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【朝日新聞】性犯罪者の再犯防止策

4月5日朝日新聞朝刊オピニオン欄「耕論」のコーナー。「性犯罪、再犯を防ぐには」は、福岡県が大阪府に続いて元受刑者に住所届け出義務を条例で定めたことを受け、性犯罪者の再犯を防ぐ手立てについて考えます。

性障害専門医療センター代表理事・福井裕輝氏の「実社会での治療が重要」より引用します。 

 性犯罪者の住所を把握しても、再犯を防ぐための治療など社会復帰支援に生かされなければ、意味がありません。
 福岡県の条例は、2012年に施行された大阪府の条例を参考にしています。私は大阪府の条例づくりにかかわり、「元受刑者の住所の届け出は、社会復帰支援とセットであれば意義がある」と話しました。
 しかし施行から5年半で届け出たのは121人。対象者の一部に過ぎず、支援を受けたのはそのうちの約4割といいますから機能しているとは思えません。具体的な支援の中身も開示されていません。
 10年以上前から性犯罪者の治療を専門に行っています。きっかけは、父親から性的虐待を受けていた中学生を診たことでした。被害者だけを治療しても、根本的な解決にならないと気づいたのです。被害者をなくすには、加害者をなくさなければなりません。
 性犯罪者の多くは依存の状態で、他の犯罪に比べ再犯率が高いのが特徴です。犯罪のきっかけや、「被害者も喜んでいる」といったゆがんだ考え方を調べ、行為を押しとどめる方法などを学ぶ「認知行動療法」と、性欲を抑えたり攻撃性を下げたりする薬を飲む「薬物療法」が治療の柱です。公的医療保険がきかないので、すべて自己負担です。自分で性衝動をコントロールできるようになるまで、通常3~5年はかかります。
 2月だけで360人の患者を診ました。元受刑者だけではなく、その前段階の罰金刑や執行猶予がついた人たちが多くを占めます。治療をきっちり続けている患者の再犯率は、3%以下です。
 治療で再犯を防ごうとするのは、世界的な流れといえます。住所の届け出義務化は、海外では犯罪者の監視や隔離を目的に30年以上前に始まりましたが、あまりうまくいきませんでした。
 お手本になるのはカナダで、性犯罪の受刑者を刑期の途中で釈放し、国が費用を持って治療を受けさせています。アメリカでは、州によっては裁判所が実刑ではなく、治療命令を出して社会復帰を促すケースがあります。
 日本では法務省が06年から、刑務所や、服役後の保護観察所で再犯を防ぐプログラムを始めました。しかし刑務所内でいくら治療しても、まったく効果はありません。実社会で治療しなければ、自ら性欲をコントロールする力はつかないのです。保護観察所での治療も期間が短く、効果が期待できません。
 「罪を犯した人を治療するのはおかしい」という声がありますが、刑罰で責任をとらせることと、再犯を防ぐことは別物です。治療を含めて、居場所を用意する、定職につけるよう支援するなどの社会政策が再犯防止へとつながります。



結論部分にある、犯罪者にも治療が必要だという意見には賛成します。

罰は罰として科さなければいけませんが、再犯を起こさせないようにすることも同時に重要です。治療によって再犯率が下がるのであれば、税金の投入が無駄とは思いません。


しかし、住所を届けなければならない(再犯の危険がある)人間を仮釈放させるべきではない、と思います。

刑期を満了した受刑者(この場合は元受刑者)であるなら、刑罰は終了しているのですから、その他の義務(住所の届け出など)を義務化するのは、疑問があります。刑期を満了したということは罪を償ったということですから、一般市民と同等に扱うべきです。

刑期を満了しても再犯の恐れがあるというのであれば、それは刑期が短いということに他なりません。

性犯罪の処罰が軽すぎたり(刑期が短い、罰金で済ませている)甘すぎたり(仮釈放が認められる)するのが問題の本質なのかもしれません。


日本では法務省が06年から、刑務所や、服役後の保護観察所で再犯を防ぐプログラムを始めました。しかし刑務所内でいくら治療しても、まったく効果はありません。実社会で治療しなければ、自ら性欲をコントロールする力はつかないのです。

実社会で治療しなけばならないという主張には根拠が書かれていないので、賛成とも反対とも言えませんが、根拠のない主張には説得力がありません。

再犯の危険があるのに実社会で治療させるとなると、市民社会はある程度のリスクを背負うことになります。したがって効果と必要性を説明してもらわなければ賛成はできません。


元受刑者だけではなく、その前段階の罰金刑や執行猶予がついた人たちが多くを占めます。治療をきっちり続けている患者の再犯率は、3%以下です。

治療を受けていない患者の再犯率が書かれていませんが、おそらく3%を超えているのでしょう。そこから治療することの意義を言いたいのだと思います。

しかし、この主張に統計的意味はありません。

治療をするかしないかをランダムで決めているのではなく、本人の意思にまかせている以上、きちんと治療を続けているのは比較的遵法精神の高い人間のグループです。治療を受けていないのは、治療が必要性を感じていなかったり、決まりを守る意思のない人間のグループです。前者のグループの再犯率が低いのは当たり前で、治療の効果の裏付けにはなりません。
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