【朝日新聞】賭博解禁について

5月20日朝日新聞朝刊のオピニオン欄。「異議あり」のコーナー。プロ雀士でもある弁護士、津田岳宏氏の「賭博禁止は現実と合わぬ、原則解禁を」より

 ――賭博罪は不当だと主張していますね。
 「いまの刑法の賭博罪は、法のあり方として問題がありすぎると思うからです」
 ――どこが問題ですか。
 「賭博がどこまで許され、どこから処罰されるかが恣意的に決められ、その根拠がはっきりしないのが最大の問題です。1950年の最高裁の判例では、賭博を罪とする理由として、賭博には勤労の美風を害し、副次的に犯罪を誘発する弊害があり、公共の福祉に反するとされています。だから賭博は一切禁止するというのならまだわかるのですが、競馬や競輪などの公営競技は認められている。国や自治体が規制するから賭博の弊害が少なくなるという理屈ですが、一般市民が納得できるものではないですよね」
 「さらに言えば、賭博罪は、日本社会の現実にも合っていません。パチンコという究極のグレーゾーンがあるからです」
 ――グレーゾーンとはどういうことですか。
 「パチンコは、風営法で、賞品として現金を提供することを禁止されています。でも実際には、客は出玉を『特殊景品』に交換して、パチンコ店のすぐそばにある交換所で換金している。世界の常識でいえばパチンコ店はカジノです。ラスベガスのスロットマシンと変わらない」
(略) 
 「国家権力が強制的に行使される範囲は必要最小限度にとどめるべきだというのが、近代の法律学の基本的な考え方です。刑事罰は国家権力の行使の最たるものですから、よほどのことでないと刑法で処罰してはいけないんです」
 ――海外でも、多くの国で賭博は禁止されています。
 「海外の場合は、宗教的な理由が大きいですね。プロテスタントは勤労を美徳とするので賭博に厳しいし、イスラムの戒律でも禁じられています。宗教と関係なく禁止している日本のほうが珍しい。そもそも、明治政府が賭博に厳罰を科したのは、自由民権運動を弾圧するためです」
 ――自由民権運動が賭博罪と何の関係があるのですか。
 「自由民権運動には、ばくちを生業にする博徒が多く加わっていました。そこで政府は、1884年に『賭博犯処分規則』を制定します。賭博をやっただけで長い懲役が科せられ、上訴も認めない。運動に加わっている博徒を厳しく取り締まることで、見せしめにしようとしたんです。この法令はあまりにもひどいので、1889年、明治憲法ができたときに廃止されますが、結果的に『賭博=大罪』というイメージが国民に刷り込まれ、受け継がれてしまったんじゃないですか」
(略)


私も、賭博のどこまでが許されてどこからが違法になるのかを警察当局が恣意的に決めているのは法治国家として問題があると思います。

しかし、厚生労働省の調査で明らかになっているように、日本のギャンブル依存症患者の割合は他国より高いという現実も見るべきです。間違いなくパチンコ・パチスロがあるからです。パチンコを賭博と認定して税収をあげて依存症対策をするくらいなら、はじめからパチンコを禁止した方が合理的です。

海外でも禁止しているじゃないか、という問いに対して、宗教がどうの自由民権運動がこうの、と言っているのは話のすり替えです。「国家権力が強制的に行使される範囲は必要最小限度にとどめるべきだというのが、近代の法律学の基本的な考え方」と、まるでギャンブルを禁止している日本が世界の常識に反しているようなことを言うから反論されているのです。

国営の競輪・競馬が許されているのに何故、という疑問は分かります。しかし、競輪・競馬は毎日朝から晩までレースがあるわけではありません。依存しようにもレースがなければ依存できません。年中無休の賭博は、ギャンブル依存症の増加につながります。

問題提起としては分かりますが、津田氏のギャンブル解禁論には疑問を感じます。
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