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【朝日新聞】「身の丈」発言

11月6日朝日新聞朝刊オピニオン欄。「耕論」のコーナーは、先の文科相の「身の丈」発言を取り上げています。その中から早稲田大学准教授・松岡亮二氏の『「教育格差」のデータ無視』を引用します。

「身の丈」発言の後、萩生田さんは国会で「エールのつもりだった」と釈明していました。おそらく、あの発言に悪気はなかったのでしょう。
発言の背景には、萩生田さんの考える「教育格差」とは、本人の志・能力・努力によって乗り越えられる程度のものだ、という認識があったのではないでしょうか。とすれば、それはデータが示す実態とは異なります。
(略)
親の学歴を含む出身階級や出身地域によって、子どもが大学に進学しようと考えたり、日頃の学習意欲を持ったりすることに大きな格差があることは、多くの実証研究で明らかになっています。
例えば、今年発表した私の研究では、中学1年で子どもが大学に進学することを期待する割合は両親が非大卒だと23%、一方の親が大卒だと41%、両親が大卒だと60%と明らかな差があり、親が大卒であるほど、子どもの学習時間も長いことがわかっています。
社会経済的に恵まれない家庭の子どもたちは、ある時点で勉強を諦める傾向もあります。社会構造による教育格差があるのに、「勉強には向いていない」と自身の可能性を低く見積もり、自分から「身の丈」で生きていこうとしているのだと思います。
(略)
問題の根本は、これまでの「教育改革」が、データの蓄積や分析なしに、「これからはグローバル時代だ」といった理念で進められてきたことです。共通テストの国語と数学の記述式問題も、マークシートでは能力が測れないから導入するとのことですが、それはどの研究に基づくのでしょうか。理念先行で、ドーンと制度変更し、検証しない。そんな「改革のやりっ放し」はもうやめませんか


結論部分である、データの分析をしない理念先行の改革はやめるべきだ、との主張には賛成です。

しかし、親の学歴によって子どもの進学の期待率が変わることを「格差」と問題視するのには違和感があります。

親が高学歴だと、子供にもそれを期待する率が高くなるというのは不思議ではありません。スポーツ選手の親だったら子供にスポーツをやらせたがる率が高いかもしれませんが、それは「格差」とは呼べません。

親が非大卒だと、子供が誰も(あるいはほとんど)大学に行かなくなるということではありません。志や能力・努力で進学している人はいくらでもいます。

親が期待していないという環境は、本人の志・能力・努力で乗り越えられるものです。一方で、高額な受験料を必要とする制度変更は、志・能力・努力では乗り越えられません。別の問題をいっしょくたにしています。

親の意欲の違いまで平等にしようとするなら、子供を家庭から切り離して社会で育てる以外方法はありません。そういう社会は平等かもしれませんが、いわゆるデストピアです。

ところで、どうでもいい話ですが、松岡氏の生年(つまり年齢)が紹介欄に書いていません。この欄に登場する執筆者は女性では生年を記載しないことが多々あります。女性は年齢を言いたがらないからだと思います。しかし男で生年を書いていなかったのは私の記憶にあるかぎり松岡氏だけです。なんででしょう?
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いわゆる「共同幻想」

 工業高校
 農業高校
 商業高校
などの評価をきちんとすべきです。
現在の評価は低すぎるのでは?

1990年代からはびこる宗教ビジネスと教育ビジネス。手を挙げれば大学に入学できて、むしろ、大学のなかには受験生確保のために広告をあちこちに。コンビニの店内放送まで
営業を強化して、業績UP?

宗教と教育。高齢者が中心になる社会では起こりがちな現象のような気もいたしますが、とくに大学。
 進学することに何の意味があるのか?
って疑いたくなるようなところも。

薬学部6年制 学費だけで1200万円くらい? 6年間の生活費を考慮すれば、2000万円はくだらない?
でも、なかには???!!!という大学も。

ところで、工業高校
ここへの進学を希望する中学生が少なく難易度も低いようですが、ここでしっかり学び、その上で大学に進学したければ進学。そのまま就職するひとはそちらへ。いずれにしろ、生涯賃金ではほとんど変わらない、むしろ高くなるケースもある、ということがきちんと証明され、制度として定着すれば、人生設計のモデルになるのでは? そのためには、現行の入試制度を変える必要があります。

日本のモノづくりを維持するためには、理系青年の育成が急務の課題。

国立の高等専門学校も中途半端。
・3年修了時に大学進学のルートを設定
・5年修了時に進学と就職。受け入れ大学の確保
など、もっと積極的になさったらいかがでしょう?
現在、長岡や豊橋の科学技術大学を中心に高専の学生の進学先は安定的に発展しているようですが、むしろエリート教育という観点からの見直しが必要では?

試験問題の見直しよりも、
・実業系高校の再評価
・理系学生を育成するための教育システムの構築
などが優先的に論じられるべきだと思います。

また、大学に進学して出世する、という幻想も、もう終わりなのでは?
作家や国会議員の世界では、すでに学歴崩壊!
あたりまえですけど、、、大学って、使われる能力を磨くところでしょ?
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えいび

Author:えいび
日々の出来事、映画やアニメの感想です。

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