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【テレビ】新 必殺からくり人

必殺シリーズの第十一作目。1977年11月~1978年2月までの13回。

噂には聞いていましたが、この度テレビ神奈川で放送されているのを初めて観ました。広重の「東海道五十三次」の絵に殺しの暗号がかくされているという奇想天外な趣向です。

毎回のタイトルが「東海道五十三次殺し旅 xx」となり、xxに宿場の名前が入ります。

旅芸人に扮する(別に芸人というのは嘘ではないのですが)殺し屋が東海道を下りながら、一件十両(合計130両)の殺し旅をします。

また、高野長英が殺し屋の一味として参加しているのも趣向の一つです。残念ながらこの旅で長英は何度もけが人の治療をするのですがほとんど助けられません。今風のつくりなら名医・高野長英が何人も救って見せるのかもしれませんが、必殺シリーズのダークな雰囲気に合わせてか、無力感にさいなまれています。

作中では広重は、安藤広重と名乗っていますし、クレジットでも安藤広重です。最近の絵画史の本では安藤は本名の姓なので絵かきとしては歌川広重が正しい(安藤広重という名乗りはおかしい)と繰り返し強調されています。1977年のテレビ放映時ではまだ厳密になっていなかったようです。

東海道五十三次の絵はすべて保永堂版のものです。版画ですので、刷られた絵に広重があぶり出しになるように特殊な赤絵具を入れたとう設定になっています。

必ずしも殺しのターゲットを赤くしたとも限りません。ひどい目にあってる被害者が赤くなったり、悪人の儲けの種が赤くなったりと様々です。広重が絵以外で説明をする(手紙なのか口伝なのか不明)場合もありますし、絵以外に説明のない場合もあります。そればかりか広重は事情をまったく知らず”何かおかしい”という予感だけで赤を入れている場合もあります。

依頼は13件ですが、赤が浮かび上がるの絵は14枚あります。第七話の「荒井」で荒井の絵とともに、隣の舞阪の絵も使ったからです(二つの宿で悪いことをしている悪人を討つので依頼としては一件)

また、最終話の京の絵では、赤が浮かび上がる絵と、橋が崩落する絵の二枚が登場します。

最終話で明らかになりますが、広重は幕府の隠密としても動いていて倒幕の動きがある場合の各宿での対応方法をひそかに描いたシリーズも作っていました。不手際から京の一枚を殺し屋の方に紛れ込ませてしまったらしいです。

■感想
いくつかの宿で何があったのかよく知らないのに絵に赤を入れて、自腹(一件十両の大金!)で殺しを依頼するというのは不自然です。また、絵以外で事情説明があったりなかったりというのも統一が取れていません。江戸で依頼した時に会っているのですから、別に絵を使わなくてもよかったはずです。絵を使う必然性が見当たりません。

また、幕府隠密としての働きと、悪人を討つ依頼をするというのがバラバラです。幕府の隠密なんだから、悪い奴を見かけたら上に報告するのが本当のはずです。殺しの依頼は違法行為でしょうに。

整合性とか矛盾とか考えると及第点に届きませんが、浮世絵を殺しの依頼に使うというのは秀逸なアイデアで楽しめました。

なお、続編というか同じ趣向で北斎が登場する「富嶽百景殺し旅」というのもあるそうです。「三十六景」でなく「百景」を使うというのがなんともマニアックな感じです。放送されたらこれも観てみたいです。
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