FC2ブログ

【朝日新聞】小熊慶応大教授の「安くておいしい国」論は正しいのか?

5月31日朝日新聞朝刊オピニオン欄。「論壇時評」のコーナー。歴史社会学者・小熊英二慶応大学教授の『観光客と留学生 「安くておいしい国」の限界』より

(略)
 16年のランキングだと、日本は国際観光客到着数で世界16位。ただし増加率が高く、12年から17年に3倍以上になった。今や観光は日本第5位の産業だが、多すぎる観光客のせいで「観光公害」が出ているという声もある。
 なぜこれほど急に増えたのか。アジアとくに中国が経済成長し、近場の日本が観光先になったことも一因だ。だが私が世界各地を訪ねた経験からいうと、別の理由がある。観光客からみれば、日本は「安くておいしい国」になったのだ。
 ここ20年で、世界の物価は上がった。欧米の大都市だと、サンドイッチとコーヒーで約千円は珍しくない。香港やバンコクでもランチ千円が当然になりつつある。だが東京では、その3分の1で牛丼が食べられる。それでも味はおいしく、店はきれいでサービスはよい。ホテルなども同様だ。これなら外国人観光客に人気が出るだろう。1990年代の日本は観光客にとって物価の高い国だったが、今では「安くておいしい国」なのだ。
 なお00年から16年に、フランスは国際観光客数が7%しか伸びていない。それに対し、日本は400%も伸びている。国際観光客数ランキング30位までの国で400%以上伸びたのは、日本・インド・ハンガリーの三つだ。この三カ国は、外国人観光客からみて「安くておいしい国」だといえるだろう。
 このことは、日本の1人当たりGDPが、95年の世界3位から17年の25位まで落ちたことと関連している。「安くておいしい店」は、千客万来で忙しいだろうが、利益や賃金はあまり上がらない。観光客や消費者には天国かもしれないが、労働者にとっては地獄だろう。
(略)
 私は、もう「安くておいしい日本」はやめるべきだと思う。客数ばかり増やすより、良いサービスには適正価格をつけた方が、観光業はもっと成長できる。牛丼も千円で売り、最低賃金は時給1500円以上にするべきだ。「そんな高い賃金を払ったら日本の農業や物流や介護がつぶれる」というなら、国民合意で税金から価格補助するか、消費者にそれなりの対価を払ってもらうべきだ。そうしないと、低賃金の長時間労働で「安くて良質な」サービスを提供させるブラック企業の問題も、外国人の人権侵害も解決しない。デフレからの脱却もできないし、出生率も上がらないだろう。
 日本の人々は、良いサービスを安く提供する労働に耐えながら、そのストレスを、安くて良いサービスを消費することで晴らしてきた。そんな生き方は、もう世界から取り残されている。


変な主張だと思います。

まず、日本の観光客が増えたのは日本が「安くておいしい国」になったからという説です。

これは小熊氏の想像でなのでしょうが、通常こうしたもの(旅行先に日本を選んだ理由)は旅行者へのアンケートで確かめるべきものです。想像だったらなんでも言えます。

だいたい、飛行機代やホテル代を払って来る観光客の目当てが安い食事だけのはずがありません。ほかの目的がある旅行者が、日本は安くておいしくてよかった、と喜ぶというなら分かりますが、それを主目的にはしません。難民とは違うのです。

百歩譲って、海外旅行者というものは「安くておいしい」食事にひきつけられるのだ、という理論が正しいと仮定します。

そうであるなら、観光客数伸び率上位の国(日本・インド・ハンガリー)ではなく、観光客数上位の国が「安くておいしい」はずです。

伸び率の上位と絶対数の上位を混同して惑わしています。

また、小熊氏は、(価格に転嫁して、あるいは増税して)最低賃金を引き上げ、「安くておいしい」国をやめようと主張しています。

当たり前のことですが、労働者は同時に消費者であり納税者です。賃金があがっても、それ以上に税金や商品価格があがったら不幸になりますし、賃金の上げ幅以下なら幸福になります。

なにを根拠に最低賃金を引き上げると労働者=消費者=納税者が幸福になると考えいるのか分かりません。

私には、定収入がない人のことも考えれば、選択すれば安い食事があるというのは正しいように思います。
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

sidetitleプロフィールsidetitle

えいび

Author:えいび
日々の出来事、映画やアニメの感想です。

sidetitle最新記事sidetitle
sidetitle最新コメントsidetitle
sidetitle最新トラックバックsidetitle
sidetitle月別アーカイブsidetitle
sidetitleカテゴリsidetitle
sidetitleFC2カウンターsidetitle
sidetitle検索フォームsidetitle
sidetitleRSSリンクの表示sidetitle
sidetitleリンクsidetitle