【朝日新聞】「LGBT 自民足踏み」への雑感

11月20日朝日新聞朝刊の総合面「360°」のコーナー。「LGBT 自民足踏み」という記事です。

夏の参院選公約で、性的少数者(LGBT)への「理解増進」と法整備を約束した自民党。だがその後、法案提出の動きはみえない。何が起きているのか。

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 自民党にはもともと、男女の婚姻と複数の子どもといった「伝統的な家族観」を重んじる議員が多く、性的少数者をめぐる課題解決に積極的とはいえない。2014年の衆院選では、NPO「レインボープライド愛媛」のアンケートに「人権問題として取り組まなくてよい」と回答。党の「家族の絆を守る特命委員会」では昨年3月、複数の議員から同性愛について「考えるだけでぞっとする」などの発言があり、笑いが起きた。
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 自民党内で動いたのは、政調会長だった稲田朋美防衛相だ。(略)
 稲田氏は今年2月、党内に特命委員会を設置した。反対派を抑えようと、安倍晋三首相に近い古屋圭司衆院議員を委員長に。差別禁止法制自体に後ろ向きな党内に配慮し、「差別禁止」でなく「理解増進」法案を掲げた。同性婚を求める当事者団体などは「同性婚ができないのは差別だ」と訴えており、「性的指向による差別禁止」をうたいたくないという事情もあった。
 だが党内は揺れた。3月下旬、山谷えり子参院議員の部屋に議員数人と、首相に近く保守派の一部に影響力のある八木秀次・麗沢大教授が集まった。出席者によると「理解増進でも、性差を否定する『ジェンダー・フリー』や同性婚につながりかねない」との懸念を共有したという。
 八木氏は4月18日付産経新聞に「異性愛も他の性的指向も平等となれば、婚姻制度の根幹が崩れる」などとする論考を投稿。特命委の活動を「無警戒」と批判した。
 八木氏に理解を求めようと、古屋氏らは翌週、党本部で八木氏と面会。「党の基本的な考え方」と法案の素案を示した。考え方には「性的指向・性自認に関わらず」との表現が複数あった。八木氏は「異性愛を基本とする社会のあり方を変える」と反発。4月27日に公表された考え方からは「関わらず」の文言が消え、「多様なあり方を受け止め合う」などとなっていた。
 それでもなお、5月17日の党合同部会では、異論が噴き出した。古屋氏は参院選前の法案了承を見送り、考え方だけを党として決定した。
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■「考えるだけでぞっとする」
自民党の複数の議員から、同性愛について「考えるだけでぞっとする」などの発言があり、さらには、笑いが起きた、とのことです。
個人の立場で、同性愛についてぞっとするのは自由です。私(男です)も男とキスするというのは御免ですし、性交渉など考えもつきません。しかし、国会議員が政策を議論の場でこの発言はいけません。

仮に、登山者のための山道の整備をしようという議論があったとします。“予算がないから当面無理です”というのはあり得る意見です。“登山者はそんなに多くないのだから無駄ではないか”というも意見としてはあり得ます。しかし、“私は山登りなんてしません。登山なんて考えただけでぞっとします”というのはあり得ません。議員個人がどうしているか、が問われているわけではありません。

発言した本人も、同調して笑った同僚も、議員としての適格性に疑問を持ちます。

■LGBTへの理解は、性差否定につながるのか
『「理解増進でも、性差を否定する『ジェンダー・フリー』や同性婚につながりかねない」との懸念を共有した』そうですが、これはかなり疑問です。

古くからあるジェンダー・フリーの考えの根幹にあったのは、男は男として育てられるから男になり、女は女として育てられるから女になる、というものです。例えば、男の子に自動車のおもちゃを与え、女の子には人形を与える。こうした性差による大人の対応で肉体の違い以上に男女の違いが生じている、という考えです。

しかし、LGBTのうちのT(性同一性障害)の存在は、この古いジェンダー・フリーの考えを否定しています。

周囲の大人の対応とは無関係に男の子と女の子の意識は別にあり、稀にそれが肉体の性とは別に宿ってしまう、というのが性同一性障害です。

「性差を否定するジェンダー・フリー」どころか、性差の存在を証明しています。

■同性愛・両性愛は保守の思想と相容れないのか
保守というのはその民族の伝統を大切にする思想です。では、日本で古くから、同性愛や両性愛が否定され一夫一婦制が守られてきたか、というとそんなことはありません。

世界の文明と比べ、日本は同性愛・両性愛にかなり開放的な文化でした。抑圧が始まったのは文明開化以降です。(ただし、女性の同性愛については分かりません。なかったのか、なかったことにされているみたいです)

一夫一婦制も、制度としてあったわけではありません。守っていたのは、複数の妻を迎えられないという経済的事情のある階層だけです。金持ちは普通に妾を囲いました。一夫一婦制は、日本文化の伝統なんかではありません。

保守思想家を名乗るなら同性愛に寛容になるべき、とまでは言いませんが、少なくとも同性愛否定が日本の伝統であるかのような間違った主張はすべきではありません。

■同性婚が認められないのは差別か
当事者団体は、同性婚が認められないのは差別である、言っているようです。これに関してはやや疑問です。

同性愛というのは古くからありましたが、同性で婚姻するという発想はかなり新しいものだと思います。日本の憲法に、婚姻は両性の合意で、とありますが、別に同性婚を差別したわけではなく、考えもしていなかっただけだと思います。

最近、選挙権を18歳から行使できるように変わりましたが、いままで18歳と19歳を差別していたか、というとそういうわけではありません。これと同じだと思います。

“同性婚を認めて欲しい”という意見なら分かりますが、“差別だ”と大上段に言われると鼻白みます。
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