【朝日新聞】バーニー・サンダース上院議員

7月14日朝日新聞朝刊のオピニオン欄。「私の視点」のコーナーに米上院議員バーニー・サンダース氏の文章が載っています。6月29日のNYタイムズに載ったものの抄訳です。

(略)世界の経済エリートが築き、維持してきたグローバル化の進む経済は、世界中で人々を失望させている。信じられないことに、この地球上で最も裕福な62人が、世界の人口の半分の下層の人たちである約36億人の合計と同じくらいの富を所有している。上位1%の所有する富は、ほかの99%の人たちの合計よりも多い。大金持ちは想像を絶するぜいたくを味わっているが、何十億にものぼる人々は、悲惨な貧困や失業、そして不十分な医療、教育、住宅、飲み水に耐えている。
(略)
 この15年間に米国では、6万カ所近くの工場が閉鎖され、製造業で480万人以上の高給の職が消えた。このほとんどは、低賃金国に企業の移転を促す破滅的な貿易協定と関係している。そして実に4700万人近い米国人が、貧困に陥っている。医療保険に入っていない人は推定で2800万人にのぼり、入っていても不十分な人は数多い。何百万もの人々が、法外な額の学費ローンに苦しんでいる。たぶん近代史で初めて、いまの若者世代は親世代よりも低い水準の生活を送るだろう。恐ろしいことに、教育水準の低い何百万もの米国人が、絶望や麻薬やアルコールに屈して前の世代より寿命が短くなるだろう。
 一方で、米国ではいまや上位0・1%の人々が、下位90%の人々の合計にほぼ相当する富を所有している。所得が増えたうちの58%は、上位1%の人々の懐に入る。
(略) 
 はっきりさせておこう。グローバル経済は、米国でも世界でも、大多数の人々の役に立っていない。経済エリートが得をするようにと、彼らが生み出した経済モデルだ。私たち米国人は、真の変革を起こさなければならない。だが、民衆扇動や、偏狭な考えや、移民排斥感情による変革は必要ない。これらは、EU離脱キャンペーンでの巧みな言葉に使われ、(共和党の大統領候補指名が確実な)ドナルド・トランプ氏の訴えの中核をなすものでもある。
 私たち米国人は、世界中の人々をもっと緊密に結びつけ、極端なナショナリズムを抑え、戦争が起きる可能性を減らす国際協力を、力強く支援する大統領を求めている。そして、民主的な権利を尊重するとともに、ウォール街や製薬会社といった強力な利益団体だけでなく、労働者の利益も保護する経済を求めて闘う大統領だ。
 そして、いまの「自由貿易」政策を根本から否定し、公正な貿易へと移行すべきだ。米国人が、時給何セントかにしかならない低賃金国の労働者と競争させられるのは間違いだ。環太平洋経済連携協定(TPP)を打ち負かさなければならない。持続可能な経済モデルを構築する貧しい国々に、手を貸す必要がある。
 大企業や富裕層が何兆ドルもの納税を回避する国際スキャンダルには、終止符を打つ。また、地球規模の気候変動と闘い、化石燃料から世界のエネルギーシステムを移行させることで、世界中に何千万人分もの雇用をつくり出す必要もある。
(略)



サンダース氏があげる格差の実態を聞くと、大変な世界に生きているような気がしてきます。しかし、よく考えると疑問が沸いてきます。サンダース氏があげたのは、

・世界でもっとも裕福な62人と下位50%の対比
・世界の上位1%と下位99%との対比
・米国の上位0.1%と下位90%との対比

世界の実態と米国内の格差を示すために別々の数字を出すのは当然です。しかし“金持ち”のグループが上位1%だったり0.1%だったり62人だったりと一定しません。“貧乏人”も下位50%だったり下位99%だったり下位90%だったりしています。

なぜ違う基準値を出すのでしょうか。冷静に数字で判断するというより、できるだけ耳目を集めるような数字を出しているようにも見えます。

また、現時点の格差はサンダースの数字が正しいのだとしても、過去との比較がないのは困りものです。例えば、100年前とか200年前とか1000年前とかであれば世界での格差はいまより酷かったのではないかと思います。米国に限定すれば、数十年前より今の方が格差は大きいのかもしれません。

サンダース氏は、現在の格差は数字をあげながら、過去との比較がありません。したがって、格差がどのくらいの問題なのかがぼやけています。


サンダース氏は、米国の工場が閉鎖され低賃金の他国に移転したことを問題視しています。しかし、工場が移転してきた国にしてみれば雇用は改善です。米国だけで考えれば格差拡大ですが、地球規模で考えるならばむしろ格差是正の動きです。米国人からみれば低賃金であっても、その国では普通の賃金なのですから、普通に助かっているはずです。

米国人が、時給何セントかにしかならない低賃金国の労働者と競争させられるのは間違い」というのは分かります。しかし、「持続可能な経済モデルを構築する貧しい国々に、手を貸す」というのは何をしろというのか、よくわかりません。貧しい国々は低賃金で勝負せずにどうしろというのでしょう。

地球規模の気候変動と闘い、化石燃料から世界のエネルギーシステムを移行させることで、世界中に何千万人分もの雇用をつくり出す」という言葉にもリアリティを感じません。

この抄訳だけからの判断ですが、バーニー・サンダース氏の言っていることは、私には空理空論としか聞こえません。
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