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【テレビ】フランケンシュタインの誘惑E+  第七話「愛と憎しみの錬金術 毒ガス」

Eテレにて放送。

主人公はフィリッツ・ハーバー(1868~1934)です。ドイツの化学者で毒ガスの父ともいわれていますが、空気中から窒素を取り出す、つまり空気から肥料を作り出す方法を確立したことで農業生産に革命を起こしたという偉大な業績を残しています。

1868年:ユダヤ系ドイツ人として誕生
1871年:ドイツ帝国建国。ユダヤ人でも功績があれば国に認められるという熱狂がユダヤ人社会に渦巻く
1907年:空気中から窒素を取り出すことに成功。この技術は現在に至るまで使われている
1913年:カイザー・ウィルヘルム物理化学・電気化学研究所の所長に就任。多くの化学者がハーバーの下で働く。その中にはアインシュタインもいた。
1914年:第一次世界大戦勃発。ハーバーの窒素を取り出す技術を応用して火薬の生産が始まる。そしてハーバーは毒ガス開発に乗り出す。妻クララ(結婚前はブレスラウ大学で女性初の博士号を化学で取得しているが、結婚を機に家庭に入る)から毒ガス開発で非難される。アインシュタインからも毒ガス開発をいさめられる。伝記によれば、妻に「科学者は平和時には世界に属するが、戦争時には祖国に所属する」と反論。
1915年4月22日:ベルギー・イッペルで世界初となる毒ガスの実戦投入。中毒者1万4千人。死者5千人。
1915年5月11日:戦場から一時帰郷したハーバーは妻と毒ガスのことで言い争いになる。
1915年5月12日:未明に妻クララが拳銃で自殺
その後もハーバーは次々と新種の毒ガスの開発を手掛ける。連合国側も毒ガスで応戦する
1918年:ドイツ敗北。第一次世界大戦終結。
1918年:ハーバーがノーベル化学賞を受賞(窒素を取り出す研究による)
1933年:ナチスが政権をとり、ユダヤ人の迫害がはじまる。ハーバーはそれまでの功績が認められ追放を免除されたが、同僚のユダヤ人研究者は全員追放された。ハーバーはこれに抗議し研究所を辞職。
1934年1月29日:エルサレムに向かう途中スイス・バーゼルで死去。遺体は妻クララと同じ墓に葬られた
ナチス政権は、ハーバーの開発したチクロンBでユダヤ人を虐殺。ハーバーの親族や研究仲間も犠牲になる
1953年:カイザー・ウィルヘルム物理化学・電気化学研究所はフィリッツ・ハーバー研究所と改称
1980年-1988年:イラン・イラク戦争で、イラクが神経ガスを使用。毒ガスが「貧者の核兵器」であることを実証する
1995年:東京で地下鉄サリン事件。毒ガスによるテロ事件。

■感想
原爆だの水爆だのナパーム弾だのの開発者は人殺しに直結した発明ですので、称賛したくないのですが、ハーバーの窒素を取り出す研究は人類を飢餓から救った発明だと素直に認めざるを得ません。

そしてアメリカで殺戮兵器を開発した科学者たちは、自分の発明を国家のためだと、あっけらかんとと誇っていました。内心はともかくそう強弁できました。それに対して、ハーバーには祖国ドイツに裏切られたという悲劇があります。また研究のことで妻に非難され自殺されるという苦悩を引きずっていたようです。

そのため、毒ガスの父とは言え、単純に非難したくない思いにとらわれました。


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