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【朝日新聞】日曜に想う:波立つ南シナ海、頼りになるのは

4月27日朝日新聞朝刊。「日曜に想う」のコーナー。特別編集委員・山中季広氏の「波立つ南シナ海、頼りになるのは」より。

 日本2泊、韓国1泊、マレーシア2泊、フィリピン1泊と駆け足で4カ国をめぐるオバマ米大統領。今回最も熱烈に歓迎されるのは、あす到着予定のフィリピンかもしれない。
 もともと反米デモの盛んな国だが、今回関心を呼ぶのは中国大使館前のデモの方である。南シナ海でわが物顔の中国に反感が高まっているからだ。
 「中国さん、距離の測り方も知らないかね」。数十人が声を上げたのは今月初旬のこと。持参した特大の巻き尺を散乱させた。はるか遠海まで自国の管轄下だと主張してはばからない中国を巻き尺で皮肉った。
(略)
 アキノ大統領は現在の中国をナチスになぞらえた。「不正に国際社会がイエスと言えば事態は悪化する」「私はチェコのような譲歩はしない」
 陸海空とも中国とは比較にならない自国の防衛力をマニラの人々は盛んに自嘲する。「中国がジャイアンで、フィリピンはのび太。いじめられてばかりだ」と。米国というドラえもんの介入を待ち焦がれているのだ。
 今回の訪問でオバマ大統領は、二十数年ぶりに米軍の拠点を比国内に設ける協定を結ぶ。冷戦終結後の92年、米軍は望まぬ撤退を強いられた。追い出した米軍に戻ってきてと頼むのだから、よほどの危機感である。
     *
 さて、オバマ大統領がきょう訪問中のマレーシアも、同じ南シナ海で同じように中国と領有問題を抱える。
 ところが現地で取材してみると、対米・対中感覚がフィリピンとはまるで逆だった。米国大使館前では反オバマ集会が開かれているが、中国大使館前は静か。66年のジョンソン大統領以来、ほぼ半世紀ぶりの米大統領訪問なのに、歓迎ムードは驚くほど低い。
 マレーシア近海でも中国の動きは挑発的である。「中国領の最南端」と記した碑を投下したり、無断で海底を探査したり。それでも政府は米国に泣きついたりはしない。
 「二つの強国が角を突き合わせる時代に、どちらか1国に賭けるのは危うい。冷戦以降ずっと、それがマレーシアのような小国の生きる知恵です」。戦略国際問題研究所のブン・ナガラ氏(59)は説明する。
 この国は人口の3割弱が中華系で、中国は最大の貿易相手である。イスラム教徒の多い国ゆえ、中東でイスラエルに肩入れする米国には不信も強い。
 念のため会う人ごとに尋ねてみた。「米国、中国、貴国はドラえもんの世界にたとえると誰に似ていますか」
 自国をのび太と感じる点はここも同じ。だが米国をドラえもん視する人はいない。米国は身勝手な暴力国家であって「中国もジャイアン、米国もジャイアン」という見方が一般的だった。
     *
 さてオバマ大統領は今回、東京とソウルで「同盟重視」にかなり踏み込んだ。クアラルンプールとマニラでも「軸足は太平洋に」と訴えるだろう。
 だが少し立ち止まって考えたい。これは、超大国から軍事上のお墨付きを得たと手放しで喜ぶべき事態なのだろうか。これでただちに海域が平穏を取り戻すならよいが、ことは逆に波を高くする方向に向かっていないか。
 ハワイで生まれ、インドネシアで暮らしたオバマ大統領は太平洋の子かもしれない。だが米国という国は、歴史的にも地理的にも世界観からしてもやはり大西洋国家である。南シナ海や東シナ海の岩礁や無人島にどんな利害を見いだし、どこまで関与する気か、先を見通すのは相当にむずかしい。
 波立つ南シナ海を機内から見下ろしながら、いるはずのないドラえもんの姿を私はいつまでも探し続けた。


フィリピンでは中国と敵対的になったので、米国との友好を重視している。しかし、マレーシアは、人口の3割弱が中華系・中国との貿易依存が高い・イスラム教徒が多い、といった理由で必ずしも反中親米ではない、という報告です。

要するに、フィリピンはフィリピンのマレーシアはマレーシアの国情に合わせて行動しているといういかにももっともな指摘です。しかしなぜか山中氏は、米国に頼るという政策が一般的に(つまり日本でも)間違っているといわんばかりの書きっぷりです。

マレーシアにとって米国がドラえもんでないのは、マレーシアにとっては真実かもしれません。しかし、それがフィリピンや日本に当てはまるかどうかは別問題です。

米国が心情的にアジアよりヨーロッパに近しい、というのは事実だと思います。しかし、それがアジアでの戦争を忌避する理由にはなりません。それが証拠に、第2次世界大戦以降でも米国は東アジアで朝鮮戦争とベトナム戦争という大きな軍事衝突を起こしています。むしろ、積極的に戦争行動をしているようなふしもあります。

将来、米国がフィリピンや日本を防衛するために軍隊を積極的に動かさない可能性はあります。しかしそれは、それは米国の国益をにらんでのことであって、アジアに関心が薄いから、というのは理由ではないでしょう。

まして、その可能性があるがゆえに米国への傾斜を弱めて中国にすり寄ろうというのは知性的とはいえません。
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6億ちょぼちょぼ

中国の人口は公称の半分(推測)
ベトナムには「くんな」といわれたオバマ?
沈没船はそろそろ『埋める』
これ以上の遺体回収はできない
こいつ等すべて
人食い人種です。
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えいび

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