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【朝日新聞】記者有論:震災が生んだ覚醒と熱病

10月5日 朝日新聞朝刊オピニオン欄の「記者有論」より

引用します。

先日、届いた茶封筒には、切り裂かれた朝日新聞が入っていた。「次のターゲットにならなければいいですね」と印字された警告文と一緒に。
 韓流ドラマやKポップを放映してきたフジテレビを「偏向」と批判するデモ行進を取材し、記事(東京本社版)を掲載したのは9月初めのことだ。
 インターネットの掲示板やツイッターで呼びかけられたデモを「嫌韓」と位置付け、「デモの方こそ偏向してないか」とまとめたのに反発したのだろう。ネットには直後から、私を「売国奴」などとののしる書き込みがあふれた。
 そのデモがいまも続く。フジテレビのあるお台場に加え大阪、名古屋でも、日の丸を手にした人々が集結した。10月にも計画されている。
 放送局が韓流コンテンツをもてはやす背景には、その魅力と同時に安さがある。広告が減る中、経費圧縮の一役を買っているわけだ。確かに、こうした制作側の論理に、異論はあっていい。だが、「偏向」「売国」という時代がかった言葉を相手に投げ付け、熱くなる問題ではない
(中略)
 背景には震災の影響がある、と私は思う。
 3・11は、人々とメディアの関係を決定的に変えた。原発事故をめぐり二転三転した政府の説明や、あふれる報道をどう受け止めるか。ネット社会では、市民が知恵を出し合い、情報を補い、異議を唱え、受け取った人々が拡散させる習慣が根付きつつある。
 ある意味、私たちは覚醒したのだ。政府や従来メディア発の情報が全てではないと。それは健全な認識だ。だが一部に、ネットを万能視して、従来メディアを全否定する冷静さを欠いた議論もある。
 情報の海で溺れそうになると、人は時に声高な主張やデマにすがる。放射能リスクゼロを求め、福島産花火を中止させる批判の炎上と、韓流の排除を求めるデモは、共に覚醒の裏返しの熱病なのだ。
 ネットはいま、世論の等身大の可能性ともろさを映し、拡散を加速させている
西本秀(社会部)


>「偏向」「売国」という時代がかった言葉を相手に投げ付け、熱くなる問題ではない。

「売国」はともかく「偏向」は時代がかった言葉ではありません。メディアにとって「偏向」は常に今日的な問題です。また西本氏自身が「デモの方こそ偏向してないか」と自分の記事で使っています。他人が使うと「時代がかった言葉」と非難するのは失笑ものです。


>放送局が韓流コンテンツをもてはやす背景には、その魅力と同時に安さがある。広告が減る中、経費圧縮の一役を買っているわけだ。確かに、こうした制作側の論理に、異論はあっていい

デモは韓国ドラマが多いことに文句を言っているわけではないと思います。テレビ局が自分でブームを作り出そうと無関係の番組で韓国ネタを垂れ流していることへの批判です。もともとネットではこうしたマスコミ主導のブーム創造に批判的な声がありました。あたり前かもしれませんがマスコミは自身を批判しないので、批判はネット上で噴出します。かつて、あるテレビ局が猛プッシュしたボクシング選手一家への批判がネットで先行したのが一つの例です。

ブームの創造とは、はやっていないものをはやっていると言うわけですから偏向にほかなりません。しかし、フジテレビがそれを認めないために、さらにネットユーザーの怒りの火に油を注ぐという構造です。経費圧縮のために韓国ドラマを流している、というのは一面的な理解です。

こう考えないと、デモ参加者がアメリカ製ドラマの放送に苦情を言わないことの説明ができません。

実は、アメリカ製ドラマに文句を言わないで韓国製ドラマに文句を言うことに、もう一つの説明が可能です。それはデモ参加者が、韓国を差別しているというものです。確かにデモ参加者の中には韓国が嫌いな人も混じっているかもしれません。嫌いなだけでなく差別感を持っている人もいるかもしれません。しかし、すべてが差別主義者だと断定するには根拠に欠けます。マスコミ主導のブーム創造が嫌悪感を生んでデモにつながった、と解釈したほうが自然です。

よって、東日本大震災を契機に生まれた報道の真偽を疑う気運が背景との西本氏の前提の考えは間違っています。前提が間違っているのですから「裏返しの熱病」だの「拡散を加速させている」だのといった指摘も間違いです。

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