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【朝日新聞】ノーベル賞級の発明を増やすには 中村修二さん一問一答

10月18日朝日新聞朝刊にノーベル賞を受賞した米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授・中村修二氏のインタビューです。

一昨昨日弊Blogで、朝日新聞に載った「争論:社員の発明、誰のもの」への感想を載せました。諸外国との比較をして論じて会社のものにすべきとの学者の意見に説得力があると記しました。ただし、欧州との比較はすでに無意味で米国との比較こそが重要なのではないかとの留保も付け加えました。

このインタビューで中村氏は米国との違いを示して、発明は社員のものとすべき理由について答えています。一昨日の弁護士先生と比べてはるかに説得力があります。

しかし、氏の日本文化論には疑問を感じます。

(略)
 ――ベンチャーが日本で広がらないのには、日本の文化の影響もありますか。
 「昔、でっち奉公と言った時代がありました。死ぬまで長く勤めることが正しいような風潮もあった。私は会社を辞めることは悪いと思っていた。そういう洗脳教育を受けているので。ずっと同じ会社に勤めることを、正義のように教えられたんですよ」
 ――ほかに日本へのメッセージはありますか。
 「日本はグローバリゼーションで失敗していますね。携帯電話も日本国内でガラパゴス化している。太陽電池も国内だけです。言葉の問題が大きい。第1言語を英語、第2言語を日本語にするぐらいの大改革をやらないといけない」
 ――独創的な研究を生むには何が必要ですか。
 「私も、日亜化学でできたというのは、入って十数年は良いベンチャー企業だったから。創業者がお金を出し、一切干渉しないという理想の環境だった。大手企業では発明はまずできない。個人で自由にできるから独創的な発明ができる」
 (略)
 ――なぜ米国籍を取られたのですか。
 「米国の大学教授の仕事は研究費を集めること。私のところは年間1億円くらいかかる。その研究費の半分は軍から来る。軍の研究費は機密だから米国人でないともらえない。米国で教授として生きるなら、国籍を得ないといけない」
 ――初等教育はどう変えれば良いですか。
 「小さいときから、何が好きかを見て、個性を伸ばすべきです。でないと、発明でもビジネスでもリーダーシップを取れません」


揚げ足とりかもしれませんが、でっち奉公というのは死ぬまで一つの店で働く制度ではありません。したがって過去のでっち奉公制度と現在の転職率とは無関係です。

中村氏は、ずっと同じ会社に勤めることを正義だと洗脳されたそうですが、いつ誰によって洗脳されたのかを語っていません。すくなくとも現在、日本全体でそうした洗脳が行われているとは信じられません。日本の問題ではなく、氏の勤めていた会社での洗脳ではないでしょうか。そもそも、日米の転職率は実はほとんど違いはないというデータを見たことがあります(『「集団主義」という錯覚』著:高野陽太郎)。

日本の技術がガラパゴス化したのは、日本人の嗜好が世界とやや外れるところがあり、しかしそれなりの市場規模を持っているのが原因です。第一言語を英語だと政府が宣言したところで、日本人が日本語を主に使うことを止めるとは考えられませんし、嗜好が変化するとも思えません。

小さいときから個性を伸ばす教育というのは聞こえはいいですが、バランスの崩れた教育が正しいのか確信が持てません。ノーベル賞をとった科学者やベジネス界のリーダーが幼少期にそうした教育を受けていたというのであればその主張も分かりますが、裏づけなしで言われても首肯できません。

専門分野について語ってもらうならともかく、半分怨みがまじったような日本文化論は聞苦しいです。
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