【朝日新聞】米大統領選の世論調査はなぜ外れたか

米大統領選の結果が出て以来、私がこだわっている問題について、池上彰氏が朝日新聞の「(池上彰の新聞ななめ読み)」のコーナーで取り上げてくれています。11月25日朝日新聞朝刊のオピニオン欄です。

 「トランプ大統領」誕生の衝撃はいまも尾を引いています。事前の多くの世論調査で「ヒラリー優位」となっていたのに、逆の結果になったからです。
 ただし、「世論調査は当てにならない」という論調には、いささか異議申し立てをしたくなります。全米で見れば、世論調査は当たっていたからです。
 どういうことか。全米の総得票数は、民主党のヒラリー・クリントン氏が、ドナルド・トランプ氏を上回っているのです。つまり世論調査通りなのです。それにもかかわらずトランプ氏が当選したのは、大統領選挙人を過半数獲得したからです。
(略)
 それはともかく、アメリカの新聞社やテレビ局が実施した世論調査が間違ったのは、州ごとの調査です。11月10日付朝刊には、その理由を分析した記事もありました。

 〈各社の調査対象は数百~数万人で、固定・携帯電話に無作為にかけて質問する手法をとる。
 各社は投票する人種や年齢などを予想し、集めたデータを補正する。この予想がずれれば結果は大きく異なることになる。米メディアによると、同じデータを複数の専門家が補正した結果、勝者が正反対となることもあったという〉(日経新聞)

 そんなにいい加減なのですか。同紙の解説はさらに続きます。

 〈回答率が1割以下にとどまることも、世論調査のぶれを大きくしている。過激な発言を連発するトランプ氏を支持していることを知られるのは恥ずかしいと思い、質問に答えない「隠れトランプ支持者」の存在も指摘される〉

 回答率が1割以下にとどまる? それでは統計学的に意味のあるデータにはならないではありませんか。アメリカのメディアは、そんなに意味のない数字を報じていたのでしょうか。それにしても回答率がなぜ1割以下にとどまるか、この記事ではわかりません。別の解説はどうか。

 〈問題点のひとつは、米国民のほとんどが所持する携帯電話に対し、世論調査で利用することが多い自動音声のコンピューター通話が法律上、活用できないことだ。このため、調査対象は固定電話に限られることになる〉(読売新聞)

 日経新聞の記事には「固定・携帯電話に無作為にかけて質問する」とありますが、携帯電話にかけるのか、かけないのか、どちらなのでしょう。疑問が湧きますが、続きを読みましょう。

 〈だが、国内では固定電話を持たず携帯電話しか所有していない人の割合が43%に上っているため、調査対象はさらに限定されることになる。
 加えて、1970年代には世論調査に応じる人の割合が8割近かったとされるが、近年は8%にまで下落しており、調査として信頼できるサンプル数が確保できていないこともある〉

 なるほど、これなら回答率が低い理由がわかります、でも、これでは世論調査の結果を報じるメディアの信頼が失われます。翻って日本の世論調査の信頼性はどうなのでしょうか。他人事ではない問題なのです。



まず、総得票数はクリントン候補が上回ったのだから世論調査は当たったと言える面もある、というのは詭弁に近いでしょう。米大統領選が各州の勝者が選挙人の総取りをするシステムであることは、私でも知っています。米国のマスコミがそれを知らないわけがありません。したがって州ごとの勝者を読み誤ったというのが真実で、なぜ州ごとの勝者を読み誤ったのかが問題になっているのです。


日経新聞によれば、世論調査の「回答率が1割以下」だそうです。これでは正しい予測は無理です。読み外れた理由は、これが最大のものでしょう。

なお、「回答率が1割以下」になった理由に、まず“トランプ支持”というのが恥ずかしいから回答を拒否したのではないか、という指摘があります。

この説の真偽は簡単に検証できます。前回、前々回の回答率を調べればいいだけです。以前の回答率は結構高かったのに、今回1割以下に落ち込んだのであれば、“隠れトランプ”が理由として考えられます。前から1割以下ならば、“隠れトランプ”は無関係です。

残念ながら、昔の回答率は1970年代の8割と今回の1割以下という数字しか分からないので、この説の真偽はなんとも言えません。

もっとも今回だけ極端に低い回答率だったとすれば、米マスコミは騒然として、のんきに勝敗確率を報道していなかったと思います。この傾向はずっと続いているのだと思います。


ここで疑問が湧きます。「回答率」というのは、分子は回答してくれた人の数でしょうが、分母は電話をかけた数なのか、電話に出てくれた人の数なのでしょうか。

かつての「回答率」は8割だったということです。電話をかけて出てくれた人の八割が回答したというのはちょっと考えにくい数字なので、分母は電話に出てくれた人の数だと思います。電話には出たけど、世論調査に協力してくれた人が1割以下、ということでしょう。

それにしても1割以下しか協力してくれない、というのは凄い社会です。日本は5割弱です。こうなると各国の世論調査への回答率というのを比べてもらいたくなります。


携帯電話に自動音声通話が使えないこと、携帯電話しか持っていない人が43%にものぼることもあげられています。

携帯電話にかけたのか、かけなかったのか、と池上氏は疑問に感じています。おそらく調査機関によって、携帯電話に人力でかけたところと、携帯電話を無視したところがあるのでしょう。

携帯電話しか持たない人が、民主・共和ともにばらけて存在しているなら、彼らを無視してもいいのですが、違いが出たということは、共和党支持者層に携帯電話しか持たないということになります。

しかし、携帯電話しか持たないというのは都会で一人暮らしをしている人たちではないでしょうか。一人暮らしなら携帯電話で全てまかなえますが、家族がいればそうはいきません。

そう考えると、地方を支持基盤とする共和党より、民主党支持層の方に携帯電話のみ所有するという人が多いように思います。

43%の内訳を知りたいところです。
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