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【朝日新聞】どう思いますか:“同伴者も入場料を払うべきですか”

5月9日の朝日新聞朝刊の投書欄。毎週掲載の、投書に対する反響の投書を載せる「どう思いますか」のコーナー。テーマは、“同伴者も入場料を払うべきですか”です。

このblog記事で、元の投書に対してコメントしていました。ここです。

元の投書(愛知県のNPO職員の男性(36))を再掲します。

私はNPO職員として、東京近郊のテーマパークで障がいのある人とない人の交流イベントを行っています。前回イベントに参加された方から「障がいのある人にとってヘルパーや通訳者は本人の体の一部のようなものなのに、入園料を払わなければならない。なぜでしょうか」と相談されました。
「確かにそうだ」と思い、今年のイベントでは事前にテーマパーク側に問い合わせました。その結果、「同伴者への割引や優待などの対応は行っておりません。同伴者も『障がい者の体の一部』ではなく、やはりひとりの大事なお客様であることに変わりないと考えています」との回答でした。
障害者差別解消法や2020年の東京五輪・パラリンピックで目標として掲げられている「心のバリアフリー」は公平な社会の実現を目指すものです。「夢の国」ですら理解がないのかと落胆しました。
ヘルパーたちは障がいのある方の支援のために来場します。客として楽しみに来るのではありません。障がいのある方がテーマパークを楽しむためには倍のお金がかかるのかと思うと、公平な社会は遠いと思ってしまいます。


私は次のようにコメントしました
・同伴者は障碍者の体の一部という論理だと親も幼児の体の一部となってしまう。
・したがって、この論理で同伴者を無料にすると、子連れの親も無料にしなければならなくなり、それは無理。
・美術館を調べると、一様ではないが同伴者への割引がある。
・美術館の場合、同伴者は全く興味がないかもしれないので、割引あるいは無料には意味がありそう。
・テーマパークは誰もが等しく楽しい、という暗黙の前提があるので無料にしないのではないか?
・”体の一部”という論理はやめて、お宅のイメージアップになりますよ、という説得の方が効果あるのではないか?

さて、この投書に一般から4通の反響と1通の専門家の主張がありました。

障碍者施設で支援の手伝いの経験のある神奈川県の主婦(66)は、「それぞれの施設にそれぞれの考え方があります。サービスの形はさまざまであっていいと思います」との意見でした。

千葉県の主婦(62)は、そのテーマパークが”同伴者は障碍者の体の一部”という主張を呑まなかったことを評価しています。「障がい者も同伴者も「公平」な一人として、ちゃんと入場料は払い、しっかりと楽しむべきだと思います」としています。

神奈川県の無職の男性(71)は、基本的にはテーマパークの回答は正しい、すなわち同伴者も障碍者も独立した個人であり体の一部ではない、としています。その上で、テーマパークの入園料は決して安くはないので割引の考慮をお願いしたい、との立場です。(私の意見と近似だと思います)

障碍者の移動支援事業をしている静岡県の会社役員の男性(54)は、障碍者の一人前扱いするために障碍者本人は通常料金にし同伴者に割引や無料にすることを提案しています。

めずらしく4通とも元投書に賛成のものはありません。共通して感じられたのは、”同伴者は障碍者の体の一部”という意見に対する拒否反応です。障碍者を一人前扱いしていないように受け取ったみたいです。

さて、専門家として意見を述べたのは、東京大学教授(障害学)の福島智氏です。引用します。

介助を必要とする障害者にとって、介助者は切っても切れない不可欠な存在です。生命に関わる場合もあり、同伴しない選択は命がけです。
確かに、遊園地が様々な条件を抱えた障害者に適切な医療ケアや各種のサポートを提供し、「お一人で来場してもスタッフが全てサポートします」と言えることは、目指すべき理想ですし、そうなれば割引制度も不要でしょう。
しかし、障害は多種多様で、個人差も大きい、全ての障害者に対して、介助者なしてOKということは原理的に不可能です。
現状では、本来スタッフがケアやサポートを提供すべきところを、障害者が手配した介助者が担っているのだから、その分の料金を遊園地が割引するという発想は、私には極めて自然に思えます。


これだけが元投書に賛成の意見でした。

福島氏の意見は、遊園地には障碍者の医療ケアを提供する義務があるが、現状できないので介助者に肩代わりさせている。したがって無料にするのは当然、というものです。

遊園地に来園した障碍者の世話をする義務があるのに介助者にやらせている、という理屈が正しいのなら、入園料どころか日当を支払うべき、ということになってしまいます。

また、障害者だけでなく、小さい子供にも適用されてしまいます。本来は子供だけで遊びに来てもOKで遊園地側で世話する義務があるのだが実際できないから親の入園料も無料にしなければならなくなります。

福島氏の意見は賛成しかねます。実際に障碍者の介助をした経験のある市民の方に障碍者のプライドに配慮した説得力を感じました。


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