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【本】金儲けが下手な日本人のためのカジノ論


金儲けの下手な日本人のためのカジノ論 (ワンテーマ21)金儲けの下手な日本人のためのカジノ論 (ワンテーマ21)
(2014/05/08)
堀 紘一

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著:堀鉱一

著者は元ボストン・コンサルティング社長。カジノの体験談と、日本でカジノを解禁した場合の注意点が述べられています。

まず驚いたのは、堀氏が48年間カジノに出入りし、しかも数千万円レベルの賭けを行う「ハイローラー」として遊んでいたことです。なお、堀氏はトータルで損をしているそうですが、自制心があるせいか、財産をすべて失うようなことにはなっていません。

日本でのカジノ解禁に対して堀氏は賛否を明言していません。しかし、作るとしたらああしたらいい、こうしたらいいと述べていますので、賛成派に分類して間違いないでしょう。

賛成の理由は、経済効果です。税収の増加と、雇用の増加です。

彼等(カジノ事業者)が儲かるかどうか、それは英語でいえば「ナン・オブ・アワ・ビジネス」。つまり相手の問題であってこっちの問題ではない。(P220)


と述べています。

しかし、カジノ事業者が儲からないと(=カジノに人が集まらないと)、税収も上がりませんし、就労者も先がありません。「ナン・オブ・アワ・ビジネス」というのは正論だとしても、やはりカジノが人で賑わうのが成功の前提になるはずです。

では、日本のカジノに誰が来るのか、ということですが、堀氏は

私としてはむしろ、日本人客が八〇%前後を占めるのではないかとも予想しているくらいだ。
中国人が一〇%くらいで、韓国人と台湾人がそれぞれ五%くらい、残り数%がほかのアジア諸国の人たちや欧米人になるのではないだろうか。」(P128)


と言っています。また、

カジノには予想される以上に高齢者が集まるはずだ。
高齢者はお金と時間があるのに、お金を使わない傾向が強い。高齢者がカジノに出かけるようになれば、貯蓄率の高さを切り崩していける。いかに高齢者にお金を使わせるかということは、日本経済にとっては一番の課題になっていた部分だ。
こうした連鎖によってGDPが伸びていくのは、国家経済としては好ましい。」(P130)


つまり、日本の高齢者がカジノで金を落とすことを見込んでいます。

ここで疑問が出ます。第一に、日本の高齢者がそんなに簡単にカジノで金を落とすのか、という疑問です。大多数のお金を溜め込んだ高齢者は競馬もしなければパチンコ店にも行きません。彼等は賭け事そのものが嫌いみたいです。だから貯蓄率が高いのです。堀氏は自身がカジノ好きであるため、カジノが解禁されたら万人が喜んで出かけると思い込んでいるではないでしょうか。

もちろん一部の老人はカジノに通うでしょう。しかし、その内の何割かは、破産寸前になる恐れがあります。経済効果どころかマイナスの影響さえ懸念されます。誰もが堀氏のような自制心をもって遊んでいるわけではありません。

堀氏の論は、利点欠点を客観的に引き比べて判断しているのではなく、都合のいい「絵」を見ているようにしか思えません。

なお、「はじめに」の次の一節、

世界中の百か国以上、二千か所以上にカジノがある中で、これまで日本にカジノがなかったのが不自然だったのである。
カジノがないのは文明国として恥だともいえる。(P4)


というのは全く論理が通っていません。「不自然だった」まではいいとして、それが「恥」である理由がありません。こういう滅茶苦茶を言う人のいうことは眉に唾をつけて読むべきでしょう。

参)【本】カジノ解禁が日本を亡ぼす
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