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【朝日新聞】学校の冷房は問題なのか?

9月20日朝日新聞朝刊オピニオン欄「私の視点」のコーナー。上智大学・木村護郎クリストフ教授の「学校のエアコン 身体・環境、功罪見極めて」を引用します。

 熱中症対策として、学校へのエアコン設置が急速に進められつつある。しかし単にエアコンを設置すればよいのだろうか。猛暑が深刻度を増しつつあるからこそ、熱中症とその背後にある問題を大きくしないために、エアコンの功罪をみきわめて上手に利用する知恵が求められる。
 とりわけ学校での冷房使用は、身体・環境教育を含めた広い視野から、未来世代への責任感をもって考える必要がある。
 まず身体的な面について考えたい。空調に頼りすぎると、身体は、気温変化に対応して順応する機会を奪われる。子どもは体も小さくて水分を十分に蓄えることができないため、熱中症になりやすいことが指摘されている。しかし、成長と共に体温調節機能を発達させることは、四季が明確で気温変化の大きい日本で健康に生きていくうえで欠かせない。
 私の子どもが通う中学校では、ここ数年でエアコンを設置したが、少し気温が高めになると、すぐ冷房を要求する子どもが出てきているという。周辺環境にもよるが、まずは窓を開けるのが基本である。
 エアコンがあるからといって早い時期から冷房をつけると、どうしても暑さに慣れずに夏の盛りを迎えてしまう。また夏は、外が暑いとつい冷房の温度設定を低くしたくなるが、外気温との差が大きいと自律神経系の調節がうまく行えずに体調不良を来しやすくなる。
(略)


子供のうちからエアコンに頼りすぎるのは問題があるのではという、誰しも感じているであろう意見です。

しかしよく考えると根拠に欠けているように思います。

「空調に頼りすぎると、身体は、気温変化に対応して順応する機会を奪われる」というのはありそうなことですが、世界には常夏の国もあれば常冬の国(そんな言葉があるのかどうか分かりませんが、年中寒い国のことです)もあります。しかし、こうした国の人たちが気候の違う国に行った途端に自律神経がやられるということは聞きません。

また、木村氏は夏の空調(すなわち冷房)を問題視していますが、冬の空調(すなわち暖房)は昔から学校に備わっていました。28度の部屋から35度の外に行っても7度しか違いません。しかし20度の部屋から0度の外に行ったら20度も違います。冷房よりも暖房の方が外気温との差が大きく自律神経系の調節がうまくいかなくなる可能性が高くなるはずです。しかし、暖房温度を5度にしろとか無茶を言う人はいません。

木村氏だけでなく大人一般が冷房だけを問題と感じるのは、自分たちの子供時代に暖房はあったけど冷房はなかった、ということだけが理由ではないでしょうか?

ところで、この木村教授の専門は医学関係かと思って調べたら言語学の先生でした。素人が新聞で意見を発表してはいけないとは言いませんが、大学教授という肩書だけで専攻を書かないのは問題です。知らない人は専門家の意見だと信じ込んでしまいます。
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お礼と補足

拙稿、うのみにすることなく丁寧に読んでいただきありがとうございます。せっかくご指摘をいただいたので、若干補足させていただければと思います。
1.異なる気候帯の人は、往々にして、同じ気候にも異なる反応をします。慣れない気候で体調を崩すことは珍しいことではありません。エアコンに慣れた学生たちは、(名古屋の住宅密集地で育ち、エアコンなしで受験勉強もした)私がまったく平気なときも、エアコンがないと授業に集中できないと言ってくるなど、より寒い地域出身の人と似た反応をします。これまでは世界各地の人類はそれぞれの気候に世代ごとに、また世代を経て身体的に適応してきたのですが、そのような適応の過程をとめて、年中一定温度でないと生活できないようにしてしまうことが日本に住む人々の将来にとってよいことかわかりません。
2.暖房による外気温との差がそれほど問題にならないのは、通常、冬に外に出るときはそれなりの防寒着を着るからです。暖かい室内と同じ格好で外出したらただではすまないでしょう。人間は寒さに対しては服を着て調節できますが、暑さに対しては肌を脱ぐことができないので、汗などで対応します。夏と冬の冷暖房は体温調節に関して同じ関係をもつわけではありません。
3.私の専門は、言語(およびエネルギー)の社会的な側面の研究ですので、言語の文法などを扱ういわゆる言語学ではありません。アプローチはむしろ社会学です。読んでいただいた拙稿は、健康面と(引用していただいた個所のあとにつづく)環境面を合わせてエアコンの過度な使用を「社会問題」としてとらえたものです。健康面と環境面を両立させることをめざさないと、どちらも社会的に立ちいかなくなるということが基本的な問題意識でした。なお、記述内容は、資料収集のうえ、専門の医師および環境建築の専門家にみてもらっています。

Re: お礼と補足

はじめまして
本blogでは、新聞・雑誌に載った多くの識者の発言を取り上げて賛同したり疑問を呈したりしてきましたが、決して流行っているとはいえないblogなので、ご本人からの反応は初めてのことで驚いています。本人は読まないと決め込んでいたわけではありませんが、多少礼儀知らずな文面になっていることも否めなく、こうしてコメントをいただくと汗顔のいたりです。

丁寧な補足説明、拝読させていただきました。

必ずしも全面的に賛同したわけではありませんが、ご主張の背景は理解いたしました。


わざわざのコメントありがとうございました。
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えいび

Author:えいび
日々の出来事、映画やアニメの感想です。

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