝日新聞】時事小言:東アジアの緊張

3月18日朝日新聞夕刊。時事小言のコーナー。国際政治学者の藤原帰一氏の「東アジアの緊張」より。

(略)
尖閣諸島の国有化を宣言した日本に対して中国政府と中国社会が極度に強硬な反発を示した2012年9月以後、米国政府は中国への軍事的牽制を強めるのではなく、むしろ日中両国の妥協を模索した。日中間の領土紛争のために米中戦争の危険を冒す意思はないからである。
 アメリカ単独で力を行使しないのなら、同盟国の協力を強めるほかはない。だが、慰安婦をめぐる日韓両政府の対立を典型として、それぞれの国内政治に根ざした地域対立をアメリカが打開することは難しい。また、東アジアの緊張を招いた主な原因は中国政府の行動であったが、就任後ほぼ1年慎重な外交に終始した安倍首相は、昨年12月に靖国神社に参拝したために、日本が緊張拡大の引き金となる懸念を招いてしまった。東アジア諸国の対立を前にしたアメリカは、自らの軸足を動かすだけでは打開を見込むことのできない東アジアの緊張を見守るほかにないという状況に追い込まれていった。
 集団的自衛権に対して行われたこれまでの批判の基底には、日米同盟のために日本が戦争に巻き込まれるという懸念があった。だが、いま戦争に巻き込まれることを懸念しているのは、日本よりはむしろアメリカのほうだ。安倍政権の集団的自衛権容認方針を前に慎重な立場に終始するアメリカの背後には、地域各国を操作する力の乏しいアメリカという現実がある。
 私は、国際社会の一員として日本政府が必要な武力行使に当たることが必要な状況は存在すると考える。だが、いま求められるのは、アメリカが軍事介入を行う意思の乏しいなかで東アジアの安定を実現することであり、歴史問題に関する日本の孤立の解消や日韓関係の打開である。戦わないアメリカのもとにおける安定の模索が、集団的自衛権の容認よりもはるかに切迫した課題であると私は考える。


米国は戦争するつもりもないので日本としては集団的自衛権の論議よりも中韓との関係改善をすすめるべき、との意見です。これは藤原氏に限らずよく見かける議論です。

私としては、中韓との関係改善に反対はしません。どこの国とも仲良くできればそれに越したことはありません。ただ理不尽な妥協をしてまで仲良くする必要はないとも思っています。

しかし、こうした意見に賛成できないのは、集団的自衛権の整備と周辺国と仲良くすることが二律背反という前提に立っていることです。この二つは必ずしも矛盾しません。

集団的自衛権論議の仮想敵は、中国と北朝鮮(もしかしたらロシアも)だと思います。その意味で中国から見れば不愉快かもしれませんが、現実に戦争を起こさせない仕組みをつくることは長い目でみれば敵視政策とは言えません。

国防に関する論議を停めなければ周辺国との友好関係を築けないというのであれば、それは本当に友好なのでしょうか。

また、尖閣の問題でアメリカが日本の戦争に巻き込まれることを心配している、との指摘は正しいと思います。しかし、朝鮮半島での有事では、依然としてアメリカと韓国が起こす(起こされる)戦争に日本が巻き込まれるという懸念があることに変わりありません。中国と韓国をいっしょくたに議論するのは間違っています。

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