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【朝日新聞】日曜に想う:日中韓、試される包容力

4月6日朝日新聞朝刊の「日曜に想う」コーナー。特別編集委員・山中季広氏の「日中韓、試される包容力」です。

 中国ハルビン市を訪れ、開館したばかりの安重根記念館を見てきた。
 ご承知の通り、1909年に伊藤博文元首相を射殺して死刑に処せられた韓国独立運動家である。
 「ぜひハルビンに記念碑を」と朴槿恵大統領が昨年6月、習近平国家主席に持ちかけた。記念館へ格上げされたのは主席じきじきの指示だった。
 「毎日500~700人が来館する。韓国の方々が熱心ですね」と職員。遺墨や判決文など展示内容は、予想していたほど一方的ではない。
 むしろ驚いたのは、記帳簿で読んだ来館者たちの強烈な日本批判だった。「中韓人民は団結し日本を倒す」「日本が消滅すれば平和が訪れる」
 抗日運動に詳しい歴史家、李雲橋さん(60)によると、安の知名度はハルビンの外では高くない。「中国全土の中高生の98%は知らない。安の功績を中国ももっと学ぶべきです」
 だとしても、にわかに中韓両国が手を組んで暗殺者を称揚するのは不自然では。私が問うと李さんの眉が動いた。「日本の侵略に身を捨てて抗した義士です」。でも裁判上は犯罪者でした。「あれは不公正な裁き。無罪とすべきでした」。話は平行線をたどった。
 実はこれより先、ソウルにある記念館でも似た経験をした。施設の立派さに驚く私に学芸員が「敬慕の的ですから」。日本にとってはテロでは。「それは違う。歴史的な義挙です」
 苦い味が残った。なぜあんな応酬をしたのか。安の話だと感情的になる。記者失格じゃないかと考え込んだ。
 専門家をのぞけば、安について私たちは多くを知らない。ところが韓国では、その名を口にするだけで世代を超えて反日闘争心に火がつく。
 実感したのは20年ほど前、日本の教科書に登場して韓国内で賛否の大騒動になったころだったか。あるいは、サッカー日韓戦の客席に巨大な肖像画がはためいた時だったか。
 安重根、南京事件、強制連行――。中韓が日本の歴史認識を揺さぶり続ける。官房長官らが同じ土俵で反論すれば、いっとき国内世論の留飲は下がる。けれど対外的には紛糾の度を増すだけである。むしろいまの日本は、土俵を超え、国境も超えるような包容力を見せる時なのかもしれない。
 たとえば、なでしこジャパンの選手たちが反日一色の中国観客に向けて感謝の横断幕を掲げたことがある。「ARIGATO 謝謝 CHINA」
 強烈な印象を与えた。中国紙は「日本の選手は不快な感情を乗りこえた」と論評。「負けた」と反省する声がネットにあふれた。7年前のことだ。
 一連の歴史問題で、私自身および安倍政権に足りないと思うのは、なでしこが見せたあの大きさのことである。
(略)


山中氏も唐突に中韓が連携して安重根を賞賛しだしたことに違和感があるようです。しかし、山中氏は中韓と議論をするのが面倒くさくなったのか知りませんが、「包容力」をみせろと主張しています。ようするに中韓に反論せずにハイハイ言うことを聞いておけ、ということです。

こういうのは問題を先送りしているだけでなんの解決にもなりません。それどころか事態を悪化させるおそれもあります。官房長官の反論が溜飲を下げるためだけにやっているとするのは皮相な見方だといわざるを得ません。

なでしこジャパンの「包容力」で、中国人のスポーツ観戦マナーは向上したかもしれませんが、効果はそれにとどまります。国と国の問題を「包容力」だけで解決するのは無理があります。
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