【朝日新聞】「萌える安全保障」

2月27日朝日新聞朝刊オピニオン欄。「耕論」のコーナーで「萌える安全保障」で、サブカルチャーにみる日本人の戦争感が論じられています。

論者は、声優の上坂すみれさん、ライターのマット・アルトさん、元海上幕僚監部広報室長の伊藤俊幸さん、の三人です。

「GATE」「ガールズ&パンツァー」「艦これ」のポスターが載せられています。この3作品が「萌える安全保障」の象徴ということでしょう。

まずマット・アルト氏の論を引用します。

(略)
 自衛官募集ポスターに「萌えキャラ」が使われている例もあります。こんな風に、自衛隊も、過去の戦争も、かわいいキャラクターと結びつけられるのは、戦後ずっと、日本人が身近に戦争を体験しなかったことが大きい。だから戦争と少女とを絡ませたファンタジーの世界をつくりあげることができる。戦争はファンタジーなのが現代日本なのです。
 ベトナムに始まって、中東やアフガンで戦争を続けてきたアメリカでは、残念ながら戦争は身近な現実です。だから戦争映画もシリアスだし、いま、若者に人気のゲームも銃を持って走り回って敵を倒すリアルな戦争体験ゲームです。その敵もイスラム教徒が多い。テロや自国の戦争を目にする若者にとっては、それが自然です。
 自衛隊の海外での活動範囲がこの先広がって、もし不幸なことに、自衛隊員の犠牲者が出たとしたら――。
 「艦これ」人気が今と同じように続くとは思いません。護衛艦「あたご」で僕が見た女の子のイラストなど、自衛艦で見ることはできなくなるでしょうね。戦争や紛争がファンタジーではなくなるのですから。


日本では戦争が現実でないから、戦艦の美少女擬人化などのように戦争をファンタジーとして捉えている。実際に自衛隊が戦争をすることになったら、このようなことはなくなるだろう、という意見です。

伊藤俊幸の意見も引用します。

(略)
 ゲームの世界では、殺したり殺されたり生き返ったりします。もし、自衛隊が実戦を経験したら、作れなくなると思う。ゲームの中だけならいいですが、SNSなどでゲームやアニメの感覚で戦争をとらえ、ファンたちが騒ぎ出すとどうなるかも心配です。こういう作品を作る人にこそ、きちっと軍事や安全保障を勉強して欲しいと思います。


マット・アルト氏の意見と同じことを言っています。

二人の考えには賛成できません。

「ガールズ&パンツァー」は確かに戦死者もけが人も出ません。しかし、それはこの作品の特徴であって、日本サブカルチャーに共通する特徴ではありません。「艦これ」はゲームは知りませんが、アニメ版は観ていました。ここでは登場キャラクターは死にました。かなりシリアスな死でした。「GATE」でも人が普通に死にます。

日本のサブカルチャーがシリアスでない、ということはありません。

また、戦前日本で、桃太郎が戦地に赴くというアニメーションが作られていました。「萌え」ではありませんが、戦争を生々しく体験していた時代でも、戦争を題材にエンターテイメントは作られます。

これから先、日本で戦争がリアルになっても戦争アニメや武器を扱ったゲームは作られると思います。そこから「萌え」が排除される理由は思いつきません。

むしろ世の中がきな臭くなってきたら、かつての桃太郎アニメがそうだったように、国威発揚に利用されることの方が心配です。
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