FC2ブログ

【朝日新聞】社説:袴田事件が問うもの―死刑のない社会を考える

5月6日朝日新聞社説は死刑制度についてとりあげています。明言していませんが、社説は死刑制度に反対しています。
私も誤判の危険があるので死刑には反対です。しかし、一般に流布する死刑反対論には納得できないものを持っています。
以下、社説を引用する形で私見を述べます。

 人の命を、刑罰として国家が奪う。
 それがいかに重いことか、世に問いかけたのが、死刑囚袴田巌さんに対する静岡地裁の再審開始決定だ。
 もし刑が執行されていたら、取り返しがつかなかった。
(略)


袴田氏が無実かどうか知りませんが、一般論として、その通りだと思います。無期や有期刑だったら取り返しがつくのか、という反論もあり得るでしょうが、死とは大きく異なります。誤判を避ける努力をしつつ、万が一に備え死刑は避けるべきと考えます。

 政府の世論調査では、死刑の存続を8割以上が支持する。
 しかし、この究極の刑のあり方について、国民的な議論を十分重ねてきたとは言い難い。
 人の命を奪う許しがたい犯罪には厳正な刑罰で臨まねばならない。だが、その選択肢はいまの死刑しかないのだろうか。
 死刑がある社会を生きる一人ひとりが問い直すべき問題であろう。
(略)


ここでよくわからなくなります。「国民的な議論」の定義がありません。何をどうすれば十分なのか具体的に示さなければ分かりません。
余談ですが、朝日新聞によれば、憲法や税や国防などは、国民的な議論が十分だったと考えているのでしょうか?

 死刑の執行を一時停止し、議論の深まりを待つ方法も広くとられてきた。


この意見は全く賛成できません。死刑の執行を停止しなくても議論は可能です。むしろ、こうした高いハードルを設けることが、死刑廃止派が増えない理由だと思います。これからの裁判で死刑判決を無くすことと、すでに死刑判決がくだった死刑囚への処遇は別に考えるべきです。

 政府の世論調査では、死刑存続を支持する人の半数以上が、廃止すると凶悪犯罪が増えることを理由に挙げた。しかし、死刑に特別な抑止力があるかどうかは、立証されていない。


抑止力があるかないかは、死刑のかわりにどういう罰を設けるかにもよります。
仮釈放なしの終身刑なら死刑と大差ないでしょう。しかし、上限を懲役20年などとしたら抑止効果はなくなり、特に組織暴力組織の構成員の凶悪化が進むと予想します。

 凶悪犯罪には命をもって償うべきだという理由を挙げる人も多かった。
 だが今でも、社会の処罰感情が強い犯罪のすべてに死刑が適用されているわけではない。刑を「報い」としてだけでとらえるべきでない難しさがある。


何を言っているのかよく分かりません。刑罰に「報い」という側面はあるのは死刑だけではありません。罪には報いが必要です。凶悪犯罪には死刑かどうかは別としてそれなりの報いが必要なのは当然です。

 犯罪で家族や愛する人を奪われた遺族らの厳罰を求める気持ちは当然のものだ。その痛みは計り知れない。
 一方で、あえて加害者に生きて償うことを要望する遺族もいる。被害者のさまざまな思いを加害者の刑に反映させるには、限界がある。必要なのは、被害者と遺族を社会がいかに手厚く支えていくかではないか。
(略)


被害者と遺族を支えるのに異存はありません。しかし、それと死刑廃止は無関係です。

 4月末現在、確定死刑囚は132人いる。
 法務省は7年前まで、死刑執行の対象者の名前や場所などを公にしてこなかった。国会議員や報道機関に刑場を公開したこともあるが、一時的なもので終わった。
 死刑執行がきわめて重い公権力の行使でありながら、政府は情報公開を極度に制限してきた。これが死刑をめぐる議論を妨げてきたことは否めない。


死刑になった人間の名前や場所の情報が死刑の論議に必要な理由がわかりません。裁判は公開されているので、事件について秘密にしていたわけではありません。死刑にしたことを公開するか否かだけでした。それにしたところで7年前から公開しています。刑場の公開が議論に必要だとは全く思いません。

 絞首刑という方法がふさわしいかも論点だろう。残虐な刑罰を禁じる憲法に反しないとする最高裁判決から約60年がたつ。死刑存続派の識者からも見直しを求める意見が出ている。


これは死刑廃止とは無関係です。死刑存続を前提とした議論です。

 超党派の国会議員でつくる死刑廃止議連は、仮釈放のない無期刑(重無期刑)の新設を検討していた。いずれ社会に戻れるかもしれない無期刑と死刑の落差はかねて指摘されてきた。


これは賛成です。終身刑を作らないのであれば、死刑廃止には賛成できません。

 死刑の代替刑として、重無期刑をどのように考えるか。政府は市民に意見を問うことを避けてきたが、正面から向き合うべき問題ではないか。


政府の責任ではありません。どこかに責任があるというのであれば、死刑廃止論者側にあります。現状を変えようとする側から動くのは当然です。
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

sidetitleプロフィールsidetitle

えいび

Author:えいび
日々の出来事、映画やアニメの感想です。

sidetitle最新記事sidetitle
sidetitle最新コメントsidetitle
sidetitle最新トラックバックsidetitle
sidetitle月別アーカイブsidetitle
sidetitleカテゴリsidetitle
sidetitleFC2カウンターsidetitle
sidetitle検索フォームsidetitle
sidetitleRSSリンクの表示sidetitle
sidetitleリンクsidetitle