【朝日新聞】インタビュー:ベルギーの国際関係学者

2月10日朝日新聞朝刊のオピニオン欄。ベルギーの国際関係学者バレリー・ロズ氏のインタビューより

(略) 
 ――日本は中国に対して、いつまで謝らなければいけないのでしょうか。
 「22歳のドイツ人青年から『いつまで私は(ユダヤ人虐殺について)許しを請わなければならないのか』と問われたことがあります。私はこう答えました。『出来事と全く関係ないあなたが、許しを請う必要はない。でも、あなたが責任を問われないためには、ドイツの首脳が歴史責任を認め続けなければならない。政府がそのような態度を取ることを、あなたは受け入れざるを得ない』と。政府が謝り続けるのは、歴史責任がドイツ国民の集団責任と見なされるのを防ぐためです」
 「日本も、歴史認識に関して話がまとまったと思ったら蒸し返される立場に置かれ、つらいと察します。でも、謝罪が相手側に根付くまで、政府は許しを請い続けなければなりません」
 ――政治家や政府の対応こそが重要なのですか。
 「首脳が取る態度は三つしかありません。一つは、面倒な過去を隠すこと。フランスが(旧植民地の)アルジェリアに対して取った態度です。二つ目は、被害者の立場ばかり強調すること。イスラエルとパレスチナの紛争が例で、自分たちの被害を問題にするのに相手の被害は無視するのです」
 「求められるのは三つ目の、記憶に関する作業を進めることです。仏独が両国共通の歴史教科書をつくった時のように、複数の歴史解釈を集め、協議を重ねる姿勢です。それでも、双方に解釈の違いは残る。残るのだけれど、少なくとも矛盾は解消される。片方の犯罪者がもう片方で英雄となるような矛盾が残る限り、対立の火種は消えませんから」
(略)


戦後生まれの22歳のドイツ人が第2次大戦の責任を問われないためにはドイツ政府が責任を認め続けなければならない、という理屈です。つまり、ドイツ政府が責任を認めなければ22歳が責任を問われる、ということです。

さっぱり分かりません。ドイツ政府が何を認めようと認めまいと、戦後生まれの22歳に責任なんてあるはずがありません。責任を問う者がいるとしたら、その人がおかしいのです。

最近、この手の理屈をさかんに目にします。昔のことをいつまでもいつまでも言い立てることを正当化するための編み出された理論なのでしょう。しかし、まったくお粗末です。

首脳のとる三つの態度」といって、一番目の例示でフランスのアルジェリアへの態度を挙げたのには唖然としました。ベルギーが植民地を持っていたことをベルギー人のバレリー・ロズ氏は、知らないのか、無視しています。

もしかしたら、面倒ごとを隠すというというベルギー政府の方針が大成功をおさめているのか、と思ってしまいました。

そもそも歴史の解釈など無数に存在し、時代とともに変遷していきます。例えば、徳川家康という人物への評価が、律儀者というものから権謀術数をよくする陰謀家というものまで並立するのはおかしなことではありません。むしろ健全なことです。

片方の犯罪者がもう片方で英雄」であることは、解消されるべき“矛盾”だとは思えません。

余談ですが、ブリュッセル郊外で撮ったというバレリー・ロズ氏の写真が載っています。本屋での撮影のようですが、後ろに「ONE PIECE」の特設ラックが見えました。当地でも人気があるようです。
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