【放送大学】政権批判の問題文削除

10月21日朝日新聞朝刊の記事『放送大学、政権批判の問題文削除 作問者「過剰な規制」』より。

 単位認定試験の問題に安倍政権を批判した文章が含まれたのは不適切だったとして、放送大学が学内サイトに掲載する際に該当部分を削除していた。大学側は「放送法により、政治的に公平でなければならない」と説明する。だが、総務省は「法に触れない」との立場で、作問した教授も「過剰な規制」と指摘する。
 削除されたのは、7月にあった「日本美術史」の問題。戦前・戦中に風刺画を描いて弾圧された画家らについて書かれ、内容と一致しない画家名を答えるよう求めた。
 放送大は冒頭5行を削除した。「現在の政権は、日本が再び戦争をするための体制を整えつつある。平和と自国民を守るのが目的というが、ほとんどの戦争はそういう口実で起きる」「表現の自由を抑圧し情報をコントロールすることは、国民から批判する力を奪う有効な手段だった」などと書かれた部分だ。作問した放送大客員教授の佐藤康宏・東大教授(60)は「戦前・戦中期の美術史について、学生に自分たちの身近な問題に引きつけて考えてもらうために必要」と説明した。
 放送大によると、受験した670人のうち1人から「現政権の批判ともとれる文章がありました。多くの受験者の目に触れる試験で、審議が続いている事案に対して、このような事をするのは問題」という内容のメールが大学に届いた。来生(きすぎ)新・副学長は「放送法の規制を受け、一般大学より政治的中立性を配慮しなければならない。試験問題も放送授業と一体。問題文は公平さを欠くと判断した」と削除理由を説明した。
 ログイン前の続き放送法第4条は、放送事業者に政治的に公平である▽意見が対立している問題については、できるだけ多角度から論点を明らかにすることなどを求めている。ただ、総務省放送政策課の担当者は「今回のケースは法に触れず、試験まで規制対象としたのは無理がある」と指摘。紙媒体は放送されなければ第4条の規制対象にならないという。「テストが偏っていると授業内容も疑われるのを心配したのでは」とも話した。
 佐藤教授は「学問の自由が認められず残念だ」と話した。大学からの削除要請も「思想的な誘導はなく問題に不備はない」と拒んだ。2019年度まで契約期間は残っているが、今年度末で客員教授を辞任するという。(伊藤あずさ)


私は、放送大学の学生であり、この講義「日本美術史」を去年の後期にとっていました。私の試験は今年の1月だったので、今回の試験問題には遭遇していません。私の受けた試験の感想はここです。

放送大学の学生は、受講している教科でなくても過去の試験問題を見ることができます。さっそく、問題文を確認してみました。

一部が

この部分は、公開にあたり放送大学の責任で削除しました

となっていて、どの設問で異議が出たのかが分かるようになっています。

問題文は、戦前・戦中の国家体制と芸術家の関係について書かれたものです。つまり、削除された内容は、全く無関係ではありません。ただし、その部分がなくても問題文としては成立していますので、不必要といえばその通りです。

削除された文章は、削除されたので正確にはどうなっていたかは分かりませんが、朝日新聞の記事によれば

「現在の政権は、日本が再び戦争をするための体制を整えつつある。平和と自国民を守るのが目的というが、ほとんどの戦争はそういう口実で起きる」「表現の自由を抑圧し情報をコントロールすることは、国民から批判する力を奪う有効な手段だった」

というものです。

佐藤先生の意図はともかく、『現在の政権は、日本が再び戦争をするための体制を整えつつある』というのは全くの間違いとは言えません。

現政権が対外戦争を仕掛けるとは思っていませんが、日本に危機がせまった場合に対応できる(つまり戦争できる)準備をしたのが先の安保法制です。結果的に戦争状態に陥らないための法整備ではあっても、体制を整えつつあるというのは正しい解釈です。

ほとんどの戦争が平和と自国民を守る口実で起きている、というのも間違いではありませんし、表現の自由を抑圧することが批判の力を奪う手段、というのも正しいです。

削除されたのが新聞記事にあるだけであるなら、一方的な政権批判ではありません。問題文になくても成立するとはいえ、あったからいけないとも思えません。

今回の措置は、放送大学側の過剰反応だと考えます。

それは措くとして、こうした問題が起きるのは放送大学の特殊事情だと思います。普通の大学生だったら、教授の試験問題に対してあからさまに難詰することはないでしょう。大多数が社会人で占められる放送大学の学生には、客という意識が若干あり、大学側の権威が効き難いようです。
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