【朝日新聞】労働生産性が低いのは悪いことですか?

4月28日朝日新聞朝刊のオピニオン欄。「論壇時評」のコーナー。歴史社会学者・小熊英二氏の『日本の非効率 「うさぎ跳び」から卒業を』より

 かつて、「うさぎ跳び」というトレーニングがあった。現在では、ほとんど行われていない。効果が薄いうえ、関節や筋肉を傷める可能性が高いからだ。
 しかし日本では、それに類する見当違いの努力が、随所で行われている。そして、社会の活力を損なっている。
 (略)
 日本の労働生産性は、米国に比べて低い。木内康裕によると、その比は製造業で7割、サービス業で5割だ〈4〉。飲食・宿泊では4分の1である。
 だが日本のサービス業は、怠けているわけではない。努力が見当違いになっている事例が多いのだ。
 木内はこう述べる。多くの小売業は、営業時間を延長して売上を伸ばそうとしてきた。だが営業時間延長で近隣店舗から売上を奪うことはできても、国全体の消費額が伸びなければ、食い合いになるだけで差し引きゼロだ。そして「国全体の消費額を決めるのは所得額や消費性向であり、営業時間が長くても短くてもさほど影響はない」。むやみに長時間労働しても、全体の生産性は下がるのだ。
(略)


小熊氏は、木内康裕氏の分析を紹介して、労働生産性が米国より低いことを問題視しています。小売店が無駄な努力をしても店舗間の競争をしているだけであって国全体の豊かさとは無関係、という理屈です。

この説には疑問があります。

仮に、日本のすべての小売店が開店時間を現在の半分にすれば、労働生産性は著しく改善されます。しかし、消費者は不便になります。商品価格を一斉値上げしても、労働生産性は改善しますが、消費者は迷惑します。

つまり、小売業の労働生産性が低いことは、基本的には小売業者たちの問題であって国家全体の問題ではありません。

消費者に還元されないような無意味な仕事を減らすことは望ましいことですが、業者間の競争が激しくなることで労働生産性が低下することは、社会にとっては正しことです。

逆に、小売業者の労働生産性が高い国家からは不健全な臭いがします。
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