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【朝日新聞】インタビュー:中国、成長の死角

5月14日朝日新聞朝刊。オピニオン欄。ハンガリーの経済学者、ハーバード大学の名誉教授コルナイ・ヤーノシュ氏のインタビィーです。中国問題について語っています。

 ――2030年までに、中国の国内総生産(GDP)は米国を上回るとみられています。
 「中国の人口は米国の4倍あり、いずれGDPで米国を抜くでしょう。確かに経済の規模にも重要性はあります。たとえばミサイルや戦車をたくさん持てるようになるという意味ですから。しかし、いまの時代、戦車の数で軍事力をはかれますか。戦車を連ねてどこへ乗りこむのですか。むしろ無人攻撃機などハイテク競争になっています。それを生み出す技術力で、中国は米国にはるかに及ばない。予測しうる何十年ものあいだ、追いつけないでしょう。そこに中国経済の問題がみえます」


中国が戦車大隊を編成しても、ハイテク兵器で抑えられる、という主張です。しかし中国の戦車がいきなり米軍と戦うわけではありません。中国と同じようにハイテク兵器を持たない周辺諸国にとっては中国のローテク兵器は脅威です。また現在のハイテク兵器でもミサイルを簡単に防ぐことはできません。

 ――どういうことですか。
 「米国は、自由に自分の考えや相手と異なる意見を言える。多くの人が知恵を出しあえる。私のように外国の研究者でも、公平に受け入れる大学があります。そしてイノベーション(革新)を進めるため、リスクをとって投資をし、成功すれば見返りを得られるオープンで競争的な金融市場がある。それはルールに従って動く信用で成立しています。中国にいま、それがあるでしょうか。もちろん中国は昔、皇帝のもとでいろんな発明をしましたが」
 ――羅針盤や紙……。
 「そう。自由な社会だけがイノベーションの条件ではない、という反論もあるでしょう。中国が共産党の一党支配から選挙を通じた民主政治に変われば、イノベーションがすぐにでも起きるとも言いません。しかし、自由こそがイノベーションにつながるひらめきと、それを育てる環境に密接に結びついているのは確かです。権力からの抑圧を恐れている社会は、革新的な精神を殺します」
(略)


ソビエトは自由な社会ではありませんでしたが、科学技術は発達していました。宇宙開発では米国と競争し、兵器開発でも決してひけをとっていませんでした。「自由の社会だけがイノベーションの条件ではない」というのは実に真っ当な反論です。根拠を示さずに「自由こそがイノベーションにつながるひらめきと、それを育てる環境に密接に結びついているのは確かです。権力からの抑圧を恐れている社会は、革新的な精神を殺します」と言っても、説得力を感じません。

ヤーノシュ氏が自由で民主的な社会を求める気持ちには共感します。しかし、自由で民主的な国家が抑圧的な国家をうちまかすことができる、というのは願望が入りすぎた予測だと思います。

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