【朝日新聞】バルセロナの移民推進運動家のインタビュー

1月23日朝日新聞朝刊のオピニオン欄。スペインの街づくり専門家、ダニエル・デ・トーレス氏へのインタビュー。

氏は、移民に否定的な「うわさ」に対して、データをそろえて対抗する運動を進めています。

(略)
 ――「反うわさ戦略」はどうやって思いついたのですか。
 「私の母が『おまえは移民のためにいろいろやっているけれど、彼らのせいで医療費が膨らんでいる』と不満を口にしたのです。私は『医療費を押し上げているのはスペイン人の高齢者だ』と伝えました。行政や市民団体がどんなにがんばったとしても、住民の意識が変わらなければうまくいかないと気づきました。母のような誤解を取り除いていくことが必要だと思ったのです」
 「そこでまず、移民にまつわる否定的な表現や見方を集めてみました。公営住宅に優先的に入居できる、言葉を学ぼうとしない、子どもに特別な補助金が出ている、交流を望んでいない。いろいろありました。次にそうした見方が本当かどうかを調べ、反証できるデータをそろえていきました。『誤解』と言うと非難する感じになってしまうので、『うわさ』と呼ぶことにしたのです」
(略)
  ――欧州では昨年、大量の難民が押し寄せ、パリでのテロ事件の容疑者は移民系でした。中間にいる人たちも難民や移民の存在をうとましく思い、受け入れに反対する方向に傾いているのでは?
 「残念ながら、そうだと思います。何年もかけて地道にやってきたことが、ひとたび事件が起きると崩れてしまう。そのことを痛感した1年でした。仕事がら欧州各地を回っていますが、今後の状況も楽観はしていません。各国で極右勢力が支持を広げていますし、旧東欧では状況は特に厳しい。幸い、スペインには極右政党はありませんが、油断はできません」
(略)


「うわさ」という言葉だと、事実であるかどうかとは無関係です。トーレス氏の主張からすれば、事実でない否定的な言説、ということですので、やはり「誤解」と呼ぶべきでしょう。

「うわさ」でも「誤解」でも名称はともかく、データをあつめて客観的に語るということは賛成です。事実でないことで、他民族を排斥するのは美しくありません。

しかし、トーレス氏はパリのデロ事件の容疑者が移民系だったことで、今までの努力が崩れたと感じています。

これは訝しいことです。

移民が公営住宅に優先的に入居できないというのが事実なら、テロ事件の容疑者が移民系だったのも事実です。立場に関わらず、事実をすべて受け入れた上で、移民政策の是非を考えるべきです。

トーレス氏は、はじめから移民を是とすると決めてから、都合のよい事実だけを集めているように見えます。要するに事実のつまみ食いです。

移民は難民とは違います。行き場のない人たちを救うのが難民政策なら、移民は受け入れ側にメリットがあるから受け入れるのです。頭から移民賛成と決め付け、都合のいいデータだけを取り上げる態度には胡散臭いものを感じます。

余談ですが、医療費が膨らんだ原因が移民でなく(先住スペイン人の)高齢者にあるというのは、どういう検証か分かりませんが私には疑わしく思います。

移民は、基本は仕事を求めて来るのですから高齢者は交じっていません。しかし移民もやがて高齢者になりますので、現時点で先住スペイン人と移民のデータを比較するのは間違いです。同じ年齢構成にして(先住スペイン人から高齢者や生まれつき疾患を持つ人などを除いて)比較しなければなりません。

本当に、そこまでしたのか疑問です。
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