【朝日新聞】内田伸子氏「早期教育より遊びとふれあい」

1月5日朝日新聞朝刊オピニオン欄。十文字学園女子大学特任教授・内田伸子氏の「早期教育より遊びとふれあい」より

 子どもの早期教育が過熱気味ですが、小さいうちにどんな教育を受けさせるかで子どもの将来が決まるというのは間違いです。
 米国での調査で、生後6カ月から10カ月の間に早期教育の教材ビデオを1日1時間以上見せられていた子どもたちは、認知や言語の発達が遅れていることがわかりました。6カ月の子に1時間もビデオを見せると、起きている時間の大半で音と光の強烈な刺激を浴びている状態になり、脳にオーバーフローを起こしてしまう。
(略)
 早期の英語教育も効果は疑問です。早いうちから英語に触れさせれば発音が良くなると思われがちですが、日本から英語圏のカナダに移り住んだ子どもたちを調査すると、どの年齢で行っても発音は1年半で現地並みになります。
 英語の読書力偏差値では、7~9歳まで日本にいて、カナダに移り住んだ子が一番高い。次に高いのが10~12歳で行った子です。3~6歳で移り住んだ子は、最初は早く伸びますが、その後はゆっくりしか伸びなくなる。日本語の読み書き能力をしっかり身につけてから海外に行ったほうが、英語力も高くなります。早くから英語をやればいいというのはとんでもない間違いです。
(略)
 (聞き手・尾沢智史)


たしかに、6カ月の赤ん坊に早期教育の教材ビデオを見せて知能が発達するかというと、かなり疑問です。ただ、ビデオで脳がオーバーフローするという理論は眉唾です。ビデオでなくても、起きているかぎり世の中は光と音の刺激に満ちています。そういうことではなく、ビデオ視聴が双方向のコミュニケーションでないため、つまり逆に刺激が少ないことが発達の遅れた原因だと考えた方がしっくりします。

英語の読書力偏差値の検証結果をみると、7歳から9歳、つまり小学校低学年から英語教育をするのが一番効果的、と読めてしまいます。これでは、内田先生の意に反して、英語早期教育賛成論の根拠になってしまっています。

しかし、冷静に考えれば、これはカナダに渡航して浴びるように英語に触れた場合の話です。日本国内での英語教育が何歳からするのが効果的なのか、という判断には使えません。

また、子供が複数の言語環境で育つという国は結構あります。そうした国の人たちの知能に問題があるという話を聞いたことはありません。一つの言語に習熟する前に別の言語を習うのはよくない、というのは一般論としては成り立ちにくいと思います。

日本での英語早期教育に無理があるのは、そもそも日本国内では英語が分からなくて困るということが一切ないという事情によります。したがってある程度の年齢にならなければ、勉強の動機付けができず、結局無駄になるということではないでしょうか。

内田先生の結論には賛成しますが、途中の論拠には首を傾げます。
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