【朝日新聞】あやしい「子どもの貧困格差」

6月11日朝日新聞朝刊の「いちからわかる」コーナーで「子どもの貧困格差、日本で深刻なの?」という記事が載りました。

 アウルさん 子どもの貧困格差が深刻と聞いたわ。
 A その国の最貧困層の子どもが標準的な子どもに比べて、どれぐらい厳しい暮らしをしているか。それに着目したのが、子どもの貧困格差だ。貧困率が貧困の広がりを表すのに対し、貧困格差は深まりを示す指標だ。先進41カ国で日本は8番目に格差が大きかった。ユニセフ(国連児童基金)が4月に発表した。
 ア どう計算するの?
 A 厚生労働省の国民生活基礎調査から2012年の数値を使った。18歳未満の子どものいる家庭の年間手取り収入を家族の人数で調整した金額を、まず試算。それを順番に並べ、下から10%目と真ん中の子どもの金額差を数値化した。子どもに収入はないけれど、その金額に相当する生活水準にある、という考え方だ。
 ア それで結果は?
 A 下位10%目は84万円で、真ん中の211万円より127万円少なかった。最貧困層の子どもの金額は、標準的な子どもの4割にも満たない。上位の北欧諸国は6割以上だよ。
 ア 順位は下がったの?
 A ユニセフが日本について分析したのは今回が初めて。今までは各国と比較可能な日本のデータがそろわなかった。ただ、首都大学東京の阿部彩教授が今回分析したところ、日本は1985年より格差が拡大している。
 ア 貧困の度合いが大きいと、どんな問題が?
 A 貧困から脱するのが難しくなる。学力低下や健康悪化のリスクも高まるので、金銭的支援だけでなく、手厚く多彩な支援がもっと必要だ。
 ア 対策をとらないと。
 A 限られた財源をどこに充てるかは、議論が必要。現金給付のほか、子育てにお金がかからないようにすることも考えないと。教材費なども含めた義務教育の完全無償化を望む声も大きいよ。
 (田中陽子)


この記事のように、格差が広がっていることを根拠に貧困問題を憂う主張はよく見聞きしますが、どれも納得しがたいものです。

何がおかしいかというと、それぞれの国で「18歳未満の子どものいる家庭の年間手取り収入を家族の人数で調整した金額を、まず試算。それを順番に並べ、下から10%目と真ん中の子どもの金額差を数値化」しているからです。

これでは、困格差が大きいとされた国の最貧困層が、貧困格差が低いとされる国の富裕層よりも裕福であるという可能性が、数字上はありえます。それぞれの国で計算するのが間違っています。

その国で格差があるという話と、”最貧困層”がどの程度貧困なのかという話は別ものです。

どうしても国際比較がしたいというのであれば次の方法でできます。

調査参加国のすべてのデータを順に並べ(国別に並べるのではなく、すべてを並べます)、その下位10%(10%でも5%でもいいのでしょうが、上記調査が10%なのでそれにならいます)に、どの国がどれだけ含まれているか出します。

これなら、貧困が深刻な国の順位と言えます。

もちろん、格差が問題ないと言っているわけではありません。格差は格差で別の問題だと言っているだけです。
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