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【時事問題】ハズキルーペのCM

3月9日朝日新聞朝刊の特集記事「サヨナラしたい8つの呪縛」の八回目『「ウケるから」差別潜む表現』より引用します。

 高級ラウンジを思わせる店で、丸椅子に置かれたメガネ型ルーペを女性たちが尻で押しつぶす――。頑丈な製品であることを視聴者に伝えるハズキルーペのCMは、CM総合研究所による作品別CM好感度ランキングで昨年10月度、4千余りの作品の中から1位を獲得した。
 一方で、日本の中にも男女平等な環境をつくることを目的とした市民団体「パリテコミュニティーズ」が昨年12月、インターネット上で募った「#女性差別大賞2018」では、ハズキルーペのCMが531票を得て広告部門で1位になった。「ニヤニヤしたおっさんの顔が浮かんで本当に嫌」「女性からのNOを伝えていかなければ」。そんな声が寄せられたという。
 ハズキルーペを販売するハズキカンパニーは、女性出演者は自らの意思でオーディションに応募しているなどとして、「セクハラなどの批判は全く的外れ」「映画と同様作品として作っている。裸婦の絵画を見てエロというのと同じ」と朝日新聞の取材に答えた。
(略)


私も今流れているハズキルーペのCMはちょっと下品だなと感じていました。その上でハズキカンパニーの言い分を検討してみたいと思います。

女性出演者が自分の意思で応募しているから「セクハラなどの批判は全く的外れ」というのは、そっちの方こそ的外れです。

市民団体が主張している(と思われる)のは、CMを見た人が性的表現に不快さを感じるということであって、出演者が嫌がらせを受けているという告発ではありません。オーディション云々は言い訳として成立しません。

「映画と同様」というのは意味が分かりにくいです。監督がいて照明やカメラがいて演出がいて演者がいる、という程度の意味なら確かに「映画と同様」ですが、まさかこういう意味ではないでしょう。

ストーリー上性的表現は必然である、という意味でしょうか。ちょっと前にやっていたハズキルーペのCMは、父娘が食事をしていてうっかり娘がハズキルーペをお尻でふんずけちゃいますが丈夫なのでよかった、というもので性的表現といえばその通りですがストーリー上の必然性がありますしかし、今のCMは、脈絡なく女性たちが順にお尻で押しつぶすてみせます。

「映画と同様」とは言えません。

「裸婦の絵画を見てエロというのと同じ」という理屈はどうでしょうか。

昔の西洋絵画では裸婦は神話や聖書を題材にして描かれました。ようするに言い訳です。近代になると、マネがピクニックをする現代男女の絵のなかで女性だけが裸という絵を描いてスキャンダルになります。我々がこの高名な絵を見てもエロいと思わないのは立派な西洋絵画であるという刷り込みのせいです。同時代でリアルタイムに見た人には十分エロと思われます。

日本では春画が異常な発達をとげますが、その割に明治期に西洋人は裸婦を芸術として鑑賞することを知って困惑しました。裸婦はエロだと思っていたのでしょう。近年、西洋人が春画を芸術として評価し始めると、日本人も追随して春画の展覧会が開かれたりしています。

現在では確かに裸婦画をみてエロと直結される人は少ないですが、絵画史の経緯を見てわかるように、裸婦を見てエロと感じるか否かは古今東西で基準は揺れ動きます。

一般論みたいに「裸婦の絵画を見てエロというのと同じ」と片付けられる問題ではありません。

ハズキカンパニーの反応は、ちょっとズレているように思いました。
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