【朝日新聞】投書欄「どう思いますか」:“介護体験の「徴介制」を提案”

4月6日朝日新聞朝刊の投書欄。毎週掲載の、一つの投書に対する反響の投書を載せる「どう思いますか」のコーナー。今週は、東京都の出版社役員(58)の投書が元です。

高齢者や介護に関するニュースがメディアをにぎわさない日はない。報道を見ていて気になるのは、介護の経験があるとないとではコメンテーターらの見方がまったく異なることだ。きれいごとはいくらでも言える。
現実は想像を絶するほど厳しい。私自身、難病の夫を介護し見送ったことで、人生観が全く変わった。
介護の問題は誰にとっても、他人事ではない。そこで提案したいのが「徴兵制」ならぬ「徴介制」だ。例えば18歳になったら半年間、介護施設で介護に携わってもらう制度を設けてはどうだろう。
若者が介護の技術を学び、介護者・被介護者の気持ちを理解できれば尊い体験になるはずだ。
人手が足りない介護現場にも、若い力は大きな助けとなり、有効な方策となるのではないだろうか


一般からの反応は4つです。

石川県の主婦(79)は提案に賛成しています。

千葉県の介護福祉士(43)は、半年しかいない人を訓練する時間的余裕はない、と否定的です。それよりも現在の現場の待遇改善を訴えています。

福岡県のケアマネージャー(40)は、強制的に介護をやらせても被介護者の思いを十分にくみ取れないのでは、と否定的です。

埼玉県の介護福祉士(56)は、国民全体への「徴介制」には直接触れず、国会議員が期間を決めて施設で働くことを提案しています。

いつもは、識者からの反応も一件掲載されるのですが、今回はなぜか元投書子からの反応が載りました。

「徴介制」の言葉は、「徴兵制」を想起させて、刺激的だったかも知れません。でも、きれいごとでは済まない介護問題を考えてほしいと、あえて造語で問題提起しました。寄せられた反響は、それを真摯に受け止めてくださっています。
投稿はネット上で話題になり、若者と思われる匿名の人たちの書き込みが殺到しました。感情的な反発が目立ち、介護を自分や身近な人の問題として考えたくもない、という激しい気持ちがうかがえました。こうした若者が介護される側になる、日本の将来のことを考えてしまいます。
「老い」はだれにでも、いつかは訪れる問題。投稿で一石を投じられたことには意味があったと思います。


私見です。

元投書にある「徴介制」の狙いは二つです。一番目は「徴介」することで若者の意識改革ができる。二番目には、介護現場の人手不足対策です。

介護に限らずなにかを経験すれば意識が変わるというのはありそうなことです。問題なのは、強制的に介護を経験させることでどういう意識改革を求めているのかがないこと。

元投書子は自身の経験で「人生観が全く変わった」そうですが、変わる前と後で介護への意見がどう変わったのかが書かれていません。

元投書子が18歳で介護を経験していたらもっと上手に介護ができたはずだ、とか、元投書子の旦那さんが18歳で介護を経験していたらもっと介護者に思いやりのある言動であったはずだ、といったことを主張してくれなければ説得力がありません。

介護現場の人手不足の解消については、千葉県の介護福祉士の反論がもっともです。半年しかいない人間を訓練するとなると現場への負担は計り知れません。また、労働者の賃金も基本は需給関係で決まりますので、「徴介制」による労働力の大量投入は本職の賃金体系をゆがめます。
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