【朝日新聞】「セクハラ相談巡る掲載 女性の人権への認識を問う」

11月15日朝日新聞朝刊オピニオン欄。「パブリックエディターから」のコーナー。タレント・エッセイスト小島慶子氏の「セクハラ相談巡る掲載 女性の人権への認識を問う」より

 今回取り上げるのは、8月7日付朝刊読書面の「悩んで読むか、読んで悩むか」という欄に掲載された記事「相談『中学校で男子からセクハラ、イライラ』 壇蜜さん『困った男子には“大人”な対応で』」です。
 この欄は作家ら回答者10人が回り持ちで登場し、各自の推薦本を通して読者からの相談に答えます。当日は、毎日のようにブラジャーの色を聞いたり、「胸をもませるかパンツを見せて」と言ってきたりする男子に対して「すごくイライラする」と悩む12歳の女子中学生から、タレントの壇蜜さんへの相談でした。
 回答は「きまぐれオレンジ☆ロード」という漫画を薦め、「悪ふざけには貴女の『大人』を見せるのが一番だと考えます。次に見せて触らせてと言ってきたら、思いきってその手をぎゅっと握り『好きな人にしか見せないし触らせないの。ごめんね』とかすかに微笑んでみてはどうでしょうか。(中略)漫画を読んで勇気を出して、大人の勝負に出てみましょう」などとアドバイスしています。
 これに対し、読者からは「相談者にセクハラに対する適切な対処法を示さず、むしろ矮小化し、容認するような対応を勧める回答を掲載したのは問題だ」「謝罪を求める」といった厳しい批判が相次ぎました。
 読書面を担当する阿部毅・文化くらし報道部長と、吉村千彰・読書面編集長が読者の声をどう受け止めたか、話を聞きました。阿部部長は「相談者と壇蜜さんと編集現場の間では、この欄は『直球回答』ではなく、第2、第3の意見を示すという共通理解があり、その趣旨に沿っていると判断した。だが、同じような被害に悩んでいる人たちにどう読まれるかという視点が欠けていたと反省している。『これはセクハラという行為だよ』と明示した上で、回答してもらうべきだった」と述べました。
 吉村編集長によると「中学生は壇蜜さんへの相談に応募したファン。学校外からの斜めの視点を示してほしいと望んでいた」。阿部部長は「賢くやれ、という回答をもらい、本人も保護者も満足している」と話しました。
 この件では、相談者も編集現場も回答者も「これはセクシュアルハラスメントという人権侵害なので、断固とした対応をしないといけない」という認識がなかったのではないでしょうか。見出しには「セクハラ」とついていますが、実際には編集現場も壇蜜さんの回答にある「悪ふざけ」という認識でした。その結果、性的嫌がらせを男子の好意と解釈し、男女の駆け引きとしてあしらうのが聡明な対応であると勧める回答を掲載、批判を浴びました。
 セクハラをなくすためには、まずそれが人権侵害の一つであり、許されない行為であると周知する必要があります。被害者は不快に感じているのに、加害者は単なる悪ふざけと軽んじている状況に「それはハラスメント行為で、絶対に許されない。被害者には助けが必要」と指摘し、支援することが大事なのです。
 第2の意見を示す欄だから、相談者が壇蜜さんのファンだから、は言い訳になりません。大人には被害を受けている子供に事実を伝える責任があります。そう指摘した部員が、記事が問題になるまで1人もいなかったことに衝撃を受けました。
 結果として、編集現場では「相談コーナーの回答としてこれは有りだろう」という評価でほぼ一致。「セクハラを容認することにならないか」という指摘はありませんでした。
 被害者の中には、声を上げるのをためらっている人もいます。勇気を出して被害を訴えたのに、バッシングを受けることすらあります。「男の言動に目くじらを立てず、受け流してこそいい女」という詭弁を、男性も女性も「大人の常識」として無意識に受け入れてしまっている空気こそが、女性に対するセクハラを蔓延させている温床なのです。
(略) 
 読者からの大きな批判を真摯に受け止め、改めて全社的な人権教育を行うことも含めた、誠実な対応を求めます。


セクハラ行為の相談に対して、壇蜜さんが「大人の対応」を勧めたところ、不適切と怒られたということです。小島氏も、直接壇蜜さんを責めてはいませんが、朝日新聞に対しては「全社的な人権教育をしろ」と叱っています。

壇蜜さんのファンというわけではありませんが、これらの批判はちょっと行き過ぎていると感じました。

相談の中身は、セクハラをする男子にどう対すればいいか、というものであり、壇蜜さんの回答は解決策の一つとしてあり得るものです。“人権侵害だ”と叫ぶことも解決策の一つかもしれませんが、壇蜜さんの回答が間違っているとまでは言えません。

また、新聞などの相談コーナーへの相談というのは、直接の解決策を示すものではなく、日常的に接していない著名人から新しい視点を示すものです。その中でその著名人は自分らしさを表現する場にもなります。壇蜜さんの回答は相談コーナーのあり方に沿ったものです。直接の解決策は学校の先生なり親に頼るべきです。

回答がセクハラを容認している、というのも分かりません。この回答を読んだ中学生男子が女子にブラジャーの色を聞いてもいいと考えるとは、とても思えません。

私には、人権をたてにとったクレーマーにしか見えません。
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